【日産自動車への就活】難易度・学歴フィルターなど選考対策
会社名 | 就職難易度 |
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日産自動車 | 低い 2.1 / 5.0 |
売上高 | |
12兆6332億円 | |
平均年収 | 年間休日 |
877万円 | 121日 |
採用人数 | 初任給 |
事務系:120人程度 技術系:410人程度 | 学部卒:250,000円 院卒:270,000円 |
※就職難易度は「採用倍率」「採用大学のランク」をもとに算出しており、データは就職四季報・リクナビのプレエントリー数を参照しています。
参照:日産自動車|募集要項(初任給・年間休日)
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選考フロー
選考開始 | 3月 |
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日産自動車の選考フローは次の通りで、3月開始です。
- ES提出・WEBテスト
- 面接3回
- 内々定
同社では、インターン参加者優遇の早期選考があります。その場合は1月選考開始です。 また、開始時期は変更の可能性もあります。早めにプレエントリーして案内を見逃さないよう注意しましょう。 →日産自動車の採用ページ
一方の「就活のやり方」全般については、「就職活動のやり方|失敗しないコツを実体験で解説!」を参照してください。
就職難易度
就職難易度 | 低い |
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日産自動車の就職難易度は低いです。 採用倍率は文系で約11倍・理系で約3倍と考えられ、学歴フィルターは「産近甲龍・日東駒専以上」です。 採用大学は旧帝大から地方国公立まで幅広いですが、産近甲龍・日東駒専を下回る大学群は見られません。
言い換えると「有名企業の割に就職人気が低い」ということですが、その原因は次の3点が考えられます。
- カルロス・ゴーン元会長の不祥事・仏ルノーとの紛争など「良いニュースがない」
- ブランド力が低いこと
- 学生は業界1位以外には応募しない傾向にあること
インターン優遇 | あり |
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同社ではインターン参加者優遇の早期選考があります。 この場合は選考開始が1月に前倒しされ、「WEBテスト・一次面接が免除になる」という特典がつきます。 つまり、「ES提出・面接2回」で内々定という選考フローになります。
特に自動車業界は志望動機がつくりにくく、「なぜトヨタ・ホンダでなく日産なのか」という定番質問への回答に窮することが多いです。 その際、インターンを通じて「実際に肌で感じた社風」を理由にできると、「同社専用の志望動機」になり、説得力が出ます。 この意味でもインターンに参加することは、選考で有利になるでしょう。
負け組の理由
負け組の理由 | 将来性がない |
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筆者の私としては、日産自動車への就職は負け組と考えています。私が「就職はやばい」と思う理由は次の6点です。
- 利益率が低い(トヨタ11.8%、ホンダ6.7%、日産4.4%、スズキ8.6%、マツダ5.1%)
- 株式市場から見放されている(ホンダ・日産の経営統合発表でホンダの株価が下がる)
- EV戦略が現在のところ失敗(EV推進の欧州勢も軒並み経営悪化)
- 他責思考の悪い社風があること(詳細は弱みの項目で解説)
- 余剰生産設備の整理ができない(メーカー企業としてあってはならないこと)
- ホンダによる救済を日産自ら拒絶する
売れるクルマがつくれておらず、またEV販売は中国依存でしたがその中国で価格破壊が起きており、 また余剰生産設備の整理もできないなど将来性がないと言えます。 果ては「ホンダの子会社になるのはイヤだ」と経営統合の話を拒絶してしまいました。
24年度上期の利益率が0.5%など非常に厳しい経営状態にありますが、 自力での改革ができない同社がこの困難をどうやって乗り越えるのか疑問です。 以上より、日産自動車への就職は負け組だと考えています。
面接
面接回数 | 3回 |
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日産自動車の面接は、3回実施されます。主な質問内容は次の通りです。
- 自己PR(→自己PRは何を答えればいい?|1000文字分の例文で解説!)
