【就活】三井物産の就職難易度|強みや志望動機の書き方!
三井物産の就職難易度やエントリーシート・志望動機の書き方・面接などの選考情報に加え、同社の強みや特徴など企業研究に役立つ情報を解説しています。新卒採用に応募する際、ぜひ参考にしてください。まず、基本情報は以下の通りです。
会社名 | 三井物産 |
---|---|
就職難易度 | 極めて高い |
売上高 | 13兆3249億円 |
採用人数 | 130名程度(総合職) |
初任給 | 学部卒:320,000円 院卒:360,000円 |
平均年収 | 1899万円 |
年間休日 | 日数言及なし |
経営理念 | 挑戦と創造、自由闊達、人材主義 |
参照:三井物産|有価証券報告書(売上高・平均年収)
参照:三井物産|募集要項(初任給・年間休日)
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就活情報・選考の流れ
三井物産の選考は、3月から書類選考の応募が始まりますが、面接は6月1日から開始されます。 面接の回数は3回で、インターン優遇やリクルーター面接等はありません。 「Global」「Regional」に分かれていますが、後者は「エリア総合職」に相当するものです。
一方の「就活のやり方」全般については、「就職活動のやり方|失敗しないコツを実体験で解説!」を参照してください。
就職難易度
就職難易度は、極めて高い!
三井物産の就職難易度は、極めて高いです。 大人気の総合商社であり、給料が高いなど待遇面も優れるため高学歴ハイスペックな就活生の応募が殺到するためです。
採用大学は公表されていませんが、同業他社の三菱商事・伊藤忠商事・住友商事などの採用実績が旧帝大・難関私大・MARCH・関関同立・海外の大学に限られていることから、 三井物産の学歴フィルターもMARCH・関関同立以上だと推測できます。
また内定者のスペックは留学経験・起業経験(NPO法人・会社)もある「バイタリティのある学生」ばかりです。 こういった学生ですらインターンシップで活躍しなければ、なかなか選考本番にも進むことができませんし、 加えて「自ら電話をかけてOB・OG訪問を申し込む」ような行動力が必要です。
ただし、必ずしも体育会系でないと受からないということはありませんし、 留学経験や起業経験が必要ということもありません。 「就職活動の軸」と「経営理念」の一致をアピールしていけば、合格の目はあります。
三井物産に必要なTOEICスコアは明示されていませんが、730点ほしいところです。 かなりグローバルな企業であり、仕事上で英語は必須になってくるためです。
ただし、スコアが絶対かというと、そうではありません。 というのも英語はいずれ身につくものであり、現時点でペラペラに話せる必要はなく、入社後でも鍛えられるためです。 一方で英語への意欲は示さなければなりませんので、少なくとも受験してESにスコアを書くくらいはしましょう。
面接
面接は、3回!
三井物産の面接は、6月1日から3回行われ、二次面接まではオンラインで実施されます。 最終面接に至るまですべて個人面接で、回数を重ねるごとに厳かな雰囲気になっていきます。 面接で問われる質問は以下の通りです。
- 自己紹介
- 自分史(学生時代頑張ったこと)
- 志望動機
- なぜ総合商社で、三井物産なのか
また、同社の一次面接では「ケーススタディ面接」が行われ、お題を与えられてその解決策を考えて発表するものです。 グループディスカッションで与えられるような「準備の必要ないもの」であり、 議論する代わりに自分1人で考えて結論を出すものと考えてください。
面接ではすべての質問に対して就活の軸をベースにした「『将来の夢』実現ストーリー」を意識して答えましょう。 そのためにESを、提出済みであってもブラッシュアップし直すことが合格のコツです。
また面接中は「明るく大きな声で話すこと」を意識しましょう。会社は「元気のある新卒」を求めています。 「緊張して話せない」場合も、最初に「第一志望なので緊張しています」と告白しておけば好感度も上がります。 加えて「自分を良く見せようとしない」ことにも注意を払い、「理想の後輩」を演じ切りましょう。
同社では、リクルーター面接やインターンシップ参加者限定の選考などは行っていません。 エントリーシートを提出した後は、一次面接が6月1日から開始されます。 何もしなければ「1対1の質問会」のような裏ルートに誘われることはありません。
そこで、OB・OG訪問を自分で申し込むことで社員と接触するのが、総合商社への就活のやり方です。
エントリーシート
「将来の夢」実現ストーリーをつくろう!
