【就活】文系はオワコンじゃない!|文系の時代が来ている!
「文系はオワコンで理系は勝ち組」という風潮が高まっていますが、これは「総合職」という役割の解釈を間違えています。 というのも、政治も経営もいつだって文系が主役だからです。 なぜそう言えるのか、これから何を学んでいくべきなのか解説します。
この記事の要点
- 文系スキルの読解力がビジネスに必須!
- 文系軽視が最終製品の凋落の原因!
- 文系スキルを重視する業界がある!
目次
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文系がオワコンじゃない理由
経営には文系スキルが必要!
実は、文系はオワコンではない上に、むしろ今後必要とされるスキルがあります。 「オワコン」という割に、企業の経営者や歴代総理大臣は多くが文系です。 出身学部もまちまちで、法学部や経済学部に限られていません。これはどういうことでしょうか。
文系は終わってなどいないからです。
政治家にしても経営者にしても、人を導く仕事には「理解力」を前提とした判断力が欠かせません。 文系はこの「理解力」を専門分野で学び、鍛えています。 「作者の気持ちでも考えてろ」とバカにされがちですが、それこそ指導者に必要な能力です。
文系のエリートコースは「事務系総合職」と言いますが、その役割を理解しておくことで、 ESや面接でうまく自分をアピールすることができます。これについて詳しくは、次の関連記事をご覧ください。
→事務系総合職とは?|仕事のキツさ・将来性・求められる力を解説!
文系ならではの読解力
読解力がないと消費者を理解できない!
2010年代初頭、マクドナルドがお客様アンケートを取ると、 「健康志向バーガーが食べたい」という回答がたくさん集まりました。 あなたなら、これをどう解釈しますか?
論理的に言えば「健康志向バーガー」を売り出すしかありませんよね。 脂質や糖質を減らし、野菜を増やして栄養バランスの取れたハンバーガーを開発しますよね。 しかし、健康志向バーガーはぜんぜん売れませんでした。
ここで「作者の気持ち」、つまりは「お客様アンケート」を解釈しなおす必要が出てきます。 「健康志向」と言いつつ、なぜ買わないのか。ここで「行間を読む」という読解力が役立ちます。
時代背景を考えてみると、今は「きれいごと」であふれていて、同調圧力が未だ高い時代です。 フィットネスジムが流行ったり、糖質制限が流行ったり、 なんとなく「健康志向」と言っておかなければならない、そんな雰囲気がありますよね。
つまり「お客様アンケート」ではみんな、「きれいごと」を述べたわけです。 本音では「肉汁したたる不健康バーガー」が大好きなのに、 「健康志向」の時代なので、そう答えないと恥ずかしい。そういう意識が働いたわけです。
サラ・カサノヴァ社長率いるマクドナルドはすぐに方針転換して、 「肉が倍の倍マック」「トリプルチーズバーガー」など健康志向とは真逆の商品をバンバン出しました。 その結果、業績は急回復。誰も健康志向バーガーなど求めていなかったという結末です。
もしマクドナルドが「作者の気持ち」をバカにしていたら、 売れもしない健康志向バーガーの「改良」を続けて大赤字を連発していたでしょう。
売れない商品の「改良」を続けて大赤字を連発した業界、心当たりがありませんか? そう、日本の家電メーカー、パソコンメーカー、スマホメーカーです。
これらの業界では消費者理解が足りませんでした。 技術一辺倒で「誰も求めていない機能」を盛り込んで「差別化戦略」などと言わんばかりに高価格化を推し進め、 結果、東南アジアなど途上国の消費者が「買えない値段」になってしまい、世界の市場をサムスンに奪われたのです。
足りなかったのは、文系のスキルなのです。
技術屋はあくまで技術屋
事務系と技術系は役割が違う!