- 学生時代力を入れたこと
- (関連して)直面した困難と乗り越えた方法
- (関連して)リーダーシップ経験
- 強み・弱み
- なぜ自動車業界なのか
- なぜその中でも日産自動車なのか
- 入社後挑戦したいこと
質問回答への備えとして、志望動機を初めに作成し、逆算して各項目の内容を決めることがおすすめです。 そのためには「日産自動車の社風」に合致した「就職活動の軸」を用意し、 それに関連するエピソードを選んでいきましょう。以下は、私が面接を受けるとした際の例です。
なぜ日産自動車か | 「モビリティの革新を推進し、アクセス性を高める鍵が電気自動車(EV)にある」という貴社の考えに共感したから |
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就職活動の軸 | 価値創造で社会貢献がしたい |
自己PR | アイデア出しが得意なところ |
ガクチカ | ゲーム制作の経験 |
なぜ自動車業界か | 自動車は所有することが自慢になり、走ることで楽しみ、旅の思い出になることから「ブランドによる価値創造」の余地が非常に大きいため |
入社後挑戦したいこと | 日産EVを「家族の思い出をつくるクルマ」としてブランド化する仕事に挑戦したい |
以上のように、すべての質問回答を「就職活動の軸」で統一することで、話に一貫性が生まれます。 ゆえにインターン・会社説明会・中期経営計画などを材料に「社風」を調査することが重要です。 社員と接触する際は「会社には何を目指す社風があるのか」を質問するとよいでしょう。
エントリーシート
ES設問 | 4本 |
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日産自動車のエントリーシートは、次の4つの設問が課されます。
- 志望動機
- リーダーシップ経験とその成果
- 職種を選んだ理由・入社後挑戦したいこと
- 経験を活かして社会でどのような挑戦をしたいか
回答については、「就職活動の軸」を設定し、「軸の実現」という観点で内容を統一しましょう。 私の場合、次のように回答します。
就職活動の軸 | 価値創造での社会貢献がしたい →【就職活動の軸とは?】例の一覧108選と決め方 |
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ガクチカ | サークルでのゲーム制作の経験。意見対立という困難が発生したが、SNSを通じた市場調査のデータをもとに最適解の選択へと誘導。この際、反対意見にも共感を示し、衝突を防止することを意識した。 →【例文】学生時代頑張ったことの書き方|面接の定番質問に対応! |
志望動機 | モビリティを革新するというビジョンに共感したため。 →なぜこの会社を選んだのか|例文5つと書き方を解説 |
挑戦したいこと | マーケティング職。ゲーム制作で培った「創造力」「協働力」に加えて市場調査の学び、また貴社の顧客との接点を活かして潜在ニーズを探り、EVのブランド価値を高める仕事に挑戦したい。 →【例文】会社に入って挑戦したいこと|「おっ」と思わせる! |
志望動機の「社風・ビジョンへの共感」を結論として、そこから逆算して各項目に回答しています。 価値創造と革新はイコールですから、「価値創造への本気度を示す」ことは「社風への本気度を示す」ことに直結します。
特に「リーダーシップ経験」で困る方が多いと思いますが、「サークルリーダー」「バイトリーダー」のような肩書はいりません。 「メンバー全員を活躍させる」というエピソードが重要で、「反対意見にも共感を示す」「得意分野ごとに役割を振る」など、 理想のリーダーを振舞った経験を書きましょう。
このようにES全体を「就職活動の軸」で統一することで、志望動機に説得力を出すことができます。 MY就活ネットではこれを「ESのストーリー化」と呼んでいますが、そのやり方は次の関連記事で解説しています。
→【完全版】エントリーシートの書き方|165社の深掘り対策搭載!
