【就活】JTの就職難易度|内定獲得への選考情報!
JT(日本たばこ産業)の就職難易度やエントリーシート・志望動機の書き方・面接などの選考情報に加え、同社の強みや特徴など企業研究に役立つ情報を解説しています。新卒採用に応募する際、ぜひ参考にしてください。まず、基本情報は以下の通りです。
会社名 | JT(日本たばこ産業) |
---|---|
就職難易度 | 非常に高い |
売上高 | 2兆8410億円 |
採用人数 | 事務系:50名程度 技術系:100名程度 |
初任給 | 学部卒:244,500円 院卒:261,400円 |
平均年収 | 927万円 |
年間休日 | 120日以上 |
経営理念 | お客様を中心として、株主、従業員、社会の4者に対する責任を高い次元でバランスよく果たし、4者の満足度を高めていく |
参照:JT|有価証券報告書(売上高・平均年収)
参照:JT|募集要項(初任給・年間休日)
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就活情報・選考の流れ
JTの就活情報や選考の流れについて解説していきます。インターンシップや選考に乗り遅れないよう注意しましょう。 一方の「就活のやり方」全般については、「就職活動のやり方|失敗しないコツを実体験で解説!」を参照してください。
JTの就職難易度
就職難易度は、非常に高い!
JTの就活難易度は、非常に高いです。 JTは理系の採用が多いですが、文系の採用人数は50人程度と多くはありません。 また海外展開やM&Aで非常に話題の企業ためライバルは非常に多いです。
就職には高い学歴が求められ、総合職では東京大学や京都大学などの旧帝大卒の学生が多く、 こういった大学群の学生ですらインターンシップやリクルーター面接で活躍しなければ、 なかなか選考本番にも進むことができません。
JTは国内のJTと海外のJT(JTi:JTインターナショナル)がありますが、いったんは全員国内のJTで採用されます。 その後、人事異動でJTiに異動になり、海外事業に携わることもあります。
JTに必要なTOEICスコアは明示されていませんが、730点ほしいところです。 かなりグローバルな企業であり、仕事上で英語は必須になってくるためです。
ただし、スコアが絶対かというと、そうではありません。 というのも英語はいずれ身につくものであり、現時点でペラペラに話せる必要はなく、入社後でも鍛えられるためです。 一方で英語への意欲は示さなければなりませんので、少なくとも受験してESにスコアを書くくらいはしましょう。
面接
インターンルートかリクルータールートが内定の鍵!
JTの面接は、すべての質問に対して就活の軸をベースにした「『将来の夢』実現ストーリー」を意識して答えましょう。 そのためにESを、提出済みであってもブラッシュアップし直すことが合格のコツです。
また面接中は「明るく大きな声で話すこと」を意識しましょう。会社は「元気のある新卒」を求めています。 「緊張して話せない」場合も、最初に「第一志望なので緊張しています」と告白しておけば好感度も上がります。 加えて「自分を良く見せようとしない」ことにも注意を払い、「理想の後輩」を演じ切りましょう。
同社は、リクルーター面接がメインの選考ですが、インターンシップルートもあります。 JTのインターンシップは非常に人気で募集人数も数十人程度と少なく、やはり多くの就活生はリクルーター面接ルートでの採用になるでしょう。
エントリーシートとWEBテストが、リクルーター面接3回目のころに行われます。 エントリーシート自体は1回目のリクルーター面接の時点で完成させておく必要があります。 また、せっかくなので添削してもらうのもいいでしょう。
事実上、リクルーター面接に落ちるとほかの選考ルートはありません。 またWEBテストも点数が低いとリクルーター面接の評価が高くても落ちますので、 事前に興味のない会社のWEBテストを受けるなどして練習しておきましょう。
余談ですが、JTのリクルーター面接、最終面接では喫煙者同士ならたばこを吸いながら面接をするのが特徴的で、 ひそかに人気のある面接だったりします。私もJTのリクルーター面接を受けましたが、 たばこどころかビールを飲みながらの面接になり非常におどろきました(笑)
エントリーシート
「将来の夢」実現ストーリーをつくろう!
