【サントリーの就職】難易度・強み・ESの書き方など選考対策!
会社名 | 就職難易度 |
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サントリーHD | 高い 4.3 / 5.0 |
売上高 | |
3兆4179億円 | |
平均年収 | 年間休日 |
1133万円 | 121日 |
採用人数 | 初任給 |
事務系:90名程度 技術系:80名程度 | 学部卒:278,000円 院卒:294,800円 |
※就職難易度は「採用倍率」「採用大学のランク」をもとに算出しており、データは就職四季報・リクナビのプレエントリー数を参照しています。
参照:サントリーホールディングス|募集要項(初任給・年間休日)
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選考フロー
選考開始 | 12月 |
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サントリーの選考フローは次の通りで、12月開始です。
- ES提出・WEBテスト
- 面接3回
- 内々定
インターン優遇の早期選考があります。また、開始時期は変更の可能性もあります。早めにプレエントリーして案内を見逃さないよう注意しましょう。 →サントリーグループの採用ページ
一方の「就活のやり方」全般については、「就職活動のやり方|失敗しないコツを実体験で解説!」を参照してください。
就職難易度
就職難易度 | 高い |
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サントリーの就職難易度は、高いです。 採用倍率は文系66倍・理系11倍で、学歴フィルターはないと考えられます。採用大学が地方女子大や美大まで幅広いためです。 ただし、ボリュームゾーンは早慶・MARCH・関関同立で、この大学群が内定者の過半を占めます。
インターン優遇 | あり |
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インターン優遇の早期選考があります。この場合、本選考が最終面接だけになります。 文系はインターン選考でES・WEBテストを受けるのみで、本選考ではそれらが免除されます。
採用枠が空いた段階での選考は比較的低倍率になります。 また面接が1回で済む優遇制度があるため、インターン参加は内定直結と言えます。志望度が高ければ、ぜひ参加しましょう。
また、インターン優遇とは別にオープン早期選考の制度があります。 ES締切が12月(通常選考は3月)と早めですが、こちらが実質的な「一次締切」となります。 インターンに参加できなかった場合は、こちらに応募しましょう。
TOEIC | 足切りなし |
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サントリーに必要なTOEICスコアは明示されていませんが、730点ほしいところです。 かなりグローバルな企業であり、仕事上で英語は必須になってくるためです。
ただし、スコアが絶対かというと、そうではありません。 というのも英語はいずれ身につくものであり、現時点でペラペラに話せる必要はなく、入社後でも鍛えられるためです。 一方で英語への意欲は示さなければなりませんので、少なくとも受験してESにスコアを書くくらいはしましょう。
面接
面接回数 | 3回 |
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サントリーの面接は3回行われ、次のような質問がされます。
- 自己紹介
- 就職活動の軸について(→就職活動の軸)
- その軸が形成された経緯
- 学生時代力を入れたこと(→学生時代頑張ったこと)
- (関連して)課題をどう乗り越えたか
- (関連して)具体的にどう行動したか
