【就活】電源開発の就職難易度|強みや志望動機!
電源開発(J-POWER)の就職難易度やエントリーシート・志望動機の書き方・面接などの選考情報に加え、同社の強みや特徴など企業研究に役立つ情報を解説しています。新卒採用に応募する際、ぜひ参考にしてください。まず、基本情報は以下の通りです。
会社名 | 電源開発(J-POWER) |
---|---|
就職難易度 | 高め |
売上高 | 1兆2579億円 |
採用人数 | 事務系:25名程度 技術系:50名程度(いずれも総合職) |
初任給 | 学部卒:242,800円 院卒:265,800円 |
平均年収 | 1045万円 |
年間休日 | 120日以上 |
経営理念 | わたしたちは人々の求めるエネルギーを不断に提供し、日本と世界の持続可能な発展に貢献する。 |
参照:電源開発|有価証券報告書(売上高・平均年収)
参照:電源開発|募集要項(初任給・年間休日)
目次
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就活情報・選考の流れ
電源開発の就活情報や選考の流れについて解説していきます。インターンシップや選考に乗り遅れないよう注意しましょう。 一方の「就活のやり方」全般については、「就職活動のやり方|失敗しないコツを実体験で解説!」を参照してください。
就職難易度
就職難易度は、高め!
電源開発の就職難易度は、高めです。 学歴は旧帝一工・早慶などエリートな面々が揃います。 しかし、他の電力会社に比べると、小売り事業を行っていないため知名度が低く、早期にアプローチをかければ有利に戦えるといえます。
電源開発ではインターンシップが行われており、大学3年生の6月に募集・応募、夏休みにインターンシップが開催されます。 どの会社でも言えることですが、インターンシップそれ自体が選考です。 ここでコミュニケーション能力や思考力、熱意などを存分に発揮することで加点がつき、後々の選考を有利に進めることができます。
電源開発に必要なTOEICスコアは明示されていません。 事業のほとんどが国内ですから、仕事上必須というわけでもないため、TOEICが強みになるシーンは少ないでしょう。
ただし、今後の人口減少を考えるとODA案件などで海外事業を行う可能性もあります。 その時のために備えて英語への意欲は示さなければなりませんので、少なくとも受験してESにスコアを書くくらいはしましょう。
面接
リクルーター面接が内定の鍵!
電源開発の面接は、すべての質問に対して就活の軸をベースにした「『将来の夢』実現ストーリー」を意識して答えましょう。 そのためにESを、提出済みであってもブラッシュアップし直すことが合格のコツです。
また面接中は「明るく大きな声で話すこと」を意識しましょう。会社は「元気のある新卒」を求めています。 「緊張して話せない」場合も、最初に「第一志望なので緊張しています」と告白しておけば好感度も上がります。 加えて「自分を良く見せようとしない」ことにも注意を払い、「理想の後輩」を演じ切りましょう。
同社では、エントリーシート提出後に、リクルーター面接があります。 社員から電話がかかってきて「質問会」と称して喫茶店に呼ばれます。
リクルーター面接を3回行った後に面接本番に移行し、事務系では4回、技術系では3回の面接に通過すると内定です。 ただし、近年ではリク面が1回に減りました。新型コロナの影響かと思いますが、それ以降がどうなるかは不明です。
エントリーシート
「将来の夢」実現ストーリーをつくろう!
電源開発へのエントリーシートの書き方は、就職活動の軸を前提に「『将来の夢』実現ストーリー」をつくり、 同社の「経営理念・ビジョン・社風」と一致した志をアピールすることです。 最終的には「将来の夢を実現するために、貴社のビジネスに携わらなければならない」と結論付けます。
ESのお題は「志望動機」「会社を選ぶ軸」「自己の理解している性格」「印象に残っている事業」などオーソドックスです。
実はESは、「『将来の夢』実現ストーリー」を書くものなのをご存知でしょうか。 ESはどの会社も以下の三部作構成になっています。
- (過去編):学生時代頑張ったこと:将来の夢に向かって今まで何をしてきたか
- (現在編):長所・短所:将来の夢の実現にあたって現状の自分を把握できているか
- (未来編):なぜこの会社を選んだのか・この会社に入って挑戦したいこと:何をして将来の夢の実現するか
ストーリーの作り方は【例文】エントリーシートの書き方|「おっ」と思わせる!で解説していますが、 ES本番を待つのではなく、インターンの段階でこれができていれば、かなり有利です。
同社の選考においても「就職活動の軸」を前提として、「過去編」「現在編」「未来編」の三部作構成でESを書き、 最終的には実現するには貴社のビジネスに携わるしかないという結論に持っていくのです。
ですから、採用ページのプロジェクトや社員紹介などを熟読し、 会社には何を目指す社風があるのかをじっくり研究し、志望動機に絡めていきましょう。
同社ESの設問にはありませんが、「学生時代頑張ったこと」は面接で問われますので、 こちらも事前に準備しておくとよいでしょう。
志望動機
ビジョンの一致をアピールしよう!