三井物産へのエントリーシートの書き方は、就職活動の軸を前提に「『将来の夢』実現ストーリー」をつくり、 同社の「経営理念・ビジョン・社風」と一致した志をアピールすることです。 最終的には「将来の夢を実現するために、貴社のビジネスに携わらなければならない」と結論付けます。
ESの内容は「挑戦と、結果を導くためにどのように行動をしたか」「自らの思いで何かを為しえた経験」「他人の意見と相違があった際、どのように解決したか」「志望動機」の4本です。
実はESは、「『将来の夢』実現ストーリー」を書くものなのをご存知でしょうか。 ESはどの会社も以下の三部作構成になっています。
- (過去編):学生時代頑張ったこと:将来の夢に向かって今まで何をしてきたか
- (現在編):長所・短所:将来の夢の実現にあたって現状の自分を把握できているか
- (未来編):なぜこの会社を選んだのか・この会社に入って挑戦したいこと:何をして将来の夢の実現するか
ストーリーの作り方は【例文】エントリーシートの書き方|「おっ」と思わせる!で解説していますが、 ES本番を待つのではなく、インターンの段階でこれができていれば、かなり有利です。
同社の選考においても「就職活動の軸」を前提として、「過去編」「現在編」「未来編」の三部作構成でESを書き、 最終的には実現するには貴社のビジネスに携わるしかないという結論に持っていくのです。
ですから、採用ページのプロジェクトや社員紹介などを熟読し、 会社には何を目指す社風があるのかをじっくり研究し、志望動機に絡めていきましょう。
同社のESの場合、1~3つ目は「学生時代頑張ったこと」。4つ目は「なぜこの会社を選んだのか/この会社に入って挑戦したいこと」ですね。
特に「なぜ総合商社なのか」「なぜ三井物産なのか」は面接でも突っ込んで問われます。
総合商社は基本的にどこも同じ事業を行っていて、細かい違いで志望動機をつくるのは無理があります。 そこで、経営理念・ビジョン・社風を理由にするのが一番です。 インターンシップやリクルーターへの質問などで「会社の性格」を見極めておきましょう。
三井物産は「人の三井」と言われるように「個の力」を重視する会社です。 若いうちから大きな仕事を任せてもらえる「成長できる環境」や、 インターンシップや説明会を通じて「魅力的な先輩がたくさんいる」など、「人」への思いを込めるとよいでしょう。
志望動機
ビジョンの一致をアピールしよう!
三井物産の志望動機の書き方は、会社の「経営理念・ビジョン・社風」と自分の「就職活動の軸」の一致をアピールし、 「将来の夢を実現するために、貴社のビジネスに携わらなければならない」と結論付けることです。
同社の経営理念は「挑戦と創造、自由闊達、人材主義」でした。 そして、「事業経営」がキーワードになってきます。 ここから導き出せる志望動機は以下の通りです。
例文
私は、貴社が多様なビジネス領域でグローバルに活躍し、社会的価値の創造を目指す姿勢に強く共感し、 ぜひその一員として貴社の発展に貢献したいと考えております。
貴社を志望する第一の理由は、多様な事業領域での高い専門性と、イノベーションを通じて持続可能な社会の実現を目指す姿勢です。 特に、貴社が手掛ける新エネルギー分野やデジタルトランスフォーメーションへの取り組みには大きな魅力を感じています。 大学では経済学を専攻し、エネルギー政策やデジタル経済の発展に関する研究を行いました。 その中で、持続可能なエネルギー供給とデジタル技術の社会実装の重要性を学び、貴社のような企業でその知識を活かし、社会課題の解決に貢献したいと考えました。
また、貴社の企業理念である「挑戦と創造」に深く共感しています。 私は、学生時代に多くのプロジェクトに参加し、新しいアイデアを取り入れながら問題解決に取り組む姿勢を身につけました。 特に、学生団体でのリーダーシップ経験を通じて、多様なメンバーと協力し、共に目標を達成する力を培いました。 これらの経験を通じて得たスキルと熱意を、貴社での業務において発揮し、チームの一員として高い成果を上げたいと考えています。
さらに業務では、私のコミュニケーション能力と分析力が大いに役立つと確信しています。 大学でのゼミ活動やインターンシップを通じて、データ分析や報告書作成のスキルを磨いてきました。 これらのスキルを活かし、貴社の事業運営を支え、効率的な業務遂行に貢献できると考えています。
最後に、貴社での勤務を通じて、自らの成長と社会への貢献を実現したいと強く願っております。 貴社の一員として、共に未来を創造するために全力を尽くす所存です。
解説
この例では「グローバルな活躍と社会的価値の創造」を就職活動の軸としていますが、このままではかなり抽象的です。 そこで説得力を持たせるために、自己PRで「外国人を相手にゲームを開発・販売した」というように具体的なエピソードを加える必要があります。
志望動機には経営理念を散りばめていますが、何より効果的なのはインターンシップ、会社説明会、OB・OG訪問で実際に感じた社風に触れることです。 そして最終的に「就職活動の軸と社風の一致」をアピールすることで、独自性・説得力ある志望動機が完成します。
「Unistyle」という就活サイトでは、三井物産に実際に内定したエントリーシートを見ることができます。 本来こういった資料は、その企業に内定した先輩が身近にいないと見れなかったものです。 これが1社あたり何通・何十通も収録されていて、会員登録するだけで完全無料です。
三井物産の強み・特徴
商社は経営理念で比較しよう!