商品を設計するのも製造するのも、開発するのも理系です。 企業の採用人数の内訳は理系が8割、文系2割くらいの比率です。 これで「社会は理系を必要としている」というのはあまりに短絡的です。
というのも、結局のところ「商品を売れるようにする」「商品開発の方針を立てる」のは「消費者理解」のできる文系です。 主に営業を通じて消費者との距離が近く、「お客さんが何を考えているのか」をよく知っています。 だからこそ売れる工夫をしたり、売れる商品を考えたりできるのです。
理系はそれを技術力で実現します。それはそれで「尊い仕事」なのですが、これは「ビジネス」ではなく「仕事」です。 要は会社から与えられた条件の中で、技術力を行使するに過ぎません。
軍隊に例えれば「司令官」と「兵隊」です。兵隊はたくさん必要ですが、兵隊だけでは仕方がありません。 戦うには「戦略」を決められる司令官が必要で、それが文系の役割なのです。
例えば「トランジスタ」を発明した研究所は、特許権をソニーに売却しました。 現代につながるものすごい技術なのですが、自力では商品化できなかったのです。 一方の購入したソニーには「消費者理解」の心得があったので、トランジスタラジオを発売して世界を席巻しました。
ソニーの創業者2人はバリバリの理系ですが、「消費者理解」という文系スキルも併せ持っていたので、 世界を変えることができました。一方でこのスキルを持っていなかった世界中の電機メーカーは、 「トランジスタ」の使い道を思いつかず、スルーしてしまったのです。
世界を変えるのは消費者理解ができる人であり、「技術屋はあくまで技術屋」という現実が浮かび上がってきますね。
ようやく重視され始めた文系スキル
マーケティングは今アツい文系スキル!
先にも述べたように、日本社会は一時期「技術一辺倒」になり、 「すごい技術」を開発しては商品に載せて価格をつり上げるということをしてきました。 その結果がテレビ・パソコン・スマホの大敗北です。
パソコンも実は、1980年代まではNECや富士通、沖電気工業などの「電電ファミリー」と呼ばれる企業群の独壇場でした。 高性能で品質もよく、世界の最先端だったのです。ですが、その後「パソコンがわからない」という消費者の気持ちをくみ取ったビル・ゲイツがwindowsを開発し、 ハードよりソフトの時代が到来しました。結果、性能にこだわっていた日本企業は没落していったのです。
このような家電やパソコンの反省から、「消費者理解」というスキルがようやく日本でも重視され始めています。
この「消費者理解」を前提とした「商品開発」「経営資源の分配」「販売ルート」「プロモーション」を一括して指導する仕事を、「マーケティング」と呼びます。
マーケティングは「技術力で差がつかなくなった業界」で始まり、 技術力以外で勝負する、要は「ブランド」や「商品コンセプト」で戦う企業の持つスキルです。 これには前提として「消費者理解」がありますから、文系のスキルだということができます。
日本のテレビ・パソコン・スマホや健康志向バーガーなどが失敗したのは「消費者理解の不足」であり、 テレビ市場を奪ったサムスン、パソコン市場を奪ったマイクロソフト、ガラケーを駆逐したアップルに共通しているのは、 お客さんの気持ちに寄り添ったことです。
この文系スキルを放置していれば、いずれどの市場も奪われます。 遅かれ早かれ、どの業界でも「マーケティング」のスキルが必要とされ、ヘッドハンティングが相次ぐ時代が来ます。
いち早く文系重視になった業界
文系重視の業界は今後も増えていく!
