勝ち組【三菱倉庫の就職】難易度・早期選考や強みを解説!
会社名 | 就職難易度 |
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三菱倉庫 | 低め 2.0 / 5.0 |
売上高 | |
2840億円 | |
平均年収 | 年間休日 |
951万円 | 祝日週は土曜出勤 |
採用人数 | 初任給 |
総合職:50人程度 | 学部卒:260,000円 院卒:271,000円 |
※就職難易度は「採用倍率」「採用大学のランク」をもとに算出しており、データは就職四季報・リクナビのプレエントリー数を参照しています。
参照:三菱倉庫|募集要項(初任給・年間休日)
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就職難易度
就職難易度 | 低め |
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三菱倉庫の就職難易度は低めです。 応募者数は1000人ほどで、採用倍率は約20倍です。学歴フィルターはないと考えられ、採用大学は旧帝大から地方私立大まで幅広いです。
インターン優遇 | あり |
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同社はインターン参加者優遇の早期選考を実施しており、その場合は選考開始が1月になります。 早期選考では、面接3回の選考フローは変わりませんが、採用枠がフルに空いた段階で受けられるため有利になります。
また、財閥倉庫はすべて同じ事業を手掛けており、社風で比較するしかありません。 インターンに参加しておくと「なぜ当社を選んだのか」という定番質問に対し、「貴社の社風に共感したからです」と言えるようになります。 その意味でも「インターン経由の早期選考」は非常に有利になるため、ぜひ参加しましょう。
三菱倉庫に必要なTOEICスコアは明示されていませんが、730点ほしいところです。 かなりグローバルな企業であり、仕事上で英語は必須になってくるためです。 また海運業界と併願されがちなため、高スコアなライバルがごろごろいます。
ただし、スコアが絶対かというと、そうではありません。 というのも英語はいずれ身につくものであり、現時点でペラペラに話せる必要はなく、入社後でも鍛えられるためです。 一方で英語への意欲は示さなければなりませんので、少なくとも受験してESにスコアを書くくらいはしましょう。
勝ち組の理由
MY就活ネットでは、三菱倉庫への就職は勝ち組だと判断しています。理由は次の5点です。
- 財閥倉庫の最大手であること
- 利益率が9.57%と高いこと(上場企業平均は7%)
- 総合職平均年収が951万円と業界トップなこと(2位は住友倉庫の928万円)
- 不動産開発事業で利益率28%を誇ること
- 残業時間が月18時間と、業界では少な目なこと(他社は30~45時間)
財閥倉庫は競争の激しい業界ですが、「価格競争」ではなく「付加サービスによる競争」で収益を維持しています。 ゆえに、競合が多いわりに特に三菱・三井・住友の上位3社は上場企業平均を上回る利益率を確保しています。
また、「倉庫跡地の土地活用」で古くからノウハウを蓄積してきた三菱倉庫は、「土地探しからの不動産開発」にも進出しています。 この事業はスーパーゼネコンも進出している分野ですが、それを圧倒的に上回る利益率を誇り、そのノウハウの強さが伺えます。
選考フロー
選考開始 | 3月 |
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三菱倉庫の選考フローは次の通りで、3月開始です。
- 会社説明会(参加必須)
- ES提出(↑と同時)
- 面接3回
- 内々定
ただし、開始時期は変更の可能性もあります。早めにプレエントリーして案内を見逃さないよう注意しましょう。 →三菱倉庫の採用ページ
一方の「就活のやり方」全般については、「就職活動のやり方|失敗しないコツを実体験で解説!」を参照してください。
面接
面接回数 | 3回 |
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三菱倉庫の面接は、3回行われます。質問内容は次の通りです。
- 自己PR(→自己PRは何を答えればいい?|1000文字分の例文で解説!)
