【大阪ガスの就職】難易度や内定直結インターンについて解説
会社名 | 就職難易度 |
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大阪ガス | 非常に高い 4.3 / 5.0 |
売上高 | |
2兆690億円 | |
平均年収 | 年間休日 |
712万円 | 122日 |
採用人数 | 初任給 |
事務系:20名程度 技術系:40名程度(いずれもゼネラル/スペシャリストコース) | 学部卒:243,000円 院卒:269,000円 |
※就職難易度は「採用倍率」「採用大学のランク」をもとに算出しており、データは就職四季報・リクナビのプレエントリー数を参照しています。
参照:大阪ガス|募集要項(初任給・年間休日)
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選考フロー
選考開始 | 3月 |
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大阪ガスの選考フローは次の通りで、3月開始です。
- ES提出・WEBテスト
- グループディスカッション1回
- 面接2回
- 内々定
同社はインターンシップ参加者優遇の早期選考を行っています。 また、開始時期は変更の可能性もあります。早めにプレエントリーして案内を見逃さないよう注意しましょう。 →大阪ガスの採用ページ
一方の「就活のやり方」全般については、「就職活動のやり方|失敗しないコツを実体験で解説!」を参照してください。
就職難易度
就職難易度 | 非常に高い |
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大阪ガスの就職難易度は、非常に高いです。 採用人数は文系20人・理系40人程度と多くはありません。採用倍率は文系で約70倍・理系で約8倍です。 採用大学は旧帝大・上位国公立大学や有名私大に限られ、学歴フィルターは「MARCH以上」だと言えます。
インターン優遇 | あり |
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大阪ガスではインターン参加者向けの優遇選考が行われており、早ければ2月中には早期内定が可能です。
大学3年生の6月に募集・応募、7月に面接、夏休みにインターンシップが開催されます。 どの会社でも言えることですが、インターンシップそれ自体が選考です。 ここでコミュニケーション能力や思考力、熱意などを存分に発揮することで加点がつき、後々の選考を有利に進めることができます。
大阪ガスに必要なTOEICスコアは明示されていません。 事業のほとんどが国内ですから、仕事上必須というわけでもないため、TOEICが強みになるシーンは少ないでしょう。
ただし、今後の人口減少を考えるとODA案件などで海外事業を行う可能性もあります。 その時のために備えて英語への意欲は示さなければなりませんので、少なくとも受験してESにスコアを書くくらいはしましょう。
ゼネラルコースとスペシャリストコースの違いとは?
出世したいならゼネラルコースがおすすめ!
大阪ガスはインフラ企業としての安定性と知名度が高く、採用は非常に激戦です。採用人数も限られているため、競争率が高いのが特徴です。 就職活動では、「ゼネラルコース」と「スペシャリストコース」に分かれています。
ゼネラルコースとは?
このコースは将来の幹部候補を育成するためのもので、課長や部長、取締役などの管理職を目指してキャリアを積み上げていきます。 国家公務員で言えば「国家公務員総合職(旧国Ⅰ)」に相当し、一定の昇進と高い給与が期待できます。
スペシャリストコースとは?
一方でスペシャリスト採用は、主に現場の実務担当者向けのコースです。将来的な管理職昇進はほぼ見込めず、いわゆる「ノンキャリ」と呼ばれます。 国家公務員の「一般職(旧国Ⅱ)」に近く、給与もゼネラルコースより低めに設定されています。
なお、スペシャリスト採用は「一般職の事務職」とは異なり、入社当初は総合職と同じくさまざまな部署に配属されます。 しかし総合職が昇進していく中で、スペシャリスト職は一生平社員の立場が基本となります。俗に「ソルジャー」と呼ばれるタイプです。
このような採用形態は、国家公務員やJR、日本郵政など限られた組織でのみ見られます。
面接
インターン優遇 | あり |
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大阪ガスの面接は、主に2パターンあります。
早期選考
- ES提出・WEBテスト
- リクルーター面接1回
- 面接2回
- 内々定
インターンシップ後に行われる同社開催のイベント(フォローアップ研修など)に参加した人のうち、評価の高かった人の乗るルートです。 早期選考は1月開始で、2月中には内定が出ます。 また、特別評価の高かった人はさらに早い段階で内定が出るそうです。
→リクルーター面接は選考関係ある!|逆質問リストと聞かれること
通常選考
- ES提出・WEBテスト
- グループディスカッション1回
- 面接2回
- 内々定
通常選考は、早期選考で枠が埋まった後の残り枠を争うものなので、採用倍率が非常に高くなります。 志望度が高ければインターンシップからの早期選考を狙ったほうがよいでしょう。
敗者復活あり?
