勝ち組【関西電力の就活】難易度・学歴フィルター・選考対策
会社名 | 就職難易度 |
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関西電力 | 高い 4.1 / 5.0 |
売上高 | |
4兆3371億円 | |
平均年収 | 年間休日 |
831万円 | 日数言及なし |
採用人数 | 初任給 |
事務系:50名程度 技術系:100名程度(いずれも総合職) | 学部卒:255,300円 院卒:283,700円 |
※就職難易度は「採用倍率」「採用大学のランク」をもとに算出しており、データは就職四季報・リクナビのプレエントリー数を参照しています。
参照:関西電力|募集要項(初任給・年間休日)
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選考フロー
選考開始 | 3月 |
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関西電力の選考フローは次の通りで、3月開始です。
- ES提出・WEBテスト
- リクルーター面接2~3回
- 面接2回
- 内々定
ただし、インターン参加者優遇の早期選考があり、その場合は1月開始です。 また、開始時期は変更の可能性もあります。早めにプレエントリーして案内を見逃さないよう注意しましょう。 →関西電力の採用ページ
一方の「就活のやり方」全般については、「就職活動のやり方|失敗しないコツを実体験で解説!」を参照してください。
就職難易度
就職難易度 | 高い |
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関西電力の就職難易度は、高いです。 同社の応募者数は文系2100通・理系600通ほどで、採用倍率は文系約42倍・理系約6倍です。
採用大学は旧帝大・上位国公立大学や有名私大に限られ、学歴フィルターは「MARCH以上」だと言えます。 こういった大学群の学生ですらインターンシップやリクルーター面接で活躍しなければ、なかなか選考本番にも進むことができません。
関西電力ではインターンシップが行われており、大学3年生の6月に募集・応募、7月に面接、夏休みにインターンシップが開催されます。 どの会社でも言えることですが、インターンシップそれ自体が選考です。 ここでコミュニケーション能力や思考力、熱意などを存分に発揮することで加点がつき、後々の選考を有利に進めることができます。
関西電力に必要なTOEICスコアは明示されていません。 事業のほとんどが国内ですから、仕事上必須というわけでもないため、TOEICが強みになるシーンは少ないでしょう。
ただし、今後の人口減少を考えるとODA案件などで海外事業を行う可能性もあります。 その時のために備えて英語への意欲は示さなければなりませんので、少なくとも受験してESにスコアを書くくらいはしましょう。
面接
インターン優遇 | あり |
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関西電力の面接は、リクルーター面接2~3回・面接2回が実施されます。
同社ではインターン参加者優遇の早期選考があり、大学3年生の夏に行われる最も長い日程のものが、一番優遇されます。 もちろん「活躍できれば」という条件付きですが、リクルーター面接に呼ばれます。 1回目は学生からの質問がメインで、2回目以降は社員から・学生からの半々です。
ここではすでに選考を受ける意志が固まっていると思いますので、 逆質問は「社風」や「就活の軸に関連してやりたい事業」について質問するのがよいでしょう。 ここで得た回答を、後のキャリアセッションで話す志望動機の補強に使います。
→リクルーター面接は選考関係ある!|逆質問リストと聞かれること
リク面の回数は人によって2回・3回と変わるようですが、すべて合格すると「キャリアセッション」という名の面接に呼ばれ、 こちらに2回合格すると内々定です。
筆者の私が受けたころは、プレエントリーのみでリクルーターがつきました。 結局、ES提出をしなかったので接触はその1回のみです。
- 関西電力は強固な顧客基盤を持ち、多角的な事業展開を進めています。面接では、この基盤を活かした新規事業や価値創出への意欲を示しましょう。
- 特に文系志望者は、「電力事業の収益基盤を活かしながら、新領域に挑戦し成長させたい」という視点を持った回答が効果的です。
- インターン優遇の早期選考を活用し、志望動機や将来の夢を具体的に語れるように準備しましょう。
- 逆質問は「社風」や「やりたい事業」に関連した内容が好印象です。面接官の回答をキャリアセッションでの志望動機補強に活かしましょう。
エントリーシート
ES設問 | 2本 |
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関西電力のエントリーシートは、「企業を選ぶ際の考え方」「関西電力で実現したいこと」の2本の設問が課されます。
1つ目は「就職活動の軸」を答えるものです。 例えば「新たな価値創出がしたい」という軸であれば、「挑戦的な社風の会社」「価値創出を掲げている会社」への入社を目指しているという答え方になります。 この考え方は、ES・面接すべての回答の前提として覚えておいてください。
2つ目は「この会社に入って挑戦したいこと」です。 結論は「就活の軸の実現」ですが、まだこれだけでは説得力が足りません。 そこで「ガクチカ」で「軸の実現のために取り組んだこと」を述べることで、話に一貫性が出るようになります。
本選考のESでは問われませんが、インターンのエントリーシートや面接で「ガクチカ」は問われます。 そこでESを用意する際に、志望動機とセットで準備しておきましょう。 詳しい書き方は「学生時代頑張ったこと」の記事で解説しています。
このように、ES全体を「就活の軸」で統一することで、志望動機に説得力が出ます。 また「なぜ関西電力なのか」という定番質問に対してうまく答えるためには、 「経営理念・社風への『共感』または『軸との一致』」をアピールすることで、関西電力専用の志望動機が出来上がります。