JTへのエントリーシートの書き方は、就職活動の軸を前提に「『将来の夢』実現ストーリー」をつくり、 同社の「経営理念・ビジョン・社風」と一致した志をアピールすることです。 最終的には「将来の夢を実現するために、貴社のビジネスに携わらなければならない」と結論付けます。
ESのお題は「JTに入社してあなたが挑戦したいこと」「学業への取り組み内容とその成果」です。
実はESは、「『将来の夢』実現ストーリー」を書くものなのをご存知でしょうか。 ESはどの会社も以下の三部作構成になっています。
- (過去編):学生時代頑張ったこと:将来の夢に向かって今まで何をしてきたか
- (現在編):長所・短所:将来の夢の実現にあたって現状の自分を把握できているか
- (未来編):なぜこの会社を選んだのか・この会社に入って挑戦したいこと:何をして将来の夢の実現するか
ストーリーの作り方は【例文】エントリーシートの書き方|「おっ」と思わせる!で解説していますが、 ES本番を待つのではなく、インターンの段階でこれができていれば、かなり有利です。
同社の選考においても「就職活動の軸」を前提として、「過去編」「現在編」「未来編」の三部作構成でESを書き、 最終的には実現するには貴社のビジネスに携わるしかないという結論に持っていくのです。
ですから、採用ページのプロジェクトや社員紹介などを熟読し、 会社には何を目指す社風があるのかをじっくり研究し、志望動機に絡めていきましょう。
同社のESは、学問の本質を理解しているかどうかの質問です。「法学部だから会社法に詳しくなった」「経済学部だからマーケティングに詳しくなった」ということを聞かれているのではありません。 学問を通じて得られたもっと根本的な「思考力がついた」「わからないことを自分から調べるクセがついた」 というように、「学問以外で役立つ能力」、欲を言えば「将来の夢の実現」に資する能力がついたと言えるのがよいでしょう。
「なぜたばこ産業なのか」「なぜJTなのか」ということも必ず問われますので、 経営理念やインターンシップ参加時に感じた社風などを交えて答えるのが理想です。
志望動機
ビジョンの一致をアピールしよう!
JTの志望動機の書き方は、会社の「経営理念・ビジョン・社風」と自分の「就職活動の軸」の一致をアピールし、 「将来の夢を実現するために、貴社のビジネスに携わらなければならない」と結論付けることです。
同社の経営理念は「お客様を中心として、株主、従業員、社会の4者に対する責任を高い次元でバランスよく果たし、4者の満足度を高めていく」で、 ビジネスの目的は「自然・社会・人間の多様性に価値を認めお客様に信頼される『JTならではのブランド』を生み出し、育て、高め続けていくこと」でした。 ここから導き出せる志望動機は以下の通りです。
- 高品質なものづくりがしたい
- 健康を増進する仕事がしたい
- 食を通じて豊かさと幸せを提供したい
- 世界に驚きと感動を与える仕事
- 嗜好品を通じて世界を明るくしたい
- 非常に幅広く事業を展開しており、技術の応用に積極的であること
- 女性と嗜好品の共存を実現したい
- グローバルな環境に魅力を感じた
- 様々な技術を結集して作られる製品にモノづくりの魅力
- 社会に新しい価値を提供したい
- 単なるモノではなく文化をつくりたい
志望動機では同業他社との比較検討が欠かせません。一般的には会社の強みで比較したくなるものです。 ですが、「事業ごとの売上高」や「事業内容」「海外売上比率」などで比較するのは得策ではありません。 というのも、同業他社はどこも同じ事業をやっていて、就活生の視点で比較するのは至難を極めるためです。
最適なのは「経営理念・ビジョン・社風」と「就職活動の軸」の一致具合をアピールする方法です。 経営理念や社風といったものはその会社に唯一無二のものであり、 会社の持つ「夢」とあなたの持つ「夢」が一致しているほど、志望動機として説得力のあるものは他にありません。
先にも少し触れましたが、エントリーシートは「将来の夢を実現するために、貴社のビジネスに携わらなければならない」 と述べる「『将来の夢』実現ストーリー」になるように構成されています。 このように、志望動機に書くことは最初から決まっているのです。
「就職活動の軸」が海外に関連するものであれば、「海外展開に積極的な社風」、 環境に関連するものであれば「環境問題に積極的」というように、会社の性格で一致したものを書きましょう。
ですから、ここにある志望動機もほんの一例にすぎません。 あなたの将来の夢と、会社の企業理念・ビジネスの目的を結びつけて考えて、志望動機をつくるのです。
そのためにはまず、自己分析をして、就職活動の軸を導き出さなければなりません。
また、次の関連記事では、文系向けに「メーカーの志望動機の書き方」を例文付きで解説しています。 食品メーカーでも使える内容ですので、ぜひ参考にしてください。
→【文系専用】メーカーの志望動機|必要な人材認定をもらうコツ
「Unistyle」という就活サイトでは、JT(日本たばこ産業)に実際に内定したエントリーシートを見ることができます。 本来こういった資料は、その企業に内定した先輩が身近にいないと見れなかったものです。 これが1社あたり何通・何十通も収録されていて、会員登録するだけで完全無料です。
JTの強み・特徴
同業他社とは経営理念で比較しよう!
