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労働基準法

 労働基準法とは、会社と労働者というあまりにも不均衡なパワーバランスを調整し、 労働者の権利、利益を守るための法律です。しかし、労働基準法に違反する会社はあまりにも多く、 労働基準法を守っている会社のほうが圧倒的に少ないです。

 実は労働基準法とても厳しい法律です。もしも労働基準法を完全に守らせた場合、 倒産する会社が続出します。法律が間違っているのか、そもそも人を雇うこと自体が間違っているのかはここでは議論しません。

 

労働基準法違反例

 労働基準法違反を挙げていきます。 労働基準法の違反例はいたるところにあります。意外な違反例もあることでしょう。

 

出張は残業代を出さない

 出張に出て直帰する場合は、残業代を出さないという会社がとても多いです。 会社の言い分としては「電車や飛行機に乗っている間、仕事をしていないのだから残業代は出さない」 というものです。しかし、残念ながら移動中も仕事中です。

 残業代というものは、何をしたかではなく時間を拘束したことについてお金を払うものだからです。 会社の指示で出張している以上、少なくとも会社に戻った場合、何時に帰着になるかを計算し、 その分の残業代は出さなければならないのです。

 

昼休みに電話番をさせる

 昼休みに電話番をさせるのは、実は労働基準法違反です。 休憩時間は完全に自由でなければなりません。 なんなら、休憩時間中に帰宅してもかまわないくらい自由でなければならないことが、定められています。

 電話番は会社の指示で行っている限り、その時間は休憩時間ではありません。 つまり、その間も給料が支払われなければなりません。 電話番をさせておいて別に休憩時間を設けず、残業代も支払わない会社は労働基準法違反です。

 

強制の飲み会やゴルフ

 強制の飲み会や強制のゴルフは残業代、または休日出勤手当が支払われなければなりません。 上司の指示で行っている限り、仕事なのです。もっといえば、上司の指示で缶コーヒーを買いに行っている間も仕事です。 飲み会やゴルフなど、遊びだと思っていても、上司の指示で残業代も休日出勤手当も出ないなら、労働基準法違反です。

 しかしこれを徹底すると上司と仲良くなって遊びにいくだけでも、 残業代や休日出勤手当を出さなければならないことになります。 なかなか難しい規定ですね。

 

月45時間以上の残業

 残業は残業代を支払っていればいいと思っているのは、間違いです。 実は残業代を払っていても、労働基準法違反になる場合があります。 まず1つは「36協定を結んでいない」場合です。

 36協定という、残業についての労使協定が結ばれていない場合、残業をさせることは労働基準法違反なのです。 原則として残業は禁止されており、36協定を結んだ場合にのみ、残業をさせることができるのです。

 もう1つは「月に45時間以上の残業」をさせている場合です。 厚生労働省の「時間外労働の限度に関する基準」によれば、1ヶ月の残業の限度は45時間です。

 年に6回までは、限度を45時間以上にすることができますが、もちろん36協定で明記しなければなりません。 年に7回以上、残業が月45時間を超えている場合、それは労働基準法違反です。

 

退職できない

 退職させないのも、労働基準法違反です。労働者は辞める2週間前に退職することを伝えれば退職できます。 「退職する」といって2週間経てば、会社を辞めることができるのです。これは労働者の権利です。

 しかし会社によっては「引き継ぎが済んでいない」「1ヶ月前に言うのがマナーだ」などと言って、 退職までの期間を引き延ばそうとします。しかし、これに応じる必要はありません。 2週間待てば退職できるのです。

 

名ばかり管理職

 名ばかり管理職とは、「課長」や「部長」という肩書ではあるものの、実際には課長や部長ではなく、 平社員と同じ仕事をしている人のことを指す言葉です。 名ばかり管理職に残業代や休日出勤手当を払っていない場合、労働基準法違反です。

 労働基準法でいう管理職とは、経営者と一体となって利益を追求する立場であり、課や部の人事権、決裁権限があり、 残業代以上の役職手当をもらっており経営の決定権があることが必要とされています。

 会社は「名前が課長や部長ならいいだろ~」などと軽く考えているようですが、 実質的な管理職でなければ、残業代を払わなければなりません。 名ばかり管理職に残業代を支払わないのは、労働基準法違反なのです。

 

労働基準法はパートやアルバイトにも適用される

 労働基準法は正社員のものだと思っていませんか? 労働基準法は、派遣でも非正規でもパートでもアルバイトでも適用されます。 「非正規だから仕方がない」と諦めてしまってはいけません。

 パートやアルバイトに有給休暇を与えない会社は、労働基準法違反です。 有給休暇は正社員のみの権利ではなく、労働者すべての権利です。 コンビニアルバイトでも、ピザ宅配アルバイトでも、有給休暇はあります

 半年働いた労働者には、有給休暇を10日間付与しなければなりません。 パートやアルバイト、派遣など非正規雇用の場合、有給休暇が付与されないことはよくあります。 しかし実は立派な労働基準法違反なのです。

 そして連続勤務も規制されます。 労働基準法では週に最低1日は休日を与えなければならないことになっています。 その1日すら休日出勤させる場合、法定休日出勤になりますので時給は135%支払わなければなりません。

 もちろん休日出勤には36協定が必要となります。 36協定を結ばすに13連勤以上させた場合、労働基準法違反となります。 13連勤させて、時給に割増がかかっていない場合も、労働基準法違反です。

 

労働基準法は公務員も守っていない

 国家公務員は、残業代をもらっていない場合が多いです。 実際には月に100時間以上の残業をしながら、40時間分の残業手当しかもらっていないという場合もあります。 こういった場合、公務員は労働基準法を完全に無視しています。それはなぜでしょうか。

 公務員には労働基準法が適用されないからです。

 国家公務員法、地方公務員法には残業代の定めはありません。そして公務員は労働基準法適用除外です。 つまり、残業についての規定がないのです。禁止されていないどころか、上限もありませんし、 残業代を払わなければならない規定もありません。

 予算がつかない限り、公務員は残業代をもらうことができません。 労働者に認められた権利のほとんどを、公務員は権利としては持っていないのです。

 もちろん省庁の制度として残業手当を受け取ることはできます。 しかし、予算がつかなければ「予算の限度内で働いた」ことにされるだけです。 国家公務員は特に、ブラック企業並みの待遇な場合が多いです。

 さて、労働基準法は厚生労働省の管轄です。しかし厚生労働省は労働基準法が関係ありません自分を守ってくれない法律について、熱心に守らせることができるでしょうか?

 一見厳しすぎるような労働基準法を制定しながら、実際にはたくさんの会社が労働基準法違反を繰り返しています。 しかしその違反を抑制するはずの厚生労働省自体がブラックなのです。

 逆に言えば、労働基準法を厳しすぎるくらいにしておかないと、 労働基準法など誰も守らないということです。