【就活】超優良!化学メーカーへの就職は難しい?63社の業界研究
化学メーカーはこんな業界!
就職難易度 | 年収 | 残業時間 | 年間休日 |
---|---|---|---|
文系でも低い | 800~1000万円 | 0~20時間(月) | 120日以上 |
- 金属以外の何かの材料をつくる業界
- 儲かる商品が多く優良企業の宝庫!
- 業界全体がホワイト気質で好待遇!
- 半導体需要で将来性が高い
- 文系でも就職難易度が低い
目次
おすすめ・人気記事
化学メーカーとは?
化学メーカーは、金属以外の何かの材料をつくる業界!
化学メーカーとは、商品の製造過程で「化学反応」を利用する会社を意味し、「金属以外の何かの材料」を製造しています。 商品の例としては、プラスチック・フィルム・塗料・合成繊維・洗剤・化粧品・薬品・ゴムなど多岐にわたり、自動車や電子機器の部品や材料、建設資材などに使用されます。
大きく分けて「総合化学メーカー」「誘導品メーカー」「電子材料メーカー」と分類されます。 注意してほしいのは、この業界は「総合だから良い」「売上高が大きいほうがいい」というわけではないところです。 これについて詳しくは、具体的に何をつくっているの?の項目で解説します。
総合化学メーカー | 基礎原料・中間材料・最終製品までつくる 例:石油→エチレン→ポリプロピレン→フィルム・文具など 一言で言い換えると「化学ならなんでもやる会社」 総合化学メーカーの一覧を見る |
---|---|
誘導品メーカー | 中間材料をつくる 例:シリコンウエハー、ポリプロピレンなど 一言で言い換えると「儲かる材料に特化した会社」 誘導品メーカーの一覧を見る |
電子材料メーカー | 中間材料のうち「電子機器専用」のものをつくる 例:フォトレジスト、偏光板フィルムなど 一言で言い換えると「電子機器専用に特化した会社」 電子材料メーカーの一覧を見る |
「化学」「鉄鋼」「非鉄金属」の3業界を合わせて「素材メーカー」と呼びますが、 これらはつくっているものが金属か、それ以外かの違いしかありません。 化学メーカーを志望する際は、他の素材メーカーも併せてみるのが良いでしょう。
化学メーカーが優良企業の宝庫な理由
化学メーカー、儲かっていて待遇も良い優良企業だらけ!
化学メーカーが優良企業の宝庫な理由は、生産の上流工程を担っているからです。
消費者に直接届く「最終製品」に対して、「材料」や「部品」を「上流工程」と表現します。 「材料」や「部品」というと「買い叩かれる下請け」をイメージしてしまいますよね。 しかし実は、化学メーカーを含むBtoB業界は、替えの利かない会社が強いという特徴があります。
なぜなら顧客は会社であり、会社は合理的に買い物をするからです。 「気まぐれな消費者」と違い、「合理的な会社」はほしがるものがハッキリしています。 例えば「不良品率を下げる」「ほしいときに、必要な数だけすぐ手に入る」などです。
日本の化学メーカーは「答えのハッキリしているBtoBビジネス」が非常に得意で、 「日本企業以外に乗り換えると不良品率が爆上がりして倒産する」というレベルにまで登ってしまいました。 ときどき中国や韓国が「半導体材料」の禁輸を恐れて大騒ぎしていますが、文明が滅ぶレベルで依存性が高いのが、化学メーカーです。
これが、「過剰に働く必要がない」「お客さんが向こうから買いに来る」ことにつながり、 儲かっていて待遇も良い優良企業だらけになっているというわけです。
化学メーカーはホワイト企業の宝庫!
化学メーカーはホワイト企業しかないと一部で有名!
