新卒の【得意科目・苦手科目】の答え方|ESに使える例文

就活のESでは「得意科目・苦手科目」が頻出ですが、なんとなくで書くと印象が弱くなりがちです。 本記事では、企業がこの質問を通じて見ているポイントと、説得力ある回答例を紹介します。自己PRにつなげたい方は必見です。
目次
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「得意科目・苦手科目」が聞かれる意図とは?
ポイント | 成長意欲 |
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エントリーシート(ES)や面接で「得意科目・苦手科目」が聞かれるのは、単なる学力チェックではありません。 企業はこの質問を通じて、学生の思考力や自己理解、そして成長意欲などを総合的に見ています。 以下に、企業がこの質問を通して知りたい主なポイントを紹介します。
志望企業との適性・関心の確認
- 学生時代に力を入れてきた科目が、自社の業務内容や職種と関連性があるかを確認しています。
- たとえば、マーケティング職を志望する学生が「統計学」や「社会学」に興味を持っていると、実務との親和性が高く好印象につながります。
- 逆にまったく関係のない分野でも、「なぜその科目を選んだのか」「その経験をどう活かすのか」を語れればプラスに働くこともあります。
自己分析の深さ、論理的思考力、自己理解の有無
- 得意・苦手の理由が明確であるかどうかは、自己分析の精度を示す指標です。
- 「なぜその科目が得意だったのか」「何に苦手意識を感じたのか」など、論理的に説明できることが重要です。
- 漠然とした回答ではなく、経験や考え方に基づいた納得感のある説明が求められます。
課題への向き合い方や成長力も判断材料
- 苦手な科目にどう向き合ってきたかというエピソードからは、困難に対する姿勢や成長意欲がうかがえます。
- 「苦手だけれど努力して克服した」「別の視点からその科目に取り組んだ」などの経験があると、前向きな印象を与えられます。
- 企業は、課題に直面したときの行動パターンや粘り強さを重視しているため、自己成長の過程を伝えることが有効です。
得意科目の答え方のコツ
ポイント | 志望職種とのつながり |
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得意科目を聞かれたときは、単に「成績が良かった」や「楽しかった」だけではなく、将来の仕事や志望職種とのつながりを意識して答えることが重要です。 説得力のある答え方をするためのポイントを以下にまとめました。
志望職種・業界との関連性を意識する
- 志望企業の業務内容に関係する科目であれば、強いアピールポイントになります。
- 例えば、IT業界を志望する場合は「情報処理」や「数学」、教育業界なら「心理学」や「教育学」など、職種に関連性のある科目を選びましょう。
- 関係が薄い科目でも、「考え方」や「アプローチ」が役立つと説明できれば問題ありません。
たとえば国語なら「読解力」、数学なら「論理的思考力」など、その科目を通じて得られた力のうち、仕事に役立ちそうな回答をしましょう。
具体的なエピソードと成果をセットで
- なぜその科目が得意なのかを具体的な経験に基づいて説明しましょう。
- 授業中の取り組み、レポート・研究内容、プレゼンやグループワークでの活躍など、実際の行動と結果を示すことで信ぴょう性が高まります。
数字や実績、周囲の評価も交えると説得力UP
- 「成績は常に上位10%以内だった」「学年代表として発表を担当した」など、客観的な実績があるとより強い印象を与えられます。
- 先生や仲間からの評価など、第三者の視点も加えると説得力がさらに増します。
NG例
- 単に「好きだから」だけの理由(例:「昔からその科目が好きだったから得意でした」)
- 曖昧な表現(例:「なんとなく得意でした」「苦手意識がなかったです」)
苦手科目の答え方のコツ
ポイント | 克服する姿勢 |
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苦手科目について問われたときは、マイナスの印象を与えないように工夫して答えることが重要です。 ただ「できなかった」と伝えるのではなく、自分がどう努力し、どう成長したかを示すことで、前向きな姿勢をアピールできます。
