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【学生時代頑張ったこと】どんなネタでも人事の心を打つ書き方

学生時代頑張ったことの書き方

 学生時代頑張ったこと(ガクチカ)の書き方と例文(勉強・ダイエット・アルバイト・趣味)を解説しています。 「何を」頑張ったかよりも、「何のために」頑張ったかが重要で、人事に「おっ」と思わせる書き方は誰にでもできます。

この記事の要点

  1. 採用選考で企業が重視している要素を確認!
  2. 伝わりやすい構成で書こう!
  3. 例文を4つ(勉強・ダイエット・アルバイト・趣味)紹介!


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学生時代頑張ったこととは?

自らの意志で最も力を入れた取り組み!

 学生時代頑張ったこととは、あなたが大学生の間に特に力を入れて取り組んだ活動や経験のことです。 就活では、企業にとって「人柄」「熱意」「今後の可能性」を理解するために重要な要素であり、ES・面接で頻繁に質問されます。

 活動は「学業」「部活動」「アルバイト」「ボランティア」「海外留学」「インターンシップ」「趣味・特技」から選ぶことが多いですが、 選考で話すにあたってどの活動を選ぶかについては、次のことに注意しなくてはなりません。

 ゆえに、「ガクチカに書くために」する活動ではアピールとして弱くなります。 就活を控えてボランティア活動などに取り組む場合は、必ず「就職活動の軸」と関連付けた上で参加しましょう。

【関連記事】 就活にボランティア経験は意味ない?|自己PRにうまく利用する方法  

企業は何を評価している?

人柄・熱意・可能性の3つの要素をアピールしよう!

 まずは企業が採用選考で重視する項目を確認しましょう。 2024年に企業向けに実施されたアンケートでは、「人柄:93.9%」「自社への熱意:76.5%」「今後の可能性:67.4%」となっています。 つまり、これらをアピールできる内容を用意すればよいわけです。

参考:就職白書2024データ集|就職みらい研究所

 「学生時代頑張ったこと」は志望先の事業内容・経営理念・社風などに関連し、 最終的に志望動機に「こんな仕事をやりたい」と書く際にその「根拠」となるような内容にすると、 「自社への熱意」や「今後の可能性」を効果的にアピールできます。

 例えば「交通安全」の会社に応募する場合は、「交通安全のために頑張ったこと」を書くと、 志望動機で「交通安全の仕事がしたい」と述べる際に説得力が出ますよね。 このように設問に単体で答えるのではなく、エントリーシート全体の流れを意識し、一貫性を持たせましょう。

【関連記事】 エントリーシートの書き方|「おっ」と思わせるコツ  

頑張ったことがない!

頑張ったつもりがないだけ!過去を振り返ってみよう

 「学生時代に頑張ったことがない」と悩む方もいるようです。 ですが実は、「嫌なことを苦労して頑張った経験」である必要も「スケールの大きい立派な経験」である必要もありません。 往々にして、成果を上げた人は「好きでやっていただけ」であって、「頑張ったつもりがない」ものです。

 あなたの過去を掘り下げて「第三者の目」で考えてみましょう。

 学業・部活動・アルバイト・ボランティア・趣味などにおいて、困難を克服した経験や、何か学びを得た経験はないでしょうか。 たとえ立派な経験ではなくとも、他者と協力したこと問題意識をもって解決しようとしたこと自体に価値があり、 「第三者の目」で見ると「十分立派な活動」だと言えることもあります。

 例えば筆者の場合は、趣味でプログラミングをしたり、文章やデザインの研究をしていました。 これも自分自身では「楽しくてやっていただけ」なのですが、第三者の目で見ると「頑張ったこと」になります。

 このように自分の活動を振り返って「人生の方向性」や「自分の価値感」を導くことを「自己分析」と言いますが、 これがまだの場合は、先に自己分析に取り組むようにしましょう。

【関連記事】 【自己分析のやり方】説得力あるESがあなたにも書ける!