- 学生時代力を入れたこと(→学生時代頑張ったこと)
- 三菱倉庫を選ぶ理由(→なぜこの会社を選んだのか)
- 趣味について
- 他社の選考状況
- 仕事内容の理解はしているか
面接ではガクチカの深掘りが多く、少なくとも「直面した困難と乗り越えた方法」「リーダーシップ経験」「経験から得た学び」を含めた上で、 「就職活動の軸」「志望動機」とのつながりを意識して準備しましょう。 例えば「価値創造での社会貢献」という軸ならば、「ゲーム制作の経験」など価値創造に関わる内容で書きます。
こうすることで「なぜそれに取り組もうと思ったのか(価値創造のため)」「志望動機にどうつながるか(価値創造を重視する社風に共感した)」など、 深掘り質問に対応が可能になります。
志望動機では「なぜ倉庫業界なのか」「なぜ三菱倉庫なのか」は必ず問われますので、インターンシップなど同社開催のイベントで「社風」に関する質問をしておいて、 「実際に肌で感じた社風」への共感をアピールするとよいでしょう。
同社では、3月の参加必須の会社説明会と同時にES提出が開始されます。 面接は書類選考の早かった人から随時行われ、一次・二次・最終面接の3回に合格すれば内々定です。 また、最終面接は「意思確認」ではなくしっかりと「選考」です。インターン参加者でも落ちるため、注意しましょう。
ちなみに、筆者の私が同社の選考を受けた際は、説明会その場で筆記試験・ES作成ということがありました。 財閥倉庫はこのように「抜き打ち試験」がありますので、油断しないようにしましょう。
エントリーシート
ES設問 | 5本 |
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三菱倉庫へのエントリーシートは、「学生時代力を入れたこと」を3つと「志望動機」「集団内でどのように行動するか」の5本です。
1~3つ目は「学生時代頑張ったこと」です。 数が多く大変ですが、「華々しい活動のインパクト」ではなく「就職活動の軸に関連する取り組み」でそろえましょう。
4つ目は「なぜこの会社を選んだのか」です。 こちらの答えは「就活の軸の実現のため」です。その中で特に同社を選んだ理由として、「経営理念・社風への共感」を採用するとよいでしょう。
5つ目は、リーダーシップに関する質問です。こちらはガクチカのエピソードを抜粋して、「助けを求めた」「協力を得られた」などの経験を書きましょう。
以上のようにESは、「就活の軸」「ガクチカ」「志望動機」を一連のストーリーとして書くことで、それぞれの説得力を高めることができます。 加えて採用ページのプロジェクトや社員紹介などを熟読し、 会社には何を目指す社風があるのかをじっくり研究し、志望動機に絡めていくと、さらによいですね。
ESのストーリー化については、【完全版】エントリーシートの書き方|165社の深掘り対策搭載!の記事で詳しく解説しています。
志望動機
ポイント | 社風への共感 |
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三菱倉庫の志望動機の例文と書き方を解説します。まず、例文は次の通りです。
私が貴社を志望する理由は、「現状に満足せず挑戦し続ける」という貴社の社風に強く共感したからです。
学生時代、私はゲーム制作プロジェクトに取り組み、既存の枠にとらわれず、新たな表現や体験を提供するための挑戦を続けました。 プレイヤー視点に立って試行錯誤を重ね、独自のアイデアを形にすることで、完成度の高い作品を創り上げた経験は、挑戦し続けることの大切さを学ぶ契機となりました。
貴社は、長い歴史の中で培われた信頼に基づき、物流や不動産事業において新たな価値を創造し続けており、その姿勢に強く魅力を感じています。 また、DX推進やグローバル展開といった先進的な取り組みを積極的に行い、物流業界において挑戦を続ける姿に感銘を受けました。
私は、大学時代に培った問題解決力や挑戦心を活かし、貴社の事業に貢献するとともに、さらなる成長を目指して努力を続けたいと考えています。 そして、三菱倉庫の一員として、未来の物流を支え、新たな価値を社会に提供する挑戦を続けたいです。
この志望動機は、三菱倉庫の歴史と革新性の両面に着目し、応募者自身の挑戦経験と結びつけて表現された、バランスのよい構成となっています。
- 冒頭での価値観の共鳴
「現状に満足せず挑戦し続ける」という社風に共感したことを明示しており、企業文化への理解と親和性を強く印象づけています。
自身の価値観との接点を早い段階で提示しているため、読み手に納得感を与える入り口となっています。 - 学生時代の具体的な挑戦経験
ゲーム制作という創造性が求められる活動を通じて、「枠にとらわれない発想」「プレイヤー視点」「試行錯誤」といったキーワードを用いて、挑戦を行動レベルで表現しています。
「完成度の高い作品を創り上げた」という成果の記述があることで、挑戦の結果として価値を生み出した実績も明示されています。 - 企業の強みと時代性への言及
