【就活】ホンダの就職難易度|志望動機や選考情報!
ホンダ(本田技研工業)の就職難易度やエントリーシート・志望動機の書き方・面接などの選考情報に加え、同社の強みや特徴など企業研究に役立つ情報を解説しています。新卒採用に応募する際、ぜひ参考にしてください。まず、基本情報は以下の通りです。
会社名 | ホンダ(本田技研工業) |
---|---|
就職難易度 | 非常に高い |
売上高 | 20兆4288億円 |
採用人数 | 事務系:60人程度 技術系:460人程度 |
初任給 | 学部卒:251,000円 院卒:275,900円 |
平均年収 | 831万円 |
年間休日 | 121日 |
経営理念 | わたしたちは、地球的視野に立ち、世界中の顧客の満足のために、質の高い商品を適正な価格で供給することに全力を尽くす。 |
参照:ホンダ|有価証券報告書(売上高・平均年収)
参照:ホンダ|募集要項(初任給・年間休日)
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就活情報・選考の流れ
ホンダの就活情報や選考の流れについて解説していきます。 一方の「就活のやり方」全般については、「就職活動のやり方|失敗しないコツを実体験で解説!」を参照してください。
就職難易度
ホンダの就職難易度は非常に高いです。高待遇で世界的な規模の超有名超優良大企業ですから、 志望者は殺到します。事務系・技術系ともに旧帝一工・早慶などの高学歴エリートとの争いになります。
ホンダは理系も文系も採用人数は多いですが、それ以上に高学歴ハイスペックな学生が殺到します。 知名度が高く、業績も好調なため就職難易度は極めて高いと言えます。
就職には高い学歴が求められ、総合職では東京大学や京都大学などの旧帝大卒の学生が多く、 こういった大学群の学生ですらインターンシップで活躍しなければ、なかなか選考本番にも進むことができません。
一般的には工場を抱える会社は、平均年収が低く算出されます。というのも、総合職より現業職のほうが人数が多く、 現業職は給料がそれほど高くないからです。それでも平均年収は770万円と発表されており、 総合職はそれ以上に相当給料が高いと思われます。
トヨタと比べると平均年収が低く算出されていますが、現業職の人数、総合職の人数、管理職の人数などで大きく変わりますから、 平均年収だけをみて「トヨタより給料が安い」と思い込むのは早計でしょう。
その割には3年以内離職率は非常に低く、基本的に就職すると長く働けるようです。 銀行や証券会社ほどの過剰なストレスはないと思っていいでしょう。
ホンダに必要なTOEICスコアは明示されていませんが、730点ほしいところです。 かなりグローバルな企業であり、仕事上で英語は必須になってくるためです。
ただし、スコアが絶対かというと、そうではありません。 というのも英語はいずれ身につくものであり、現時点でペラペラに話せる必要はなく、入社後でも鍛えられるためです。 一方で英語への意欲は示さなければなりませんので、少なくとも受験してESにスコアを書くくらいはしましょう。
面接
ホンダの面接でされる質問は「学生時代頑張ったこと」「なぜこの会社なのか」「この会社で挑戦したいこと」などですが、 すべての質問に対して就活の軸をベースにした「『将来の夢』実現ストーリー」を意識して答えましょう。 そのためにESを、提出済みであってもブラッシュアップし直すことが合格のコツです。
また面接中は「明るく大きな声で話すこと」を意識しましょう。会社は「元気のある新卒」を求めています。 「緊張して話せない」場合も、最初に「第一志望なので緊張しています」と告白しておけば好感度も上がります。 加えて「自分を良く見せようとしない」ことにも注意を払い、「理想の後輩」を演じ切りましょう。
同社では、基本的にリクルーター面接はしていません。 技術系では1回のみ行うこともあるようですが、事務系でリクルーター面接があったという情報はありません。
ホンダの選考では「学歴(大学名)」を見ないことが有名です。 すべてはWEBテストとエントリーシートの出来栄えで評価されます。
つまり、ホンダではエントリーシート対策をしっかり行えば、それだけ選考を有利に進められます。 特に「学生時代頑張ったこと」と「なぜこの会社を選んだのか」は必ず問われますので、 就活開始前につくっておきましょう。
