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「社会人」ってそんなに偉いの?

社会人とは、一般的に「社会に参加し、主に労働する人」を指す言葉です。 特に日本では、新入社員に対しては「社会人としての自覚を持て」、学生には「社会人になってから言え」といった形で使われることが多くあります。 また、「俺、社会人だから」という表現のように、自らの立場を誇示するような使われ方をすることもあります。

 このような文脈では、以下のような誤った階級意識が見られることがあります。

 しかし、本当にそうなのでしょうか?「社会人」という言葉の意味と、それにまつわる価値観について、今一度考えてみましょう。



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社会人とは?定義と本来の意味を見直す

 社会人とは何か? 多くの人が「会社勤めをしている人」や「労働者」を思い浮かべるかもしれません。 しかし、そもそも社会人の定義とはどういったものでしょうか。

 

「社会」の本来の意味

 「社会」とは、以下のような人と人とのつながりから成り立つ概念です。

 この言葉は様々な場面で使われます。

 

誤解されがちな「社会人」の定義

 現在の一般的な使われ方では、「社会人」に以下の人々は含まれていません。

 これは「学生や主婦は社会を構成していない」という誤った見方によるものです。

 

本来の意味での社会人

 実際には、社会の構成員とは人と関わりを持つすべての人を指します。

 労働者に限らず、人と関わる全ての人が社会人であると考えるのが自然です。

 

なぜ「労働者=社会人」という誤解が生まれるのか

 労働者が存在できるのは、以下のような他の社会構成員がいるからです。

 それにもかかわらず、「社会人=労働者」と限定的に使われることで、以下のような矛盾が生じます。

 

「社会人は大変だ」という認識の偏り

 よく聞くフレーズに以下のようなものがあります。

 これらは主に会社員(サラリーマン)として働く人々に当てはまる特徴です。

 

労働者以外の社会人たち

 以下のような人々も社会の一員ですが、「社会人」として扱われにくい傾向があります。

 これらの人々は時間に余裕がある場合もあり、「忙しい」や「辛い」といった特徴に必ずしも当てはまりません。

 

「社会人=サラリーマン」の危険な思い込み

 多くのサラリーマンは自分の働き方しか知らないため、「社会」とは労働者、すなわちサラリーマンだと誤解しています。

 この誤解により、次のような意識が生まれます。

 このような意識は差別や排除の温床にもなり得ます。

 

「社会人」は本当に偉いのか?

 社会人=偉いというイメージは、どこから来るのでしょうか?特にサラリーマンがこのような意識を持ちやすい傾向にありますが、その根拠を見直してみましょう。

 

働く人はなぜ偉いと思われるのか?

 サラリーマン的な「社会人」が働くことで発生することは、以下のような点です。

 

この中で特別なことはあるのか?

 上記の行動の多くは、他の立場の人でも行っています。

 つまり、サラリーマン特有の「偉さ」は、実際には経営者の利益に貢献することと、給料を経費としてもらうことに限定されます。

 

納税で偉い?本当にそうか?

 「社会人は納税しているから偉い」と主張する人もいますが、それは本当でしょうか?

 また、消費税に注目すれば、専業主婦や学生の方が高額納税者というケースもあります。

 

結論:「社会人=偉い」は偏った考え方

 働いているだけで偉いという考えは、実態に即していない可能性があります。 さまざまな立場の人が社会を支えており、「社会人」の定義ももっと広く柔軟に捉える必要があるのです。

 

なぜ「社会人」は偉そうに見えるのか?

 「サラリーマン」と「専業主婦」や「学生」の違いは何か――。その大きな違いは、外貨の獲得にあります。 いくら専業主婦や学生が家事を担っても、家族を支える労働者が「お金」という外貨を稼いでこなければ、生活は維持できません。

 

「家庭の大黒柱」としての自覚

 このような背景から、多くの社会人は「自分は家庭の大黒柱である」と自負するようになります。

 確かに、家庭内では大きな責任を負っている存在でしょう。

 

それでも「偉そうにする理由」はない

 とはいえ、その「大黒柱意識」は家庭内に限った話です。他人の家庭の主婦や学生には何の関係もありません

 他人のために特別な貢献をしていない限り、「俺は社会人だから偉い」と胸を張る理由はないはずです。

 

なぜ社会人は「偉い」と言いたがるのか?

 社会人が偉そうに見えるのは、次のような心情からくるものでしょう。

会社のためにやりたいことを我慢し、上司の理不尽に耐えて働いている。
そうして得た給料で家族を養っている。
こんな苦しみを知らない専業主婦や学生より、自分は偉いと思いたくなる――。

 

納税額と「偉さ」の話

 私自身も今では社会人の一人ですが、それでも「社会人が偉い」とは思えません

 私が偉いと思う基準は、納税額です。しかし、ほとんどのサラリーマンが支払う税金は、月々数千円~数万円程度に過ぎません。

 それはまさに「どんぐりの背比べ」ではないでしょうか。

 

本当に偉いのは誰か?

 このような人たちこそが、実際に多くの税を納めており、社会に大きな経済的貢献をしていると言えるでしょう。

 年間数十万円の納税で「偉い」と誇るサラリーマンが、それほど立派な存在であるとは思えないのです。

「社会人」と自称するのはやめよう

 「社会人」という言葉を自称することは、実は少し恥ずかしいことかもしれません。

 なぜなら、「社会人」という言葉を使う人の多くが、「社会」の本当の意味を理解していないからです。

 すべての人が社会の構成員であるという基本を無視し、あたかもサラリーマンだけが社会の中心であるかのように誤解している人もいます。

 

「社会人=会社員」ではない

 「専業主婦や学生よりも社会と接しているから社会人だ」という人がいますが、これは大きな誤解です。

 そもそも、以下のような指摘ができます。

1つの会社で働いただけで「社会」を語るな!
それは「社会人」ではなく「会社人」ではないか?

 

会社員が見ている「社会」は狭い

 サラリーマンが関わるのは、基本的に自分の属する業界とその取引先に限定されます。

 

専業主婦や学生のほうが広い人脈を持つことも

 一方で、会社に勤めていない人たちも、さまざまな形で社会と接点を持っています。

 

「会社に勤めているか」は社会性とは関係ない

 会社で働いているかどうかは、社会との関わりの広さや深さを決定づけるものではありません。 むしろ、社会とは業界を超えて多様な人々が関係し合って成り立っています。

 要するに、あらゆる人が社会の一員であり、社会人なのです。 会社員だからといって高尚でも、崇高でもありません。

 「社会人」と自称することで自分を特別視するのは、かえって恥ずかしい行為になりかねません。 これからは、その言葉を使う前に、少し立ち止まって考えてみましょう。

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著者:村田 泰基(むらた やすき)
 合同会社レセンザ代表社員。大阪大学法学部卒。13卒として就活をし、某上場企業(メーカー事務系総合職)に入社。 その後ビジネスの面白さに目覚め、法人設立。会社経営者としての経験や建設業経理士2級の知識、自身の失敗経験、300冊以上のビジネス書・日経ビジネスを元に、12年間に渡り学生の就職活動を支援している。 →Xのアカウントページ




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