【志望動機】「商品が好き」はNG!|良い言い換え方と例文

志望動機に「商品が好き」と書くのは、大卒では特に不適切です。なぜだめなのかの理由と、大卒にふさわしい言い換え方を例文つきで解説します。
目次
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志望動機に「商品が好き」が不十分な理由
それ以上を生み出す人材を求めているから
志望動機で「製品が好き」と書く人は多いですが、それだけでは新卒で企業が求める人材像に届きません。 企業が期待しているのは、既存の商品を支持する“ファン”ではなく、その先の新たな価値を生み出す存在だからです。
例:日清食品や鉄道業界の場合
たとえば日清食品の「カップヌードル」は、すでに圧倒的なブランド力を持ち、マーケティングせずとも売上が立つ商品です。 大卒社員に求められるのは、その収益を使って「次の定番商品」を企画・開発することです。 「カップヌードルが好き」という理由では、志望動機として弱いのです。
鉄道業界で「鉄道オタクは落とされやすい」と言われるのも同様です。 鉄道ファンとしての視点にとどまる人よりも、インフラを使ってどんな新しい価値を社会に提供できるかを考えられる人材が求められているためです。
「使っていない人」のほうが採用されることもある
現状に満足しない視点が重要!
あるクレジットカード会社の説明会で「クレジットカード使ってますか?」という質問に対して、「使っていません」と答えた学生がいました。 すると、社員は「そういう人こそ採用したい」と答えました。
その理由は、商品に満足していない人の声にこそ改善のヒントがあるからです。 企業が成長するためには、問題点を指摘し、次の提案ができる人材が必要なのです。ただし、企業によって方針は異なるため、「不満がある」ことをむやみにアピールするのは避けましょう。
志望動機に「理念」や「理想」を取り入れる
企業の理念と、自分の価値観・経験を結びつける
新卒で企業に入社するなら、「商品が好き」よりも「その企業が実現しようとしている理想や理念」に注目すべきです。 志望動機では、企業とともにどのような未来を築きたいのかを語る方が、納得感のある内容になります。
たとえばサントリーは「人と自然と響き合う」という理念を掲げており、大ヒット商品「天然水」もこの理念の延長線上にあります。 またSUBARUが「アイサイト」など安全性能を重視しているのも、「交通事故をゼロにしたい」という企業の信念があるからです。
つまり、自分の経験や価値観と企業の理念とを結びつけることで、「好きだから働きたい」から一歩進んだ、「一緒に実現したいから働きたい」志望動機が書けるのです。
文系からメーカーを目指す方には、以下の関連記事も参考になります。例文付きで志望動機の組み立て方を詳しく解説しています。
言い換え方
ポイント | 社風への共感 |
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志望動機で「商品が好き」と伝えるだけでは、採用担当者に十分な印象を与えることはできません。 そこでおすすめなのが、「そのような商品を生み出す企業風土や挑戦的な社風への共感」という表現に言い換えることです。
たとえば日清食品の「カップヌードル」は誰もが知る人気商品ですが、同社の掲げるスローガンは「おいしい、のその先へ」です。 つまり、単に「カップヌードルが好き」という人ではなく、「それを超える価値を生み出そうとする姿勢に共感できる人」が求められているのです。
志望動機として「商品が好き」という気持ちを活かしながら、企業の姿勢や価値観への共感へとつなげていく言い換えが効果的です。
言い換え例文
「強力な定番商品を持ちながらも、さらにその上を目指して挑戦し続ける御社の姿勢に共感し、私もその一員として新たな価値を創造したいと考えました。」
他にも、次のような言い換え方があります。
- 「貴社の商品を通じて感動した経験があり、自分もそれを届ける側になりたいと感じました」
- 「日常的に愛用しており、使うたびに製品のこだわりや品質の高さを実感しています」
- 「御社の商品が生活に与える影響力を感じ、それを多くの人に広めたいと思いました」
- 「商品の魅力を深く理解しており、それを多くの人に伝える仕事に携わりたいです」
- 「実際に使用してきた経験が、御社で働く上での強みになると考えています」
- 「学生時代の研究(活動)で御社の商品を分析し、その価値に強く共感しました」
- 「御社の商品が業界に与えてきた革新性に魅力を感じ、自分もその一翼を担いたいと感じました」
- 「商品を通じて培われたブランドへの信頼を、より多くの人に届けたいです」
- 「ただのファンとしてではなく、課題解決や提案の立場から商品開発に関わりたいと思いました」
- 「日々の使用を通じて改善点や魅力を感じており、それを活かして成長に貢献したいです」
ただ言い換えるだけでは志望動機として不十分です。 なぜなら、「誰でも言える」内容であり、説得力がないためです。
そこで、次の2つの要素を加えて「自分が本気であること」をアピールしましょう。
- 社風に一致した就活の軸
- 軸への本気度を表すガクチカ
例1. 日清食品の場合
就活の軸 | 挑戦を恐れず、新しい価値を創造し続ける企業で働くこと |
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ガクチカ | 居酒屋でのアルバイト経験 |
例文
強力な定番商品を持ちながらも、さらにその上を目指して挑戦し続ける貴社の姿勢に共感したためです。
私の就職活動の軸は、「挑戦を恐れず、新しい価値を創造し続ける企業で働くこと」です。