面接本番は筆記試験・エントリーシート提出後に行われ、一次面接、二次面接、最終面接の3回行われます。基本的にエントリーシートに沿った質問内容ですので、 「就職活動の軸」を意識しながら、自分のエントリーシートを復習してから臨みましょう。
エントリーシート
ホンダへのエントリーシートの書き方は、就職活動の軸を前提に「『将来の夢』実現ストーリー」をつくり、 同社の「経営理念・ビジョン・社風」と一致した志をアピールすることです。 最終的には「将来の夢を実現するために、貴社のビジネスに携わらなければならない」と結論付けます。
ESのお題は「学生時代最も頑張った学問」「学生時代最も注力したこと」「仕事を通してやりたいこと」の3本です。 「学生時代頑張ったこと」を先に考えて、それに関係するように「学問」についても書きましょう。
実はESは、「『将来の夢』実現ストーリー」を書くものなのをご存知でしょうか。 ESはどの会社も以下の三部作構成になっています。
- (過去編):学生時代頑張ったこと:将来の夢に向かって今まで何をしてきたか
- (現在編):長所・短所:将来の夢の実現にあたって現状の自分を把握できているか
- (未来編):なぜこの会社を選んだのか・この会社に入って挑戦したいこと:何をして将来の夢の実現するか
ストーリーの作り方は【例文】エントリーシートの書き方|「おっ」と思わせる!で解説していますが、 ES本番を待つのではなく、インターンの段階でこれができていれば、かなり有利です。
同社の選考においても「就職活動の軸」を前提として、「過去編」「現在編」「未来編」の三部作構成でESを書き、 最終的には実現するには貴社のビジネスに携わるしかないという結論に持っていくのです。
ですから、採用ページのプロジェクトや社員紹介などを熟読し、 会社には何を目指す社風があるのかをじっくり研究し、志望動機に絡めていきましょう。
同社ESの「最も頑張った学問」は、学問の本質を理解しているかどうかの質問です。「法学部だから会社法に詳しくなった」「経済学部だからマーケティングに詳しくなった」ということを聞かれているのではありません。 学問を通じて得られたもっと根本的な「思考力がついた」「わからないことを自分から調べるクセがついた」 というように、「学問以外で役立つ能力」、欲を言えば「将来の夢の実現」に資する能力がついたと言えるのがよいでしょう。
「仕事を通してやりたいこと」は、「就職活動の軸(将来の夢)」に絡んで、ホンダで挑戦したいことを書きましょう。 ホンダは社会に「喜び」を提供する会社ですから、「クルマにエンターテイメント性を付加したい」 「娯楽産業と提携して『遊び』を追求したい」というような内容を、さらに具体的に書いていきましょう。
特に「なぜ自動車業界なのか」「なぜホンダなのか」は面接でも突っ込んで問われますので、 「将来の夢(就職活動の軸)」がホンダの経営理念・社風・ビジョンと関係があれば書きやすいですね。 「この会社に入って挑戦したいこと」もぜひ参照してください。
志望動機
ホンダの志望動機の書き方は、会社の「経営理念・ビジョン・社風」と自分の「就職活動の軸」の一致をアピールし、 「将来の夢を実現するために、貴社のビジネスに携わらなければならない」と結論付けることです。
同社の経営理念は「わたしたちは、地球的視野に立ち、世界中の顧客の満足のために、質の高い商品を適正な価格で供給することに全力を尽くす。」で、 ビジネスの目的は「クルマやバイクづくりを通じて社会に『喜び』を提供すること」でした。 ここから導き出せる志望動機は以下の通りです。
- 世界のスタンダードになりえる新しいものを作り出すこと
- 世界で広く展開していること
- 業界ではトップのシェアを持ち、最も多い業績を上げていること
- 世界に驚きと感動を与える仕事
- 幅広い製品や技術によって社会の基盤作りに最も貢献できる会社
- 非常に幅広く事業を展開しており、技術の応用に積極的であること
- 安全技術の開発に取り組んでいること
- 様々な技術を結集して作られる製品にモノづくりの魅力
- 環境問題に真正面から取り組むこと
- 日本の産業のトップとして常に世界を視野に入れた仕事
志望動機では同業他社との比較検討が欠かせません。一般的には会社の強みで比較したくなるものです。 ですが、「事業ごとの売上高」や「事業内容」「海外売上比率」などで比較するのは得策ではありません。 というのも、同業他社はどこも同じ事業をやっていて、就活生の視点で比較するのは至難を極めるためです。
