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【就活】会社選びの軸|「楽しい40年間」を実現するコツ

 私は新卒就活を「会社選び」で失敗しました。 会社選びの軸も持たず、エントリーシートや面接で問われて場当たり的に回答していました。 入社する会社を決める「基準」を予め準備しておかないと、「就活」にも「その後の人生」にも失敗します。

 またエントリーシートや面接で「あなたの会社選びの軸はなんですか」と問われることも多いため、 この回答を用意しておかなければなりません。 ここでは、「ダメな会社選び」「良い会社選び」また「会社選びのポイント」「会社選びの軸の決め方」を解説します。



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著者:村田 泰基(むらた やすき)
 合同会社レセンザ代表社員。1989年生まれ。大阪大学法学部卒。2013卒として就活をし、某上場企業(メーカー事務系総合職)に入社。 その後ビジネスの面白さに目覚め、2019年に法人設立。自身の失敗経験、300冊以上のビジネス書、日経ビジネスを元に、7年間に渡り学生の就職活動を支援している。


 

「会社選びの軸」とは?

 会社選びの軸とは、将来の夢を実現するために必要な会社の条件です。 「会社選びの基準」といえばわかりやすいですね。

 就活では「会社選びの軸」と「経営理念・ビジョン・社風」が一致していれば説得力が増し、 内定へと近づきます。ESや面接で「将来の夢を実現できるのは貴社しかない」という結論に持っていくことが重要です。

 また会社説明会や各種セミナー、リクルーター面接等で「就活で一番大事にしていることは?」「会社選びで大事にしていることは?」 と聞かれることが多いですが、これは単に会社をほめたり、「ワークライフバランス」などを答えるものではありません。

 以下では失敗例と模範解答を用意していますので、これを参考に「自分らしい軸」を決めましょう。

 

「楽しい40年間」を実現するには?

 「就職はツライ」と思っていませんか?私も同じように思っていました。 早起き必須で満員電車に乗せられて、プライベートの時間はほぼない… イヤですよね。

 それは、面白そうな会社を見つけていないからです。 就活生の知っている会社は「消費者向けのBtoC企業」が大半だと思いますが、 実はその20倍の市場規模を持つBtoB企業が大量に存在しています。

 無数のビジネスの中には、あなたの理想と同じ目的を持った会社も存在するでしょう。 そんな会社を発掘するには、「自己分析」を通じて自身の「ビジョン」を発掘する必要があります。

 例えば「家でゴロゴロしていたい」というような願望でかまいません。 実際、ビジネスはそういう人間の欲望を実現するために行われています。

 まずは自己分析をして、ビジョンを見つけましょう。 それに合致する会社を探せば、楽しい40年間を実現できる会社にも出会えるはずです。

自己分析をする

 

会社選びの軸の具体例

 会社選び具体例を紹介します。

  • 海外事業に力を入れている会社
  • 顧客が幅広い会社
  • 技術力の高い会社
  • 信頼性の高い会社
  • 営業力の高い会社
  • 弱者を守っている会社
  • 逆境に立ち向かい成長している会社
  • ○○な事業を行っている会社
  • あらゆる人の役に立っている会社
  • 人の生活を支えている会社
  • 社会全体に影響を与える会社
  • 地図に残る仕事をしている会社
  • 交通事故をゼロにしたい
  • めんどくさい家事をすべて解決したい
  • 一流の経営者になりたい

 例えば就職活動の軸が「世界中を知り尽くしたい」であれば、「海外事業に力を入れている会社」が会社選びの軸になります。 また、「イノベーションに携わりたい」であれば、「技術力の高い会社」や「風通しのいい会社」などが会社選びの軸となります。

 このように会社選びの軸はそれ単体では成り立たず、必ずそう思った理由、つまり「将来の夢」が根底にあるのです。 ロジカルなエントリーシートをつくるにあたって、会社選びの軸は重要です。

 