化学メーカーは「ホワイト企業しかない」と言われるほど、業界全体がホワイト気質です。
化学メーカーがホワイトだと言える理由は、「残業時間の少なさ」と「高い有給取得率」そして「休日の多さ」にあります。 平均残業時間はすべての会社で月20時間を切っており、10時間も切っている会社も多く存在します。 有給取得率も50%を超える会社が多数あり、年間休日は軒並み120日を超えます。
化学メーカーのホワイト企業リスト | |||
---|---|---|---|
会社名 | 有給取得率 | 残業時間(月) | 年間休日 |
富士フイルム | 71.5% | 19.6時間 | 125日 |
東レ | 88.5% | 20.5時間 | 123日 |
旭化成 | 83.5% | 18.7時間 | 120日 |
住友化学 | 64.5% | 20.0時間 | 124日 |
信越化学工業 | 66.5% | 14.0時間 | 120日以上 |
三井化学 | 69.5% | 21.4時間 | |
積水化学工業 | 43.5% | 19.2時間 | 125日 |
東ソー | 71.5% | 15.3時間 | 122日 |
帝人 | 69.5% | 13.3時間 | |
レゾナック | 68.5% | 18.2時間 | 122日 |
三菱ガス化学 | 81.5% | 14.2時間 | 122日 |
カネカ | 56.0% | 17.5時間 | 121日 |
クラレ | 77.5% | 11.2時間 | 120日 |
ダイセル | 64.5% | 17.5時間 | 122日 |
東洋紡 | 62.0% | 10.4時間 | |
トクヤマ | 76.0% | 7.7時間 | 125日 |
セントラル硝子 | 41.5% | 6.9時間 | 124日 |
高砂香料工業 | 72.0% | 14.2時間 | 124日 |
日本パーカライジング | 47.5% | 12.0時間 | 125日 |
日本ペイント | 45.0% | 7.0時間 | 128日 |
関西ペイント | 54.5% | 8.4時間 | 125日 |
コーセー | 49.0% | 5.5時間 | 125日 |
ユニ・チャーム | 51.5% | 22.0時間 | 120日 |
ライオン | 52.0% | 12.4時間 | 124日 |
アース製薬 | 49.0% | 5.5時間 | 120日以上 |
小林製薬 | 51.5% | 13.3時間 | 127日 |
また、MY就活ネットではこの他にも、厚生労働省の資料などを元に「国家認定のホワイト企業」を次の記事で紹介しています。
具体的に何をつくっているの?
汎用品と高機能品の2つのビジネス!
化学メーカーは主に「プラスチック類」「ガラスの材料」「産業ガス」「電子材料」などが代表的ですが、 繊維・農薬・医薬品・ゴムなども含まれるため、まさに金属以外はだいたい化学メーカーと思ってくれてOKです。
あまりにも幅広い商品群ですが、これらを「汎用品」と「高機能品」に分けることができます。
汎用品 | 高機能品 | |
---|---|---|
ビジネスモデル | 大量生産 | 少量多品種 |
商品の例 | プラスチック・酸素・窒素・水素・ソーダ灰・炭酸ガス | 電池の溶解液・LED樹脂・光ファイバー・シリコンウエハー・フォトレジスト |
技術力 | 不要 | 必要 |
売上 | 高い | 低い |
利益 | 低い | 高い |
景気の影響 | 大きい | 小さい |
営業の難易度 | 難しい | 楽勝 |
「汎用品」に属する「石油化学(プラスチック)」「産業ガス(酸素や窒素など)」は大量生産によって利益を出すビジネスなため、 売上高が高くなる一方でそれほど利益はありません。技術力も不要で、後発の海外企業に市場を持っていかれるリスクは常にあります。
一方の「高機能品」は「自動車」「IT機器」などに使われる材料で、売上高はそれほど高くなりませんが、利益は大きいです。 「非常に高度な技術」と「偶然の積み重ね」を要するため、後発の企業が追いつくのはほぼ不可能です。 1社で世界を独占することも珍しくありません。
中でも半導体関連は「分子レベルの不純物」が不良品の原因になってしまうほど精密ですので、 顧客の立場に立ってみると「高くても買うしかない」という商品が非常に多いです。 ゆえに、利益率が高い会社(=儲かっている会社)は、「総合化学」より「誘導品」や「電子材料」に特化した会社のほうが多いです。
化学メーカーの将来性は高い
IT化で需要が伸び続ける!
化学メーカーの将来性は高いです。なぜなら高機能品に強く、 どのスマホが流行ろうが、電気自動車が流行ろうが、日本の化学メーカーの材料を使うしかないからです。
確かに「脱プラ」が叫ばれてはいます。ですが本当に脱プラをしたら「全裸で暮らす」ハメになりますし、 プラスチックの代わりに木材を使えば、それはそれで環境破壊なので現実的ではありません。 それ以前に、日本の化学メーカーの強みはそこではないのです。
例えば富士フイルムの「偏光板フィルム」、JSRや東京応化工業の「フォトレジスト」、信越化学工業の「シリコンウエハー」、 旭化成の「LSI」や「センサー」など、「IoT」が進む現代社会で需要が伸びる商品がたくさんあります。 先述の通り「他社への乗り換えが実質不可能」なので、儲かることが確定しています。
そして何より、「材料」「部品」は「アップルが売れなくなったらサムスンに売ればいい」「スマホが売れなくなったらクルマ用を売ればいい」という風に、 顧客を乗り換えることが可能です。景気の変動や流行の波に対応がしやすく、将来性が高いと言う他ありません。
化学メーカーへの就職は難しい?