三菱倉庫の「歴史と信頼」「物流・不動産」「DX・グローバル」といった多面的な強みや最新の取り組みに触れており、企業研究の深さと関心の高さが伝わります。
特に、伝統企業である三菱倉庫が「革新にも挑戦している」という視点が鮮やかです。 - 自分の強みと企業への貢献意欲
最後に「問題解決力や挑戦心」を貢献意欲と結びつけ、応募者としての提供価値を明確に述べています。 さらに「さらなる成長」「未来の物流を支える」といったビジョンも描いており、中長期的な視座がある点も好印象です。
総じてこの志望動機は、企業の特徴・社風・今後の方向性をしっかりと捉えたうえで、自身の経験と志向を言語化した完成度の高い内容です。 伝統と革新のバランスを評価し、自らも挑戦を重ねてきた経験を活かしたいという論理が一貫しており、三菱倉庫が求める人材像に合致する説得力のある志望動機となっています。
三菱倉庫の強みと社風
社風 | 挑戦し続ける社風 |
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三菱倉庫の強みは、現状に満足せず挑戦し続ける社風にあります。 現在でも十分な利益が上げられており、また好立地の倉庫跡など価値の高い不動産を所有しています。 しかし、さらに高度な倉庫・新規顧客の獲得に向けて挑戦を続ける姿勢が見られます。
同社は中期経営計画にて、物流事業の強化について次のように定めています。
- 重点3分野「医療・ヘルスケア」「食品・飲料」「機械・電機」の事業拡大を図る
- 市場拡大が見込まれる「新素材」を重点分野に追加する
- 新規業務の獲得、既存業務の深耕による収益増と業務効率化・適正料金の収受による利益率向上により、物流事業の稼ぐ力を強化する。
1つ目は、特別な設備のある倉庫が必要な分野のことです。 医薬品や冷蔵・冷凍食品、機械などは「冷蔵倉庫・冷凍倉庫」「空調管理」「セキュリティ」などさまざまな設備が必要です。 そういった倉庫は高い利益が見込まれるとともに、「信頼」が必要になりますから、同社にぴったりの事業ですね。
2つ目は、高度な材料です。例えば自動車・発電機・半導体の材料のことですね。 これらは品質管理が大変で、「大気中の汗が混入したら不良品」というようなものまで存在します。 こういった管理の難しい素材に対応することで、高い利益を見込めるということです。
3つ目は、ベンチャー企業や異業種とのパートナーシップ・営業力強化によって、新規顧客を獲得するということです。 財閥倉庫はどれもメインの顧客が財閥グループ企業ですから、同社はそれを飛び出そうということです。
また、不動産事業では財閥倉庫5社で唯一「自社所有物件」を飛び出して、事業を拡大し続けています。 この事業の売上が他4社の3倍以上に大きくなり、利益率も28%と非常に好調です。
主要取引先
三菱倉庫の主要取引先は、メーカーや商社です。
実はメーカーは、売れ行きに関わらず一定数量の商品を製造し続けなければなりません。 「売り切れ」を出してはならないこともありますが、「今週は売れないから/売れるから」と従業員を減らしたり増やしたりするのは容易でなく、 彼らに給料を支払うためには、工場を止めるわけにはいかないからです。
こうして積みあがった在庫を保管するスペースは必ず必要になります。 特に冷凍食品など特別な設備が必要な製品の場合は、倉庫会社に頼むしかありません。
同様に商社も「顧客の注文に即座に対応できる」必要がありますから、 メーカーから調達した商品を、物流機能の強い倉庫会社に預けておくのです。
競合他社
三菱倉庫の競合他社は、三井倉庫や住友倉庫、安田倉庫、澁澤倉庫が挙げられます。
これらの企業はどこも同じ事業を行っており、倉庫・港湾荷揚げ・輸送ルートの手配にとどまらず倉庫跡地活用まで、ことごとく同じです。 財閥倉庫は財閥グループ企業という強力な固定客がいますが、 近年はコンプライアンスの重視の傾向もあり、必ずしも財閥グループであることが強みにならない時代に突入しています。
(『グループ企業だから』という倉庫選定は価格面を重視しないことにつながり、 会社の利益を損なう=株主への裏切り行為になってしまうためです。)
そのため物流機能を強化して自社の魅力を高めていく必要があるのですが、 やはりどこも同じことをしていますので、就活生が事業内容を比較するのは困難を極めます。 志望動機を「経営理念・ビジョン・社風」におくしかないのは、こういう事情があるためです。
倉庫業界の仕事内容・残業や休日についてなどの比較は、次の関連記事で解説しています。
弱み
三菱倉庫の弱みは、物流革命です。
物流機能を重視しているのは財閥倉庫だけでなく、商社はもちろんのこと、Amazonや楽天などの通販事業者、 大規模小売業、自社でトラック網を有する陸運業界もあります。 また近年ではトラックの自動運転などもあり、IT企業すらライバルになりえます。
現在はまだ「倉庫も物流機能もある」ことでその地位を維持していますが、 倉庫自体は誰でも建設できるものな上に、AI化・IT化で物流に革命が起きる場合に備えて、 財閥倉庫もIT投資が必要な時代に突入しています。