電源開発の志望動機の書き方は、会社の「経営理念・ビジョン・社風」と自分の「就職活動の軸」の一致をアピールし、 「将来の夢を実現するために、貴社のビジネスに携わらなければならない」と結論付けることです。
同社の経営理念は「わたしたちは人々の求めるエネルギーを不断に提供し、日本と世界の持続可能な発展に貢献する。」です。 ここから導き出せる志望動機は以下の通りです。
- 社会貢献
- 仕事にやりがいがあること
- 使命感を持って働けること
- チャレンジ精神のある会社
- 世界のスタンダードになりえる新しいものを作り出すこと
- 世界で広く展開していること
- 最先端技術によって社会の基盤作りに最も貢献できる会社
- 新興国・途上国に電力の面で貢献できること
- 安全技術の開発に取り組んでいること
- 環境問題に正面から取り組んでいること
志望動機では同業他社との比較検討が欠かせません。一般的には会社の強みで比較したくなるものです。 ですが、「事業ごとの売上高」や「事業内容」「海外売上比率」などで比較するのは得策ではありません。 というのも、同業他社はどこも同じ事業をやっていて、就活生の視点で比較するのは至難を極めるためです。
最適なのは「経営理念・ビジョン・社風」と「就職活動の軸」の一致具合をアピールする方法です。 経営理念や社風といったものはその会社に唯一無二のものであり、 会社の持つ「夢」とあなたの持つ「夢」が一致しているほど、志望動機として説得力のあるものは他にありません。
先にも少し触れましたが、エントリーシートは「将来の夢を実現するために、貴社のビジネスに携わらなければならない」 と述べる「『将来の夢』実現ストーリー」になるように構成されています。 このように、志望動機に書くことは最初から決まっているのです。
「就職活動の軸」が海外に関連するものであれば、「海外展開に積極的な社風」、 環境に関連するものであれば「環境問題に積極的」というように、会社の性格で一致したものを書きましょう。
ですから、ここにある志望動機もほんの一例にすぎません。 あなたの将来の夢と、会社の企業理念・ビジネスの目的を結びつけて考えて、志望動機をつくるのです。
そのためにはまず、自己分析をして、就職活動の軸を導き出さなければなりません。
例文
電源開発のWEBサイトを見ていると、 「再生可能エネルギー」や「クリーンな石炭火力発電」など一貫して環境保護に取り組んでいる姿勢が見て取れます。
また経営理念に「日本と世界の持続可能な発展」とあり、 また世界各地で「クリーンな石炭火力発電」を広めるコンサルティング案件を多く受注していることがわかります。
ここで、新興国・途上国の「石炭に頼らざるを得ない」という事情を取り込んでみましょう。 以下は、電源開発の志望動機の例文です。
私は環境問題に強い関心を抱いています。CO2削減が叫ばれる中、新興国・途上国では石炭火力発電に依存していると聞き、 大気汚染問題を解決できないか調べているうちに、貴社を見つけました。
貴社の最先端技術は、「黒い煙」がモクモクと上がる旧来のイメージと大きく異なっていることを知りました。 そして、海外諸国に石炭火力発電をやめさせるのではなく、よりクリーンなものを伝えるという解決方法があることがわかりました。
世界の成長を妨げることなく環境問題を解決する技術を持ち、かつそのような経営理念を掲げる貴社に憧れ、 志望するに至りました。
この場合、「就職活動の軸」「学生時代頑張ったこと」は「環境問題」に関わるものにしましょう。 こうすることでエントリーシートに一貫性が出て、「環境問題を解決する」という「『将来の夢』実現ストーリー」にすることができます。 志望動機の詳しい書き方は、次の記事でも解説していますのでぜひ参照してください。
「Unistyle」という就活サイトでは、電源開発(J-POWER)に実際に内定したエントリーシートを見ることができます。 本来こういった資料は、その企業に内定した先輩が身近にいないと見れなかったものです。 これが1社あたり何通・何十通も収録されていて、会員登録するだけで完全無料です。
電源開発の強み・特徴
同業他社とは経営理念で比較しよう!