就職難易度は、低い!
化学メーカーの就職難易度は低いです。 採用倍率は40~80倍と低めで、他業界の有名企業が200~300倍を超えることを考えると、 内定がもらいやすい業界だと言えます。
化学メーカー | 有名企業 | |
---|---|---|
競争倍率 | 40~80倍 | 200~300倍 |
同業界は理系には人気が高い一方で、文系学生には知名度がありません。 基本的に法人向けのBtoBビジネスを手掛けており、消費者向けに広告を打たないので、同業界を知る機会がないのです。
それゆえBtoCの電機メーカーや自動車メーカーに比べて応募が少ない、つまりはライバルが少ないというわけです。 インターンシップを通じて早期に接触していけば、企業研究の面でも選考の面でも、有利に戦うことができます。
ただし、総合化学メーカーは「財閥系」ということもあり、化学メーカーの中では就職が難しい部類です。 専用の記事を用意していますので、そちらを参照してください。
また同様に、花王・資生堂・P&GといったBtoCメーカーは知名度の高さゆえに応募が殺到し、就職難易度は高いと言わざるを得ません。
文系でも化学メーカーに就職できる?
文系ならではの役割がある!
化学メーカーには、文系でも就職できます。
この業界はバリバリの理系の職業のように思われがちです。確かに「製造」の面では理系の技術的な知識や能力が活かされ、 商品開発のためにたくさんの理系の学生を採用します。採用人数も文系は20~30人と、理系の半分以下の人数しか採用されません。
ですが、それ以上に知名度が低くライバルが少ないために、 文系の競争倍率は40~80倍と、他の業界(100~300倍)に比べて就職しやすいと言えます。
文系には「マーケティング」という役割があり、市場調査や商品開発を通じて「売れる仕組みづくり」を期待されています。 もちろん「営業」は文系の独壇場ですし、「社会が必要としているものを読み取る」という読解力、 まさに文系の能力が必要とされている業界です。
選考プロセス
インターン参加で優遇選考を狙おう!
化学メーカーの選考は不透明です。 インターンシップ参加者限定の早期選考を実施する会社が多く、 「夏季インターンシップ」を逃してしまうと採用枠が徐々に埋まっていき、本選考のころには「あまりもの」を争う構図になってしまいます。
そこで重要なのが、エントリーシートです。 応募が少ないために提出したESは読んでもらえます。しかし、インターンの段階で完成度を高めておけば、他の就活生に比べて大いに有利になります。 ここでは「就職活動の軸」を前提として「ES全体をストーリー化」することで説得力を出しましょう。
詳しい書き方は次の記事で解説していますので、参照してください。
化学メーカーに必要な英語力
TOEICスコアよりやる気を見せよう!
化学メーカーへの就職には英語が必須です。 海外展開をしている企業が多く、また今後内需が見込めないことから海外志向も求められます。 TOEICなら700~750点程度あるとよいでしょう。
ですが、就活の時点でTOEICでスコアがとれている必要はありません。 私が説明会に参加したときも「TOEIC600点しかないけど入社していきなり海外赴任した」という方もいました。
これはどういうことかというと、英語力は入社後に強化することもできるからです。 会社として英語の研修制度をもうけていたり、海外赴任が決まった時点で英語教室に通えば間に合う面もあり、 「今」高得点がとれている必要はないのです。
とはいえ、英語を勉強する意欲があるかどうかは問われます。 たいしたスコアが取れなくてもTOEICを受験しておいて、 「海外赴任を目指して勉強中です!」と言えたら合格です。
化学メーカーの志望動機
ビジョンの一致をアピールしよう!
