勝ち組【飲料メーカー大手14社】就職難易度・ランキング!

飲料メーカーへの就職に役立つ就職難易度や選考・面接対策、エントリーシート・志望動機の書き方の他、強みや年収・ランキングなどを解説しています。
この記事の要点
- 就職難易度は、非常に高い!
- 文系にはマーケティングという大きな役割がある!
- 定番商品が次のヒット商品を生む、好循環を生み出す!
- 志望動機は、「マーケティング」で決まり!
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飲料メーカーの就職難易度
就職難易度は、非常に高い!
飲料メーカーの就職難易度は非常に高いです。
飲料メーカーは「消費者向けのBtoCビジネス」であるがゆえに知名度が高く、ライバルとなる就活生も多いからです。 採用倍率は100倍を上回ることが珍しくなく、アサヒ飲料(230倍)、雪印メグミルク(188倍)、サッポロビール(156倍)のように、就活は激戦を極めます。
ただし、学歴フィルターはない企業が多く、特に東京農業大・東京農工大・多摩美大・武蔵野美大のように、 食品系・芸術系の大学の採用実績も目立ちます。飲料メーカーの学歴フィルターは、以下の表のとおりです。
産近甲龍以上 | キリン、サッポロビール、宝 |
---|---|
学歴フィルターなし | サントリー、アサヒビール、コカ・コーラ、ヤクルト本社、伊藤園、アサヒ飲料、ダイドー、味の素AGF、キーコーヒー、雪印メグミルク、森永乳業 |
メーカーなので、ほかの業界に比べるとホワイト企業が多いです。 というのも、メーカーは多くの工場労働者を抱えるため、彼らが労働組合を結成し、従業員の生活の向上につとめているからです。 総合職もそのメリットを享受できますので、比較的ホワイト企業が多いです。
選考においてはエントリーシートの出来が非常に重要です。 旧帝大でもバンバン落とされます。応募者が多い一方で採用人数は少なく、 「高学歴」もアドバンテージにならないからです。
インターン参加で優遇選考を狙おう!
飲料メーカーはインターンシップを行っており、 インターンシップ参加者は選考で有利になります。 志望するなら、必ずインターンシップに参加しておきましょう。
そのインターンの応募時に、本番レベルのエントリーシートが完成していて、 インターン中も「就職活動の軸」に沿った言動が取れたら高評価がつきます。
遅くとも大学3年生の6月までにはエントリーシートの原案を完成させておきましょう。
必要な英語力
TOEICスコアよりやる気を見せよう!
飲料メーカーへの就職には英語力が必須です。 TOEICスコアなら730点ほどほしいところです。というのも、海外展開をしている企業が多く、また今後内需が見込めないことから海外志向も求められるからです。
ですが、就活の時点でTOEICでスコアがとれている必要はありません。 私が説明会に参加したときも「TOEIC600点しかないけど入社していきなり海外赴任した」という方もいました。
これはどういうことかというと、英語力は入社後に強化することもできるからです。 会社として英語の研修制度をもうけていたり、海外赴任が決まった時点で英語教室に通えば間に合う面もあり、 「今」高得点がとれている必要はないのです。
とはいえ、英語を勉強する意欲があるかどうかは問われます。 たいしたスコアが取れなくてもTOEICを受験しておいて、 「海外赴任を目指して勉強中です!」と言えたら合格です。
文系でも就職できる?
文系ならではの役割がある!