「やりがい」の例

 会社選びの軸を「やりがい」系で行きたいと思ったら、まだ「やりがい」だけではあいまいですから、 それを具体化して使う必要があります。

 あなたはどんなことに熱中できるでしょうか。音楽でしょうか。ゲームでしょうか。 観光、高級ホテルへの宿泊、スポーツ、筋トレ…と、「趣味」を分析していきます。 なぜその趣味に熱中できるのでしょうか。

 音楽であれば「仲間との協力」、ゲームであれば「困難な目標を達成すること」、 観光であれば「美しい街並み」、高級ホテルなら「ぜいたくな体験」と、 本質的に楽しみを感じている部分がなんなのかを考えます。

 会社選びの軸は、単に「やりがいのある会社」とするのではなく、 「仲間と協力して困難な目標を達成する会社」「美しい街並みをつくる会社」 「ぜいたくな体験を実現できる会社」というように、「やりがいの根源」を会社選びの軸とするのです。

 

「社会貢献」の例

 会社選びの軸を「社会貢献」系で行きたいと思ったら、やはり「社会貢献」だけではあいまいですから、 もっと具体化して使う必要があります。

 あなたは「社会貢献」でどんな社会を実現するのに貢献したいでしょうか。 例えば「交通事故をゼロにしたい」「災害を恐れなくていい社会をつくりたい」 「めんどうなことは全部ロボットがやってくれる社会にしたい」・・・

 このように、会社選びの軸を「社会貢献」系にするのであれば、 「実現したい理想の社会」を会社選びの軸としましょう。

 

「成長できる会社」の例

 会社選びの軸を「成長できる会社」系で行きたいと思ったら、これも「成長できる会社」だけではあいまいですから、 もっと具体化して使う必要があります。

 「成長」をキーワードにすれば向上心がアピールできそうですが、単に面接で「成長できる会社!」とだけ言えばむしろ逆効果で、 「具体的にどんな能力を身につけたいか」「どんな人物になりたいか」が言えないと、 会社に頼り切り・ぶら下がり社員になる印象がついてしまいます。

 そこで、何をもって「成長」と言えるか、そのゴールを会社選びの軸としましょう。 例えば「マーケティングを身につけて社会に新しい『常識』を生み出したい」 「企業財務を身につけて効率的な投資活動を行いビジネスを発展させたい」という感じです。

マーケティングって何?将来性のすごい文系最高峰スキル

成長できる・スキルが身につく会社

 

「人」の例

 会社選びの軸を「人」系にするのは人気で、インターンシップに参加した人にとっては説得力も持たせやすい「軸」になります。 ですがやはり、単に「人」というだけでは説得力が足りません。

 「どんな人と働きたいか」を具体的に掘り下げて、「理想の仲間像」を持ち、それを会社選びの軸としましょう。 例えば「会社の経営理念を実践している社員が多い会社」「ビジネスを楽しんでいる社員が多い会社」のようにです。

 「同じ目標をもって仲間と協力しあって成功を目指す」のは楽しいものです。 そのような雰囲気があるとインターンシップで確認できた場合、リクルーター面接やOB訪問などで確認できた場合、 積極的に使っていきたい便利な「会社選びの軸」ですね。

 

こんな「会社選び」は失敗する!5つの失敗例

 就活生にありがちな「会社選びの失敗例」を紹介します。 このような会社選びをしていると就活にもその後の人生にも失敗し、悲惨な目に遭います。 私の二の舞にならないよう、失敗例を心に刻んでいってください。

 

失敗例1:「知名度」

 私は大阪大学という偏差値バツグンの大学に在籍していました。 そのため就活では「自慢できる会社に入社しなければならない」と勝手にプレッシャーを感じていました。 要は「知名度」で就活をしたわけです。

 例えば電力会社やガス会社、鉄道会社、キリンビール、サントリー、JT、富士フイルム、新日本製鉄(現・新日鉄住金)、NTT西日本などです。 新日鉄以外は誰に言っても名前が通じて、「旧帝大なのにそんな会社に行くの?」などともいわれません。 プレエントリーした会社は超一流企業揃いでした。

 「超一流企業ばかり見ているのが悪い」というわけではありません。 ここでは、「会社選びの軸」が「消費者感覚の知名度」になってしまっていたのです。

 掲示板等には「合コンで自慢できる会社」「バイト先で自慢できる会社」などのようにランキングがつくられています。 しかし、掲示板に書かれている「知名度ランキング」は消費者の感覚に過ぎません。