最適なのは「経営理念・ビジョン・社風」と「就職活動の軸」の一致具合をアピールする方法です。 経営理念や社風といったものはその会社に唯一無二のものであり、 会社の持つ「夢」とあなたの持つ「夢」が一致しているほど、志望動機として説得力のあるものは他にありません。
先にも少し触れましたが、エントリーシートは「将来の夢を実現するために、貴社のビジネスに携わらなければならない」 と述べる「『将来の夢』実現ストーリー」になるように構成されています。 このように、志望動機に書くことは最初から決まっているのです。
「就職活動の軸」が海外に関連するものであれば、「海外展開に積極的な社風」、 環境に関連するものであれば「環境問題に積極的」というように、会社の性格で一致したものを書きましょう。
ですから、ここにある志望動機もほんの一例にすぎません。 あなたの将来の夢と、会社の企業理念・ビジネスの目的を結びつけて考えて、志望動機をつくるのです。
そのためにはまず、自己分析をして、就職活動の軸を導き出さなければなりません。
また、文系向けに「メーカーの志望動機の書き方」を例文付きで、次の関連記事で解説しています。 同社のESでも使える内容ですので、ぜひ参考にしてください。
→【文系専用】メーカーの志望動機|必要な人材認定をもらうコツ
「Unistyle」という就活サイトでは、ホンダ(本田技研工業)に実際に内定したエントリーシートを見ることができます。 本来こういった資料は、その企業に内定した先輩が身近にいないと見れなかったものです。 これが1社あたり何通・何十通も収録されていて、会員登録するだけで完全無料です。
ホンダの強み・特徴
ホンダの強み・特徴は、経営理念の「クルマやバイクづくりを通じて社会に「喜び」を提供すること」に表現されています。 ホンダでは、「自立」「平等」「信頼」と「買う喜び」「売る喜び」「創る喜び」を大切にし、 「The Power of Dreams」を原動力に、世界に新しい喜びを提案しています。
ホンダでは「二輪」「四輪」事業を軸として、日本、北米、欧州、アジアなど、 様々な地域に生産拠点(工場)を持ち、雇用も創出するなどして社会貢献しています。
ホンダは売上高が14兆円を超え、一国の国家予算規模の会社です。 イギリス、ドイツ、メキシコ、中国、インド、タイ、台湾、マレーシア、ブラジルなど、 さまざまな地域に子会社をもち、二輪は四輪自動車を現地生産しています。
トランプ大統領就任にあたって、トヨタのメキシコ工場建設を非難したことがありましたね。 「トヨタの車はアメリカでメチャクチャ売れるのに、生産拠点をメキシコに移すとは何事だ」ということです。 要は、アメリカで売れた代金がメキシコ人の給料になるのを怒ったのです。
工場を建てるだけでアメリカ大統領が激怒するほど社会に強い影響を与えてる業界と言えます。 当初は二輪自動車の会社としてスタートし、四輪自動車進出時はトヨタや日産の存在のために、 国家から撤退を促されたこともあるホンダですが、今では世界7位の自動車メーカーです。
ビジネスモデル
ホンダのビジネスモデルは、バイク・クルマの開発・設計・生産を行い、販売会社に納品することです。
ホンダは巨大な企業グループをつくっていますが、開発・設計を行ったら、 子会社に部品を注文します。集まった部品を組み立てて、販売店に納品するのがホンダの仕事です。
国内ではショーワ、ケーヒン、エイチワンなどの子会社から部品の供給を受けています。
「部品メーカーや完成車メーカーが子会社にいるので、ホンダでは何もつくっていない」というのは勘違いで、 完成車の生産を子会社と分担しているだけといったほうが適切でしょう。
自動車は工場で24時間3交代制で製造されており、工場は常にフル稼働です。 それでも人気の車種は納車待ちが発生しやすいため輸出用の自動車はなるべく現地で生産するようにしています。
自動車工場を建設すると、労働者が集まります。労働者のために商品を販売するスーパーなども集まり、 街ができるんですね。すると経済社会が発展して、車を買える人が出てくるのです。 大規模工場を海外に建設すると、雇用問題に苦しむ国は喜びます。それだけ仕事ができて、国民が給料をもらえるうえに、街が発展するからです。
この意味では工場を建てることが自社の売上増につながり、国も喜ぶというとてつもなく規模の大きい事業であることがわかりますね。
トヨタが比較的「みんながほしがるクルマ」を開発している一方で、ホンダは「クルマオタクのクルマ」というイメージが強いです。 というのも、トヨタはハイブリッドカーやコンパクトカーなど時代の流れに合わせたクルマを次々に投入していますが、 ホンダはフィット・フリードのほかはあまり大衆ウケはしていません。
