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就活の本質

 大学3年生になると、就活が始まります。なんとなく進学、進級、就活、卒業と時は流れていきます。 しかし、就活に成功する人ばかりではなく、高学歴でも就活に失敗する場合だってよくあります。

 就活と学問はやり方が違うのに気付かず、就活の本質を見極めないまま「高校受験」「大学受験」の感覚で就活をしてしまうために、高学歴でも就活に失敗してしまうのです。 「就活」とはいったい何なのでしょうか?今回は就活の本質について考えてみたいと思います。 

 

就活とは?

 就活とは、「就職活動」の略語で、大学卒業年度に近づいた大学生が、 卒業後に働く会社を探し、採用試験を受けて、卒業後の4月1日に正社員として採用してもらう約束をとりつける活動を意味します

 通常、就活は大学3年生の6月に始まる「インターンシップ(就業体験)の応募に始まり、会社説明会に参加し、 エントリーシート(履歴書)を送り、筆記試験(WEBテスト)を受け、面接を受けるという「採用試験」を受けます。 この活動は「4月1日から採用します」という「就職内定」をもらうまで続き、就活が終わるのは大学4年生の8月~10月ごろです。

 しかし以上は、「就活」の「表面」を説明したものにすぎません。果たして「就活」とは単に「正社員として採用してもらう約束を取り付ける活動」なだけの話なのでしょうか

 大学受験のときに「大学合格はゴールじゃない」と言われたことがある人は多いのではないでしょうか。「大学に入って何をしたいのか考えろ」と言われることがあったと思います。 これは実は、就活でも同じです。「正社員として就職する」ことがゴールなのではありません。特に就活の場合は、そのような意識で活動していると必ず失敗します。

 大学受験はまだ、筆記試験で良い点を取れば合格する世界でした。しかし、就活となると話は別です。 就活は筆記試験の比重は軽く、面接こそが本番です。「ビジネスマナー」「就活に有利な資格」「TOEICスコア」といった「スキル」を身につけて就活に望む大学生が多いですが、 就活の本質は「スキル」ではありません

 同様に、「有名大学に通っているから大丈夫」と思っている学生も見受けられますが、それも間違いです。確かに高学歴であればあるほど、書類選考に通過する確率は高くなります。 しかし、それは「面接を受ける権利が得やすい」だけであって「内定がもらえる可能性が高い」わけではないことに注意しなければなりません。 就活の本質は、スキルでも、学歴でもないのです。

 では就活の本質は何でしょうか。

 

就活の本質

 就活の本質は、「将来の夢を実現すること」です。これを「就職活動の軸」とも呼びます。 将来の夢だとか、就職活動の軸などというと仰々しいですが、要は「やりたいことをやるために就職する」というだけの話です。 これが抜け落ちたまま就活をしても、成功はしません。

 なぜ就活の本質が「将来の夢」なのかというと、「40年間働く」ことが前提で、特に大卒総合職は将来の「経営者候補」だからです。 つまりは、将来的には課長になり、部長になり、本部長になり、取締役、常務取締役、専務取締役、代表取締役社長と出世していくことを期待されて採用されるわけです。 もちろんみんながみんな社長になれるわけではありませんが、そもそも大学生の時点で「社長には絶対になれないな」などと思われてしまってはそもそも就職すらさせてもらえません。

 そのため就活では、ただ「上司に従って真面目に働くこと」だけをアピールしても仕方がないのです。 多少生意気でも、「意識高い系だ」と思われても、「ビジネスがやりたい!」と言えなければなりません。 この「ビジネスがやりたい!」を根拠づけるのが「将来の夢」なのです。

 しかし、大きな夢を語るだけではやはり不足です。夢を語るには、説得力が必要です。 その「将来の夢」を実現できると面接官に納得させる手段が「エントリーシート(履歴書)」であり、「面接での受け答え」なのです。 ですから、ロジカルなエントリーシートをつくっていく必要があります。

 ロジカルなエントリーシートをつくるには、自分自身のこれまでの活動を振り返ってみる必要があります。 将来の夢を実現するために今まで何をしてきたでしょうか。そして、これから夢に向かって何をするつもりでしょうか。 夢の実現に足りないものは?役立つことは?

