【日本特殊陶業の就職】難易度・学歴フィルターなど内定対策
会社名 | 就職難易度 |
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日本特殊陶業 | 穴場 3.1 / 5.0 |
売上高 | |
6529億円 | |
平均年収 | 年間休日 |
902万円 | 120日 |
採用人数 | 初任給 |
事務系:10名程度 技術系:20名程度 | 学部卒:244,000円 院卒:266,300円 |
※就職難易度は「採用倍率」「採用大学のランク」をもとに算出しており、データは就職四季報・リクナビのプレエントリー数を参照しています。
参照:日本特殊陶業|募集要項(初任給・年間休日)
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選考フロー
選考開始 | 2月 |
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日本特殊陶業の選考フローは次の通りで、2月開始です。
- ES提出・WEBテスト
- 面接3回
- 内々定
同社はインターン優遇の早期選考があります。 また、開始時期は変更の可能性もあります。早めにプレエントリーして案内を見逃さないよう注意しましょう。 →日本特殊陶業の採用ページ
一方の「就活のやり方」全般については、「就職活動のやり方|失敗しないコツを実体験で解説!」を参照してください。
就職難易度
日本特殊陶業の就職難易度は穴場です。 採用倍率は文系43倍・理系12倍で、ES通過率は文系45%・理系80%です。学歴フィルターは「地方国公立以上」で、 採用大学は旧帝早慶・MARCH・関関同立の他に、金沢大・千葉大・三重大・愛知県立大などの採用実績があります。
採用人数が少ないため高倍率ですが、応募者は文系400人・理系200人程度しかいません。 就職四季報によると30歳総合職平均年収は606万円、残業は月19時間、有給取得率80%など高待遇であり、就職できれば勝ち組です。 自動車の耐久性に深く関わる企業であり、自動車整備士にとっては超優良企業です。
インターン優遇 | あり |
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インターン優遇の早期選考があります。 活躍すると1月に始まる早期選考に呼ばれ、かつ一次面接が免除という特典つきです。 倍率こそ高い同社ですが、ライバルは少ないためインターンを通じて会社理解を深めると非常に有利です。
特に社員と直接対話することで「実際に肌で感じた社風」を志望動機に取り入れることができますから、 志望度が高ければぜひ参加しておきたいですね。
日本特殊陶業に必要なTOEICスコアは明示されていませんが、730点ほしいところです。 かなりグローバルな企業であり、仕事上で英語は必須になってくるためです。
ただし、スコアが絶対かというと、そうではありません。 というのも英語はいずれ身につくものであり、現時点でペラペラに話せる必要はなく、入社後でも鍛えられるためです。 一方で英語への意欲は示さなければなりませんので、少なくとも受験してESにスコアを書くくらいはしましょう。
面接
面接回数 | 3回 |
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日本特殊陶業の面接は、回数は3回で、一次面接のみ集団面接で二次面接以降は個人面接です。 面接内容は、いずれも次のような質問がされ、雰囲気は雑談に近く和やかです。
- 自己紹介
- 学生時代頑張ったこと
- なぜ自動車部品メーカーを選ぶのか
- なぜ日本特殊陶業を選ぶのか
- 入社して挑戦したいこと
- 趣味・特技
- 逆質問
同社の面接でキーワードに使えるのが「延長線上にない変化の実現」です。 中期経営計画のページに記載のあるように、新規事業の創出を重視しています。 EV化が世界潮流になった場合(私は可能性は低いと考えています)を想定して、「エンジン関連が主力」の現状を変えたいという姿勢が表れています。
そこで「価値創造への熱意」を「就職活動の軸」に設定し、 「軸の実現のため」という視点で回答を事前準備しましょう。具体的なやり方は、次のエントリーシートの項目で解説します。
また面接中は「明るく大きな声で話すこと」を意識しましょう。会社は「元気のある新卒」を求めています。 「緊張して話せない」場合も、最初に「第一志望なので緊張しています」と告白しておけば好感度も上がります。 加えて「自分を良く見せようとしない」ことにも注意を払い、「理想の後輩」を演じ切りましょう。