化学メーカーの志望動機の書き方は、会社の「経営理念や社風」と自分の「就職活動の軸」の一致をアピールし、 「将来の夢を実現するために、貴社のビジネスに携わらなければならない」と結論付けることです。
なぜなら、「ものづくり」は理系の仕事であり、文系の役割は「企業のブランドの育成」にあるからです。 BtoB業界でも例外ではなく、「企業の社風」に一致した学生が内定をもらいます。 そこで、志望動機は「ものづくり」「技術力」などではなく、「就職活動の軸と社風の一致」にするべきなのです。
書き方の詳細については、次の関連記事で解説しています。メーカー志望の方なら誰でも使える内容ですので、ぜひご覧ください。
また、「Unistyle」という就活サイトでは実際に内定を取ったエントリーシートが無料で読み放題です。 この業界はもちろん、あなたの志望企業に内定した歴代就活生がどう書いたのかを見れば、 ESの方向性が合っているかどうか確認することができます。これを使わない手はありませんね。
業界研究おすすめ書籍
化学メーカーってわかりにくいですよね。 「鉄」や「機械」と違って「化学」はものすごく広範な物質が含まれていて、 会社によって得意分野が違えば、お客さんも違うからです。
そんな化学メーカーを製品の面から詳しく解説した書籍が発売されました。
ケミカルビジネス情報MAP 2019は、 化学業界を「エチレン」「苛性ソーダ」「塩素」のように製品ごとに解説した業界研究の本で、 高校化学を履修していなくてもわかるようにまとめられています。
どの化学物質がどんな風に社会に必要とされていて、どの企業がそれを得意としているのか、 会社が儲かる理由、将来性などの判断も可能です。「生産能力」まで載っている業界研究本は他にみたことがないですね。 巻末には化学メーカーのランキング(売上高や営業利益等)も掲載されていて、市場規模や役立つ資格もわかります。
化学メーカーのおすすめ企業
ビジネス界では有名な優良企業をピックアップ!
就活では「企業規模が大きいところ」に目が行きがちですが、高い技術力を要する化学メーカー業界では、 企業規模に関わらず、圧倒的シェアを誇る会社がたくさんあります。
例えばニフコは工業用ファスナーで国内70%のシェアを誇ります。 工業用ファスナーとは一般的に知られている服のファスナーではなく、リベットやクリップ、ケーブルストラップなどを指します。 プラスチック部品ですが、実はその大半がニフコの製品です。
エフピコはスーパーやコンビニ弁当で使われる食品トレーで国内最大手の企業です。 コンビニ弁当が電子レンジであたためられるのは、エフピコが耐熱性の高いトレーをつくったおかげだったりします。 環境意識も高く、リサイクル製品の「エコトレー」が同社の売上高の20%を占めるなどしています。
日本化薬はその名の通り農薬や火薬(ダイナマイト)から始まった企業ですが、 「スキマ産業」で圧倒的シェアを取る企業です。例えば「半導体封止材用エポキシ樹脂」で世界シェア40%です。 なんのことだかさっぱりですが、スマホやパソコンの基板に載っている黒いアレです。
またシートベルトを引き込む装置である「マイクロガスジェネレータ」で世界首位、 「DVD用UV硬化型樹脂」では世界2位など実はグローバル優良企業なのです。
高砂香料工業は香料において国内首位、世界5位の企業です。 ジュースやアイスクリーム、お菓子、たばこなどのフレーバーに加え、 香水や化粧品、石鹸、洗剤、シャンプーなどのフレグランスは実は高砂香料工業のおかげで成り立っています。
日本パーカライジングは「表面処理」の会社です。 実は、金属にはそのまま塗料を塗ることはできません。必ず「表面処理」という工程で下地塗装をしなければなりません。 金属と塗料がくっつくように行う「ファンデーション」のようなものですが、これで国内首位の会社です。
金属に色を塗ったり、錆びないように防錆処理をするときには必ず日本パーカライジングが活躍します。 自動車や飲料缶、航空機が「錆びた鉄」でないのは日本パーカライジングのおかげです。 特に自動車の表面処理では国内70%、世界で20%のシェアを占めています。
その他にも知名度の低い隠れ優良企業を紹介しています。 ホワイト企業を狙う皆さんはぜひ、「隠れ優良企業」の記事を参照してください。
化学メーカーの一覧と売上高・平均年収
化学メーカーには複数の種類があります。まずは、総合化学メーカーから紹介します。 また、会社名のリンク先ではMY就活ネットが独自に作成した企業研究を公開しています。 選考情報や志望動機など、ぜひ参考にしてください。
総合化学メーカー
総合化学メーカーのランキング | |||
---|---|---|---|
会社名 | 売上高 | 平均年収 | 年間休日 |
三菱ケミカル | 4.6兆円 | 1045万円 | 123日 |
住友化学 | 2.8兆円 | 911万円 | 124日 |
旭化成 | 2.7兆円 | 761万円 | 120日 |
三井化学 | 1.8兆円 | 892万円 | 言及なし |
レゾナック | 1.2兆円 | 1026万円 | 122日 |
東ソー | 1.0兆円 | 762万円 | 122日 |
カネカ | 7558億円 | 773万円 | 121日 |
宇部興産 | 4947億円 | 745万円 | 124日 |
デンカ | 4075億円 | 768万円 | 122日 |
トクヤマ | 3517億円 | 704万円 | 125日 |
チッソ | 1442億円 | 486万円 | 124日 |
解説を開く
汎用品と高機能品の両方やる会社!