飲料メーカーへは文系でも就職できます。 飲料メーカーというとバリバリの理系の職業のように思われがちです。 確かに「製造」の面では理系の技術的な知識や能力が活かされ、商品開発のためにたくさんの理系の学生を採用します。
採用人数も文系は20~30人と、理系の半分以下の人数しか採用されません。 だからといって文系が飲料メーカーに就職ができないわけではありません。
確かに文系だと「設計」や「研究開発」といった仕事には就きませんが、 法人営業の他、生産管理や調達、また経理や法務、人事といった間接部門もあります。
特に営業は文系の独壇場で、ほぼ文系の就職先といってよいでしょう。 今後は「良いものをつくる」だけでなく、「マーケティング」で商品開発や市場調査をし、 「売れるモノ」を生み出す役割が期待されます。
サントリーは特に「マーケティング」で優れており、ビジネス界ではP&Gや花王と並んでマーケティング企業として有名です。 マーケティングは理系と文系の橋渡しも重要な役割ですから、文系の花形部門です。 飲料メーカーへの就職で文系が不利ということは決してないと言えます。
勝ち組ランキング
飲料メーカーの勝ち組ランキングは次の通りです。平均年収・残業時間・有給取得率・勤続年数・利益率・自己資本比率を考慮しています。
63点 | ヤクルト、サントリー |
---|---|
58点 | アサヒビール、アサヒ飲料、宝 |
57点 | 森永乳業、雪印メグミルク |
56点 | サッポロ、味の素AGF |
55点 | コカ・コーラ |
54点 | ダイドードリンコ、キリン |
53点 | 伊藤園、キーコーヒー |
持ち点:50点
平均年収:700万円を0点とし、100万円ごとに±1点
残業時間:10時間未満は0点、20時間未満は2点、30時間未満は1点、40時間未満は0点、それ以上は-1点
利益率:7%を0点とし、3%ごとに±1点
有給取得率:40%を0点とし、20%ごとに±1点
平均勤続年数:10年を0点とし、5年ごとに±1点
自己資本比率:20%を0点とし、20%ごとに±1点
以下は売上高でのランキングで、平均年収を併記しています。
飲料メーカーのランキング | |||
---|---|---|---|
会社名 | 売上高 | 平均年収 | 年間休日 |
サントリー | 2.9兆円 | 1133万円 | 121日 |
アサヒ | 2.7兆円 | 950万円 | 123日 |
キリン | 2.1兆円 | 749万円 | 123日 |
コカ・コーラ日本 | 8685億円 | 630万円 | 123日 |
雪印メグミルク | 6054億円 | 736万円 | 123日 |
森永乳業 | 5470億円 | 782万円 | 121日 |
サッポロ | 5186億円 | 882万円 | 121日 |
ヤクルト本社 | 5030億円 | 1030万円 | 120日 |
伊藤園 | 4538億円 | 654万円 | 120日 |
アサヒ飲料 | 3822億円 | 869万円 | 123日 |
宝 | 3393億円 | 743万円 | 124日 |
ダイドー | 1536億円 | 710万円 | 123日 |
味の素AGF | 878億円 | 834万円 | 121日 |
キーコーヒー | 738億円 | 550万円 | 120日以上 |
サントリーは国内最大の飲料メーカーで、自動販売機の設置台数もコカ・コーラに次ぐ第2位です。 優れたマーケティング戦略でハイボールブームを生み出し、ビール市場では「プレミアムモルツ」で強いブランド力を確立しています。
キリンはかつて「ラガービール」で市場を牽引していましたが、アサヒやサントリーに押され気味で、清涼飲料でもヒット商品に乏しい状況が続いていました。 しかし近年はマーケターの起用により、巻き返しが期待されています。
アサヒは「スーパードライ」の大ヒットで知られていますが、その後は目立った新商品に恵まれていません。 第三のビールではキリンに後れを取り、清涼飲料市場でもサントリーとの差が広がっています。
志望動機
ビジョンの一致をアピールしよう!
「飲料メーカーを選ぶ理由」については、次のような回答が考えられます。
消費者の生活に密着した商品開発 | 飲料は日常的に消費されるため、消費者の嗜好やライフスタイルに密接に関わります。こうした商品の開発を通じて、消費者の生活を豊かにしたいと考えました。 |
---|---|
マーケティングのダイナミズム | 飲料市場はトレンドの変化が速く、マーケティングの力で商品の価値を伝えることが重要です。市場のニーズを的確に捉え、定番商品を生み出す挑戦に魅力を感じています。 |
ブランドの構築と育成 | 飲料メーカーは、強力なブランド力を持つ商品を多数展開しています。自らの手で新しいブランドを作り上げ、それを育てる過程に関わりたいと考えました。 |
イノベーションによる市場の創出 | 新しい味やパッケージング、機能性飲料など、革新的な商品を生み出すことで市場に新たな価値を提供し、飲料業界の未来を切り開きたいと考えています。 |
健康志向への対応 | 飲料メーカーは健康志向の高まりに応じて、機能性飲料や低カロリー飲料の開発に力を入れています。消費者の健康をサポートする商品開発に関わりたいと考えました。 |
飲料メーカーの特徴は、「定番商品の収益を活かした商品開発」「マーケティングによる価値創造」があります。 例えば「『水道水と同じ取水地から採った水』に『きれいなイメージ』を付加して高く売ってしまう」ところに、 「モノ以上の価値創造」がよく表されています。
文系の仕事は「天然水」のようなイメージづくり・ブランドづくりであり、新たな定番商品を開発して、次の商品開発に活かすことです。 そのような観点から「飲料メーカーを選ぶ理由」を書くと、説得力が高まります。
書き方の詳細については、次の関連記事で解説しています。メーカー志望の方なら誰でも使える内容ですので、ぜひご覧ください。
飲料メーカーの業界研究
飲料メーカーとは、「水と砂糖と香料」を主材料とした清涼飲料水を製造し、 小売店や飲食店、自動販売機などのルートで消費者に販売するメーカーです。 大きく分けて「酒類」「清涼飲料」の二種類がありますが、この記事では両方解説します。
仕事内容
マーケティングが将来を左右する!
