【伊藤忠商事の就職】難易度・採用倍率・ESの書き方等を解説
会社名 | 就職難易度 |
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伊藤忠商事 | 極めて高い 5.0 / 5.0 |
売上高 | |
14兆7242億円 | |
平均年収 | 年間休日 |
1823万円 | 日数言及なし |
採用人数 | 初任給 |
130名程度(総合職) | 学部卒:325,000円 院卒:360,000円 |
※就職難易度は「採用倍率」「採用大学のランク」をもとに算出しており、データは就職四季報・リクナビのプレエントリー数を参照しています。
参照:伊藤忠商事|募集要項(初任給・年間休日)
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選考フロー
選考開始 | 3月 |
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伊藤忠商事の選考フローは次の通りで、3月開始です。
- OB訪問(複数回)
- ES提出・WEBテスト
- 面接3回
- 内々定
インターン参加者優遇の早期選考やリクルーター面接は実施していません。 ただし、開始時期は変更の可能性もあります。早めにプレエントリーして案内を見逃さないよう注意しましょう。 →伊藤忠商事の採用ページ
一方の「就活のやり方」全般については、「就職活動のやり方|失敗しないコツを実体験で解説!」を参照してください。
就職難易度
就職難易度 | 極めて高い |
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伊藤忠商事の就職難易度は、極めて高いです。 採用倍率は約56倍で、学歴フィルターは「MARCH・関関同立以上」と考えられます。
三菱商事・三井物産と並んで例年利益ランキング1位を争う名門企業で、資源依存度が低いことから就職人気が高いです。 東大・京大を始めとした高学歴かつ留学経験・起業経験もあるバイタリティある学生が応募します。ゆえに、ライバルが非常に強力です。
バイタリティとは行動力のことですが、上述のような行動力の高さを証明できるエピソードの他に、 インターンシップへの積極的な参加はもちろんのこと、自ら電話をかけてOB・OG訪問を申し込むのがもはや前提となっています。
留学・起業・体育会系のような華々しい実績が必要というわけではありませんが、 それに匹敵する行動力は最低限必要になります。 同社では「ブランド経営」の仕事をする可能性が高いですから、経営者としての資質が必要というわけです。
伊藤忠商事に必要なTOEICスコアは明示されていませんが、仕事上で英語は必須です。 しかし、高いスコアが必須とまでは言えません。なぜなら、英語は入社後でも鍛えられるからです。 ただし英語への意欲を証明するため、少なくともTOEICを受験して「スコアの低さに驚き、現在猛勉強中です」と言えるようにしておきましょう。
学歴フィルター
学歴フィルター | MARCH・関関同立以上 |
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伊藤忠商事の学歴フィルターはMARCH・関関同立以上です。 この理由は、採用実績校が下記難関校および海外の大学に限られているためです。
- 上位国公立:東京大学・京都大学・一橋大学・東京工業大学・東京外国語大学・横浜国立大学・大阪大学・神戸大学・名古屋大学・九州大学・北海道大学・千葉大学・筑波大学
- 上位私立大学:慶應義塾大学・早稲田大学・上智大学・ICU・国際教養大学
- MARCH・関関同立:明治大学・青山学院大学・立教大学・中央大学・学習院大学・同志社大学・関西大学
ただし、学歴フィルターの存在は公式に発表されたものではなく、 また同社は学生が自発的にOB・OG訪問を申し込むことで選考が開始される採用形態を取っていますから、 諦めずに電話をかける・インターンシップに参加するなどの対策を取りましょう。
面接
面接回数 | 3回 |
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伊藤忠商事の面接は、通常3回行われます。
同社ではインターンシップ参加者を対象とした早期選考は実施していませんが、インターンで出会った社員にOB訪問を申し込むなどの行動を通じて、最終面接のみで内定が出るルートも存在します。 このように、ブランドビジネスを中核に据える伊藤忠商事では、「自分から動ける人材かどうか」が重視されており、積極性やバイタリティが評価されます。
質問内容は以下のような傾向があります。
- これまでの経験で最も努力したことは何ですか?
- チームでの課題解決経験を教えてください
- 失敗した経験と、そこから得た学びを教えてください
- なぜ伊藤忠商事を志望しましたか?
- 伊藤忠商事でどのようなキャリアを築きたいですか?