 日本企業は法人を相手にしたBtoBビジネスのほうが得意ですから、 消費者に知名度がなくても業界では「その会社抜きには成立しない」会社もたくさんあるわけです。

 こんな選び方ですから、面接で「会社選びの軸を教えてください」と言われても答えに詰まってしまいます。 「知名度が高いから」などと答えてしまっては一笑に付されて落とされてしまいます。

会社の知名度は正義ではない!|ってか別にモテないよ?

 

失敗例2:「企業規模」

 私は同様に「企業規模」も重視していました。要は「売上高1兆円以上」のような決め方をしていたのです。 その理由はやはり、「自慢できる」ことでした。もしその会社をよく知らない人がいても、 「売上高1兆円だぞ」といえばビビってもらえそうだったからです。

 ところが、ビジネスの本質は売上高ではありません。 1兆円を売り上げていても利益が出ていなければ会社として意味がありませんし、 売上高が大きくても給料が安い会社もたくさんあります。

 ビジネスは「誰にどんなソリューションを提供しているか」に本質があります。 BtoCビジネスでは白物家電やスマホ、パソコン、食品など目に見えてわかりやすいですが、 現代日本社会では基本的にBtoCは儲かりません

 中国では「新機能」がもてはやされて、インターネットにつながる家具ならどんどん売れるそうです。 ですが、日本ではそんなことはありません。もはや「今持っているもの」で満足してしまっているのです。 このような状況ではどうしても企業は「値下げ合戦」せざるを得ず、儲かりません。

 一方で、BtoBビジネスは日本の強みとしているところです。 いわゆる「モノづくり大国」というのは日本の電子部品メーカー、機械メーカー、化学メーカーを言っているのであり、 これらの企業は世界で戦えるどころか、世界シェアトップを取っている会社も多いです。

 しかし、工場の機械はそんなにボコボコ売れまくるものではありませんし、 電子部品メーカーのつくる「部品」や化学メーカーのつくる「原料」も単価は低いものです。

 BtoCビジネスではその部品や原料の購入費を上乗せして消費者に販売するのですから、 BtoBビジネスの売上高が低く見えるのは当然です。ですが、儲かっているのはBtoBビジネスです

 このように、実は「売上高」と「利益」には関係がありません。 そして、利益がとれる会社ほど、買い手が「それだけお金を出してでもほしい」と思う製品をつくっているわけですから、 社会貢献の度合いも高いのです。

 「規模」を会社選びの軸にするのはやめましょう。

売上高に惑わされてはいけない!賢い会社選び

 

失敗例3:「平均年収」や「待遇」

 就活生が企業研究をする上でもっとも重視しているのが「平均年収」「待遇」ではないでしょうか。 ですが、残念ながら平均年収は当てになりません。

 というのも、「平均年収」には一般職や現業職の給料も計算に含まれていますから、 総合職で就職するあなたのもらえる給料より、ずっと安く算出されるからです。 特に工場や店舗を持ち、一般職や現業職の多い会社ほど平均年収は安く算出されます。

 さらに、「総合職」ですら「平社員」しか計算に含まれていなかったり、 「管理職」も含んでいたり、残業代などの各種手当が入っていたり、入っていなかったりと、 会社によって計算の仕方が違います

 「平均年収」は上場企業が提出を義務付けられている「有価証券報告書」で毎年公表されますが、 その計算方法は具体的に決まっていないため、比べようがないのです。

 「平均年収600万円」と書かれていたら不安になるかもしれません。 ですが、平均年収が600万円でも総合職は30代で1000万円に到達する新日鉄住金のような会社もあります。 なぜならこの「600万円」は「一般職・現業職・総合職のうち平社員だけ」で計算されているからです。

 平均年収は当てにならないの記事でも解説していますので、詳しくはそちらを参照してください。

 特に福利厚生で会社を選ぶのは決してやってはいけません。 「社会保険」「独身寮」または「家賃補助」以外の福利厚生は基本的に役に立ちません。

 「カフェテリアプラン」など最悪です。1人当たり1000円しかかからない外注の「福利厚生サービス」ですから、 たった1000円で釣られてしまうのは非常にバカらしいです。

カフェテリアプランとは?|使いにくい福利厚生

福利厚生の種類|重視するべきはどれ?