このように「成長意欲を見せる」という点では、「短所の答え方」とも共通しています。 長所・短所の回答例については次の関連記事で解説していますので、併せてご覧ください。
苦手なだけで終わらず、「どう克服したか」「向き合った姿勢」を語る
- 苦手意識を持っていたこと自体は問題ではありません。重要なのは、その科目に対してどう行動したかです。
- 「苦手だと感じた理由」→「どんな努力をしたか」→「どう改善されたか」という流れで説明すると、成長力や粘り強さを伝えられます。
- たとえ完全に克服できていなくても、「工夫して乗り越えようとした姿勢」が見える内容にしましょう。
志望職種に関係ない苦手科目を選ぶと安心
- 志望職種に直結する科目を苦手と答えると、不安材料にされるリスクがあります。
- たとえば営業職志望で「コミュニケーション系の科目が苦手」と答えると、説得力を欠いてしまいます。
- なるべく業務に直接影響しない範囲の科目を選び、そのうえで前向きな姿勢を伝えることが望ましいです。
正直すぎて悪印象を与える内容は避ける
- たとえば「全く授業に出なかった」「やる気が出ずに放置した」などは、素直でもネガティブな印象を強く与えかねません。
- 正直さは大切ですが、社会人としての責任感や努力する姿勢が伝わるよう表現を工夫しましょう。
NG例
- 苦手なまま放置している印象(例:「成績が悪かったので諦めました」)
- 自信がなさすぎる言い回し(例:「どう頑張ってもできなかった」「やっても無駄だと思ってしまった」)
【例文】得意科目
得意科目の例文を紹介します。 志望職種との関連性や自己分析の深さを意識した構成になっています。
結論ファーストで、「その科目から得られた力」「志望職種での活かし方」に触れましょう。
1. 文系・国語・営業志望
私の得意科目は「国語」です。
特に現代文では、文章の構造や筆者の意図を読み取る力を磨いてきました。 大学では小論文のゼミに所属し、自分の考えを明確に伝える訓練も重ねてきました。 営業職ではお客様との会話や提案書など、言葉で信頼を築く場面が多いと考えており、国語で培った読解力と表現力は必ず役立つと考えています。
2. 文系・数学・経理志望
私の得意科目は「数学」です。
特に論理的思考力や正確性が求められる問題に取り組むのが好きで、試験では常に高得点を維持してきました。 大学の経済学部では統計や財務会計にも関心を持ち、データ分析のゼミで数値から経営課題を導き出す力を身につけました。 正確さと数字への感度は、経理職で強みになると考えています。
3. 文系・社会・マーケティング志望
私の得意科目は「社会(地理・現代社会)」です。
社会の動きや消費者行動を多角的に捉えることに関心があり、大学ではマーケティング論を中心に学びました。 特に、実際の市場データをもとにした仮説検証型の授業では、消費トレンドの背景を分析する楽しさを実感しました。 社会科目で養った洞察力は、マーケティング職で活かせると感じています。
4. 理系・理科・設計志望
私の得意科目は「物理」です。
特に力学や電磁気分野に興味があり、論理的に現象を説明し数値化する過程にやりがいを感じていました。 大学では機械工学を専攻し、設計製図やCADの演習では構造力学の知識を活かして、効率的なモデルを作成する力を身につけました。 理科の得意分野と設計への応用経験を、貴社の製品開発に活かしたいと考えています。
5. 理系・体育・現場志望
私の得意科目は「体育」です。
体を動かすことやチームで協力することが好きで、常に前向きに取り組んでいました。 体育の授業では責任感や体力、集中力を養うことができ、大学ではアルバイトでイベント設営や物流現場での作業も経験しました。 体力とフットワークの軽さには自信があり、現場職においても即戦力として貢献できると考えています。
【例文】苦手科目
次に、苦手科目の例文を紹介します。
同様に結論ファーストで書きますが、必ず「克服しようとしている姿勢」をアピールしましょう。
1. 文系・数学・営業志望
私の苦手科目は「数学」でした。
抽象的な数字の概念に対する理解に時間がかかることが多く、特に関数や図形の単元では苦労しました。 ただ、大学では統計の授業を通じてデータの読み方を学び、「数字を使ってわかりやすく伝える力」が営業職にも活かせると気づきました。 苦手意識に向き合い、必要なスキルは地道に補強する姿勢を持ち続けています。