JTの強み・特徴は、経営理念の「自然・社会・人間の多様性に価値を認めお客様に信頼される『JTならではのブランド』を生み出し、育て、高め続けていくこと」に表現されています。 JTのビジネスの目的には、「地域」や「日本」という言葉が入っていないことがわかります。 実は、JTはグローバル企業です。
2兆円を上回るJTの売上高のうち、国内たばこ事業が占める割合はたったの30%です。 なんとJTの売上高のうち、60%が海外たばこ事業なのです。
海外旅行に行くとわかるのですが、意外とJT製のたばこが多く売られています。 海外で流行っているたばこはJTがライセンスを取得して製造販売していることも多く、 日本では買えない海外限定のJTたばこもあるくらいです。
それも、JTがM&Aやライセンスの取得に非常に積極的で、人気商品や有名ブランドを積極的に買い進めていった結果なのです。 JTのM&Aはビジネス界でも評価が高く、失敗も多いソフトバンクやキリンビールとよく引き合いに出されます。
このようにJTは「自然・社会・人間の多様性の価値」に敏感で、ブランドを買って変えてしまうのではなく、 ブランドにもともとあった商品はそのままで、JT独自の商品を追加投入していくことでブランドの強化を行っているのです。 ビジネスの目的を明確に理解している企業だと思います。
ビジネスモデル
多様性を認めるビジネス内容!
JTのビジネスモデルはたばこブランドを確立し、リピーターを増やすことです。 一般にたばこは依存性が高いといいますが、実はたばこにはそれぞれ味があり、誰にでも好みがあります。 「ぼくは日本人だからJTのたばこにしよう!」と思って吸い始めても、味の好みがアメリカ製だったりするのです。 そのためコンビニにはたくさんの種類のたばこが並んでいるんですね。
JTはこの「好みの多様性」を認め、「喫煙者を全員セブンスターファンにする」ような活動はしていません。 それぞれの好みを取りこぼさないよう、様々なブランドを打ち立て、日本では日本人好みのたばこを、 海外ではその地域の人好みのたばこを徹底研究して商品を投入しています。
私も台湾やイタリアに旅行した際、日本からもってきたたばこを切らしてしまったので現地のJT製のたばこを買いましたが、 味が違って好みではなかったのを覚えています(笑) つまり、JTだからといって日本のたばこをそのまま輸出しているのではなく、現地人の味覚に合わせたたばこを販売しているのです。
この「多様性の価値を認める」ところがJTのビジネスのうまさであり、 海外ブランドを次々に買収しては利益につなげている常勝のM&A術なのです。
そのほかにもJTでは医薬品や食品加工の事業も行っています。 食品加工は売上高の8%で、冷凍食品が有名ですね。医薬品はまだまだこれからですが、 抗HIV薬や抗アレルギー薬の研究開発を進めており、今後の拡大が予想されます。
主要取引先
JTの主要取引先は、全世界のたばこ取扱店(コンビニやたばこ屋さん)です。 国内事業では日本のコンビニやたばこ屋さんですが、海外事業では全世界どこへでも飛んでいきます。 というのも、結局のところ消費者である喫煙者の味覚に合わせたたばこを作らなくてはなりませんので、 日本に引きこもっているばかりではいけないからです。
もちろん現地では現地人を雇っているのですが、これほどのグローバル企業ですので英語のスキルはいずれ必要になります。 就活の段階で必須というわけではなく、私もTOEICも英検も持っていませんでしたがリクルーター面接3回目までは呼ばれました。 英語で門前払いを食らうことはありません。ただ、勉強する姿勢は見せなければいけないでしょう。
たばこ取扱店が直接の取引先にはなりますが、ブランド戦略ではなんといってもマーケティングが重要な仕事です。 徹底して現地のたばこの好みを調査し、どんな商品が売れるのか、またどうやって宣伝広告をしていくかが主要な任務です。 キャンペーンで喫煙者にインタビューしたり、アンケートをとったりすることもあるでしょう。
また、ライセンス契約やM&Aで競合他社と取引関係になることもあります。
競合他社
JTの競合他社としては、インペリアル(英)・フィリップモリス(米)・ブリティッシュアメリカン(英)などの海外たばこメーカーがあります。 インペリアルは日本ではマイナーですが、「WEST」や「ダビドフ」「ゴロワーズ」などのブランドで世界1位のメーカーで、 フィリップモリスはおなじみの「マールボロ」「ラーク」「パーラメント」の会社で世界2位。 ブリティッシュアメリカンは「ケント」「ラッキーストライク」で有名な会社で世界3位です。