 

失敗例4:「製品が好きだから」は最悪の決め方

 よく「製品が好きだから」で会社選びの軸を決めてしまう就活生がいます。 しかし、これは総合職として就職する限り、最悪の会社選びの軸です。

 なぜなら総合職とは「ビジネスを動かす人」であって、現場で製品をつくる人ではないからです。 製品のファンは、現業職や消費者にいればいいのであって、総合職がただのファンでは困ります。 時には会社の成長のため、従来の製品を捨てるという決断もしなければならないからです。

 もちろん製品が好きなのは構いませんが、それを「会社選びの軸」にしてしまうと、 総合職としての適性がないとみなされます。エントリーシートや面接では「貴社のビジネスモデルが好き」というのにとどめて、 決して「ファン」だと思われないように注意しましょう。

 特に鉄道業界ではこの傾向が顕著で、「ただの鉄オタ」であることがバレた瞬間に落とされます。 「鉄オタ」であることが悪いのではなく、「ビジネスとしての鉄道」ではなく「鉄道そのものが好きなファン」なのがいけないのです。 他の業界でも同じことですから、気を付けましょう。

 

失敗例5:曖昧な会社選びの軸

 会社選びの軸として「やりがい」「社風」「社会貢献」「ものづくり」「成長できる」など曖昧なものでは説得力が生まれません。 これらは聞こえはいいですが、具体性に欠けるため説得力がなく、人事に伝わりません。

 「やりがい」や「成長」が会社から与えられるものだとする姿勢に見えてしまうと、 人事の不興を買います。確かにやりがいを感じる会社、成長できる会社というのはあると思いますが、 「なぜやりがいを感じるのか」「なぜ成長できると思ったか」というもっと深い部分を会社選びの軸にしましょう。

 やりがいを感じる点、成長できる点、その先に目指す理想像こそが「会社選びの軸」にふさわしく、 人事にもよく伝わり、高評価を得ることができます。

 

会社選びの軸のESへの書き方

 「会社選びの軸」はESに専用の欄がある場合もあれば、無い場合もあります。

 

回答欄がある場合

 回答欄がある場合は「将来の夢」+「会社選びの軸」で書きましょう。

 例えば「交通事故をゼロにしたい」という将来の夢ならば、「交通安全に力を入れている会社」が会社選びの軸になります。 そこで以下のように回答します。

 私は「交通事故をゼロにしたい」という強い思いを抱いています。 そのため、「交通安全に力を入れている会社」という会社選びの軸を持って就職活動に取り組んでいます。

 回答欄が小さい場合は「会社選びの軸」だけを書きますが、大きめの枠がある場合は「将来の夢」を持つに至った理由や、 「夢の実現」にその軸で会社を選ばなければならない理由も書きましょう。

 

回答欄がない場合

 回答欄がない場合は、代わりに志望動機に組み込むようにしましょう。 「欄がないから書かない」という選択肢はありません。

 志望動機に「会社選びの軸」が組み込まれていたら説得力が増し、 「この会社じゃないとダメだ」と言える理由にもなるからです。

 そこで以下のように「志望動機」の欄で回答します。

 私は「交通事故をゼロにしたい」という強い思いを抱いています。 そのため、「交通安全に力を入れている会社」という会社選びの軸を持って就職活動に取り組んでいます。

 貴社の「アイサイト」の開発秘話を聞き、全社が「交通事故ゼロを目指している」という社風を知って、 夢を実現するには貴社に入社するしかないと思い、志望するに至りました。

 ここでは「会社選びの軸」と「経営理念・ビジョン・社風」が一致していることをアピールしましょう。 その会社でなければダメで、志望度が高いことを証明する方法です。

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志望企業の内定者はどう書いた?内定エントリーシートを見よう!(その2)

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