筆者の私が選考を受けたころは、インターンルート・リクルータールート・通常ルートの3パターンがありました。 インターンルートで落ちてもリクルータールートに乗れたり、さらにそれに落ちると通常ルートが受けられたり、 大阪ガスの選考は複雑怪奇でした。
私の友人でも、「インターンルート」「リクルータールート」のそれぞれで落ちて、「通常選考」で内定を取った人がいます。 各ルートで失敗しても、諦めずに挑戦しましょう。
面接内容
面接は2回とも個人面接で、1回目はオンライン・2回目は実地です。質問内容は次の通りです。
- 自己紹介
- 小学校~高校までそれぞれの段階でどういう子どもだったか
- その大学を選んだ理由
- 挫折した経験
- 志望動機
- 入社して挑戦したいこと
- 逆質問
私もインターンシップに参加しましたが、ここで印象として感じたのは「社員は『安定』と言われるのが嫌い」ということです。
当然都市ガス事業、不動産事業、ITコンサルティング事業は安定継続した収入があるのですが、 その「安定を武器にして様々な分野に挑戦している会社」です。単にビジネスの安定性だけをみていると、 会社の本質がわかっていないということで不合格にされてしまうでしょう。
- 大阪ガスはインフラ企業でありながら挑戦的な社風を持っています。面接では「安定」だけを求めるのではなく、新しい分野に挑戦し続ける意欲を強調しましょう。
- 都市ガス事業だけでなく、不動産やITコンサルティング、介護事業など多様な事業展開に関心を持ち、自分の強みを活かして貢献したいという姿勢を示すと効果的です。
- ESや志望動機では、将来の夢やビジョンを具体的なストーリーで語ることが重要です。面接時もその一貫性を意識して答えましょう。
- 逆質問では「会社の挑戦的な取り組み」や「新規事業への関わり方」などに関連した質問が好印象です。面接官の話をよく聞き、自分の志望動機に活かしましょう。
エントリーシート
ES設問 | 3本 |
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大阪ガスのエントリーシートは、次の3つの設問が課されます。
- 学生時代にエネルギーを注いだこと
- 自分を形成する上で大きな影響を受けた出来事(小中・高・大の3ステージ)
- あなたらしさを表す写真とその説明
ESのお題は「人生のエピソードについて、中学校・高校・大学生活でそれぞれ1つずつ」です。 学生時代頑張ったことを書くものですね。将来の夢に向かって中学時代から何をしてきたかを問われます。
「就職活動の軸の実現」を最終目標として、 それに関わるエピソードを書いていきましょう。同社では特に「リーダーシップ経験」が問われますので、 「協力を求めた」「アイデアを出し合った」などの話をガクチカや志望動機に組み込んでいきましょう。
このように「就活の軸」を前提としてES各項目をストーリーとしてつなげることで、説得力が高まります。 これをMY就活ネットでは「ESのストーリー化」と呼んでいます。 次の関連記事では、インフラ業界向けにその書き方の解説をしています。
志望動機
ポイント | 社風への共感 |
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大阪ガスの志望動機の例文と書き方を解説します。ここまでを踏まえた例文は次の通りです。
私が貴社を志望する理由は、「お客さま価値」の創造を第一に、社会、株主、従業員に広がる価値を生み出すという貴社の企業理念に深く共感したからです。
学生時代、私はゲーム制作プロジェクトに取り組み、プレイヤーに楽しさと驚きを提供することを最優先に考えながら、チームでアイデアを形にしてきました。 プロジェクトでは、プレイヤーの意見を収集・分析し、期待を超える新たな体験を生み出す努力を続けてきました。
貴社は、ガス事業にとどまらず、電力事業や再生可能エネルギー、さらにIT技術を活用したスマートなサービスを展開し、多様な価値を提供されています。 その挑戦する姿勢や、社会全体に価値を広げる取り組みは、私の経験とも共通する「相手の期待を超える価値創造」の理念に通じます。
私は、ゲーム制作で培った創造力や分析力、そして相手のニーズに応える柔軟性を活かし、大阪ガスの事業を通じて、多くのお客様や地域社会に新しい価値を提供したいと考えています。 そして、貴社の一員として、持続可能な未来づくりに貢献していきたいです。
この志望動機は、大阪ガスの企業理念「お客さま価値の創造」に強く共感した点を軸に、自身の経験と企業の事業展開を丁寧に結びつけています。 顧客視点を重視する姿勢と、自らの創造力や分析力を活かして価値提供に貢献したい意欲が伝わる内容です。