 このように自分自身の歴史の振り返りをすることを「自己分析」と呼びます。自己分析をすることで自分の「将来の夢」を言葉にし、 「将来の夢の実現のためには御社で働かなければならない!」と力説できるように、説得力をもたせることが当面の課題です。

 

本質思考

 本質思考はマッキンゼーやボストンコンサルティングなどの外資系コンサルタントでよく聞く言葉ですが、就活でも本質思考は重要です。 就活はスタンプラリーではありませんので、単に「みんながやっているから」で会社説明会に参加して、エントリーシートを書いて、面接を受けるのでは不十分なのです。 それぞれの活動には意味があります。活動の意味、目的つまりは本質を理解して活動しましょう。

 本質思考とは、「なぜ?」「それはなぜ?」と自問自答を繰り返して、根本的な理由を見出すことです。 根本的な理由を理解した上で行動することで、正しい目的、正しい意味をもった結果が得られるのです。

 例えば会社説明会。ただなんとなく予約して参加票を提出して座っているだけでは意味がありません。 せいぜい「参加した」という記録が残るだけで、後の書類選考で特に有利になるわけではありません。 そもそも会社説明会に参加する意味はなんでしょうか?どんなメリットがあって会社説明会に参加するのでしょうか。

 それは、「会社のビジネスを知り、他社と比較検討するため」です。例えば富士フイルムは、「写ルンです」で有名です。 会社のホームページをみても、「いろんな事業をやっているんだなあ」くらいにしか思えないでしょう。 しかし実はすでに写真フイルムの会社ではなく、フイルム技術を応用して様々な分野に進出し、「第二の創業」を実現しています。

 ビジネス書でも紹介されるほど有名な事例ならともかく、「ビジネス」をやっている会社なのか、 ただ昔ながらのやり方に固執しているだけの会社なのかは、会社のホームページをみただけではわかりません。 会社説明会に参加して、会社がどんなビジネスをやっていて、同業他社と何がちがうのか、どの会社が一番強いのか、将来性があるのかを研究するのです。

 エントリーシートにももちろん、本質があります

 エントリーシートを「履歴書」と呼ばない理由はなんでしょうか。 エントリーシートは履歴書の就活版です。氏名、住所、連絡先、学歴などを書きますし、志望動機も書きます。それでも「履歴書」とは呼ばないのです。 なぜでしょうか?

 それは、エントリーシートは経歴ではなく、学生の過去と現在と未来を問うているからです。 新卒採用は、職業の経歴は必要ありません。代わりに「学生時代頑張ったこと」という、学生時代の成功体験を求められます。 そして「なぜこの会社を選んだのか」「この会社に入って挑戦したいこと」という、志望動機とは少し違った「自分の未来への抱負」を求められます。

 これだけ理解すれば、エントリーシートをどのように組み立てればよいかわかりますね。

 

就活に必要なのは「将来の夢」と「ロジカルシンキング」

 就活で必要なことは、「将来の夢」と「ロジカルシンキング」の2つです。ビジネスマナーも、TOEICのスコアも、資格も就活の本質ではありません。 ただ「将来の夢」を面接官に説得力をもって主張できる、つまりは「ロジカルシンキング」でエントリーシートが書けることが必要なのです。

 就活を始めるにあたっては、会社探しの前に「将来の夢」を検討しましょう。 お金持ちになりたい、良い車に乗りたい、何歳までに結婚して子どもが何人ほしい、友達をたくさんつくりたいなど、将来の夢はなんでもいいのです。 ただその夢を実現するためにこれまで何を頑張ってきて、これから何をしなければならないのかをロジカルに組み立てていきましょう。

 ロジカルシンキングはやはり外資系コンサルティング会社のマッキンゼーやボストンコンサルティングでよく言われるもので、 ビジネス書でもよく紹介されています。ロジカルシンキングについて詳しく知りたい場合は、 ビジネス書を読んでみるのもいいでしょう。

 大事なことは、「なんとなく」「みんながやっているから」というあいまいな判断は一切なしで、 「こういう理由でこれを頑張った」「こういう理由で御社で働かなければならない」のように、 ロジカルに組み立てていくことです。ビジネスの世界では感情論は一切通用しません。ロジカルシンキングこそがこれからの時代、企業が生き残っていくために必要なことなのです。

 今はまだ、「良いものを作れば売れる」時代に就職した人たちが会社に大勢います。 しかし、課長や部長のように役職についている人は、いわゆる老害とは違うはずです。 そうでなければ昇進などできないはずなのです。

 会社説明会でビジネスの話がなく、ただ売っているだけ。売れているけど理由の説明はなく、ただなぜか売れているだけのような会社は、今後十数年の間に必ず没落します。 入社してすぐ倒産するような会社「ハズレくじ」を回避して、将来性の高い企業に入社できるよう、 ロジカルシンキングを鍛えて説得力のあるエントリーシートが書けるように準備しましょう。