カフェテリアプランとは?【使いにくい福利厚生】
よくある福利厚生「カフェテリアプラン」とは何でしょうか。実は「使いにくい」という問題があり、 特に新入社員など若手には「使えない」場合すらあります。実態がどうなのか、詳しく解説します。
この記事の要点
- カフェテリアプランは、自分で選ぶ福利厚生!
- 若い間はほとんど使えない!
- 実は1人1000円程度の激安アウトソーシングに過ぎない
- 独身寮や家賃手当のほうがよっぽど重要
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カフェテリアプランとは
カフェテリアプランとは、自分で選べる福利厚生制度です!
カフェテリアプランとは、企業が用意した複数の福利厚生メニューの中から、 勤続年数や職能資格に応じて付与されるポイントの範囲内で、自由に福利厚生を選べる制度です。
特徴とメリット
- 自分に必要な福利厚生だけを選べる
- ポイント制で無駄が出にくい
- 選択肢が豊富なため、多様なニーズに対応
例として、NTT東日本のカフェテリアプランでは以下のような選択肢があります。
- 育児支援サービス
- 教育融資
- 食事補助
- リゾート施設の利用
- フィットネス施設利用
- 独身寮・住宅補助
- 財形貯蓄 など
「使わない育児支援よりも、もっとリゾート施設を使いたい」といったニーズにも柔軟に対応できます。
導入している企業例
- NTT
- JR
- JT(日本たばこ産業)
- NTTグループ
- JR東日本
- JT
- 大阪ガス
- みずほ銀行
- 商工中金
- アイシン
- JTB
- トヨタ自動車
- マツダ
- 三菱電機
- 富士フイルム
- 日本製鉄
- 神戸製鋼
- 資生堂
- 野村不動産
- 全日空
- 電通
- ソフトバンク
- 中部電力
- JR東海
- 三井住友銀行
- 三菱東京UFJ銀行
- 三井住友カード
- 日立製作所
- 三菱商事
- リコー
- パナソニック
- 東京海上日動
これらの企業では、現物支給的な福利厚生制度としてカフェテリアプランが活用されています。
デメリット
若いうちはポイント不足で使えない!
実際には若手社員にとって使いづらい制度です。
特に、就職したばかりの時期には付与ポイントが少なく、活用の幅が狭い傾向があります。
よくある問題点
- ポイント不足で住宅補助や独身寮などを選ぶと、他に使える福利厚生が残らない
- 割引チケットなどは、直接登録した方がお得な場合が多い
- 若手社員向けの恩恵が少ないため、利用実感が薄い
例えば、居酒屋やカラオケなどのクーポンはありますが、直接店舗の割引サイトを使ったほうが安いことも珍しくありません。
また、30代~40代の中堅社員になって初めて、十分なポイントで有用なサービスを受けられるようになります。
この制度は「生命保険」と似ており、実際に恩恵を受ける人は限られています。
さらに、福利厚生の数が多いために他の制度(家賃補助・社宅制度など)を見落としがちになる点にも注意が必要です。
激安アウトソーシングに過ぎない
実質1人月1000円程度の価値!
カフェテリアプランは実は格安アウトソーシングサービスです。
企業が福利厚生代行業者に支払うコストは非常に低く抑えられています。
企業向け料金表
カフェテリアプランの企業向け料金表 | |
---|---|
提供会社名 | 社員1人あたりの料金 |
リロクラブ | 550~1000円 |
ベネフィット・ワン | 600円 |
JTBベネフィット | 350~800円 |
上記の通り、月額1000円未満で利用されているケースがほとんどです。
このわずかな金額で、あたかも大規模な福利厚生を提供しているように見せている点が、制度のカラクリです。
本質は「まとめ買いビジネス」
福利厚生業者は多くの企業から契約を集めて、サービスを大量仕入れすることでコストを抑えています。
しかしその結果、社員1人あたりが享受できる実質的な価値は平均1000円程度にとどまります。
もっと大事な福利厚生がある
独身寮や家賃手当のほうがよっぽど重要!
就職活動中に「カフェテリアプラン」が魅力的に映るかもしれませんが、実際にはそれほど重要な福利厚生ではありません。 本当に大切な福利厚生とは、生活コストを直接下げてくれるものです。
重要な福利厚生の例は以下の通りです。
- 独身寮・社宅制度:住居費を大幅に抑えることが可能
- 家賃補助:自由な住居選択を保ちつつ経済的な支援が得られる
- 昼食補助・社員食堂:日々の出費を減らせる
- リフレッシュ休暇:心身の健康を保ち、パフォーマンス向上につながる
- 財形貯蓄・社内預金:計画的な資産形成が可能
- 持株会:奨励金付きで自社株をお得に購入可能
これらの福利厚生は、現金や時間という形で直接的な恩恵が得られるため、生活の質に直結します。
関連記事:
→ 独身寮・社宅は最強の福利厚生
→ 福利厚生の種類|重視するべきはどれ?
たしかに旅行やレジャーの際にカフェテリアプランの宿泊割引が使えると便利に感じるかもしれません。 しかし、家賃や昼食代といった日常的な支出をカバーできる福利厚生の方が、実際には大きな価値があります。
福利厚生の本質は、「使いやすさ」と「実用性」です。企業の制度に惑わされず、長期的にメリットのある制度が整っている会社を選びましょう。
まとめ:カフェテリアプランの選び方
- 制度の中身を冷静に確認する
- 実際の利用可能ポイント数を把握する
- 他の福利厚生(住宅補助など)と併用できるかチェック
カフェテリアプランは一見魅力的な制度ですが、若手社員にとっては使い勝手が悪く、実質的価値も低めです。
就職・転職時には、制度の中身と使いやすさをよく確認して判断しましょう。