 「サークル・アルバイトどころか趣味すらない」「本当にない」という方に向けて、 「嘘をつかずに無から有を生み出す方法」を次の関連記事で解説しています。 「楽しくてやっていただけ」のこともない場合、最終手段としてこちらを試してみてください。

【関連記事】 【ガクチカが本当にない】完全な無から有を作る文章術と例文3選!  

書き方と注意点

これを守れば論理的な文章が書ける!

 学生時代頑張ったことを書く際は、次の要素をすべて含めるようにすると、伝わりやすい構成になります。

1.結論何を頑張ったのか
2.動機なぜ頑張ったのか(就活の軸を理由にする)
3.目標どんな目標を設定して取り組んだのか(大きな目的に対する中間目標が良い)
4.工夫取り組みで直面した困難と、それを乗り越えた方法
5.結果目標を達成できたのか、もしくはその達成率
6.学び取り組みで副次的に得られた学び

 この構成のことをPERP法と言いますが、 文章で論理的に伝える際のフレームワークとなっています。

 上場企業が節目節目に発表する「中期経営計画」もこの書き方を取ります。 企業は「経営理念」という長期の目的に対して「中期経営計画」を策定し、3~5年のスパンで「中間目標」を設定します。

 「学生時代頑張ったこと」もこれに習い、長期の目的である「就活の軸」に対して、 「学生のうちにここまではやりたい」という「中間目標」を設定し、 それを達成できたかどうかを振り返って確認します。

 このように、長期の目的として「就活の軸」が前提になりますので、 まだの場合は先に準備しておきましょう。

【関連記事】 【就活の軸】人事の心を打つ熱意あふれる答え方42例!

 この構成を守った、学生時代頑張ったことのひな形は次の通りです。

 ○○の実現のために、中間目標として〇〇を頑張りました。 〇〇で苦労しましたが、〇〇することで解決し、目標を達成することができました。

 また、その過程で〇〇という学びが得られました。

 

注意点1:ES全体の流れを意識する

ES全体をストーリー化しよう!

 作成時には、ES全体の流れを意識してください。

 実は、ESには「流れ」があります。 それは、「就活の軸」を前提として、その長期の目的を達成するために「学生時代頑張ったこと」があり、 入社してその企業のビジネスに携わることで目的を実現するという「志望動機」に至るという流れです。

 言い換えれば、「就活の軸」と「志望動機」の間の接着剤の役割を持つのが「学生時代頑張ったこと」であり、 「就活の軸に対する本気度」を補強し、「志望動機の説得力」を高める意味があります。

 MY就活ネットでは、これを「ビジョン実現ストーリー」と呼んでいますが、 ES全体をストーリー化することによって、一貫した姿勢をアピールすることができます。

 

注意点2:必ず結論から書く

結論が冒頭にないと読んでもらえないことも・・・

 伝わりやすい文章のコツは、結論から書くことです。

 友人との文章のやり取りでは、時系列順に出来事を伝えることが多いのではないでしょうか。 「面白おかしく」伝えるには、時には結論を後回しにするのが効果的な場合もあります。 しかし、ビジネスの場面では結論を最初に書くのが前提です。

 「何の話なのかがわからない」状態では、内容が頭に入ってこないためです。 「学生時代頑張ったこと」の場合、「何を頑張ったのか」を最初に書くことが重要です。

参考:仕事のできない人は文章の「型」がわかってない|東洋経済オンライン

 

注意点3:「やらされたこと」は書かない

大卒総合職は、仕事をやらせる側の立場!