- (関連して)チームでの自分の役割
- 周りからどんな人だと言われるか
- サントリーを選ぶ理由(→なぜこの会社を選んだのか)
- 入社後に挑戦したいこと(→この会社に入って挑戦したいこと)
ガクチカの深掘りに多くの時間が割かれます。 「直面した困難と乗り越えた方法」「リーダーシップ経験」「経験から得た学び」などを予め盛り込んでES作成しましょう。
特に重要なのは、就職活動の軸を初めに設定することです。 詳しくは次の項目で解説しますが、「軸の実現のため」という観点で回答を統一すると、 話に一貫性が生まれ、志望動機の説得力が高まります。
また、二次面接では「メンター」と呼ばれる人事部員と選考外の面談をしたり、最終面接前には人事部総出でリラックスの時間をもうけてくれるなど、面接はすべて和やかな雰囲気で行われます。 ここでは「社風」に関する質問をして、志望動機の補強に利用するとよいでしょう。 次の関連記事は「リクルーター面接」の記事ですが、逆質問リストを掲載していますので参考にしてください。
→リクルーター面接は選考関係ある!|逆質問リストと聞かれること
エントリーシート
ES設問 | 4本 |
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サントリーのエントリーシートは、次の4本の設問が課されます。
- 今のあなた自身を作り上げたエピソードを5つ
- あなたらしい写真とそれを選んだ理由
- 志望理由や強みを活かしてサントリーで成し遂げたいこと
- PRESENTATION FORM
1つ目は「自分史」を書くものです。「就職活動の軸」を前提に幼少期・小学生・中学生・高校生・大学生の5つの時期別に、それに関するエピソードを箇条書きします。 例えば私の場合、「価値創造での社会貢献」を軸とし、次のように回答します。
- 幼少期:自作のすごろくで遊ぶ
- 小学生:「鬼ごっこ」に様々な要素を付加した遊びを提案
- 中学生:WEBサイトの制作を始める
- 高校生:様々なプログラミング言語に挑戦し、動画を制作
- 大学生:サークルでのゲーム制作の経験(『学生時代頑張ったこと』に相当)
→【例文】学生時代頑張ったことの書き方|面接の定番質問に対応!
2つ目はガクチカに関わる写真を選びます。 私の場合、「サークルの集合写真」や「メンバーの相談にのっている写真」を貼ってリーダーシップのアピールをします。
PRESENTATION FORM
ポイント | 10%原色を使う |
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「PRESENTATION FORM」は「今までの人生における『挑戦』または『創造』の経験について」自由に記述するものです。 写真・グラフ・イラスト等何でも利用可とのことです。同社は10年以上に渡ってこれを出題し続けています。
この項目では創造力に関する自己PRをします。 自分史に関連するアピールポイントを、広告を参考にまとめるのがおすすめです。
上記画像のように、補色効果を活用しましょう。 補色とは「カラーサークルの反対側の色」のことで、「紫を基調にしながら重要ポイントだけ黄色を使う」という風に、 特に目立たせたい部分を大きく、補色の原色を使います。原色が多すぎると見にくくなりますので、割合は10%程度に留めましょう。
他にも「人気動画のサムネイル」「映画のポスター」「サントリーの広告」などを参考にするのもよいでしょう。
何より重要なのは、「挑戦や創造に関わるアピールポイント」を目立たせることです。 「何に取り組んだか」より「私は〇〇人間です」の部分を目立たせることで、強い印象を与えることができます。
以上のように、ES全体を「就職活動の軸」で統一することを、MY就活ネットでは「ESのストーリー化」と呼んでいます。 詳しいやり方については次の関連記事で解説しています。
→【完全版】エントリーシートの書き方|165社の深掘り対策搭載!