- 冒頭:企業理念への共感を明確に示す
「お客さま価値の創造」を企業理念として取り上げ、その価値を社会、株主、従業員にまで広げるという考え方に深い共感を示しています。理念への理解と志望動機の根拠が明確です。 - 学生時代の経験:ユーザー視点と創造性の強調
ゲーム制作プロジェクトでの体験を具体的に紹介し、ユーザー(プレイヤー)の期待を超える価値創造を目指した点を強調しています。チームでの協力や意見分析など、実践的な経験もアピールされています。 - 企業理解:多様な事業展開と価値創造の共通点
ガス事業に加え、電力や再生可能エネルギー、IT技術活用まで多角的に価値を提供する大阪ガスの挑戦的な姿勢を理解し、自身の経験と重ね合わせている点が良いです。社会全体への価値拡大を重視する視点が一貫しています。 - 締め:自身の強みと貢献意欲の明示
創造力、分析力、柔軟性を自身の強みとして示し、それらを活かして大阪ガスの事業に貢献したいという意思を明確に表現しています。持続可能な未来づくりへの貢献意欲も力強く伝わります。
全体を通じて、大阪ガスの理念や事業内容への理解が深く、具体的な自身の経験としっかりリンクさせているため、面接官に対して説得力のある志望動機となっています。 企業の価値観に共鳴し、積極的に貢献しようとする姿勢が伝わる良い構成です。
大阪ガスの強み・特徴
強み | 挑戦的な社風 |
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大阪ガスの強み・特徴は、経営理念である「高品質なエネルギーの提供で、社会の要望に応えること」「社会に快適、便利、健康を実現するソリューションを提供すること」に表現されています。 大阪ガスにはビジネスの目的が2つあります。もちろん1つは都市ガス業者として。もう1つはライフソリューション業者としてです。 単なる都市ガス業者ではないことに注目点があります。
大阪ガスのほか、東京ガスや東邦ガスなどの都市ガス業者は法律で地域独占が認められています。 これはエネルギーの安定供給のため、ある程度の経営の安定性を国が保護するからです。 もし激しい競争でエネルギー供給が止まってしまえば、住民が困るからですね。
当然都市ガス業者として「エネルギーの安定供給」は1つの使命です。 しかし、大阪ガスはそれにとどまりません。都市開発を行う「不動産事業」、石炭技術を駆使した「材料事業」、 大阪ガスの情報システム部門を母体とした「ITコンサルティング事業」のほか、コスパで知られるフィットネスクラブや、 料理教室、介護事業などさまざまな分野に進出して活躍しています。
インフラ企業なのに挑戦的な社風があるのはこの業界では唯一であり、 まさに「社会に快適、便利、健康を実現するソリューション」を提供している会社だと言えますね。
仕事内容
ガス事業の収益を使って新しいビジネス!
大阪ガスの仕事内容は、「営業戦略の企画立案」と「新サービスの企画立案」です。
大阪ガスでは家庭用営業もありますが、実際に消費者と接するのは子会社や販売店です。 同社の総合職として入社した場合は「営業方針を立てる」「営業トークを指導する」など営業マンのサポートが主な仕事です。
同社はさまざまな事業を行っているとはいえ、売上高の70%以上を占めるのが都市ガス事業です。 地域にパイプラインを敷き、一度契約してもらえば安定継続した収入が見込めます。 ただし、これは理系や現業職の仕事です。
文系の仕事は都市ガス事業で培った「収益基盤」「顧客基盤」を活かして新領域ビジネスに挑戦することです。
社会を快適、便利にする事業として「不動産開発事業」を行い、オフィスビルやマンションの開発を行っています。 また「ITコンサルティング事業」は、大阪ガスのガス製造・供給で培ったIT技術を活かして、 民間企業などのシステム開発を行う事業です。
この他にも炭素繊維などの材料メーカーとして、「コスパ」で知られるフィットネスクラブ、料理教室、金融業などさまざまな分野に進出しています。
最近では電力小売り自由化で関西電力のシェアを奪うに飽き足らず、 東京に進出して東京電力や東京ガスからもシェアを奪っています。 行動が早いことと、とにかく元気である強みがあります。
これほどの事業拡大はバブル期には流行しましたが、現在では安定収益がなければできないことです。 大阪ガスの強みを最大限に活かしたビジネスモデルだと言えますね。
将来性
インフラ系No.1のバツグンの将来性!