総合化学メーカーとは、基礎原料から何かの材料、それを使って電子部品や最終製品(ラップやUSBメモリ、CD・DVDなど)まで、 一貫して製造する化学メーカーのことを指します。総合とは言っても単に原料から材料、最終製品を一貫してつくるというだけで、 総合化学メーカーだから他のメーカーより規模が大きいとか、優良企業であるとか、そういうわけではありません。
総合化学メーカーについては、次の専用記事で詳しく掘り下げていますので参照してください。
誘導品メーカー
誘導品メーカーのランキング | |||
---|---|---|---|
会社名 | 売上高 | 平均年収 | 年間休日 |
信越化学工業 | 2.8兆円 | 877万円 | 120日以上 |
三菱ガス化学 | 7812億円 | 883万円 | 122日 |
ダイセル | 5380億円 | 796万円 | 122日 |
日本触媒 | 4195億円 | 783万円 | 123日 |
JSR | 4088億円 | 829万円 | 127日 |
日本ゼオン | 3886億円 | 732万円 | 123日 |
日産化学 | 2280億円 | 826万円 | 122日 |
日本曹達 | 1728億円 | 754万円 | 124日 |
セントラル硝子 | 1693億円 | 645万円 | 124日 |
解説を開く
高機能品のうち「中間材料」に特化した会社!
誘導品メーカーは、誘導品と呼ばれる、「何かの材料」を製造する化学メーカーで、最終製品はつくりません。 例えばカセイソーダはつくりますが、その先のせっけんはつくりません。 要は「材料屋さん」です。(ただし殺虫剤など一部には最終製品として販売しているものもあります)
顧客は幅広く、電機メーカーや機械メーカーだったり、生活用品メーカーだったり、 ホームセンターだったりします。ですが、「何かを作るための材料」であることには変わりません。
特に信越化学工業はすべての電子機器を支えるシリコンウエハーで世界1位の会社であり、 隠れ優良企業として非常におすすめです。
電子材料メーカー
電子材料メーカーのランキング | |||
---|---|---|---|
会社名 | 売上高 | 平均年収 | 年間休日 |
富士フイルム | 2.8兆円 | 1033万円 | 125日 |
東レ | 2.4兆円 | 757万円 | 123日 |
日東電工 | 9290億円 | 823万円 | 123日 |
日亜化学工業 | 5021億円 | 661万円 | 125日 |
ADEKA | 4033億円 | 722万円 | 124日 |
住友ベークライト | 2849億円 | 801万円 | 122日 |
東京応化工業 | 1622億円 | 872万円 | 122日 |
解説を開く
高機能品のうち「電子部品」に特化した会社!
電子材料メーカーは、総合化学メーカーや誘導品メーカーから材料を購入し、電子部品用の特別な材料に加工する会社です。 例えば富士フイルムは液晶パネルに使う偏光板フィルムをつくりますが、 そのフィルムをつくるための材料は総合化学・誘導品メーカーから仕入れます。
大量生産の誘導品と異なり、電子材料は電子機器の不良品率に直結するシビアな製品であり、 それゆえ「替えが効かない」「高い利益を乗せても売れる」という特徴があります。
簡単に言えば、高くても売れるので、売上高が低くても高待遇というわけです。
生活消費財メーカー
生活消費財メーカーのランキング | |||
---|---|---|---|
会社名 | 売上高 | 平均年収 | 年間休日 |
花王 | 1.5兆円 | 802万円 | 122日 |
資生堂 | 9730億円 | 741万円 | 129日 |
ユニ・チャーム | 9417億円 | 843万円 | 120日 |
ライオン | 4027億円 | 666万円 | 124日 |
コーセー | 3004億円 | 788万円 | 125日 |
ポーラ・オルビス | 1733億円 | 746万円 | 125日 |
ファンケル | 1035億円 | 619万円 | 120日以上 |
P&G | 820億ドル | 非公開 | 120日 |
ユニリーバ | 644億ドル | 非公開 | 123日 |
ロレアル | 411億ユーロ | 非公開 | 125日 |
解説を開く
マーケティングで消費者心理をわしづかみにする会社!