エントリーシート
ES設問 | 2本 |
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日本特殊陶業のエントリーシートは、次の2本の設問が課されます。
- 過去に変えようと思って取り組んだこと
- 日特に入社して挑戦したいこと
1つ目は「学生時代頑張ったこと」を書くものです。 同社は「延長線上にない変化の実現」を目指している会社ですので、「自分を変えよう」と「新たな取り組み」に挑戦したことを書きます。
例えば私の場合、趣味のゲーム制作で使用するイラストについて「まったく絵を描いたことがなかった」のですが、 自分の中にあるイメージを具現化できない歯がゆさから「イラスト制作に挑戦」しました。 このように、同社の事業内容とは関係のない内容でも「新たな挑戦」であれば使用可能です。
2つ目は「この会社に入って挑戦したいこと」ですが、結論は「軸の実現」です。 面接の項目でも触れましたが、「価値創造に関する軸」を設定しておくことで話に一貫性が生まれます。 そこで、この設問の回答作成の前に、以下のようなストーリーをつくっておきましょう。
就職活動の軸 | 価値創造での社会貢献 |
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ガクチカ | ゲーム制作・イラスト制作 |
なぜ自動車部品 | 1台数百万円を人生で何度も買い替えることから、価値創造の余地が大きく、ユーザー体験を実現しているのは完成車ではなく部品メーカーだから |
なぜ日本特殊陶業 | 「延長線上にない変化の実現」という貴社の目指す姿に共感したため |
このような「軸から志望動機」までの一連の流れをつくり、そのストーリーに合致した「挑戦したいこと」を書きます。 例の場合「自動車のソフトウェアの面に進出し、環境にやさしいブランド価値を生み出したい」などと述べます。
上記のように「ガクチカ」「志望動機」「挑戦したいこと」を「就職活動の軸」で統一することを、MY就活ネットでは「ESのストーリー化」と呼んでいます。 このやり方は「【完全版】エントリーシートの書き方|165社の深掘り対策搭載!」の記事で解説しています。
また、同社は新卒に求める人物像として、次の4点を掲げていますので、ESの内容に反映させて臨みましょう。
目標達成に向けて”DASH”でやりきることができる人財
- 四海兄弟:他者の価値観を尊重し、お互いを活かし合うことができる人財。
- 素志貫徹:絶対に譲れない志や使命感を持ち、常に目標を意識して最後までやりきることができる人財。
- 独立自営:自律的に行動することができる人財。
- 至誠信実:常に誠意と正直さをもって最善を尽くす人財。
志望動機
ポイント | 社風への共感 |
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日本特殊陶業の志望動機の例文と書き方を解説します。ここまでを踏まえた例文は次の通りです。
私が貴社を志望する理由は、貴社が掲げる「延長線上にない変化の実現」という目指す姿に深く共感したからです。 貴社が革新を通じて新たな価値を創造し続ける姿勢は、私自身がこれまで取り組んできた活動とも重なり、大きな魅力を感じています。
私はこれまで、ゲーム制作やイラスト制作に取り組む中で、常に新しいアイデアを形にし、利用者に感動を与えることを目指してきました。 その過程では、課題に直面するたびに柔軟な発想と挑戦心を発揮し、従来の枠にとらわれない価値を生み出すことに喜びを感じてきました。 この経験は、貴社が目指す「延長線上にない変化」を推進する事業の中でも活かせると考えています。
また、私は「自動車のソフトウェアの面に進出し、環境にやさしいブランド価値を生み出したい」と考えています。 これまでの創造的な活動を通じて培ったスキルを活かし、ソフトウェア技術や新たな価値提案の面から、貴社が持つブランドのさらなる向上に寄与したいと考えています。
貴社の一員として、自らの創造性を発揮しながら、持続可能な社会の実現に向けて貢献できることを心より願っています。
この例文では中期経営計画の「延長線上にない変化の実現」という目指す姿への共感を結論とし、ゲーム制作・イラスト制作の経験をもって説得力を高めています。 同社は「エンジン関連部品」で強力な商品群を持っていますが、目指しているのは「新たな収益の柱」を確立することです。 そこで「挑戦」「価値創造」などがキーワードとして使えます。
