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フレックスタイム制度って何?|出勤時刻を少し変えられるだけ

 募集要項に「フレックスタイム制度」と書かれている企業も増えています。 導入企業には例えば、三菱重工、東芝、日立、ソニー、ワークスアプリケーションズ、キリンビバレッジ、NTT、ANA、住友商事、デンソー、トヨタ車体、JFEエンジニアリング、東京電力、富士フイルムなどがあります。

 これがどのような制度なのか想像がつきにくいですよね。 そこでこの記事では、実際にどのような勤務になるのか具体的に解説します。



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フレックスタイム制度とは何か

 フレックスタイム制度とは、出勤、退勤の時刻を自分で決められる制度です。

 普通の企業では労働時間が厳密に定められており、 「朝8時30分に出勤し、夕方17時30分に退勤」という会社が多いでしょう。 基本的にこの間は会社にいなければなりません。

 一方の導入企業では、この「朝11時に出勤」「夜20時に終業」という風に、 本来の勤務時間を自分で変えることができます。

 このように勤務時間を柔軟に変えることができるため「フレックス」という名前がついたのですが、 「1ヶ月の労働時間」自体は変わらないため、いわゆる「時短制度」とは異なります。

 

メリット

 この制度のメリットとしては、労働時間を自分でコントロールできることが挙げられます。 次のような場合に利用すると効果的でしょう。

 このように「仕事の緩急に合わせた調整」「育児・介護と仕事の両立」に有効活用することができます。

 

フレックスタイム制度のデメリット

 この制度のデメリットは、会社に全員が揃わないことです。

 例えば仕事上で何か問題が起きて、「相談したい」「会議を開きたい」とき、 「フレックスタイム出勤だからまだ会社に来ていない」という状況が生まれます。

 これを回避するためにはどうすればよいでしょうか。

 そうです。「フレックスタイムを使わない」ということです。 会社はみんなで仕事をするものですから、全員が同じ時間帯で働いていないと、 会議も打ち合わせもできないのです。

 フレックスタイム制度を導入している会社では、上司からこう言われるでしょう。

 「フレックスタイムを使うときは俺に相談しろ」

 有給休暇と同じで、結局のところフレックスタイムを使えるかどうかは上司によることになってしまうのです。

 

コアタイムとは?

 コアタイムとは、必ず会社にいなければならない時間のことです。 フレックスタイム制度とセットで設定されることがほとんどで、 上述のような「会議ができない」「打ち合わせができない」という問題点を解消するために考え出された制度です。

 このため、「完全に自由出勤」にはなりません。例えば以下のような場合です。

9:00~17:40(コアタイム10:30~15:10)

 このような設定がされている場合、基本の勤務時間は9:00~17:40ですが、 この「始業時間」「就業時間」は自分で変えることができます。 ただし、10:30~15:10の間は必ず会社にいるという制限がつきます。

 この場合、いくら早く帰ろうと思っても15時10分までは会社にいなければなりませんし、 いくら遅く出勤しようにも10時30分には会社にいなければならないということです。

 

フレックスタイム制度の実態

 フレックスタイム制度の実態は、「制度が使えない」「出勤時刻が遅くなっただけ」という人が多いようです。

 いくらコアタイムを設定したところで、制度導入前は朝9時から会議ができていたのが、コアタイムの間しか会議ができなくなるわけです。 会社は社員みんなで働くものですから、他の社員と違う勤務形態をとっていると、業務に支障が出ます。 結局のところ制度導入企業でも、8時30分に出勤し、17時30分に定時を迎えるという人が多いのです。

 一方で制度が使える会社でも、「暇な時期」というのはそう多いものではありません。 結局のところ1日8時間では足らず、もっと長く働くことになります。

 フレックスタイムでは8時30分には出勤しなくてもよいので、コアタイムの始まるギリギリに出勤します。 その後は仕事が終わらないので結局夜まで仕事をするわけです。

 つまり「残業時間を減らす」にはつながらず、 フレックスタイムを導入しても出勤時刻が遅くなっただけで、 労働時間そのものは変わらなかったという会社も多いです。

【関連記事】 残業なしはキツい!|実体験を元に残業時間の目安を解説

 「進んでる!」と思われがちなフレックスタイム制度ですが、 実際のところうまく使いこなせている会社は少ないというか、 そもそも会社という仕組みにマッチしていない制度のようですね。

 使いにくい制度と言えば他に「カフェテリアプラン」という福利厚生があります。 MY就活ネットではこちらのメリット・デメリットについても解説していますから、 企業選びで目を奪われてしまわないように、知識をつけておきましょう。

カフェテリアプランとは?|使いにくい福利厚生

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著者:村田 泰基(むらた やすき)
 合同会社レセンザ代表社員。1989年生まれ。大阪大学法学部卒。2013卒として就活をし、某上場企業(メーカー事務系総合職)に入社。 その後ビジネスの面白さに目覚め、2019年に法人設立。会社経営者としての経験や建設業経理士2級の知識、自身の失敗経験、300冊以上のビジネス書・日経ビジネスを元に、11年間に渡り学生の就職活動を支援している。 →Xのアカウントページ