生活消費財メーカーも化学メーカーに含まれます。
化学メーカーは業界全体がホワイトと言いましたが、生活消費財メーカーに限ってはそうとも言い切れない部分があります。 確かに花王や資生堂なども残業時間は短く、有給取得率も高いです。 ですが、生活消費財メーカーはBtoC企業であり、消費者が喜ぶ「使いやすさ」や「雰囲気」という難しい課題に挑戦しなければなりません。
生活消費財メーカーの製品は洗剤・化粧品・紙パルプ等ですが、技術的にはそう難しい分野ではありません。 そのためマーケティングが重要になってきます。
特にアメリカに本拠を置くP&G、イギリスに本拠を置くユニリーバは非常にマーケティングが強く、 P&G出身の森岡毅氏はUSJに、音部大輔氏は資生堂へマーケティング担当としてそれぞれ招かれています。
P&Gでは20代でブランド責任者になり、年収1000万円を超えるとの話です。 日本企業もうかうかしていると人材を取られ、マーケティングで押し負けてしまうかもしれません。
逆に言えば、生活消費財メーカーでマーケティングを学べば転職は引く手あまたで、 キャリアアップとなる転職も可能です。
また、日本の化粧品や紙おむつ、トイレットペーパーといった消費財が中国で大人気を博していて、 品質の高さが非常にウケているようです。 わざわざ日本から輸入するほどの人気で、特にパッケージに日本語が書いてあるほうが売れるそうです。
中国版アマゾンともいえる「アリババ」がこれらを「東南アジアでも売りたい」 と生活消費財メーカーに積極的にアプローチをしかけています。 アリババと組むのか、別の方法で海外進出を強めるのか、注目が集まりますね。
その他の化学メーカー
名前を知らない会社ほど穴場!
上記に当てはまらない化学メーカーの一覧です。
化学メーカーのランキング | |||
---|---|---|---|
会社名 | 売上高 | 平均年収 | 年間休日/主要製品 |
日本ペイント | 1.4兆円 | 977万円 | 128日 塗料世界4位 |
積水化学工業 | 1.2兆円 | 913万円 | 125日 建材・住宅 |
日本酸素 | 1.1兆円 | 977万円 | 126日 産業ガス世界4位 |
DIC | 1.0兆円 | 754万円 | 124日 印刷用インキ |
エア・ウォーター | 1.0兆円 | 754万円 | 126日 隠れ優良企業 |
クラレ | 7809億円 | 784万円 | 120日 隠れ優良企業 |
関西ペイント | 5090億円 | 759万円 | 125日 塗料世界8位 |
artience | 3221億円 | 749万円 | 123日 印刷用インキ |
ニフコ | 3217億円 | 650万円 | 120日 工業用ファスナー |
アイカ工業 | 2420億円 | 690万円 | 124日 隠れ優良企業 |
サカタインクス | 2283億円 | 705万円 | 126日 印刷用インキ |
日油 | 2177億円 | 796万円 | 121日 プラスチックリサイクル |
エフピコ | 2112億円 | 696万円 | 126日 隠れ優良企業 |
クレハ | 1912億円 | 749万円 | 120日 樹脂製品 |
高砂香料工業 | 1867億円 | 807万円 | 123日 隠れ優良企業 |
日本化薬 | 1848億円 | 734万円 | 128日 隠れ優良企業 |
三洋化成工業 | 1749億円 | 762万円 | 126日 樹脂製品 |
小林製薬 | 1734億円 | 725万円 | 127日 日用品 |
東亜合成 | 1593億円 | 678万円 | 123日 半導体材料・アロンアルフア等 |
アース製薬 | 1583億円 | 662万円 | 120日以上 日用品 |
ダイキョーニシカワ | 1457億円 | 523万円 | 121日 自動車・住宅部品 |
森六 | 1420億円 | 723万円 | 120日 商社部門も持つメーカー |
JSP | 1317億円 | 719万円 | 120日以上 発泡製品 |
石原産業 | 1312億円 | 698万円 | 121日 二酸化チタン |
積水化成品工業 | 1246億円 | 709万円 | 123日 発泡スチロール最大手 |
大日精化工業 | 1220億円 | 736万円 | 125日 印刷用インキ |
日本パーカライジング | 1191億円 | 728万円 | 125日 隠れ優良企業 |
化学メーカーの年収は低い?
平均年収は当てにならない!