飲料メーカーの仕事内容は、マーケティングです。
マーケティングは簡単に言えば「売れる理由づくり」をする仕事ですが、 「消費者を理解」して「ブランド」をつくり、製造、販路、価格に至るまですべてを調整してヒット商品を生み出すブランド経営です。
この中には「テレビCM」など華やかな仕事もありますが、「小売店や飲食店を回って商品を置いてもらう」という泥臭い営業もあります。 しかし、本当にきついのは「言葉選び1つで売上が変わる」ほど、自分の仕事の影響力が大きいことです。
伊藤園の「お~いお茶」も今では定番商品ですが、発売当初の「缶入り煎茶」という名前だったころは鳴かず飛ばずでした。 「いいものを作っても売れるとは限らない」のが飲料メーカーの厳しいところであり、 発売に至るまでが究極の頭脳労働です。
加えて「何もしなくても売れる定番商品」の有無で、マーケティングにかけられるコストが変わります。 つまり、あなたが「コカ・コーラ」や「ハイボール」のような定番商品を生み出せなければ、 その会社の将来はないということです。
一方で慣れてくると、たった1人の活躍で爆益を生み出すことも可能です。 例えばサントリーでは「ジンの炭酸割り」を普及させようという取り組みが行われていますが、 それを「ハイボール」のような流行を生み出すのは、あなたかもしれません。
マーケティング
技術で差がつかないものを売る技術!
ただ「おいしいジュースを作ればいい」というわけではありません。 なぜなら、どこまでいっても「水と砂糖と香料」に過ぎず、簡単に真似されてしまうからです。 そうではなく、「コカ・コーラがいい」「アサヒスーパードライがいい」というように、指名買いを起こさなければなりません。
マーケティングが特に優れているのが米ザ・コカ・コーラカンパニーです。 100年を超えて定番商品をいくつも持ち、ヒット商品を生み出し続ける同社のマーケティングは計り知れません。 スーパーでの棚の配置を任せてもらう「棚割り主幹」の地位はコカ・コーラの独壇場でした。
しかし、サントリーが猛追を見せています。 サントリーにもヒット商品はいくつもあり、また「棚割り主幹」の地位をコカ・コーラから奪い始めているのです。
この両者は自動販売機の設置台数が突出しており、それだけ利益もよく取れています。
また、最近ではキリンが2016年にP&Gからマーケターをヘッドハンティングし、 まずは酒類の改革に乗り出しています。爆売れしている本麒麟はその代表格で、 飲料全体としても今後に期待できそうです。
マーケティングは日本企業に不足しているスキルで、電機メーカーはこれで海外勢に大敗を喫しました。 今では世界4位のUSJも、P&Gからマーケターを連れてくるまでは倒産寸前で廃墟同然の遊園地でした。
最近マーケティングの必要性が理解され始め、いろんな会社が役員待遇・部長待遇でヘッドハンティングに乗り出しています。 飲料メーカーでマーケティングを鍛えれば、一生食うに困らないということができるでしょう。
商品開発
ヒット商品が次のヒット商品を産む!
飲料メーカーでは、商品開発はマーケティングの一環として行われます。 その業務の成果次第で、会社の命運が決まります。
小売店・飲食店・自販機のどの販路でも、ヒット商品があることが前提になってきます。
例えばあなたがスーパーを経営するとして、何を売りますか?コカ・コーラですよね。 居酒屋を経営するなら、アサヒスーパードライですよね。
このように「消費者ウケの良い」定番商品があると、販路開拓もスムーズになり、 いろんな場所で売れる分、収益もどんどん上がっていくというわけです。
そしてそこで得た利益を商品開発に回し、次のヒット商品を生み出すという好循環が出来上がるのです。
一方でヒット商品がない場合はどうでしょうか。
スーパーの棚には限りがありますし、コカ・コーラを仕入れている飲食店が、わざわざ無名のコーラを仕入れたりしないわけです。 自販機だってオーナーの立場に立ってみれば、売れる自販機が良いに決まっていますよね。
そう、ヒット商品がないと販路もないというわけです。 すると商品開発に回すお金がなく、ヒット商品も生まれないという悪循環に陥ります。
自販機は儲かる!会社の利益はこれ次第
自動販売機が儲かる!