電源開発の強み・特徴は、経営理念である「人々の求めるエネルギーを不断に提供し、日本と世界の持続可能な発展に貢献する」に表現されています。 電源開発の使命はなんといっても「電力の安定供給」です。電力の供給は思った以上にシビアな世界です。 「電力の安定供給」を最優先とし、電力供給を活かした事業展開を行っています。
国内ではすでに電力の安定供給は達成されているように思えます。 しかし、燃料は石油や天然ガスなど政情不安定な中東でしか採れない化石燃料に頼っています。
電源開発は水力を主とした再生可能エネルギー、そして世界中どこでも採れる石炭の2本柱で電力供給をしています。 「資源が枯渇して電力が足りない」という状態を防ぐためのリスクヘッジとして、同社は活躍しています。
同社にとっては経営理念にもある通り世界中の電力の安定供給も重大な使命です。 新興国を主に電力のコンサルティングを行い、安定供給に貢献しています。
特に新興国・途上国では燃料の安い石炭火力発電が重宝されています。 先進国がどんどん石炭火力発電から撤退していく中、電源開発はこの技術を持つ貴重な企業になりつつあります。
電源開発って何の会社?電力会社との違い
発電特化の電力会社!
「そもそも電源開発って何の会社?」と思う方も多いと思います。 東京電力や関西電力などの電力会社との違いは何でしょうか。
一言で言えば「電源開発は、発電特化型の電力会社」です。
東京電力や関西電力などは「発電・送電・小売り」の川上から川下までのビジネスを展開していますが、 電源開発は「発電・送電」だけです。同社の発電した電力は、東京電力や関西電力などの小売りもする電力会社に卸売します。
なぜこのような会社があるのかというと、戦後の電力不足の時代に、各電力会社の資金では発電所の建設が追い付かなかったからです。 政府が出資して電源開発を設立し、「発電所を建てまくる」ことを目的とした国策会社だったのです。
現在では各電力会社が十分な資金を持ち、発電量も十分になったことから、 電源開発の当初の目的は達成されました。そこで完全民営化して、発電特化型の電力会社に生まれ変わったのです。
所有している発電所は水力発電所と石炭火力発電所が主で、風力や地熱などの再生可能エネルギー、 また原子力発電所も建設中です。
特筆すべきは海外事業で、新興国をメインとした発電コンサルティング業で活躍していたり、 タイなどでは自前の発電所を持っていたり、グローバル企業ということができます。
石炭火力発電に強み
クリーンな石炭技術がある!
よく勘違いされるのが、石炭火力発電はオワコンという議論です。
実は、世界の電力の40%は石炭火力発電で賄われています。 というのも、石炭は最も安価で手に入りやすい燃料だからです。
石油や天然ガスが採掘できるのは中東地域など一部に限定され、 政情不安定な同地域ですから価格は大きく変動し、そもそも輸入できなくなるリスクすらあります。
その一方で石炭は世界中どこでも採掘できる上に、価格が安く、 お金のない新興国・途上国は石炭を使うしかないのが現状です。
先進諸国、主にヨーロッパで「CO2削減」が大きな話題になっていますよね。 黒い煙がモクモクのイメージのある石炭火力発電は不利なように思えます。
しかし、石炭火力発電の環境汚染のイメージは、実は昔の話です。
電源開発の石炭火力発電所は、大気汚染物質の90%以上をカットし、 煙はほぼ目に見えません。しかも石炭の燃焼効率もよく、貴重な資源をフル活用できる最先端技術を持っています。
古い技術の発電所を建ててしまいがちな新興国・途上国に、 電源開発は最新技術の発電所を提案し、建設していくという重要な任務を負っているのです。
ビジネスモデル
電力事業の資産を使った新しいビジネス!