この軸は、学生時代に取り組んだ居酒屋でのアルバイト経験に基づいています。 地元食材を使った創作料理を試作し、店長にプレゼンしたところ採用され、結果的に月間売上が前年比115%に伸びました。 この経験を通じて、現場発のアイデアで新たな価値を生み出す喜びを実感しました。
日清食品の「おいしい、のその先へ」というスローガンに表れているように、貴社は定番商品にとどまらず、次々と新たな市場に挑戦し続けています。 たとえば完全栄養食「All-in NOODLES」や、グローバル展開など、その革新性に強く共感しました。 私は「商品が好き」なファンではなく、自分も次の定番をつくる側として挑戦したいという強い思いから、貴社を志望しています。
ポイント
- メニュー提案の具体性と成果(売上向上)をセットで提示。
- 「消費者視点」→「価値創造」へのステップが、日清食品の開発型企業文化と一致。
- 「商品が好き」を出発点にしつつ、「その先へ行きたい意思」を強調。
例2. トヨタ自動車の場合
就活の軸 | 挑戦を恐れず、新しい価値を創造し続ける企業で働くこと |
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ガクチカ | サークルでのゲーム制作の経験 |
例文
自動車の枠を超え、モビリティ社会の未来を切り拓く貴社の挑戦的な姿勢に強く共感したためです。
私の就職活動の軸は、「挑戦を恐れず、新しい価値を創造し続ける企業で働くこと」です。
この軸は、学生時代に所属していたゲーム制作サークルでの経験に基づいています。 私はユーザーが飽きずに楽しめるシナリオ構成を担当し、アンケートやプレイデータを分析した上で改善案を出しました。 メンバーとの議論を経て最終版に反映させたところ、学園祭でのプレイ数が昨年比150%に増加し、多くの反響を得られました。 この経験を通じて、ユーザーの期待を超える価値をチームで生み出す難しさと面白さを実感しました。
トヨタ自動車は「もっといいクルマづくり」にとどまらず、MaaSや自動運転、Woven Cityなど、 未来の暮らしそのものに挑戦する企業である点に深く感銘を受けました。 私は「車が好き」だけではなく、人々の移動や生活に新たな価値を届ける側に立ちたいという強い思いから、貴社を志望しています。
ポイント
- チームでの開発経験+ユーザー志向の工夫が、トヨタの「顧客志向」や「現場主義」と親和。
- 「ゲーム=娯楽」から、「価値提供の仕組みづくり」として昇華。
- 「商品が好き」ではなく、「よりよい社会づくりに挑戦したい」意思を明示。
例3. ソニーの場合
就活の軸 | 挑戦を恐れず、新しい価値を創造し続ける企業で働くこと |
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ガクチカ | 吹奏楽のサークル活動の経験 |
例文
エレクトロニクスや音楽、映画、ゲームなど多様な領域を横断しながら、新たなエンタテインメント体験を追求する貴社の姿勢に共感したためです。
私の就職活動の軸は、「挑戦を恐れず、新しい価値を創造し続ける企業で働くこと」です。
この軸は、学生時代に取り組んだ吹奏楽サークルでの活動に基づいています。 私は演奏メンバーとしてだけでなく、演奏会のプログラム構成にも携わり、観客の満足度向上を目指して構成を工夫しました。 定番曲だけでなく、映画音楽やポップスを組み込み、客層に応じて曲順を練り直した結果、過去最高の動員とアンケート満足度を達成しました。 この経験から、人に驚きと感動を届けるために、自ら提案し形にする力を学びました。
貴社は、PlayStationや音楽レーベル、映画スタジオなどを通じて、世界中に感動を届けていると感じています。 私は「ソニーの製品が好き」というだけではなく、自らが感動をつくる側として挑戦し続けたいという思いから、貴社を志望しています。
ポイント
- 吹奏楽活動を「音楽」×「顧客視点」×「創造性」として表現し、ソニーの事業領域にマッチ。
- 「商品が好き」から一歩進めて、「感動を創る側に立ちたい」という志望理由を強調。
- ソニーの多角的な事業構造にも対応するよう、音楽を軸にしながらも普遍的な価値観(挑戦・創造)を前面に。
例4. 任天堂の場合
就活の軸 | 挑戦を恐れず、新しい価値を創造し続ける企業で働くこと |
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ガクチカ | 塾講師のアルバイト経験 |
例文
「驚き」と「楽しさ」を生み出し続ける貴社の挑戦的なモノづくりの姿勢に深く共感したためです。
私の就職活動の軸は、「挑戦を恐れず、新しい価値を創造し続ける企業で働くこと」です。
この軸は、学生時代に取り組んだ塾講師のアルバイト経験に基づいています。 担当した生徒の理解度や性格に応じて、教え方や教材を柔軟に工夫し、どうすれば「勉強って面白い」と感じてもらえるかを試行錯誤しました。 たとえば、苦手な数学ではゲーム感覚のクイズ形式に変えたところ、徐々に自発的に取り組むようになり、成績も大きく伸びました。 この経験から、相手の立場で考え、工夫によって“面白さ”を生み出すことの意義を実感しました。
任天堂は「娯楽の提供者」として、常にプレイヤーの目線に立ち、驚きと没入感のある体験を届けてきた企業だと感じています。 私は「ゲームが好き」というだけではなく、プレイヤーの笑顔を創り出す側として挑戦したいという思いから、貴社を志望しています。
ポイント
- 塾講師経験から「個々に合わせた工夫」「学び=楽しさの創出」へと話を展開。
- 任天堂の理念「娯楽で人々の心を豊かにする」と親和性のある言葉選び。
- 「商品が好き」を乗り越え、「ユーザー体験を創る側に立ちたい」という強い意志を表現。
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