これをMY就活ネットでは「ESのストーリー化」と呼んでいます。 次の関連記事では、インフラ業界向けにその書き方の解説をしています。
志望動機
ポイント | 社風への共感 |
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関西電力の志望動機の例文と書き方を解説します。ここまでを踏まえた例文は次の通りです。
私が貴社を志望する理由は、経営理念に掲げる「『あたりまえ』を守り、創る」という考え方に深く共感したからです。
私は学生時代にゲーム制作プロジェクトに取り組み、多くのプレイヤーに「楽しい時間」を提供するという目標を掲げ、チームで創意工夫を重ねました。 その中で、ただ安定的な楽しさを提供するだけでなく、新たな驚きや価値を創造することの重要性を実感しました。
貴社が取り組まれている、エネルギー供給の「安全・安定」を守りながらも、再生可能エネルギーやデジタル技術を活用した次世代型サービスの創造は、私が経験した「守りと挑戦」の姿勢と重なります。 また、地域社会に寄り添い共感を重視する企業文化にも魅力を感じています。
私のゲーム制作で培った創造力とチームで課題に挑む経験を活かし、関西電力の一員として、社会にとっての「あたりまえ」を守りつつ、新しい価値を創造する仕事に貢献したいと考えています。 そして、貴社とともに、持続可能で豊かな未来の実現に挑戦したいと願っています。
この志望動機は、関西電力の経営理念「『あたりまえ』を守り、創る」という核となる考え方に共感し、自身の経験と企業の姿勢を巧みに結びつけています。 安定したエネルギー供給という基盤を重視しつつ、新たな挑戦を続ける企業文化への理解と共感が伝わる構成です。
- 冒頭:経営理念への共感を明確に示す
「『あたりまえ』を守り、創る」という経営理念を志望理由の中心に据えることで、企業の基本姿勢に深く共鳴していることを端的に表現しています。企業理念の理解度をしっかりアピールできています。 - 中盤:自身の経験から得た学びを具体的に紹介
ゲーム制作プロジェクトでの経験を通じて、「安定的な楽しさ」と「新しい価値の創造」という二面性を体験し、理念の「守り」と「挑戦」と重ねています。経験の具体性が志望動機に説得力を与えています。 - 企業理解と共感の表明
関西電力の安全・安定の取り組みと再生可能エネルギー、デジタル技術活用の挑戦をしっかり理解し、その企業活動と自身の価値観を重ねている点が評価されます。地域社会への寄り添いを重視する文化への言及も好印象です。 - 締め:自己の強みを具体的に企業貢献へつなげる
ゲーム制作で培った創造力とチームでの課題解決経験を活かし、貴社の「あたりまえ」を守りつつ新価値創造に貢献したいという意欲を明確に示しています。持続可能な未来への挑戦を共にする意思も力強く伝わります。
この志望動機は、関西電力の理念と事業内容を踏まえたうえで、自身の経験や価値観を具体的にリンクさせており、企業理解と自己アピールのバランスが非常に良い内容です。面接官に応募者の誠実さと意欲が伝わりやすい文章といえます。
関西電力の強み・特徴
強み | 厚い顧客基盤 |
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関西電力の強み・特徴は、「電力事業での収益基盤」と「顧客基盤」です。
同社の使命は「電力の安定供給」ですが、これは理系と現業職の仕事です。 文系の場合は「電力事業」で培った「収益基盤」「顧客基盤」を活かして、新たな価値創出に取り組むことが仕事です。
同社は関西圏に数千万に及ぶ顧客を抱えており、また信頼性も高いことから見込み顧客が非常に多いのが特徴です。 「eo光」に代表される「情報通信業」、電力事業で培ったIT技術を活かした「ITコンサルティング事業」が売上の10%を占めています。 そのほかにも不動産事業、介護事業、人材派遣事業など様々な分野で活躍しています。
ただ、原発対応や資源価格高騰による業績低迷の時期が長かったため、新領域への挑戦が遅れている状況です。 売上高に占める新領域は約20%程度で、大阪ガスの約30%が新領域なのに比べると、出遅れ感が否めません。
とはいえ、ようやく資源価格の価格転嫁が済んで元の利益水準を取り戻すことができました。 同社の挑戦はこれからです。
競合他社
関西電力の競合他社は、電力自由化で参入した新電力の他、同様の新規事業を手がける大阪ガスが挙げられます。
ただし、新電力はおよそ「電力小売り」での参入であり、「発電」の参入ではありません。 そしてよっぽど巨大資本が入らない限り、原子力発電所や火力発電所は建てられず、電力の莫大な需要に応えることができません。 ゆえに新電力は関西電力に電力を融通してもらわなければならず、言い換えれば「営業マン」の役割をはたしているに過ぎません。
一方で新規事業の分野では、先行している大阪ガスが強力なライバルとなります。 大阪ガスは以前より「挑戦的な社風」であり、かなり早期から新規事業の取り組みを進めています。 「電力自由化」で最もシェアを伸ばしたのも同社ですし、東京にすら進出する元気さがあります。
出遅れている関西電力にとっては分が悪い相手ですので、なるべく事業分野が被らないようにしたいところですね。
弱み
弱み | 成長戦略が弱い |
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関西電力の弱みは、資源価格の高騰と具体的な成長戦略が描けていないことが挙げられます。
資源価格の高騰は、価格転嫁に時間がかかるため、大きな変動はどうしても利益に打撃を与えてしまいます。 総合商社や化学メーカーなどはこれに対して「別の事業の利益でカバーする」という方法を取っているのですが、 関西電力にはそれをカバーしきれるような大きな事業が存在しません。
そして、中期経営計画では「コスト削減」が焦点になっており、付加価値を高める取り組みについてはあまり記載がありません。 新領域の「eo光」「mineo」を活かす方策や、ソリューション事業についても、まだ具体的な案が出ていないようです。
逆に言えば、これから就職すると創造力を発揮できる機会が多いということです。 ようやく安定黒字が見込めるようになった同社ですから、「挑戦」するには最も良いタイミングです。