【ブラック企業の労働組合】組合の強い会社に行こう!
労働組合が強い会社はブラック企業ではない? ホワイト企業との関連性や、会社に組合がなくても個人で加入できる外部労働組合の仕組みをわかりやすく解説。 自分の働く環境を守るための知識と選択肢がここに!
この記事の要点
- 労働組合は、社員の権利を守るための団体!
- 組合と会社がズブズブな場合が多い
- メーカーは労働組合が強い!
おすすめ・人気記事
労働組合とは?
従業員の権利を守るための団体!
労働組合とは、従業員の権利を守るための組織であり、労働条件の改善や経営者との交渉を行います。
- 主な目的は「労働条件の向上」と「従業員の保護」
- 経営者と対等に交渉するための集団的な力を持つ
- 賃金交渉、労働時間の調整、職場環境の改善などを行う
ユニオンショップ協定と労働組合への加入義務
多くの企業では、ユニオンショップ協定と呼ばれる労使協定が結ばれています。
- この協定により、入社と同時に労働組合への加入が義務付けられる
- 労働組合に加入しない場合、解雇対象となることがある
- 結果として、社員は強制的に労働組合に加入することになる
組合費とその使い道
労働組合に加入すると、給与から組合費が天引きされます。 天引きの額はおよそ基本給の2~3%程度で、初任給が20万円の場合、組合費は約4,000円ほどになります。
組合費の用途
- 組合活動の運営費
- 組合誌の発行
- 労使交渉やイベント費用など
組合役員の活動内容
大企業などでは、専任の組合役員が常駐しています。 専任になった場合、通常業務は行わず、労働組合の業務に専念することになります。
主な活動内容
- 賃上げ交渉(ベア要求)
- ボーナス交渉
- 残業時間や労働条件の調整
- 社内イベントの企画・運営
- 経営者との定期会議
労働組合の加入対象と管理職の扱い
労働組合に加入できるのは基本的に平社員までです。
- 課員・主任・係長・課長補佐までは加入が義務
- 課長以上の管理職になると、自動的に脱退が必要
- 管理職からの脱退後も、解雇されることはありません
ブラック企業と労働組合の実態とは?形だけの組合とズブズブな関係
機能不全に陥っているケースあり!
ブラック企業における労働組合の存在は、必ずしも従業員の味方とは限りません。 むしろ、会社と労働組合がズブズブの関係にあるケースも多く、労働者の権利が守られない実態があります。
形だけ存在する労働組合
- ブラック企業でも一見、労働組合は存在します。
- しかし、その活動は形ばかりで、実質的には会社側に従属しています。
- 給与・ボーナス交渉をまともに行わず、経営者の意向に従うだけの組織となっていることが多いです。
組合活動への圧力と報復
ブラック企業では、労働組合が会社に逆らおうとすると、以下のような圧力や報復が加えられることがあります。
- 活動メンバーの査定を下げる
- 給与カットや解雇といった処置
- 出世ルートから外すなどの不利益な扱い
これらは明確な違法行為ですが、ブラック企業は「訴えられなければ問題ない」と高を括っているのが現実です。
労働組合が機能しない理由
ブラック企業では、労働組合が以下のような「活動の自粛」を強いられる傾向があります。
- 昇給や賞与の要求をしない/小額に抑える
- 経営判断に反抗しない
- 人事権をちらつかせて沈黙を強要する
その結果、従業員を守るべき労働組合が、経営者の味方となり社員を守らない組織と化してしまうのです。
出世と組合活動は両立しない現実
ブラック企業に限らず、いわゆるホワイト企業でも労働組合が機能不全に陥るケースがあります。特に以下のような企業ではその傾向が顕著です。
- 銀行・証券会社・投資銀行
- IT企業
- 総合職・一般職しか存在しない企業
労働組合が形骸化する理由は、総合職は出世が最優先であり、労働組合で積極的に活動すると、役員に嫌われて昇進できないという予測が立つためです。 また、一般職は待遇に満足しており、組合活動に無関心なことが多いです。 つまり、現業職の少ない会社では労働組合が形骸化しやすいということです。
このような場合、労働者を守るための「セーフティネットが存在しない」ことになります。 ブラック化が加速し、退職者が増える一方で新規採用も困難になっていきます。
労働組合が強い会社はホワイト企業!その理由とは?
労働組合が「あるだけ」では不十分!
「労働組合がある=ホワイト企業」とは限りません。 大切なのは、“労働組合がどれだけ強く機能しているか”です。
単なる形式的な組合では、社員の待遇改善や職場環境の改善は期待できません。 本当に社員を守ってくれるのは、強い労働組合を持つ会社です。
労働組合が強い代表的なホワイト企業
労働組合が強く機能している企業の代表例には、JR東海、JR西日本、JR東日本などがあります。
- 国鉄時代から続く強力な労働組合が存在。
- ストライキを行い、賃上げや待遇改善を実現。
- 労働者の権利を守るために積極的に活動。
現業職が組合活動を支えている理由
JRなどで組合の中心になっているのは、駅員や運転士などの現業職です。 現業職が組合活動に積極的な理由は以下の通りです。
- 出世の限界が課長クラスまでであり、役員を目指す必要がない。
- 自分たちの働く環境や待遇を守ることが直接的な利益になる。
- 現業職がいなければ会社が機能しないため、交渉力がある。
労働組合が強い業界:メーカー
現業職が多く在籍する業界では、労働組合が強くなる傾向にあります。代表例が製造業(メーカー)です。
- 工場が止まると会社全体が止まるため、現業職の影響力が大きい。
- 現業職が待遇改善を目的に積極的に組合活動を行う。
- ボーナスや賃上げ、労働時間の交渉など、現場の声が反映されやすい。
ただし、メーカー=すべて労働組合が強いとは限りません。 もし組合役員が総合職で構成されている場合、次のような懸念があります。
- 出世を気にして会社と対立したがらない。
- 熱心な組合活動を避け、会社寄りの姿勢になる。
- 結果として、組合が機能しなくなる可能性がある。
とはいえ、そもそも出世を目指さない現業職の多いメーカーでは、労働組合が強く機能する場合が多いです。 筆者の私もメーカーに勤めていましたが、総合職は黙っているだけで、組合が賃上げ・ボーナスアップを要求してくれるため、かなり待遇はよかったです。
労働組合に加入しよう
労働組合がなくても、加入できる!
会社に労働組合がないからといって、労働組合による保護を受けられないわけではありません。 今の時代、外部の労働組合に個人で加入することが可能です。
これらの団体は「インターネットを通じて個人で加入できる労働組合」であり、 会社内の組合が存在しなくても、交渉や相談のサポートを受けることができます。
外部の労働組合でも交渉できる
重要なのは、「労働組合はその会社のものでなければならないという決まりはない」という点です。
個人で加入できる労働組合の例
- 外部の労働組合に所属していても、労働者としての権利は保護されます。
- 労働条件や不当解雇、残業代の未払いなどについて、会社と交渉を行ってもらえます。
つまり、会社に組合がなくても、自分の味方を得る手段があるのです。
注意点:会社に「ユニオンショップ協定」がある場合
一方で、ユニオンショップ協定がある場合、会社指定の労働組合以外に加入することはできません。
個人加入ができない例
- 会社にすでに労働組合が存在する
- その組合が「ユニオンショップ協定」により強制加入制になっている
- しかしその組合が実質的に機能していない(会社寄りで動かない)
このような場合、外部組合に頼ることが難しくなるケースもあります。