しかし、「クルマオタクのクルマ」が売れる地域があります。それは、アメリカやタイ、インドネシアです。 これらの国では鉄道網があまり発達しておらず、どこへ行くにも基本的にクルマに乗ることになります。 それも街乗りではなく、広大な大地を駆け抜けるわけですね。特にアメリカはパワーが大好きです。
ホンダは創業以来ずっとエンジンにこだわり続けてきた歴史もあり、クルマの性能には定評があります。 トヨタと比較すると「万人ウケ」するクルマというよりは、性能を求めるクルマオタク向けのクルマだと言えます。 もっと言えば、趣味としてのクルマともいうことができます。
今は売上の大半を四輪自動車が占めるようになりましたが、実はホンダのバイクは世界一売れています。 1年間の販売台数がクルマの470万台に対して、バイクは1700万台も販売しています。
日本ではクルマは買ってもバイクは買わない人が多いと思います。 しかし他のアジア諸国では逆です。東南アジアやインド、台湾を中心にクルマよりバイクのほうが多い地域があります。 私も台湾へ旅行したことがありますが、原付がメチャクチャ多いことに驚きました。それもほとんどホンダかヤマハなんですね。
国土が狭かったり、道路の整備状況などから渋滞が発生しやすく、すり抜けがしやすい原付・バイクが通勤に一番使える手段なんですね。 台湾の主要道路では信号が赤になると、まるで自転車レースのスタートラインのように原付が横にずらっと並びます。 それだけでなく、後ろからどんどん原付がたまってきて青になるころには30台くらいが一斉にスタートします。
この人たちがもしクルマに乗っていたらと考えると、ホンダは新興国の渋滞問題解消の一翼を担っているとも言えますね。
通勤に使う原付はともかくとして、バイクも趣味ですね。実用性を考えればクルマのほうが荷物も載せられて、 家族と乗れますが、バイクは基本的に1人~2人用の乗り物です。日本のバイクメーカー4社(ホンダ、ヤマハ、スズキ、カワサキ)は、 どれも趣味性の高いバイクを製造し、世界中で販売しています。
「The Power of Dreams」をメッセージとして発信し続けているホンダは、まさに娯楽産業の一翼を担っているとも言えます。
主要取引先
ホンダの主要取引先は、自動車販売店(子会社ですが)です。 トヨタ自動車は自ら販売店をもって消費者に販売するのではなく、販売店を通じて消費者に販売します。 ホンダカーズやホンダモーターサイクルジャパンですね。
ではホンダの営業部は何をするのかというと、こうした販売店の統括、販促キャンペーンです。 ホンダの営業部員は消費者と直接接するわけではありませんが、 消費者のデータを集めてどんな売り方をすればいいかを考える仕事になります。
しかし最終的に自動車を購入するのは消費者です。消費者の需要や価値観をつかむ必要があります。 消費者と直接接する機会を販売店に任せてしまっているため、そのデータの吸い上げが重要になります。 データをあつめてマーケティング部門に引き渡し、新たな商品開発、戦略の策定に活かすのです。
自動車メーカーは技術志向が強く、このあたりが弱点になっていると思われます。 しかし、ホンダは「お客様視点」に立ち、マーケティング戦略に力を入れています。 ホンダのターゲットが「趣味としてクルマに乗る人」なので普通の人にとってはあまり目立っていないかもしれません。
競合他社
ホンダの競合他社は、トヨタや日産、フォルクスワーゲン、GMなどほかの自動車メーカーがまず存在します。 この中でホンダは世界自動車販売台数が第7位で、国内自動車メーカーとしては2位ですが、 世界ランキングではフォルクスワーゲン、GM(ゼネラルモーターズ)などの後塵を拝しています。
しかし、ホンダは大衆車や高級車で勝負をしているわけではありません。 性能の高い趣味用のクルマが売れているわけです。この意味ではトヨタのカローラと勝負する必要も、 アウディと勝負をする必要もありません。
「値段の割に性能が良い」のがホンダの特徴で、クルマが趣味の人にとっては「お買い得」だとうつるわけですね。 無理に大衆化や高級化を目指す必要はなく、趣味性を追求していけば他社は追随できない市場を手にできるでしょう。
これも、トヨタがマーケティングで苦戦している今のうちに追及しなければなりません。 トヨタが「趣味」の市場に目をつける前に、お客さんを囲い込んでしまう必要があります。 というのも、先進国ではクルマはだんだん趣味の娯楽産業と化していくからです。
