【就活】JR西日本の就職難易度|強みや選考情報!
JR西日本の就職難易度やエントリーシート・志望動機の書き方・面接などの選考情報に加え、同社の強みや特徴など企業研究に役立つ情報を解説しています。新卒採用に応募する際、ぜひ参考にしてください。まず、基本情報は以下の通りです。
会社名 | JR西日本 |
---|---|
就職難易度 | 非常に高い |
売上高 | 1兆6350億円 |
採用人数 | 事務系:30名程度 技術系:130名程度(いずれも総合職) |
初任給 | 学部卒:239,646円 院卒:269,138円 |
平均年収 | 665万円 |
年間休日 | 119日 |
経営理念 | お客様、地域、社会から信頼いただける企業グループを目指します。 |
参照:JR西日本|有価証券報告書(売上高・平均年収)
参照:JR西日本|募集要項(初任給・年間休日)
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就活情報・選考の流れ
JR西日本の選考フローは、ES提出・WEBテスト・録画面接の1セット終了後にリクルーター面接が4回実施され、合格すると面接2回というプロセスを経て内定へと至ります。 録画面接は「動画で自己PRを自撮りする」という内容で、面接というほどのものではありません。
一方でリク面は回数が多く各回1時間ほどと長いですが、問われることは「ガクチカ」「入社後挑戦したいこと」の2つ程度で、残りはほとんど逆質問の時間です。 また、表立ってインターン参加者向けの優遇選考はありませんが、活躍すると必ずチェックされています。志望度が高ければ、ぜひ参加しておきましょう。
一方の「就活のやり方」全般については、「就職活動のやり方|失敗しないコツを実体験で解説!」を参照してください。
就職難易度
就職難易度は、非常に高い!
JR西日本の就職難易度は、非常に高いです。 JR西日本は理系の採用が多いですが、文系の採用人数は30人程度と多くはありません。 日本を代表するインフラ企業であり、安定性も高く、また大阪が拠点となるためライバルは非常に多いです。
内定者のスペックは高く、採用大学は旧帝大・上位国公立大学や有名私大に限られ、学歴フィルターは「関関同立以上」だと言えます。 こういった大学群の学生ですらインターンシップやリクルーター面接で活躍しなければ、なかなか選考本番にも進むことができません。
JR西日本に必要なTOEICスコアは明示されていません。 事業のほとんどが国内ですから、仕事上必須というわけでもないため、TOEICが強みになるシーンは少ないでしょう。
ただし、今後の人口減少を考えるとODA案件などで海外事業を行う可能性もあります。 その時のために備えて英語への意欲は示さなければなりませんので、少なくとも受験してESにスコアを書くくらいはしましょう。
総合職とプロフェッショナル職の違い
出世するなら総合職!
また就活でも旧国営企業らしい側面があります。それは、総合職採用とプロフェッショナル採用があることです。 どちらも大学新卒の採用なのですが、違いがあります。
「総合職採用」は、幹部候補です。将来的に課長や部長、取締役をめざし、キャリアを積んでいくコースです。 国家公務員でいうところの「国家公務員総合職(旧国Ⅰ)」のようなもので、ある程度の昇進が見込めます。 また給与も高めです。
「プロフェッショナル採用」は、現場担当です。将来的にも課長や部長などを目指すコースではなく、いわゆる「ノンキャリ」です。 国家公務員でいうところの「国家公務員一般職(旧国Ⅱ)」のようなもので、昇進はほぼ見込めません。 給与も総合職に比べて低めです。
プロフェッショナル採用は「一般職の事務」とは異なり、はじめは総合職と同じように各部署に配属されます。 総合職が出世していく中、プロフェッショナル職は悪く言えば「一生平社員」です。いわゆるソルジャーですね。 こういう採用の仕方は国家公務員と日本郵政くらいでしか見かけません。
また、総合職も「全社コース」と「エリアコース」に分かれています。 社員の方によると、「全社コースとエリアコースで昇進に差はない」と仰っていましたが、 同時に「エリアコースではできなくて、全社コースならできる仕事はある」 とも仰っていました。
当然、支社をまとめる役職にはエリアコースでも就けますが、それは全社コースでも就ける役職です。 また全社をまとめる役職には全社コースでないと就けませんから、全社コースのほうがポストが多いというわけでしょう。
面接
リクルーター面接が内定の鍵!