三井物産の強みは商品開発力です。
2019年4月に「食料本部開発センター」を立ち上げ、自社で取り扱う食材を使ったレシピを考案し、 食品メーカーに新商品として提案します。実際に製造・販売するのは食品メーカーですが、 商品開発コンサルティングとしての役割を三井物産が担うことになります。
参照:食品の開発も商社の仕事 三井物産の「料理人」社員の挑戦|日経ビジネス
変化が目まぐるしく「現場力の低下」が叫ばれる現代、メーカー企業が商品開発力を失いつつあるという現実があります。 熾烈な安売り競争のために海外生産をしたり、3年しか働けない外国人実習生に頼ったり、 研究開発費を削減するなどしてきたためです。
そこに三井物産が切り込みを入れます。開発費が捻出できないメーカーに代わって同社が商品開発をし、 コンサルティングと材料で稼ぐわけです。
一流のパティシエやパン職人を採用するなどレシピ開発に本気で取り組んでおり、 三井物産もメーカーも販売店も儲かる「バリューチェーン全体の価値向上」という、 将来性の高いビジネスに取り組んでいます。
仕事内容
卸売りから事業経営への進化中!
三井物産の仕事内容は、「挑戦と創造、自由闊達、人材主義」に表現されています。
「人の三井」と言われるように人材に重きを置き、自由な発想、そして事業の責任者に抜擢し、 「経営者」を育てるのです。こうして培われた「挑戦」や「創造力」をもって三井物産は大きく成長してきました。
三井物産は総合商社の中でも原油、天然ガス、鉄鉱石など日本で手に入らない資源の生産権益が強いという特徴がありますが、 それだけではありません。社内起業制度やヘルスケア、モビリティ、農業なども強化中で、現状に留まることをしません。
三井物産は古くから卸売業として活躍してきました。 あまりに大きくなりすぎた商社は「財閥」を形成し、日本の産業はほぼ寡占状態になっていました。 これを問題視したGHQによって解体されてしまうのですが、現在ではまた大きな姿に戻ってきています。
これは、単なる卸売業から「事業投資」に方針転換したためです。 もちろん卸売業が基本ではありますが、天然ガスなどの資源や食料を購入するだけでなく、 「天然ガスプラント」や「養殖事業」そのものに出資し、株主として優先的に供給を受けるということをしてきました。
近年では事業投資から「事業経営」へと転換してきており、 出資するだけでなくそもそも事業を商社で行う時代に突入しました。
総合商社に就職すると、仕事内容は商品の取引だけでなく、事業経営も業務になり得ます。 単なる「従業員」の姿勢で就職するのは難しく、 「創造力」「実行力」を持ったアクティブな学生が求められるでしょう。
商社は事業経営の時代
総合商社は「卸売業」に加え「事業投資」をしてきました。 先にも述べた通り、「買えないもの」をさらに買いやすくするため「株主」となって生産の上流工程に関わったのです。
例えば原油の確保は日本にとって非常に重要です。何しろ先の大戦は世界的な保護主義政策や「ブロック経済」により、 原油をはじめとしたモノ不足が原因で起こりました。 これを確保するには、巨大ロットの発注をまとめあげるだけでは不安です。
そこで、そもそも原油プラントをはじめたい新しい石油王に出資して、 優先的に売ってくれる原料屋さんをつくってきたのです。
現在ではさらにもう一歩踏み込んで、そもそも事業を経営するというところからスタートしています。 要は、石油王に出資するのではなく、自ら石油を掘りに行くというわけです。
この流れの一環で三井物産は次々に新しい会社をたてては、三井物産の社員が役員となって事業を経営しています。
このように、バリバリビジネスをやりたいという就活生にとっては理想的な環境になっています。 なにせ新しいビジネスを思いついたら、社内で起業して社長にすらなれてしまうのです。
そして、総合商社の新卒採用ではそのような気概をもった学生が求められています。 もし「転売屋」と区別がついていない場合は同社の理解の妨げになりますので、次の関連記事で確認しておきましょう。