志望動機
ポイント | 社風への共感 |
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サントリーの志望動機の例文と書き方を解説します。まず、例文は次の通りです。
私が貴社を志望する理由は、貴社が掲げる「やってみなはれ」の精神に強く共感したからです。
学生時代、私はゲーム制作に取り組み、企画から開発、リリースまでを一貫して行いました。 その過程では、失敗を恐れずに新たなアイデアを形にする挑戦を繰り返し、創造性を発揮しながら目標達成に向けて努力しました。 この経験から、挑戦することの意義と、そこから得られる成長の喜びを学びました。
貴社は飲料業界において、革新的な商品開発やマーケティングで新たな価値を創出し続けるリーディングカンパニーです。 また、「水と生きる」という企業理念のもと、持続可能な社会への貢献にも積極的に取り組まれており、その姿勢に大きな魅力を感じています。
私の持つ創造性とチャレンジ精神を活かし、貴社の新商品開発やブランド価値の向上に貢献したいと考えています。 そして、サントリーの一員として、多くの人々に感動や喜びを届けるための挑戦を続けたいと思います。
この例文では、同社の有名な言葉「やってみなはれ」への共感を結論とし、その根拠づけとして自身の「ゲーム制作の経験」を使用しています。 「創造力」「挑戦」などをガクチカでアピールしておくと、志望動機につなげやすいですね。
また、インターンシップなど同社開催のイベントで「実際に肌で感じた社風」を取り入れると、志望動機の説得力がより高まります。
このように志望動機は「就職活動の軸」「ガクチカ」と一連のストーリーとして書かなければなりません。 詳しい書き方については、次の関連記事で解説しています。
サントリーの強み・特徴
強み | マーケティング |
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サントリーの強み・特徴は、マーケティングに強いことです。
マーケティングとは「消費者理解」を軸とした「売れる仕組みづくり」を言いますが、 簡単に言えば商品を「流行らせる」「流行るものをつくる」という方法論です。
例えば「乾杯はビール」がずっと常識だったのですが、「ハイボールで乾杯」という空気をつくりだしました。 アサヒやキリンがビールで争っている中、自社の得意商品であるウイスキーで勝負しようとしたのです。 その結果ハイボールは流行り、ウイスキー自体の売上も伸びています。
あまりに流行りすぎて「白州12年」「響17年」といった高級品は在庫が尽きて休売になるほどです。
そして現在では同社商品の「翠(SUI)」を使った「ジンのソーダ割り」の普及を目指し、飲食店と協力しています。
また清涼飲料水でも実質的にコカ・コーラと業界を二分して互角に争っています。 「棚割り主幹」はスーパーの飲料水の棚の配置を任せてもらえることを言いますが、 棚割りはマーケティングでは重要項目です。
従来はコカ・コーラがこの地位を独占し、自社商品を目立つように配置することで売上を伸ばし、新商品を目立たせてきました。 一方のサントリーは「自社商品」よりも「スーパーの売上増」を追求したため、 スーパーからの評判が高まり「棚割り主幹」の地位をどんどん与えられています。
こうして「消費者理解」「商品開発」に始まり「スーパーの棚」まで考え抜いて、「定番品」をつくりだします。 定番品が多ければ多いほど飲食店での採用が増え、自動販売機も売れ、さらなる商品開発にも着手できるという、 儲かる好循環ができるというわけです。
MY就活ネットでは「マーケティング」を文系最高峰のスキルとして就活生のみなさんにおすすめしています。 サントリーではこれが習得できます。一生食っていけるスキルですから、ぜひマーケティングを志してください。
同じマーケティング企業として有名な会社には味の素や日清食品があります。 こちらもぜひ、併せて見てみてください。
特徴 | 非上場企業 |
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サントリーホールディングスは非上場企業です。子会社のサントリー食品インターナショナルのみ上場していますが、 サントリーホールディングス自体の株式は約90%を創業家である鳥井家の資産管理会社「寿不動産」が所有しています。 これだけの規模の企業で非上場は珍しいですが、「買収されるリスクがない」というメリットがあります。
非上場ゆえ「投資家に忖度して目先の利益を追う」ことも必要ありません。 次の「ビジネスモデル」の項目で解説しますが、株式市場に左右されず「新商品の開発」に経営資源を投入できるのも、同社の強みの1つです。
一方でM&Aの資金調達を株式ではなく銀行借入で行っているため、負債が多く不安視する意見もあります。
ビジネスモデル
ヒット商品が次のヒット商品を生む!