JR西日本の面接は、リク面が4回と本番の面接2回で計6回です。 面接での質問内容は次の通りです。
- 学生時代頑張ったこと
- 入社して挑戦したいこと
- 長所・短所とそれに関するエピソード
- 志望動機(なぜ鉄道業界か・なぜJR西日本か)
- JR西日本のアフターコロナのあるべき姿
- 逆質問
すべての質問に対して就活の軸をベースにした「『将来の夢』実現ストーリー」を意識して答えましょう。 そのためにESを、提出済みであってもブラッシュアップし直すことが合格のコツです。
また面接中は「明るく大きな声で話すこと」を意識しましょう。会社は「元気のある新卒」を求めています。 「緊張して話せない」場合も、最初に「第一志望なので緊張しています」と告白しておけば好感度も上がります。 加えて「自分を良く見せようとしない」ことにも注意を払い、「理想の後輩」を演じ切りましょう。
同社では、リクルーター面接があります。 あくまで面接ではないというのが建前ですので、初めは他愛ない会話だったり、会社説明だったりしますが、 だんだん面接っぽく「志望動機」や「自己PR」を聞かれます。
エントリーシート提出前だからといって油断すると落とされます。必ず志望動機と自己PRはつくってから挑みましょう。 加えて「逆質問」の時間が長く取られますので、次の記事を参考に質問を10個程度用意しましょう。
エントリーシート
「将来の夢」実現ストーリーをつくろう!
JR西日本へのエントリーシートの書き方は、就職活動の軸を前提に「『将来の夢』実現ストーリー」をつくり、 同社の「経営理念・ビジョン・社風」と一致した志をアピールすることです。 最終的には「将来の夢を実現するために、貴社のビジネスに携わらなければならない」と結論付けます。
ESのお題は「当社への志望理由」「学生時代最も打ち込んだこと」という一般的なものです。
実はESは、「『将来の夢』実現ストーリー」を書くものなのをご存知でしょうか。 ESはどの会社も以下の三部作構成になっています。
- (過去編):学生時代頑張ったこと:将来の夢に向かって今まで何をしてきたか
- (現在編):長所・短所:将来の夢の実現にあたって現状の自分を把握できているか
- (未来編):なぜこの会社を選んだのか・この会社に入って挑戦したいこと:何をして将来の夢の実現するか
ストーリーの作り方は【例文】エントリーシートの書き方|「おっ」と思わせる!で解説していますが、 ES本番を待つのではなく、インターンの段階でこれができていれば、かなり有利です。
同社の選考においても「就職活動の軸」を前提として、「過去編」「現在編」「未来編」の三部作構成でESを書き、 最終的には実現するには貴社のビジネスに携わるしかないという結論に持っていくのです。
ですから、採用ページのプロジェクトや社員紹介などを熟読し、 会社には何を目指す社風があるのかをじっくり研究し、志望動機に絡めていきましょう。
JR西日本での就活についてよく「『鉄道が好き』と言うと落とされる」と言われます。 しかしこれは勘違いです。実際に入社した人は鉄道オタクも多いです。ではなぜそういう傾向があるかというと、 「ビジネスモデル」で述べたように、鉄道そのものではなく鉄道を利用した街づくりがJR西日本の本質だからです。
ビジネスモデルを理解せず単に「鉄道が好き」アピールをしても、総合職での採用は難しいでしょう。 「なぜ鉄道業界なのか」「なぜJR西日本なのか」ということを必ず問われますので、 経営理念やインターンシップ参加時に感じた社風などを交えて答えるのが理想です。
志望動機
ビジョンの一致をアピールしよう!