 「学生時代頑張ったこと」は、自らの意志で主体的に取り組んだことでなくてはなりません。 「やらされたこと」「義務」などを書くと、それは「やって当然のこと」なので低評価を受けてしまいます。

 一方で、例えば以下のように「やらされたこと」に工夫を加えて特別な経験をした場合や、 誰の命令でもなく自分の意志で取り組んだ場合は別です。

 よく「バイトリーダー」「サークル長」「部活の副部長」などの肩書自慢をして終わってしまうケースが散見されます。 これではネタが被って読んでもらえないため、リーダーシップを効果的にアピールするにはどうすればいいか、次の関連記事で解説しています。

【関連記事】 ガクチカにバイトリーダーはやめとけ|印象に残る工夫を解説  

例文

 学生時代頑張ったことの例文を4つ紹介します。 書き方の項目で「前提として就活の軸が必要」と述べましたので、「就活の軸」を前提に、 かつ必要な要素をすべて含めた形で書いています。

 

1.学業の場合の例文

一流の経営者になるために、学業を頑張った!

0.就活の軸一流の経営者になりたい
1.結論学業を頑張った
2.動機一流の経営者になるため
3.目標経済学と法学の両方を学びたい
4.工夫他学部の友人と勉強会を開き、受けられない講義は教授に教えを請い、独学で書籍を調達して勉強した
5.結果コーポレートガバナンス・マーケティング理論・会計学・統計学などを学ぶことができた
6.学び選択と集中を実践することができた

 私は「一流の経営者になる」という夢を実現するために、学生時代は経済学と法学の両方を学ぼうと、学業に力を入れました。

 経済学部に在籍しているため法学部の講義の情報が入って来ず、また2つの学問を修めるには時間がまったく足りませんでした。

 そこで法学部の友達と勉強会を開催して知識を共有すると同時に、講義の情報も仕入れました。 法学部で受講するのは会社法と民法に絞り、それでも講義のコマが被ってしまった場合は「教授に直接教えを請う」「独学で勉強する」という対策を取りました。

 その結果、コーポレートガバナンスやマーケティング理論、会計学、統計学など 法律と経済を両立した人物になることができました。 このためビジネス書籍やビジネス雑誌の理解度が大幅に向上しました。

 また、「法学は会社法と民法に集中する」という経済理論でいう「選択と集中」を実践することができました。

 次は貴社で様々な事業を経験することで、実務の経験を積みたいと思っています。

 注意してほしいのは、「やりたくてやった勉強」であることです。 もし「学生の本分だから」「単位取得のため」など「やらされた勉強」を書いては、主体性がないとみなされます。

 必ず例文のように、実現したい夢その手段としての勉強という構成にしてください。 「なぜそれを頑張ったのですか?」と聞かれたら「ビジョンの実現のためです」と答えられるようにしましょう。

 

2.ダイエットの場合の例文

モテるために、ダイエットを頑張った!

0.就活の軸モテたい
1.結論ダイエットを頑張った
2.動機モテるため
3.目標10キロの減量
4.工夫身体の仕組みを学び、タンパク質主体の食事に変え、筋肉をつけて太らない身体づくりをした
5.結果1ヶ月の間に、食事制限なしで10キロの減量を達成した
6.学びやる気を出す方法を身に着けた

 私は「モテる」という夢を実現するために、ダイエットを頑張りました。

 10キロの減量を目標に、まずは身体の仕組みを研究するところから始めました。 その結果、食事の制限ではなく基礎代謝を増やすこと、つまり筋肉をつけることが重要だとわかりました。

 そこで食事をタンパク質主体に変え、毎日長距離の散歩をすることにしました。 1時間を目安に歩きましたが、より筋肉をつけるために日々速度を速め、距離を延ばしていきました。 加えて「お腹に力を入れる」など余分に筋肉を使う工夫もしました。

 その結果、食事制限なしでの10キロの減量を1ヶ月で成し遂げることができました。

 取り組みの過程で「目標を達成した自分の姿を想像すること」が、やる気を出すのに大いに役立つと学びました。 次はこの経験を糧に、貴社でマーケティングに携わり、異性の心理をわしづかみにするような仕事をしたいと思います。

 実は、就活の軸は「モテたい」のように個人的な欲望で構いません。 そのほうがよっぽど本気らしいですし、ビジネスは往々にして「モテたい」から始まったものだからです。

 

3.アルバイトの場合の例文

安全と快適を極めるために、アルバイトを頑張った!