このように志望動機は「就職活動の軸」「ガクチカ」と不可分一体です。 まだこれらのエピソードが準備できていない場合、まずは自己分析から始めましょう。
また、文系向けに「メーカーの志望動機の書き方」を例文付きで、次の関連記事で解説しています。 同社のESでも使える内容ですので、ぜひ参考にしてください。
→【文系専用】メーカーの志望動機|必要な人材認定をもらうコツ
日本特殊陶業の強み・特徴
強み | 高収益体質 |
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日本特殊陶業の強み・特徴は、高収益体質であることです。 同社は自動車用点火プラグ・排気系センサーで世界トップであり、営業利益率は11%に達し、上場企業平均の7%を上回る高収益企業です。
コア技術は「セラミックス」であり、簡単に言い換えれば「陶磁器の技術」です。 環境負荷が小さく、かつ耐熱性に優れるため自動車の「熱のかかる部分」で大活躍しています。
セラミックスは実は、戦前の森村財閥出身のTOTO、LIXIL、日本特殊陶業、日本ガイシなどが世界シェア4割を握っており、 森村グループの中で「自動車部品」を担当する同社は、実質ライバルがいないという状況です。 それゆえ高いシェア・高い利益率を実現できるというわけですね。
同社で「延長線上にない変化の実現」を目指しており、ベンチャー投資・スタートアップ投資に加えて、 新規事業に足りないものはM&Aを通じて補完すると宣言しています。 これらセラミックス部品の生み出す潤沢な資金を投資に回せますから、新規事業成功の基盤があると言えます。
主要取引先
日本特殊陶業の主要取引先は、世界中の自動車メーカーです。
国内自動車産業は「ケイレツ」と呼ばれる「完成車メーカーに部品メーカーがぶら下がる」という形態をとっていますが、 日本特殊陶業は独立系のメーカーで、どこかの支配下に収まるということはありません。 なぜなら同社製品は世界シェアが高く、1社の下に収まっていられる技術力ではないからです。
典型的なBtoBビジネスで、一般人にとっては知名度がまるでありません。 ですが自動車メーカーではその名を知らない人はいないほど超有名企業です。
特定の完成車に依存しないため、極端な話「トヨタが売れなければホンダに売ればいい」のであって、 コロナ禍のように世界的に自動車販売台数が低迷する事態を除き、基本的には増収増益を続けています。
競合他社
日本特殊陶業の競合他社は、実質ありません。 なぜならセラミックス自体、旧森村財閥のグループ企業が世界的に超強力であり、 グループ各社もそれぞれ得意としている分野がありますので、わざわざ同じ部品に参入してこないからです。
ですが同社は挑戦的な社風ですから、今後は競合ひしめく半導体産業やエネルギー・環境・次世代自動車などへと、 その事業領域を展開していこうとしています。もちろん新分野には競合がたくさん出てきますから、 コア技術である「セラミックス」の特徴を活かした研究開発が望まれます。
特に新規事業では、研究開発力だけでなく「顧客製品の構想段階から入り込む」ことが重要です。 「注文を受けて製造する」ではなく「顧客のやりたいことを自社技術で実現する」ということです。 これには文系スキルである「マーケティング」が欠かせません。
このようにバリバリの理系企業のようですが、文系の活躍余地は大きいです。
弱み
弱み | EVシフト |
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日本特殊陶業の弱みは、次世代自動車への移行です。 特に電気自動車ではエンジンがなくなるなど「点火プラグ」が不要になる可能性があり、 また次世代自動車は有毒ガスの排気がなくなり「排気センサー」が不要になる可能性も考えられます。
ですが同社はすでに次世代技術にも取り組んでおり、採用サイトで「これまでの実績」の話をしていないところからもわかるように、 常に未来のことを考えている会社です。セラミックスはもともと「土器」ですから、 同社は何も「エンジン」や「排気ガス」にこだわっているわけではありません。
一方で現状のセラミックス製自動車部品のシェア低下などはまず起こり得ないと考えられています。
同社の有価証券報告書でも、先進国では長寿命プラグの採用を指向にあり、販売量の拡大が継続しない可能性
と記載されています。
簡単に言えば「うちの製品の耐久性が高すぎてやばい」などと言っているのですから面白いですね。
→勝ち組【自動車部品メーカーの就職】35社の難易度・業界研究