JR西日本の志望動機の書き方は、会社の「経営理念・ビジョン・社風」と自分の「就職活動の軸」の一致をアピールし、 「将来の夢を実現するために、貴社のビジネスに携わらなければならない」と結論付けることです。
同社の経営理念は「お客様、地域、社会から信頼いただける企業グループを目指します。」で、 ビジネスの目的は「鉄道を社会基盤として持続的に運営し安全で豊かな社会づくりと、地域の活性化」でした。 ここから導き出せる志望動機は以下の通りです。
- 公共性が高く、人々の暮らしを支えている会社
- 人々を運ぶことで社会に貢献できる鉄道会社
- 鉄道の利便性や安全性の向上が人々の暮らしを豊かにすること
- 人に夢や感動を与えること
- 人々の当たり前の日常を守っていくこと
- 旅で訪れる人や地域で暮らす人々の「頼れる存在」になること
- 街を活気づけること
- 地元に貢献できる仕事
- 人をつなげることができる仕事
- 人々の生活の根底を支える仕事
- 縁の下の力持ちとして社会を支え、社会全体に貢献すること
志望動機では同業他社との比較検討が欠かせません。一般的には会社の強みで比較したくなるものです。 ですが、「事業ごとの売上高」や「事業内容」「海外売上比率」などで比較するのは得策ではありません。 というのも、同業他社はどこも同じ事業をやっていて、就活生の視点で比較するのは至難を極めるためです。
最適なのは「経営理念・ビジョン・社風」と「就職活動の軸」の一致具合をアピールする方法です。 経営理念や社風といったものはその会社に唯一無二のものであり、 会社の持つ「夢」とあなたの持つ「夢」が一致しているほど、志望動機として説得力のあるものは他にありません。
先にも少し触れましたが、エントリーシートは「将来の夢を実現するために、貴社のビジネスに携わらなければならない」 と述べる「『将来の夢』実現ストーリー」になるように構成されています。 このように、志望動機に書くことは最初から決まっているのです。
「就職活動の軸」が海外に関連するものであれば、「海外展開に積極的な社風」、 環境に関連するものであれば「環境問題に積極的」というように、会社の性格で一致したものを書きましょう。
ですから、ここにある志望動機もほんの一例にすぎません。 あなたの将来の夢と、会社の企業理念・ビジネスの目的を結びつけて考えて、志望動機をつくるのです。
そのためにはまず、自己分析をして、就職活動の軸を導き出さなければなりません。
「Unistyle」という就活サイトでは、JR西日本に実際に内定したエントリーシートを見ることができます。 本来こういった資料は、その企業に内定した先輩が身近にいないと見れなかったものです。 これが1社あたり何通・何十通も収録されていて、会員登録するだけで完全無料です。
JR西日本の強み・特徴
同業他社とは経営理念で比較しよう!
JR西日本の強み・特徴は、経営理念である「鉄道を社会基盤として持続的に運営し安全で豊かな社会づくり」「地域の活性化」に表現されています。 JR西日本といえば福知山線の脱線事故が思い浮かびますが、近年では大きな事故もなく、 世界一正確と言われる日本の鉄道を代表する会社の1つです。
また主力事業である新幹線では、JR東海でいうところのグリーン席をJR西日本では普通席に適用するなど、 快適性にも力を入れている会社です。
「地域の活性化」にJR西日本が果たす役割は大きく、駅周辺の不動産を利用した駅ビルの開発を通じて、 地域の活性化に貢献していると言えます。JR東日本、JR東海と比べて在来線と新幹線の収益のバランスが良く、 偏らずいろんな地域に鉄道網を伸ばしています。
JR西日本のサイトを見ていると、サイトではかなり「安全」について書かれています。 これは福知山線脱線事故を受けての内容であって、決して現状維持の目的ではないということに注意しましょう。
同社の強みはなんといっても発展途上のエリアであることです。 開発され尽くした東京とは異なり、関西地方から中国地方にかけてはまだまだ余地があります。
JR東日本やJR東海がリニア新幹線で東京を取り合っている一方で、同社はこの争いに巻き込まれることはありません。 経営資源を自社エリアに集中し、西日本の発展に尽力することができます。
仕事内容
鉄道という資産を活かしたビジネスがやりたい!