化学メーカーの平均年収は600~700万円台の企業が多く、「化学メーカーは年収が低いのでは?」と気になる方も多いでしょう。 確かに三菱ケミカル(1045万円)、三井化学(1022万円)、レゾナック(1026万円)、富士フイルム(1070万円)以外では、 目だった企業がありません。
ですが、これで化学メーカーの年収が安いと決まったわけではありません。その理由は次の3点です。
化学メーカーの年収が低いとは言えない理由
- 計算には総合職・現業職・一般職等が混在している
- 企業によって社員の年齢構成が異なる
- 「管理職を含む・含まない」「残業代を含む・含まない」など企業によって計算方法が異なる
ですので「平均年収の高低」で給料の高い・安いを判断することには、あまり意味がありません。 これについて詳しくは、次の関連記事で解説しています。平均年収が気になる方はぜひご覧ください。
MY就活ネットでは、この他にも多数の業界研究記事を用意しています。 優良企業の見落としを防ぐため、さまざまな業界を調べてみましょう。
9月の今から最短で内定をもらうには?
大企業を狙うならスカウト型!
大企業の半分以上がスカウト型を利用!
実は、大企業への就職を狙うならスカウト型を使うべき時代が来ています。 意外かもしれませんが、大企業ほどスカウト型での採用が増えており、 特に従業員5,000人以上の規模では、51.2%がその採用方法をとると回答しています(※データは[PDF]就職白書2024|就職みらい研究所)。
MY就活ネットのおすすめは「OfferBox」です。 なぜなら、就活生24万人(OfferBox 2024年卒利用実績データ)、企業17,000社以上と盛り上がりを見せており、大手は実績あるスカウトサイトを選ぶからです。
実際に私も体験してみましたが、適性検査と入力するプロフィールが書類選考以上の内容になっており、 企業が採用で重視する「人柄」「熱意」「将来性」をアピールできる仕組みになっています。 さらに企業が冷やかしの宣伝メールを送れない仕様で、本気のスカウトしか来ません。
もちろん学生は完全無料ですべての機能を使えます。 今すぐプロフィールを設定して、人事に見つけてもらう準備を始めましょう。
→「OfferBox」の公式サイト
自分にぴったりのインターンシップを見つけよう
インターンから内定まで口コミが満載!
「どこのインターンに行けばいいかわからない」と悩んでいませんか? 就活の主戦場はインターンであり、大学3年生の6月には就活が始まります。 ですが、こんな早期に志望先を決められている人なんて、あまりいないと思います。
そこで、ワンキャリアのサマーインターン特集を見てみましょう。 締め切り前のインターンが一覧で表示されていて、詳細ページに進むとそのインターンの口コミを読むことができます。 また、会員登録すると「自分の大学での人気企業」が見れたり、「内定・選考直結型インターン」への参加申し込みもできます。
他にも企業ごとに「実際に内定を取ったエントリーシート」、一次面接・二次面接など「選考の体験談」が計52万件が読めるなど、 インターンから内定まで必要な情報がそろっています。大学生・院生なら完全無料どころか、内定後に選考体験談を投稿すると謝礼があるので、 就活を始めるならぜひ利用しておきたいですね。
早期選考にまだ間に合う!
就活まだ何もしていない人が勝ち組になる方法!
「就活、まだ何もしていない」というその不安、実は正解です。 そして何より「選考がどんなものかわからない」のが最大の不安ではないでしょうか。
それを解決するには早期選考に行くのが一番です。「選考に慣れる」ことができる上に、 通常選考よりライバルが少なく受かりやすいため、「実はもう内定がある」という余裕を持つことすら可能なのです。
そんな早期選考に招待されるために「インターンシップに行く」のが通常なのですが、 まだ何もしていない人でも「インターンなし」で、今から同じ条件に立てる方法があります。 それが「「ジョブトラ」に参加する」という方法です。
ジョブトラは「合同説明会」に加えて「グループワーク」が実施されるのが特徴の就活イベントで、 事前準備なしで最大6社の早期選考が一度に受けられるというものです。 「エントリーシート・自己分析」は不要で、「学部3年生(修士1年生)」なら就活完全初心者でOKです。
もちろん学生は完全無料ですから、早期選考を受けて「まだ何もしていない」状態を解消し、 「選考には慣れている」あわよくば「実はもう内定がある」という状態に持って行ってしまいましょう。 イベントは「たった半日」です。通常選考で泥沼に浸かるくらいなら、ジョブトラへ行きましょう。
→「ジョブトラ」に参加する
志望企業の内定者はどう書いた?内定エントリーシートを見よう!(その1)
模範解答があれば憂いなし!
