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労働組合って何?入らなきゃダメ?

 労働組合という言葉は聞いたことがあると思います。労働組合と言えば「ストライキ」が思い浮かびますね。 ときどきストライキのためJRが止まったりしますね。ネガティブなイメージでは「共産主義の温床」という捉え方もあります。 労働組合は、経営者と闘い待遇の改善を目指す団体です。

 ・・・ここまで聞くと、原則として幹部候補生である総合職で就職する場合、 「組合員だからあいつはダメだ!」のような取扱いを受けることを心配して 「労働組合に入らないほうがいいのでは」と思う人もいます。



 

労働組合は何をする団体?

 労働組合は、1~3月に行われる「春闘」を通じてベースアップを実現したり、 「一時金闘争」を通じてボーナスの要求をし、その他、家賃補助や昼食補助などの福利厚生を要求します。 「組合員」のために待遇の改善を目指すのが、労働組合の仕事です。

 夏が近づくと組合員にアンケートを取り、「ボーナス要求金額」を決定します。 この要求金額は「組合員1人あたり平均80万円」といった決め方をされます。 「1人あたり80万円」を経営陣に申し入れ、組合の代表者が社長や取締役と交渉します。

 夏のボーナスの交渉を「夏期一時金闘争」と呼びます。これが労働組合の最初の仕事です。

 また冬が近づくと今度は「冬期一時金闘争」が同様に行われます。このように労働組合は、 ボーナスを増やすために組合員を代表して経営陣と交渉を行う役割があります。

 そして、春が近づくと「春闘」を行います。春闘とは「定期昇給」の確認と、「ベースアップ」の要求をメインとし、 並列要求として家賃補助や昼食補助などの福利厚生の拡充を経営陣に要求する活動です。 基本給を増やすために経営陣と交渉を行うのです。

 労働組合の役割はボーナスや給料に関する交渉だけではありません。 残業や休日出勤を減らすことも労働組合のたいせつな役割です。 「36協定」と呼ばれる「会社との約束」をつくり、「残業は月に何時間まで」「休日出勤は月に何回まで」 といった協定を会社と結びます。

 そして、実際に「36協定」が守られているかどうかチェックする役割もあります。 いくら協定を結んだからといって、会社が残業や休日出勤をさせていないとは限りません。 労働組合は残業時間や休日出勤をチェックし、会社が約束を守っているか確認します。

 このように、労働組合は組合員の生活を守り、待遇の改善をめざす団体なのです。

 

労働組合は強制加入!~ユニオンショップ協定~

 「労働者」のための団体であることから社会主義や共産主義と思想が一致する部分があり、 昔から「共産主義の温床」であったり、社会党や民主党といった左派政党の支持母体だった経緯もあります。 またJRの労働組合は非常に強く、ストライキをよく起こすことからあまり良いイメージを持たれていないことがあります。

 「将来は社長を目指しているのに、社長と闘う組合に入るなんてイヤだ」と思うのも無理はありません。 しかし、心配不要です。労働組合原則として強制加入です。 社長も組合員だった時代があるのです。

 労働組合は、会社と「ユニオンショップ協定」を結んでいることが多いです。「ユニオンショップ協定」とは、 正社員は入社したら労働組合に必ず加入させ、加入しない社員はクビにするという会社と労働組合の約束です。 労働組合原則として強制加入と言われるのは「ユニオンショップ協定」があるためです。

 「出世を目指しているから、経営陣と闘いたくない」という総合職の生活も守る必要がありますから、 労働組合は会社と約束を取り交わし、「必ず労働組合に加入する」ことを強制させるのです。 ですから、組合に入ったからといって出世に不利になるわけではありません。 それどころか組合に入らなければクビです。

 正社員みんなが組合に加入すれば、組合は数の力で経営陣を圧倒できます。 こうすることで組合は経営陣に対して強気の要求ができ、正社員の給料やボーナスが上がってきたという経緯があります。

 注意すべきは、労働組合に強制加入させられるのは「正社員」だけだということです。 派遣社員やパート、アルバイトはたいてい強制加入ではありません。 それどころか加入させてもらえないことすらあります。

 労働組合は「組合員」のための団体ですから、組合員である正社員の待遇は改善しても、 組合員でない派遣社員やパート、アルバイトの待遇改善は訴えません。 つまり、労働組合に入れないと、昇給もボーナスも期待できないということになります。

 まあ、「クビになってもいいから組合に入りたくない!」という方はいないでしょうから、 出世の心配をしなくても全員強制加入ですし、問題はありません。

 