JR西日本の仕事内容は「沿線の不動産開発」や「ツアー利用の促進」です。 あらゆる鉄道会社についていえることですが、鉄道を通じて「街をつくる」のがJR西日本のビジネスモデルです。
JR西日本は「線路を敷いて駅をつくっておしまい」ではありません。 周辺の土地も買い取って、その土地を利用して駅ビルを建てます。 グループ会社ではホテルや百貨店、コンビニ、カフェを運営しており、それらが駅ビルに入居するのです。
こうして「人が集まる場所」をつくることによって、JR西日本のグループ会社以外もやってきます。 こうして街が発展していき、ますます人が集まるようになるのです。 まさに「街をつくる仕事」と言えますね。
「街をつくる」仕事ですから、事業は多岐に渡ります。 本業の鉄道事業はもちろんのこと、駅ビルを建てる不動産事業、そこに入居するホテル、百貨店、コンビニ、カフェなどのショッピング事業、 鉄道でまかないきれない場所へ旅客を運ぶバス事業、駅ビルを建てる建設業、ビル管理業などですね。
このように、「鉄道会社だから鉄道をやっていればいい」というわけではなく、 鉄道を利用して街をつくっていくこと全体を担っているのがJR西日本なのです。
主要取引先
JR西日本の主要取引先は、鉄道事業ではもちろん一般乗客が主要取引先です。大企業で直接一般消費者と接する会社はなかなかありませんから、 ちょっと珍しいですね。乗車券や定期券を販売するだけでなく、旅行を促進するためにイベントを企画したりもします。 しかし、JR西日本は鉄道だけの会社ではありません。あくまでも鉄道は「街づくり」のツールなのです。
重要な仕事に「不動産事業」があります。駅をつくってもそこに人が集まらなければ意味がありませんから、 不動産事業はマンションやオフィスに限らず、百貨店やホテル、レストラン、フィットネスクラブまで、 さまざまなお店を誘致する必要があります。
テナントの募集の他、魅力的な街をつくるために駅ビルのコンセプトを決めたり、 駅前に広場をつくったりもします。当然、「地元の住民」から土地を購入したり、 建設にあたって地元説明会を開いたりもしなければなりません。
JR西日本では一般の乗客から百貨店、ホテル、飲食店、レジャー施設、建設業者、地元の住民など、 さまざまな人と関わるため「社会をつくっている」という実感も持てそうですね。
競合他社
JR西日本の競合他社としては他の鉄道会社ですね。 阪急や阪神とは路線が並行している部分がありますし、近鉄とは大阪・名古屋間で競合しています。 また梅田・難波間のドル箱路線は大阪市営地下鉄の独占状態です。
しかし、私鉄がひしめきあっている大阪ではこれ以上の路線建設は難しく、 いくら他社が好きでも最寄りの駅を使わざるを得ないですから、それほど大きな問題にはなりません。
新幹線での長距離輸送では、飛行機やバス会社が競合他社となります。
またもう1つ競合で問題になるのは、不動産分野です。
不動産事業をしているのはJR西日本だけではなく、どの私鉄にも不動産事業があります。 自分の駅前を他社に開発されてしまったり、路線が並行している部分で他社の駅ビルだけがにぎわっていたら、 顧客を奪われかねません。
さらには鉄道会社でない三菱地所、野村不動産などの不動産会社も競合他社になります。 いかに土地を先に押さえて、先に街を発展させるかが重要になってきます。
とはいえ、JR西日本の駅前だからといってJR西日本だけで発展させるには費用と時間がかかりすぎます。 競合他社が「2番目くらいに良い土地」にビルを建ててくれるような街づくり、 つまりは競合他社の力を借りて街をつくっていく発想も必要です。
弱み
JR西日本の弱みとして、まずは鉄道事故が大きなリスクとして挙げられます。 高速バスの規制緩和によって、新幹線が結んでいる地域同士でも高速バスが走っています。 安い高速バスより新幹線を選ぶ理由はなんといっても「速さ」と「安全性」です。
もしも新幹線の安全神話が崩壊してしまったら、夜行バスに顧客を奪われかねません。 また、少々高くても飛行機を選ぶ人も出てくるでしょう。
また人口減少や東京への一極集中もリスクとして存在します。 JR西日本の管轄内では人口が減少し続けており、電車の乗客が減るどころか、 駅ビルの利用者も減ってしまう可能性があります。
なんとか東京から人を呼びたいところですが、残念ながら東京・大阪間の大動脈はJR東海の管轄であり、 「そうだ、京都行こう」で東京から新幹線で京都に来てもらっても、 駅ビルを利用してもらわない限りは一銭もお金が入らないのです。
ですから、JR西日本としては東京からの旅行客ではなく、西日本の旅行客の増加を考えなければなりません。
とはいえ人口減少はまだまだ先の長い話ですし、今就職してすぐに困るということはないでしょう。
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著者:村田 泰基(むらた やすき)
合同会社レセンザ代表社員。1989年生まれ。大阪大学法学部卒。2013卒として就活をし、某上場企業(メーカー事務系総合職)に入社。
その後ビジネスの面白さに目覚め、2019年に法人設立。会社経営者としての経験や建設業経理士2級の知識、自身の失敗経験、300冊以上のビジネス書・日経ビジネスを元に、11年間に渡り学生の就職活動を支援している。
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