電源開発のビジネスモデルは発電設備、送電網を活かしたストックビジネスです。 電源開発の強みはなんといっても発電設備と、広大な送電網を所有していることです。 一度建設して契約してしまえば、あとは料金を回収するだけです。
電力小売り自由化で、大阪ガスを筆頭に様々な事業者が電力小売り事業に参入しています。 しかし、電源開発はもともと小売りをしていないので、影響はありません。
発電設備も送電設備も、東京電力や関西電力などの電力会社に卸売するためのものであり、 超強力な固定客がいる状態です。
ここで得た資金を使って技術開発や海外事業に取り組めるのが同社のビジネスモデルの強いところです。
電源開発は石炭火力発電を猛烈に進化させてきました。 大気汚染のイメージで語られがちな石炭火力発電を、いつの間にかクリーンで安価な理想的な発電方法に変貌させているのです。
この技術力をもって、古い技術の石炭火力発電所を建てようとしている新興国・途上国にストップをかけます。 代わりに電源開発のもつ最先端技術の発電所を建設させることで、 電力不足問題と大気汚染問題の両方を同時に解決していくのです。
主要取引先
電源開発の主要取引先は、他の電力会社です。 国内では中部電力・東京電力・関西電力・九州電力を相手に電力の卸売りを行っています。
これら電力会社は非常に強力な固定客であり、同社の安定経営の基盤となります。
一方の海外事業では外国政府や現地の電力会社を相手にした発電コンサルティング業務、 また発電事業などを行っています。 こちらは国内事業とは異なり、自ら積極的に営業をかけ、仕事を受注していく必要があります。
事務系総合職のコース名が「グローバル総合職」となっているように、 今後は石炭火力発電に頼らざるを得ない新興国・途上国でのビジネス展開が期待され、 海外事業に携わることが増えるでしょう。
競合他社
電源開発の競合他社は電力の自由化で参入してくる会社です。 とはいっても、まず電源開発に勝てる発電事業者は現れないでしょう。 しいていうなら大阪ガスが競合他社になる可能性がありますが、その可能性も極めて低いです。
というのも、先にも述べた通り、電力の安定供給はシビアすぎる事業です。 工場では0.07秒の電圧低下も許されませんし、一般家庭だって瞬断が起きれば家電が壊れます。 停電なんてもってのほかですね。
顧客の電力会社も「今まで安定供給してくれていた信頼性の高い電源開発」をまず第一に選びます。 電気の価格が多少下がったところで、安定性に勝るものはないのです。 発電事業についてはこの先も電源開発の圧倒的優位が維持されるでしょう。
では送電事業はどうでしょうか。実は、送電事業も電源開発に勝てるところはありません。 というのも、同社の送電事業は一定距離の間の大出力の送電線に限られ、一般家庭につなぐということはしていないからです。 「インフラのインフラ」とも呼べる同社の送電線に、わざわざ対抗する意味はありません。
つまり、電源開発は事実上、敵なしです。
弱み
電源開発の弱みはなんといっても石炭火力発電です。
技術的にはクリーンで発電効率もよく、理想的な発電所を建設できるだけの最先端技術を持っています。 しかし、いくら技術があってもうまくいかないのが環境問題です。
例えばクルマのディーゼルエンジンは、技術的にはクリーンにすることが可能で、 そういう技術を持っている会社もあります。しかし、昔の大気汚染のイメージが先行して、 ディーゼルエンジンを禁止してしまう国もあります。
電気自動車も同様で、結局発電所でつくった電力を使うのですから、CO2削減に貢献しているとは言えません。 それでもイメージでもてはやされていますよね。
石炭火力発電は昔の悪いイメージが強烈で、環境汚染の元凶のように語られがちです。 そのようなイメージと戦って、勝っていく必要があります。
すると外国政府や環境保護団体などに対するロビー活動が重要になってきますが、 日本企業は伝統的にロビー活動が苦手です。電源開発がどう対応していくか、注目されます。
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同業他社の企業研究を見る
- 関西電力の企業研究(売上高:4兆593億円、平均年収:831万円、年間休日:日数言及なし)
- 中部電力の企業研究(売上高:3兆6104億円、平均年収:854万円、年間休日:122日)
- 大阪ガスの企業研究(売上高:2兆830億円、平均年収:712万円、年間休日:122日)
- 東京ガスの企業研究(売上高:2兆6645億円、平均年収:735万円、年間休日:126日)
- 電源開発(J-POWER)の企業研究(売上高:1兆2579億円、平均年収:1045万円、年間休日:120日以上)
電源開発(J-POWER)のような優良企業に内定をもらうには?
著者:村田 泰基(むらた やすき)
合同会社レセンザ代表社員。1989年生まれ。大阪大学法学部卒。2013卒として就活をし、某上場企業(メーカー事務系総合職)に入社。
その後ビジネスの面白さに目覚め、2019年に法人設立。会社経営者としての経験や建設業経理士2級の知識、自身の失敗経験、300冊以上のビジネス書・日経ビジネスを元に、11年間に渡り学生の就職活動を支援している。
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