労働組合のメリットとデメリット

 労働組合にはメリットデメリットがあります。 労働組合はたいてい強制加入ですから、深く考えても仕方がないのですが、 「労働組合のおかげ」で給料が高い、「労働組合のせい」で時間が奪われるなどといったことを紹介しましょう。

 労働組合のメリットは、アンケートに答えるだけでボーナスの増額やベースアップが実現できるという点です。 組合から配布されるアンケート用紙に「生活が苦しい」「ボーナスは80万円ほしい」「ベースアップは1万円ほしい」などと書くことで、 組合はそのアンケートをもとに社長たちと交渉を行ってくれます。

 自分自身が社長に申し入れなくても、組合が代わりに要求をしてくれるのです。 アンケートに答えるだけでボーナスが10万円上がったり、ベースアップが実現したりするのは、 労働組合のメリットと言えるでしょう。

 また、初任給が高いのも組合の勝ち取ってきたベースアップのおかげだったりします。 その他、福利厚生が充実していたり、残業や休日出勤が少なかったりするのもやはり、 組合が会社と交渉をしてくれたおかげだったりするのです。

 このように労働組合のメリットは、社員の生活改善に貢献しているところです。

 労働組合にはデメリットもあります。例えば「アンケートや討議に時間を取られる」ことです。 たいてい組合のアンケートや討議は、昼休みや定時のあとに行われます。 貴重な休み時間、帰宅する時間を1円ももらえない組合活動に費やす日がときどきあります。

 また、「行事に参加させられる」というデメリットもあります。 組合行事はたいてい土日に行われます。メーデーなんかはゴールデンウィーク真っ最中の5月1日です。 こういった組合行事に参加させられ、貴重な休日が奪われる場合があるのです。

 このほか、「組合費」として給料の2~3%を天引きされます。会社の規模にもよりますが、 給料から天引きされる「組合費」は5,000~6,000円でしょう。 給料の安い新入社員にとっては大きな痛手です。

 メリットとデメリットを比較すると、「時間がかかる」けど「待遇が改善される」ことにつながるため、 労働組合に参加したほうが金銭的にはオトクだといえるでしょう。

 

労働組合でやること

 労働組合加入したら、何をするのでしょうか。 もちろん新卒採用で労働組合に加入して、いきなり代表者になることはありません。 入社して10年くらいは全員、平の組合員です。

 基本的にボーナスの金額や生活の実態についての「アンケート」に回答し、 職場単位で行われる「討議」で「賛成」「反対」の投票をするだけです。 たいした負担はありません。

 毎年5月1日に行われる「メーデー」に参加させられる場合があります。 これは会社ごとの労働組合が集まり合同で行われるイベントで、労働者団体のエライ人のお話を聞いたり、 「みんなで待遇改善を勝ち取ろう!」という趣旨のお話を聞いたりするものです。

 このほか、組合が主催する行事、例えばボウリング大会だったり、カラオケ大会だったり、お花見だったりに参加することはあるでしょう。

 いずれにしても多少の時間が取られる程度で、大きな負担があるものではありません。 社長たちとの交渉は代表者がやってくれますし、上位の労働者団体との会議にも、代表者が出席します。 基本的に組合員は受け身の姿勢で問題ありません。ただアンケートに答え、行事に参加して遊ぶだけです。

 

労働組合では「受け身」の姿勢でいよう

 労働組合では、「受け身」の姿勢でいることが望ましいです。 アンケートにはちゃんと答える、行事には呼ばれたら参加するといったことは、組合を維持し、待遇改善を図るために必須のことです。 しかし、組合活動に積極性を発揮して頑張ってしまうのは、出世から遠ざかる可能性が高いです。

 注意が必要なのは、組合の幹部になったときです。組合の幹部には「委員長」「書記長」「福利厚生部長」「文体部長」などがありますが、 特に「委員長」や「書記長」になると、もはや出世は望めません

 やはり労働組合は「経営陣と闘う」以上、組合員としてパワーを発揮してしまうと、「経営者としてふさわしくない」と判断され、 その後の出世に大きく響くことになります。もちろん表向きに「出世に不利」ということは違法なので言いません。 しかし、「委員長」や「書記長」を経験して出世した人を私は見たことがありません。

 会社によっては委員長や書記長経験者を「課長」に任命することはあるようですが、 それ以上の責任者、例えば「部長」や「本部長」「取締役」まで昇進させることは、まずないようです。

 労働組合は強制加入が原則ですので、加入してアンケートに答えたり行事に参加すること自体はまったく問題ありません。 自身の待遇改善のために、組合に言われたことには協力するようにしましょう。 しかし、出世を目指すなら求められたこと以上に組合活動に熱心になる必要はないでしょう。

 

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