大阪ガスの将来性は非常に高いです。その理由は次の3つです。
- 安定収益を生み出す既存の顧客の存在
- 非常に先見性がある
- 野心的な社風
まず1つ目が「安定収益を生み出す既存の顧客の存在」です。大阪ガスをはじめエネルギー業界では長らく地域独占が認められてきましたので、 関西の都市ガス会社といえば大阪ガスしかありません。小売りこそ自由化されてはいるものの、 結局ガスを供給するのは大阪ガスですから、利益が削られる可能性はあってもシェアが奪われることはありません。
主に関西電力と小売獲得競争を繰り広げていますが、勝負はほぼ互角、 どちらかというと関西電力から奪った件数のほうが多いくらいです。
2つ目の理由が「非常に先見性がある」ことです。インフラ業界では本業だけやっていれば安泰なので、 新規事業や技術革新にはあまり興味がないのが通常です。事実、他のほとんどのインフラ企業がその収益源を電気・ガスに9割依存しています。 ですが、大阪ガスは売上高の3割が非エネルギー事業という、非常にビジネス熱心な会社です。
近年注目されている「ビッグデータの活用」に関しては、大阪ガスはすでに2000年代からデータサイエンスに取り組んでいます。 その強力さはIT業界すら「最強のデータ分析会社は大阪ガス」と言うほどで、「もともとガスメーターにIoTチップをつけられる構造にしていた」 「企業向けに基幹システムをつくる」「ITコンサルティングもやる」といったIT企業としての側面もあります。
また「行動経済学」がビジネス界隈をにぎわせていますが、これも「行動観察研究所」でもともと取り組んでいたことで、 マーケティングの世界でも大阪ガスが活躍しています。インフラ企業の常識には当てはまらない「どえらい会社」です。
3つ目が「野心的な社風」です。電力やガスの小売りの自由化では当然異業種の参入が相次ぎ、 格安スマホのように業者が乱立するはずでした。ですが、自由化で顧客を奪いまくっているのはなんと大阪ガスなのです。
電力の小売り自由化で真っ先に顧客を奪いに行ったのは大阪ガスで、関西電力の縄張りだけに飽き足らず、 関東にも進出して東京電力や東京ガスから顧客を奪いまくっている状況です。 こんなに元気なインフラ企業は他に類を見ません。大阪ガスの将来性は非常に高いと言えるでしょう。
主要取引先
大阪ガスの主要取引先は、都市ガス事業では一般消費者と工場です。 こちらはすでにストック化が進んでおり、これから契約数を増やさなければならないというよりは、 プロパンガス事業者に負けないようにするという「現状維持」の世界です。
「エネファーム」というガスを利用した家庭用発電システムの営業がありますが、 実際に家庭を訪問して営業をするのは子会社で担当しており、大阪ガスの営業がすることは、 その企画立案です。ですので、直接一般消費者と顔を合わせるわけではありません。
一方で不動産事業ではオフィスビルのテナント、分譲マンションの買い手などが取引先になります。 またITコンサルティングではさまざまな会社が取引先になります。 こちらも一度契約してしまえばストックビジネスになります。顧客が離れてしまわないように、 魅力的なサービスを企画していくことが求められます。
これらのストックビジネスの収入を活用した新規事業では、大阪ガスのエリア外の一般消費者が取引先になります。 住宅設備やフィットネスクラブ、料理教室、介護事業はあらゆる世代、あらゆる属性の方が対象です。 「大阪ガスブランド」という信頼性を武器に、社会全体とかかわることになります。
競合他社
大阪ガスの競合他社は、進出先のインフラ企業が挙げられます。
電力小売り・不動産開発・ITコンサルティングなどいずれにしても、 「ガス事業で培った信頼性・技術力」を活かすのであれば、東京ガスや東邦ガスと競合します。 また、電力会社も同様ですね。
加えて進出先はすでに「不動産業界」の他に「鉄道業界」「財閥倉庫」「通信業界」 「建設業界」などが新規事業として取り組んでいる分野でもあります。 特に不動産開発は「新規事業」として人気で、IT事業では通信業界のほうがウケがいいかもしれません。
弱み
弱み | 資源価格の高騰 |
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大阪ガスの弱みは 当然エネルギー事業ですから、原料価格の高騰や為替リスクがあります。 これらは製造原価を増やし、利益を圧迫します。「原料費調整制度」が法律で認められており、 原料価格を合法的に顧客に転嫁することができるとはいえ、その制度を利用する手続きには多少の時間がかかります。 手続きの間は利益が圧迫されてしまうのです。
その対策の1つが、ガス田の開発です。たびたびニュースになりますが、 ガス会社が海外に赴いてガス田を開発するのは大阪ガスがはじめてです。 「原料価格」に注目したときに、「なら自分でガス田を持ってしまおう!」という発想ができるのが大阪ガスらしいところです。