2. 文系・理科・経理志望
私の苦手科目は「理科」でした。
特に化学反応などの記憶と理解を要する内容に難しさを感じていました。 しかし、論理的に整理して考える訓練を重ねることで、少しずつ理解が深まりました。 この経験から、「分からないことをそのままにせず、納得するまで取り組む」姿勢を養うことができました。 数字を扱う経理の仕事でも、誠実に丁寧に向き合う力を大切にしたいと思っています。
3. 文系・体育・マーケティング志望
私の苦手科目は「体育」でした。
運動が得意ではなく、体力測定や球技などで周囲に比べて劣等感を抱いたこともあります。 しかし、協調性やチームワークの重要性を学び、サポート役として周囲を観察する力が身につきました。 現在はその視点を活かし、マーケティングでも「人の動きや気持ちの流れ」を観察・分析する力として役立てています。
4. 理系・国語・設計志望
私の苦手科目は「国語」、特に文学的な表現や読解問題に苦手意識がありました。
感覚的な文章の解釈に戸惑うことが多かったため、論理的に文章を要約・構造化するトレーニングを続けました。 設計分野では、仕様書や顧客要望を正確に理解する力が求められるため、今では「読む力」に対しても自信が持てるようになっています。
5. 理系・社会・現場志望
私の苦手科目は「社会」でした。
年号や制度の暗記が中心となる学習スタイルに難しさを感じていましたが、図解やマインドマップを使って自分なりに情報を整理する工夫を重ねました。 現場業務では、状況を整理し順序立てて作業を進める力が求められるため、この「工夫して理解する力」は実務にも活かせると感じています。
書き方で差がつく!差別化のポイント
ポイント | 具体的なエピソード |
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「得意科目・苦手科目」は誰もが通るES項目ですが、少しの工夫で他の応募者と差をつけることができます。 以下のポイントを意識して、オリジナリティと説得力のある回答を目指しましょう。
差別化のためのポイント
- 自分のエピソードを盛り込む:授業中の具体的な体験や、周囲との関わりなど、自分だけのストーリーを加えることで印象に残ります。
- 行動と成果をセットで示す:ただ「頑張った」ではなく、「どのように努力し、どんな結果を得たのか」を具体的に述べましょう。
- 志望動機とつなげる:その科目がどう今後の仕事に活かせるのか、職種・業界との関連性を明確にすることで説得力が増します。
- ポジティブな印象で締める:苦手科目も「成長につながった」という前向きな結論で終えると、好印象につながります。
避けたいNGパターン
- 抽象的・一般的な内容のみで終わる(例:「努力しました」「得意です」だけ)
- 志望動機と無関係な話で終始する
- 苦手科目を「嫌い」とだけ表現し、克服エピソードがない
差別化は、特別な経験を語ることではなく、「当たり前のことをどう伝えるか」にかかっています。 自己理解を深めて、自分らしい表現を磨きましょう。
よくある質問(Q&A形式)
Q1. 得意科目が志望職種と直接関係ない場合はどうすればいい?
A. 直接関係がなくても問題ありません。その科目を通じて培った力(思考力、表現力、粘り強さなど)を仕事にどう活かせるかを伝えることが大切です。
Q2. 苦手科目を正直に書いてもいいの?
A. 正直に書いて大丈夫ですが、「苦手でした」で終わらず、どのように向き合ったか・改善しようとしたかを必ず添えて、成長意欲をアピールしましょう。
Q3. 学生時代に特に好きでも嫌いでもなかった科目しか思い出せません…
A. どの科目でも構いません。大切なのは「その科目をどう学び、何を得たか」を振り返ることです。評価が高かった科目や、周囲に褒められた経験から選ぶのも有効です。
Q4. 複数の得意・苦手科目がある場合はどう選ぶ?
A. 志望職種や業界との関連性が高いもの、自分が最も自信を持って語れるものを選びましょう。「一番印象に残っている科目」という基準で選ぶのもおすすめです。
Q5. ESに書いた内容と面接で話す内容が違ってもいい?
A. 一貫性は大切ですが、内容を深掘りしたり、別の例を追加するのは問題ありません。矛盾がないよう、ESと面接で話す内容に整合性を持たせておきましょう。