技術一辺倒を脱して文系スキルを重視している業界は、「生活消費財メーカー」「食品・飲料水メーカー」です。 これらの業界では文系が重視され、そして文系専用のスキルを身につけることができます。
生活消費財メーカー
いち早く文系重視になった業界は、生活消費財メーカーです。
化粧品や洗剤、紙おむつといった日用品をつくるメーカーのことで、例えばP&Gや花王、資生堂などがありますね。 これら日用品は、技術はほとんど必要ありません。 材料さえ揃えれば、誰にだってつくることができます。一般人が自宅でつくることさえ可能です。
競合ひしめくレッドオーシャンで勝ち残っていくのに役立ったスキルが、「マーケティング」です。 消費者理解を徹底し、ブランドをつくり、「同じモノはいくらでもあるけど、自社商品を買ってもらえる」という仕組みを構築しました。
特にP&Gはこの分野の巨匠で、このスキルを欲しがるたくさんの企業が部長・役員待遇でヘッドハンティングを繰り返しています。 文系最強のスキルが、この業界でなら習得できます。
食品・飲料水メーカー
次に食品メーカーと飲料水メーカーです。
食品も飲料水も、たいした技術力は必要ありません。食品は自宅でつくれますし、飲料水も「水と砂糖と香料」ですよね。 誰でも作れてしまい、なんなら買う必要も特にないという業界です。 そんな中で勝ち残っていくにはやはり、マーケティングが必要です。
特に強いのが味の素です。 日本人は化学への理解が足りず、「化学調味料」を危険物質かのように語っています。 化学を学んだ身からすると、化学式が「出汁」と同じである以上、危険も何もありません。
ですがそんな悪いイメージと戦って勝ち続けてきたのが味の素という会社なのです。 世界中に「旨味」という味覚を広め、「旨味といえば味の素」「アミノ酸といえば味の素」という風潮を作り出しました。 間違いなく国内最強のマーケティング企業です。
そしてサントリーも非常に強力です。 なにしろビール業界がシェア争いをしている間に「ハイボールで乾杯」という空気を作り出して市場を奪ったり、 国内では唯一コカ・コーラからシェアを奪える企業だからです。
近年、サントリーの天然水が売れています。よく考えてみたらおかしな話です。 ただの水です。技術力も何もありません。極端な話、水道水でも変わらないですよね。でも、売れているんです。 これは「マーケティング」の賜物という他ありません。
もう1社おすすめしたいのが日清食品です。 食品メーカーは「研究開発」にどれだけお金を投入できるかで勝負が決まるといっても過言ではありません。 マーケティング費用はかければかけるほど、効果が現れます。
そんな投資を可能にしているのが大量の定番商品です。 日清食品の定番商品は言うに及ばず、どこのスーパー・コンビニに行っても商品が置いてありますよね。 これがマーケティングの原資となり、次々にヒット商品を生み出せる好循環に乗っているのです。
理系のほうがヤバくない?
理系にも文系スキルが求められる時代!
確かに理系のスキルは重要です。いくら良い考えがあっても、技術力なくして商品化はできません。 とはいえ理系出身でも「研究開発」に携われるのはほんの一握り、基本は設計や製造部門に配属されます。 それでは一生使われる側です。
ですが、安心してください。文系スキルは理系に学べないわけではありません。 独学にはなりますが、ビジネス本を読み漁って消費者理解を進めていけばいいのです。
私は逆に文系出身で技術を学んだ身ですが、「技術がわかる」というのはお客さんと接する時に大いに役立ちます。 普通の営業マンは何か質問されると「社に持ち帰って検討します」と言います。 ですが、技術がわかっているとその場で答えられるので、お客さんの信頼を勝ち取ることができます。
「できる」「こうすればできる」という説明がその場でできるのは、理系スキルの大きな強みです。
こうして消費者理解を進めていけば、「商品コンセプトを考える側」に回ることができ、 果ては経営者にまで出世していくことが可能になります。 理系出身でもぜひ、マーケティングを学びましょう!
このように、就活にはたくさんの悩みがありますよね。 それをもやもやした状態にしておくと深刻化します。そこで、いったん「すべての悩みを書き出す」のがおすすめです。 次の関連記事では「ありがちな悩みと解消法」をたくさん書き出していますので、ぜひ参考にしてください。
著者:村田 泰基(むらた やすき)
合同会社レセンザ代表社員。1989年生まれ。大阪大学法学部卒。2013卒として就活をし、某上場企業(メーカー事務系総合職)に入社。
その後ビジネスの面白さに目覚め、2019年に法人設立。会社経営者としての経験や建設業経理士2級の知識、自身の失敗経験、300冊以上のビジネス書・日経ビジネスを元に、11年間に渡り学生の就職活動を支援している。
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