あなたのエントリーシートは100点満点ですか? …と言われても、わかりませんよね。自己採点するにしても、その基準となる模範解答がなければどうしようもありません。
もしこのまま提出して、果たして大丈夫でしょうか。
そこで先輩が実際に内定をとったエントリーシートを使いましょう。 それと比較して何が足りないのか、どう書けばいいのかがわかれば、自ずと完成度が高まっていきます。
「Unistyle」では、歴代就活生の合格エントリーシートを無料閲覧できます。
総合商社やインフラ企業、メーカー企業、外資系企業をはじめ、超一流企業からベンチャー企業まで71,000通を超えるエントリーシートが収録されています(2023年5月時点)。 あなたの志望企業の合格エントリーシートもほぼ見つかるサイトと言っていいでしょう。
また、合格ESだけでなく「企業研究」「同業他社比較」「就職活動の軸別のおすすめ業界」 「志望動機の書き方」など就活に役立つ限定記事もすべて無料で読むことができます。
ぜひ自分のエントリーシートの見直しのために、作成の参考のために手に入れておきたいですね。
著者:村田 泰基(むらた やすき)
合同会社レセンザ代表社員。1989年生まれ。大阪大学法学部卒。2013卒として就活をし、某上場企業(メーカー事務系総合職)に入社。
その後ビジネスの面白さに目覚め、2019年に法人設立。会社経営者としての経験や建設業経理士2級の知識、自身の失敗経験、300冊以上のビジネス書・日経ビジネスを元に、11年間に渡り学生の就職活動を支援している。
→Xのアカウントページ
-
- 【一覧】業界研究がわからない?代わりにやりました!
- 自動車部品メーカー35社!業界研究・志望動機・平均年収
- 電機メーカー76社!将来性あるおすすめ企業!
- インフラ業界49社!業界研究・平均年収・ランキング
- 半導体業界はやめとけ?オワコンどころか今すぐ就職すべき理由
- 非鉄金属メーカー15社!業界研究・ランキング・ホワイトな理由
- 飲料メーカーの就職は難しい?|10社の志望動機・平均年収
- 自動車メーカーへの就職|9社の業界研究・志望動機・平均年収
- 【就活】自動車メーカーは本当にトヨタ一択なのか?
- 総合化学メーカー6社の比較|年収も将来性も高い理由
- 勝ち組!建設業界への就職45社!|将来性・ランキング・志望動機
- 穴場!準大手ゼネコン10社の比較|年収も将来性も高い理由
- 機械メーカーがすごすぎる!49社の業界研究・志望動機・平均年収
- 高速道路9社への就職!|選考・志望動機・ランキングを解説
- 文系のメーカー就職!どこがいい?おすすめ企業48社
- プラントエンジニアリング10社の業界研究・志望動機・平均年収
- 鉄道業界の就職は難しい?|20社の業界研究・ランキング!
- 穴場!専門商社への就職|100社の業界研究・志望動機・平均年収
- 実はヤバイ!製薬業界21社の業界研究・平均年収・志望動機
- 食品メーカーの就職は難しい?|44社の業界研究!
- 財閥倉庫はホワイト?5社の業界研究・志望動機・平均年収
- 素材メーカーとは?属する3業界の違い・年収・ランキング
- 鉄鋼業界とは?|就職難易度や将来性など19社の業界研究
- 【通信業界の就職は難しい?】オワコンどころか勝ち組すぎる件
- 証券会社・外資系投資銀行の業界研究・志望動機・平均年収
- 銀行就職で勝ち組になるには?|難易度や志望動機など
- 【就活】総合商社への就職|8社の業界研究・志望動機・平均年収
- 【禁断のブラック企業リスト60社】あの有名企業がゾロリ
- 【就活】売上高に惑わされてはいけない!賢い会社選び
- 【就活】「勝ち組」「負け組」に惑わされてはいけない!
- 就職偏差値ランキングに惑わされるな!|デタラメだぞ
- 【就活】財閥系企業への就職に「待った!」|本当に勝ち組?
- 銀行就職はやめとけ!|将来性のないオワコンな大量の理由
- 【就活】地銀がやばい!将来性は皆無|就職はやめとけ
- BtoCはやめとけ!BtoBとどっちがいい?メリットやおすすめ
- エリア総合職はやめとけ!出世なし・年収低い・総合職と迷ってはいけない
- 知名度で会社を選んではいけない|別にモテない!
- 鉄道業界とエネルギー業界はやめとけ!|ホワイト企業を目指すならどこ?