0.就活の軸安全と快適を極めたい
1.結論店舗の快適性を高めることを頑張った
2.動機安全と快適を極めるため
3.目標雨の日の転倒をゼロにしたい
4.工夫客の行動を観察し、原因を特定。床に摩擦を発生させたり、障害物を置いて早歩きできないようにした。
5.結果雨の日に転倒する客がゼロになった
6.学び原因自分論で仕組みをつくることの重要性を学んだ

 私はコンビニのアルバイトで、「店舗の快適性を高める」ことを頑張りました。 「安全と快適」を極めたい私にとって、「雨の日の転倒」は放っておける問題ではありませんでした。 そこで、「雨の日に転ぶお客さんをゼロにする」という目標を立てました。

 転ぶのは、「床がきれいすぎる」ことと「お客さんが早足で歩く」ことに原因がありました。 しかし、転倒注意の看板を立てても効果がありません。また、お客さんに気を遣わせている時点で、「安全と快適」とかけ離れています。 そもそも「転ばない仕組み」をつくらなければなりませんでした。

 コンビニではモップ掛けとポリッシャー掛けで掃除をします。 このポリッシャー掛けで床がツルツルになりすぎて、雨の日に滑って転ぶのです。 そこで、「雨の日はあえてポリッシャー掛けをしない」「モップ掛けを増やして水分をとる」という対策をとりました。

 また、店内を早足で歩けないように「買い物かごや補充用品の箱を配置する」という対策もとりました。 この結果、「雨の日に転ぶお客さんがゼロ」になりました。

 この活動で、「安全と快適」は原因他人論で注意を促すのではなく、 原因自分論で仕組みをつくる重要性を知ることができました。

 「勉強」の例文でも触れましたが、「やらされた仕事」ではなく、 必ず例文のように「自分で思いついた取り組み」について書きましょう。

 

4.趣味(読書)の場合の例文

理想の実現のために、読書を頑張った!

0.就活の軸何もしたくない
1.結論経営学を究めることを頑張った
2.動機何もしたくない
3.目標ビジネス書を300冊読む
4.工夫集中力のコントロール
5.結果300冊を読み終えることができた
6.学びストックビジネスの知識

 私は「何もしたくない」という理想を実現するために、経営学を究めることに没頭しました。 具体的には大学の図書館にあるビジネス書300冊を読み尽くすことを頑張りました。

 最初はすぐに疲れてしまい、1冊を読み終えるのに1ヶ月もかかるということもありました。 そこで集中力をコントロールするため、ビジネス書と交互に経営者のエピソード本を読むことにしました。 エピソード本は小説のようにまとめられていてリラックスして読むことができます。

 精神力のいるビジネス書とリラックスできるエピソード本を組み合わせることで 「集中する時間」と「リラックスする時間」を意識的にコントロールし、効率よく本が読めるようになりました。 その結果、これまでに300冊すべてを読み終えることができました。

 この活動で得た知識をもとにストックビジネスを行い、安定着実な収益を確保し、 「稼げる仕組み」をつくっていきたいと思っています。

 趣味は「頑張ったつもり」がないかもしれません。しかし、それに興味のない人から見たら、十分「頑張ったこと」になり得ます。 たとえ趣味であっても、「実現したい夢」と「困難を工夫して乗り越えた」ことがあれば、ESや面接に利用することができます。

 

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著者:村田 泰基(むらた やすき)
 合同会社レセンザ代表社員。1989年生まれ。大阪大学法学部卒。2013卒として就活をし、某上場企業(メーカー事務系総合職)に入社。 その後ビジネスの面白さに目覚め、2019年に法人設立。会社経営者としての経験や建設業経理士2級の知識、自身の失敗経験、300冊以上のビジネス書・日経ビジネスを元に、11年間に渡り学生の就職活動を支援している。 →Xのアカウントページ