そしてJTは世界4位のたばこメーカーです。国内ではJTが圧倒的で、マールボロが流行っているのも近年までJTのライセンスで販売されていたためで、 JTのマーケティング力があまりにも強すぎるところに起因しています。 海外でもJTは成長中で、次々に有名ブランドを取り込んでいっていますので、今後も期待できそうですね。
たばこ事業はとにかく現地人の味覚に合わせたたばこを製造することが肝ですので、 世界のどこでも同じ味を売っている他社と比べて、積極的に現地ブランドを導入して、 さらにJT独自にも種類を追加していくスタイルはとても理想的です。
特にたばこはいったんファンになってしまえばなかなか銘柄を変えたりしませんから、 一種のストックビジネスとも言え、なかなか顧客を奪われるということは起きないでしょう。
一方で、儲からない事業はやめてしまう決断ができ、交渉術にも長けているのもJTの強みです。 「桃の天然水」「ルーツ」に代表されるJT飲料がありました。しかしなかなかヒット商品に恵まれず、 また飲料ビジネスのかなめである自動販売機設置数が思うように伸びなかったため、「飲料水事業をやめる」と発表しました。
JTの飲料事業は1800億円の売上高、87億円の営業利益を誇っており、それだけで会社として成立するレベルでした。 しかし、本業のたばこ事業に比べたらスズメの涙ということで、「売れるうちに売ってしまおう」ということだったのです。
これもJTのうまいところなのですが、少ないとはいえ「金のなる木」である自動販売機をもっていて、 「桃の天然水」「ルーツ」などのブランドももっているのに「売却します」ではなく「やめます」 といったのです。他の飲料水メーカーが黙っているわけがありませんね。
JTとしては「いや、別に困ってないし売らなくてもいいんだよ?」という態度で、 他社が「どうしてもほしい!売ってくれ!」と言うのを待っていたのです。これでサントリーに好条件で事業を売却することができました。 さすがグローバル企業、交渉術にも長けていますね。
弱み
JTの弱みは法律や条例です。日本ではたばこ排斥の圧力が強く、 昭和40年には80%を超えていた喫煙率も、今では20%程度にまで落ち込んでいます。 路上喫煙に加えて全国の飲食店でも全面禁煙になる予定ですから、日本国内では逆風です。
しかし、JTはもはや日本国内の会社ではなくグローバル企業です。 たばこ排斥の圧力が強いのは実は日本が珍しいレベルで、 グローバルスタンダードは屋内禁煙、屋外はOKです。路上喫煙自体はOKで、 歩きたばこやお店のドアのそばでの喫煙が禁じられている程度なのです。
世界中にたばこファンはいくらでもいて、日本ほど喫煙に厳しい国はなかなかありません。 もはやグローバル企業になったJTにとって、国内事業がうまくいかなくなっても海外事業にシフトするだけです。 しかし、どこの国でも日本のように喫煙に厳しい法律ができる可能性があるのはリスクです。
JTではこれに対して「アメリカだけ」「西洋だけ」ではなく全世界でたばこを販売することで乗り越えています。
そして医薬品部門はJTにとってまだまだ少額の事業ですが、研究開発にお金がかかる一方で、 うまく製品化できないことは医薬品業界では往々にしてあります。 たばこ事業で莫大な利益を出しているJTではありますが、医薬品がなかなか製品化できないというリスクも一応あります。
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同業他社の企業研究を見る
- 日清食品の企業研究(売上高:6692億円、平均年収:790万円、年間休日:123日)
- サントリーHDの企業研究(売上高:3兆2851億円、平均年収:1133万円、年間休日:121日)
- JT(日本たばこ産業)の企業研究(売上高:2兆8410億円、平均年収:927万円、年間休日:120日以上)
- キリングループの企業研究(売上高:2兆1343億円、平均年収:957万円、年間休日:123日)
- 味の素の企業研究(売上高:1兆4392億円、平均年収:1072万円、年間休日:124日)
JT(日本たばこ産業)のような優良企業に内定をもらうには?
著者:村田 泰基(むらた やすき)
合同会社レセンザ代表社員。1989年生まれ。大阪大学法学部卒。2013卒として就活をし、某上場企業(メーカー事務系総合職)に入社。
その後ビジネスの面白さに目覚め、2019年に法人設立。会社経営者としての経験や建設業経理士2級の知識、自身の失敗経験、300冊以上のビジネス書・日経ビジネスを元に、11年間に渡り学生の就職活動を支援している。
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