主要取引先
三井物産の主要取引先は、あらゆる事業者です。
総合商社の一角であり、資源でも自動車でも日用品でも、どんな製品をも取り扱います。 そのため、どんな事業者とも関わることになります。
BtoBビジネスにおけるデパートのような存在で、大手素材メーカーや部品メーカーと町工場、 大手メーカー同士、小売店、はたまた資源採掘業者とすら関わります。
特に資源や素材部門に関しては海外業者とのやり取りで英語が必須になります。 また国内外の経営者層と話ができなければならないため、高いコミュニケーション力も求められることになります。
海外出張や海外転勤に加え、国内転勤も日常茶飯事です。 子会社に出向することもあれば、本社にまた戻ってくることもあります。 果ては海外で経営者になるということすらあります。
総合商社でしかできない経験はたくさんあるでしょう。
競合他社
三井物産の競合他社は世界中の商社です。
国内では他の総合商社、三菱商事や住友商事、伊藤忠商事、丸紅などが競合として存在しますが、 海外売上比率の高い三井物産は国内だけで争っているわけではありません。
海外には海外の商社があり、さらに国内外の専門商社すらとも戦わなければなりません。 特に原油の関係ではJXTGホールディングス、出光興産といった石油会社もライバルになりますし、 とにかくパイの奪い合いです。
ですが、三井物産は世界で対等に戦える非常に強い企業です。 海外展開の不得意な日本経済ですが、総合商社は戦前から海外展開を続けており、 まったく劣ってはいません。
そして、これからその戦いに身を投じるのがあなた自身なのです。
弱み
三井物産の弱みは、世界情勢とそれに伴う通貨の変動です。
世界を相手にしたビジネスですから、世界情勢には大きく影響を受けます。 例えばイギリスのEU離脱では英国事業が影響を受ける上に、為替も変動しますからトレーダーとしての資質も問われます。
条約や法律が変われば取引形態も変わりますから、常に世界中のニュースに敏感である必要があります。 米国大統領の発言、北朝鮮の事情、中東地域の紛争など様々な事件が密接に関わってきます。
もちろん対策はあります。
その対策の1つが、事業経営です。 そもそも事業経営からスタートすることで、商品の確実な調達先を確保し、 さらには日本にはない商品で勝負することすら可能です。
現地でビジネスをする限りにおいては為替変動は関係ありません。 あとは国内に儲けを持ち帰るタイミングだけ気にすればいいのです。
もう1つの対策が日本政府を巻き込むことです。 海外へのインフラ輸出では「ODA案件」として日本政府発で事業に乗り出します。
政府の支援を受けて途上国で事業を行うことで、安全性を高めることができます。 代金の回収リスクも大幅に減少させることが可能です。
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同業他社の企業研究を見る
- トラスコ中山の企業研究(売上高:2681億円、平均年収:662万円、年間休日:日数言及なし)
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三井物産のような優良企業に内定をもらうには?
志望企業の内定者はどう書いた?内定エントリーシートを見よう!(その1)
模範解答があれば憂いなし!
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著者:村田 泰基(むらた やすき)
合同会社レセンザ代表社員。1989年生まれ。大阪大学法学部卒。2013卒として就活をし、某上場企業(メーカー事務系総合職)に入社。
その後ビジネスの面白さに目覚め、2019年に法人設立。会社経営者としての経験や建設業経理士2級の知識、自身の失敗経験、300冊以上のビジネス書・日経ビジネスを元に、11年間に渡り学生の就職活動を支援している。
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