志望動機
ポイント | 社風への共感 |
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日産自動車の志望動機について、例文と書き方を解説します。ここまでを踏まえた例文は次の通りです。
私が貴社を志望する理由は、中期経営計画に掲げられている「モビリティの革新を推進し、アクセス性を高める鍵が電気自動車(EV)にある」というビジョンに強く共感したからです。 地球環境に優しく、誰もが利用しやすいモビリティの未来を創造する取り組みは、非常に意義深いと感じています。
私は学生時代にゲーム制作に取り組みました。 企画から開発、そしてユーザー体験の最適化までを一貫して手掛ける中で、クリエイティブな発想や新しい技術の導入、ユーザー視点に立ったものづくりの重要性を学びました。
貴社が推進するEVの普及は、技術革新だけでなく、ユーザーのライフスタイルを変える大きな挑戦です。 私のゲーム制作経験で培った創造的な問題解決能力やユーザー視点のものづくりは、EVの新しい使い方や体験価値の向上に貢献できると考えています。 例えば、EVのインターフェースやアプリケーション開発など、ユーザーエクスペリエンスの向上に向けて新しい提案を行いたいと思います。
日産自動車の一員として、モビリティの革新を推進し、より多くの人々にとって使いやすいEVを提供することで、社会の発展と持続可能な未来の実現に貢献したいと考えています。
この例文では中期経営計画の内容から社風を「EVによる革新」と考え、「社風への共感」を結論としています。 それに対しガクチカの「ゲーム制作の経験」をもって説得力を高めています。
同社は国内では最もEV推進に積極的で、これは「環境保護」にもつながりますから、 「持続可能な社会」などを「就職活動の軸」に採用するのもよいでしょう。
また、公式サイトや採用パンフレットを読み込むことも重要ですが、何よりインターンシップ、会社説明会、OB・OG訪問で実際に感じた社風を志望動機に取り込むことで、 説得力を増すことができます。各種イベント参加前に「就職活動の軸」を作成し、参加中は「軸と社風の一致」を確認することを心がけましょう。
志望動機の詳しい書き方は、次の関連記事で解説しています。
強み・特徴
強み | EV取り組みが早い |
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日産自動車の強み・特徴は、いち早くEV推進に乗り出したことです。
カルロス・ゴーン会長の時代に「マーケティング重視」の姿勢を打ち出し、 EVへの取り組みが早かったことから、EVの国内企業シェアは同社が最も高いです。 これに乗じて「環境保護」などのイメージがつくと、強力なブランドとなるでしょう。
ただし、EV販売は中国依存だったのですが、現地でダンピングによる価格破壊が起きています。 日産はもちろん、欧州EVも軒並み採算が悪化しており、回復の見通しは立っていません。
弱み
弱み | 他責思考の悪い社風 |
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日産自動車の弱みは、他責思考の悪い社風があることです。
まず挙げられるのが「仏ルノーとの紛争」です。
日産はかつて、経営難から仏ルノーの傘下に入り、カルロス・ゴーン氏の指導の下、業績を急速に回復しました。 回復後は手のひらを返し、「不平等条約だ」と騒ぎ立てました。 加えてゴーン氏の不正な報酬は会社全体で見て見ぬフリをしていた一方で、ゴーン氏だけを悪者にして誰も責任を取りませんでした。
また、ダイヤモンドオンラインの『ホンダと統合しても消えない日産の大不安、海外営業担当が激白する“病巣”とは』」の記事でも、 「日産は昔から何か問題が起こる度に、『社長が悪い』『設計の責任』『生産がコケたせいだ』などと派閥に分かれて対立する悪習がある」と書かれてしまっています。
そして今回のホンダとの経営統合では、インタビューに答えた日産社員が「経営がうまくいってるところからトップに立っていただいて、日産も改革やっていただけると助かるな」と答えるなど、 自力での改革ができない・やる気がないことをアピールしてしまっています。
加えて「余剰設備が未だにある」などメーカー企業としてあってはならない状況が延々と続いているなど、 企業風土の改革が急務であるにも関わらず、それをホンダに頼るのはなんとも情けない話で、将来性がないと言わざるを得ません。
さらにはこの経営統合の話を「ホンダの子会社になるのはイヤだ」と白紙撤回してしまいました。 ホンダ側から撤回を申し入れるならともかく、日産側が拒絶するのは自社の置かれた状況が見えていないと言う他ありません。
→自動車メーカーへの就職|9社の業界研究・志望動機・平均年収