実は、飲料業界が一番儲かるのは自動販売機です。 価格競争になりにくく、飲料メーカーにとっても低リスクの販路だからです。
自販機は実は、飲料メーカーは土地代や電気代を負担していません。 これは「フランチャイズ」と似た仕組みで、「自販機を設置したいオーナー」が、 飲料メーカーから自販機を購入し、リスクを負って設置しているのです。
「安さ」で勝負する小売店と違って、自販機は「手軽さ」「立地」で勝負しています。 そのため「100円」などスーパーより高い値段で販売できるのですが、 その粗利益率は70%とも言われます。
稼いだ粗利益のうち、一定割合を飲料メーカーが徴収し、 残りが自販機の維持費やオーナーの収益になります。
ここで面白いのは売れなかったときのリスクはオーナーが負担することです。 自販機は「1日5本」売れないと赤字になると言われています。 しかし、自販機が赤字でも飲料メーカーは儲かる仕組みになっています。
そう、土地代や電気代はオーナー負担なので、メーカーは売れた分の利益だけ確実に持って行くのです。 儲からなかったらオーナーの責任ですが、1本売れるだけでメーカーには収益が発生します。
ですから、自販機を大量に設置してもらっているメーカーほど儲かるのです。
メーカー | 自販機設置台数 |
---|---|
コカ・コーラ | 980,000台 |
サントリー | 590,000台 |
アサヒ飲料 | 286,000台 |
ダイドードリンコ | 280,000台 |
キリン | 273,000台 |
伊藤園 | 203,000台 |
ポッカサッポロ | 98,000台 |
大塚HD | 80,000台 |
ヤクルト | 51,600台 |
飲料メーカーの将来性は高い
マーケティングに力を入れる会社が勝つ!
飲料メーカーの将来性は高いと言えます。 というのも、飲料メーカーは従来、日本が苦手としてきた「マーケティング」に力を入れているからです。
マーケティングへの取り組み状況は会社によって異なりますが、 サントリーは特にマーケティングが強く、顧客の開拓に強みがあります。
マーケティングとは「消費者理解」を「製造」につなげ、「顧客が真に求めているものを製品化する」ための取り組みですが、 「とりあえずビール」に飽きた消費者に向けて「とりあえずハイボール」の文化を定着させたサントリー、 「本当はビールが飲みたい」という需要を発掘して「本麒麟」を発売したキリンなどが典型です。
マーケティング力を磨いていけば、コカ・コーラのように世界を席巻することも可能ですし、 実際にサントリーやキリンはM&Aを繰り返して海外進出をすすめています。
食品メーカーや専門商社も併願しよう
先ほども解説した通り、飲料メーカーの就活は激戦を極めます。 飲料に限定してしまうのではなく、食品メーカーや食品専門商社も併願するのがおすすめです。
この業界は、メーカーだけで構成されているわけではありません。 食品メーカーが製造した食品は、各地域のスーパーやレストランまで配送される必要があります。 その役割を担っているのは実は食品メーカーではなく、食品専門商社です。
全国各地域のスーパーやレストランすべてに商品を配送するには、 食品メーカー1社ではとても対応しきれません。常に「新しいスーパーができた」と調査しなければなりませんし、 「マヨネーズ1ケース」のような小規模ロットの注文でいちいち契約書を交わすのはあまりに時間の無駄です。
そういった顧客開拓、契約業務を代行し、小規模ロットの注文をまとめて大規模ロットの注文をつくってくれるのが、 食品専門商社です。
食品専門商社は自社では食品を製造しませんが、それゆえいろんな食品メーカーから商品を選び、 顧客に販売することができます。また、実際にスーパーやレストランと取引をする主体ですので、 現場でどんな食品が必要とされているか、どんな食品が売れるのかなど、マーケティングの調査や提案も、 食品専門商社ならではのビジネスです。
食品メーカーも食品専門商社も、「食を通じて社会貢献する」という点では同じです。 志望動機も書きやすく、併願すればエントリーシートもほとんどコピペで済んでしまいます。
専門商社はBtoBの業界であり一般には知名度がほとんどありません。そのため就活でも穴場です。
次の記事で詳しく解説していますので、ぜひこちらも参照してください。
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