サントリーのビジネスモデルは定番商品の利益で次の定番商品を生むことです。
「角瓶」「ザ・プレミアム・モルツ」や「金麦」といった定番商品は、あまりマーケティング費用をかけずとも売れていきます。 それらで得た潤沢な利益を「次の定番商品の商品開発」に回すことで、「次の定番商品を生む」のが同社のビジネスモデルです。
酒類だけでなく、ソフトドリンクでも「BOSS」「伊右衛門」といった定番商品に加え、 ライセンスを認められている「ペプシコーラ」やM&Aによって手に入れた「オランジーナ」などブランド力があり、 商品開発に回せる利益をたくさん稼いでいます。
近年では「翠(ジン)」のマーケティングに力を入れていますが、これを可能としているのも、すでに定番商品がたくさんあるためです。
特に自動販売機は低リスクで高利益が狙えるおいしい分野です。 自販機は土地やビルのオーナー負担で設置され、電気代や売れ残りも基本的にオーナー負担なため、 サントリーは売れ筋商品を補充するだけでいいのです。
しかし、オーナーの立場に立ってみると「よく売れる自販機」がいいに決まっています。 定番商品が多ければ多いほど自販機を設置してもらえて、高い利益が見込めます。 現在、設置台数はコカ・コーラが1位(96万台)でサントリーが2位(48万台)ですが、いかにシェアを奪っていくかが課題です。
競合他社
サントリーの競合他社としては、アサヒビール、キリンビール、サッポロビールといったビールメーカーがあります。 サントリーは、アサヒやキリンの「生ビール」市場で勝負せず、サッポロビールと「プレミアムビール」市場で勝負しました。 結果、モンドセレクションの受賞や巧みな広告活動によるマーケティングでプレミアムビールNo.1の地位を築いています。
キリンビールとの明暗を分けたのは、「戦略」です。キリンビールが「ラガー」「一番搾り」「プレミアムキリンビール」など、 さまざまな市場でサントリーやアサヒ、サッポロすべてを相手にしていた一方で、 サントリーはプレミアムビールを選択し、集中しました。ここで勝敗がついたんですね。
ソフトドリンクの競合他社としては、アサヒ飲料、キリンビバレッジ、コカ・コーラ、ダイドードリンコなどの飲料メーカーがあります。 飲料メーカーは自動販売機設置数が勝敗を決するといってもいいほど、自動販売機ビジネスが儲かります。 コカ・コーラに次いで2位の設置数を誇るサントリーはソフトドリンクでも強力です。
酒類・ソフトドリンク両方でブランド戦略が重要ですが、同社はブランド力を重視しており、 ブランド商品を絶えず入れ替えたり追加したりしてヒット商品を生み出し、 また有名ブランドを買収して自社ラインナップに加えるなどしています。
その結果、居酒屋やレストランでの採用が増え、自販機オーナーにとっても「売れる自販機」になるわけですから、 サントリーの自販機を導入したがります。こうして同社は収益をあげ、ついには食品業界1位の地位をキリンから奪ったのです。
弱み
弱み | 酒類市場の低迷 |
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サントリーの弱みは酒類市場の低迷です。 会社での飲み会では「とりあえず生」文化が根強いですが、若者同士の飲み会ではビールを頼まないことも多く、 「若者のビール離れ」が叫ばれています。
そこで、サントリーは角ハイボールやチューハイ、ウイスキーに力を入れています。 「ストロングゼロ」や「ほろよい」は大人気で、角ハイボールはどこの居酒屋でも大々的に販売されていますね。
これがサントリーのマーケティングです。消費者がビール離れしているならば、 消費者が求めているものを研究し、それに力を入れるのです。
キリンの「ラガー」やアサヒの「スーパードライ」のように圧倒的シェアを誇ったことがないためビールにこだわる必要がなく、身軽だというのはあるかもしれません。 しかし、「ビール離れ」という市場の流れに逆らわず、徹底して消費者の求めているものを研究するマーケティングこそ、 サントリー成功の秘訣だと思います。
また生ビールは酒税が高く、増税があるたびに「発泡酒」「第三のビール」というように低価格を追求しています。 しかし、ザ・プレミアム・モルツはもともと「高級なビール」という立ち位置ですので、 価格競争にはあまり関係がなく、高級感を追及すればいいという強みもあります。