あるときトヨタ自動車の幹部が「家庭用ゲーム機がいけない。あんなリアルな遊びがあったら、車なんか要らなくなっちゃう」と発言し、 物議を醸しました。このときみんなは否定的で、「クルマが売れないのをついにゲーム機のせいにし始めたか・・・」という反応が多かったのですが、 これは本質をついた嘆きだと思います。
過去、自動車がバンバン売れたのはお金があったわけでもなく、クルマが安かったわけでもなく、 他に遊びがなかったところに理由があります。数十年前まで大卒初任給は10万円もありませんでしたし、 みんなクルマをローンを組んでまで買って、「いつかはクラウン」と夢見たわけです。
よく考えてみれば、公共交通機関が充実したからクルマがいらなくなったというわけではありません。 鉄道路線は昔からあります。若者がお金を持っていないのは昔から変わりません。 駐車場がないのも昔からです。維持費が高いのも昔からですし、すべて今に始まったことではありません。
しかし今はどうでしょうか。ほとんどの人は暇な時間をスマホアプリで遊んでいるのではないでしょうか。 昔はドライブくらいしか遊びがなかったけれども、今はテレビゲームもスマホもパソコンもあります。 映画も映画館に行かなくても自宅で観れますし、ショッピングもオンラインで済みます。 何も毎週末、クルマに乗ってどこかへ出かける必要がなくなったのです。
娯楽が増えたので、ドライブ以外の遊びの選択肢ができたのが「若者の車離れ」の真相です。 このトヨタ幹部の発言は2009年ですから家庭用ゲーム機全盛期ですから、テレビゲームにシェアを奪われたというのは的を得た発言です。
つまり、ホンダの競合他社は自動車メーカーだけでなく、ほかの娯楽産業すべてだと言えます。 ここを突いて趣味性を高めているのがホンダで、マーケティングが働いていると言えるでしょう。
さらに自動運転の時代が到来し、テスラなど新興自動車メーカーが出てきている上に、 Google、Amazon、AppleといったITの巨人がAI分野で先行しています。
いきなりクルマの性能で抜かれることはないでしょうが、 そのクルマに載せる自動運転ソフト、インターフェイスなど、 ソフトウェア面をIT企業に奪われる可能性も出てきています。
かつてスマートフォンに携帯電話市場を奪われたように、 クルマにも機械よりソフトが重視される時代がやってこようとしています。 自動車メーカーには、この対応が急がれます。
弱み
ホンダの弱みは、他社の低価格戦略です。
ホンダより販売台数の多い会社は世界で6社あり、破産したGMはともかくホンダより企業規模の大きいわけです。 そういった競合他社が企業規模を武器にしてホンダの得意とする娯楽性市場に参入し、 「性能の高いクルマを低価格」で販売されると市場を一気に奪われる可能性があります。
幸いにして自動車産業はまだマーケティングに力を入れていません。 これまで原油安もあり「つくれば売れる」時代が続いていたからです。 しかし、今後もそういう時代が続くとは限らないのがGMの破産からうかがえます。
トヨタをはじめとした自動車メーカー各社は、クルマの娯楽性に気づき、 「若者ウケ」して「スマホよりおもしろい」クルマ作りをはじめることが予想されます。 それまでの間にホンダはもっと娯楽性を高め、趣味でクルマに乗るといえばホンダという風潮をつくりあげてしまう必要があるでしょう。
幸いにしてホンダはこれまで培ってきた高い技術力があり、そう簡単に他社に追い越されるものではありません。 もともと娯楽産業であるバイク事業で世界一なこともあり、クルマ事業でも積極的に「おもしろいクルマ」を続々投入し、 成長を続けていくと考えられます。
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ホンダ(本田技研工業)のような優良企業に内定をもらうには?
著者:村田 泰基(むらた やすき)
合同会社レセンザ代表社員。1989年生まれ。大阪大学法学部卒。2013卒として就活をし、某上場企業(メーカー事務系総合職)に入社。
その後ビジネスの面白さに目覚め、2019年に法人設立。会社経営者としての経験や建設業経理士2級の知識、自身の失敗経験、300冊以上のビジネス書・日経ビジネスを元に、11年間に渡り学生の就職活動を支援している。
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