面接ではガクチカ(学生時代に力を入れたこと)を深掘りされることが多いため、「リーダーシップ経験」や「失敗からの成長エピソード」などを複数準備しておくと安心です。
また、志望動機では「なぜこの会社を選んだのか」に加えて、「この会社に入って挑戦したいこと」が問われます。 ブランドビジネスに強みを持つ伊藤忠商事では、自分が携わりたいブランド・業界や、BtoCの視点で社会に与えたい影響を語れると好印象です。
インターン参加者は「肌で感じた社風や職場の雰囲気」を盛り込むとリアリティが出ますし、就職活動の軸と伊藤忠のブランドビジネスとの接点を説明できると説得力が高まります。
なお、商社の選考では自発的にOB・OG訪問を行う行動力が試されます。ブランド経営・事業経営の現場で活躍するには、受け身の姿勢では務まりません。 インターンに参加できなかった場合でも、人事部に直接電話をかけるなど、自ら接点を作る姿勢が評価されるでしょう。
エントリーシート
ES設問 | 5本 |
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伊藤忠商事のエントリーシートは、次の5つの設問が課されます。
- チームで何かを成し遂げた経験
- その取り組みを行うことになった背景や目的
- その際に定めた目標
- 取り組み過程での課題と、その解決の方法
- 取り組みの成果について
これらは「学生時代頑張ったこと」の深掘りで、各200字程度で答えるものです。 書き方はリンク先の記事で解説していますが、「チーム」が前提になっていること以外は特別な内容ではありません。 以下は筆者の私が「ゲーム制作の経験」をもとに書いた例文です。
大学のサークル活動で、オリジナルゲームの制作プロジェクトに参加しました。
ゲーム制作に興味を持つメンバーでサークルを立ち上げ、『学園祭で自分たちのゲームを披露し、来場者に楽しんでもらう』という目的でプロジェクトを開始しました。 学園祭は幅広い年代の方が来場するため、『直感的に操作でき、幅広い人々が楽しめるゲーム』を作ることを目指しました。
具体的な目標としては、(1) 3か月で完成させる、(2) 来場者の80%以上が『楽しい』と感じる作品にする、(3) チーム全員が制作過程で新しいスキルを習得する、という3つを掲げました。 これらの目標を達成するためにスケジュールを細分化し、週ごとに進捗確認を行いました。
途中で、意見が分かれて制作が進まなくなる場面がありました。 具体的には、ゲームのテーマについて、メンバー間で意見が割れたのです。
この問題を解決するために、全員が意見を出し合える場を設け、それぞれの案のメリットとデメリットを整理しました。 その結果、全員が納得できる折衷案として『学園祭にちなんだストーリー』を採用しました。 また、進捗が遅れるメンバーが出た際には、タスクの見直しを行い、他メンバーでカバーできる仕組みを作りました。
完成したゲームは、学園祭で多くの来場者にプレイしてもらい、アンケート結果では90%以上の方が『楽しかった』と回答してくれました。 さらに、チーム全員が新しい技術やスキルを身につけることができ、メンバーの一人はこれをきっかけにインターンシップに参加する機会を得ました。 この経験を通じて、チームで目標を共有し、課題を乗り越えることで大きな成果を生み出せることを実感しました。
志望動機
ポイント | 社風への共感 |
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伊藤忠商事の志望動機の例文と書き方を解説します。まず、例文は次の通りです。
私が貴社を志望する理由は、ブランドビジネスに強みを持つ貴社で、チームで新領域に挑戦する仕事ができると確信したからです。
私は学生時代、ゲーム制作をきっかけに、イラスト制作やWEBサイト構築、プログラミングと、分野を越えて挑戦を続けてきました。 その過程で、異なる専門性を持つ仲間との協働を通じて、目標達成に必要なコミュニケーション力や問題解決力を培ってきました。 これらの経験を活かし、消費者視点に立ったブランド創出に貢献したいと考えています。
特に貴社のように、消費者に直接届く製品やサービスを展開し、社会に豊かさを届けるビジネスに強く惹かれました。 ブランドを通じて新たな価値を生み出し、貴社の事業成長に寄与できるよう挑戦し続けたいと考えています。
こちらの志望動機は、伊藤忠商事の「ブランドビジネスに強い」という強みを踏まえ、応募者の経験や志望動機を具体的に結びつけています。
- 書き出しの理由提示
「私が貴社を志望する理由は」という冒頭で、志望の根拠をはっきりと示し、読み手の関心を引きます。 - 企業の強みとのリンク
ブランドビジネスに注力している伊藤忠商事の特徴に触れ、その領域での仕事に魅力を感じていることを伝えています。 - 自己PRと経験の具体例
ゲーム制作から派生してイラストやWEBサイト制作、プログラミングなど複数の新領域に挑戦してきた点を示し、多様なスキルと成長意欲をアピール。これにより、変化に強く新しいことに挑む姿勢が伝わります。 - チームワークの強調
「異なる専門性を持つ仲間との協働」という表現で、チームでの課題解決能力やコミュニケーション力の高さをアピールし、総合商社で求められる協調性を示しています。 - 入社後の具体的な挑戦目標
「消費者視点に立ったブランド創出に貢献したい」と述べ、企業の事業内容と自分の志向が合致していることを明確にしています。さらに「社会に豊かさを届ける」という経営理念にも共感を示し、企業理解の深さも感じさせます。
全体として、企業理解、自己PR、志望動機がバランスよく盛り込まれ、読み手に納得感を与える構成となっています。面接や書類選考で好印象を与えるポイントを押さえた例文です。
伊藤忠商事の強み
強み | ブランドビジネスに強い |
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伊藤忠商事の強みは、ブランドビジネスに強いところにあります。
同社はBtoCビジネスが得意で、コンバースをはじめとしたアパレルブランド・メルセデスベンツやフェラーリを始めとした輸入車販売・買収したDoleを通じての食料品・ 住まいブランドCREVIAなど、消費者向けのブランド展開で大きな利益を出しています。 他にもファミリーマートやドン・キホーテを傘下に持っています。
五大商社の一角として金属資源や原油が大きな稼ぎ頭ですが、上述のブランドビジネスの利益の合計が、すでに伝統的な資源事業を上回っており、 近年の石炭価格の下落によるダメージがほぼありません。このことで大きく利益を減らした三菱商事や双日とは対照的です。
同社の経営理念は「豊かさを担う責任、ひとりの商人、無数の使命」ですが、 消費者生活は「豊かさ」そのものですから、経営理念にぴったりの事業内容ですね。
このように現在は伝統的な「トレード」より「ブランド経営」が同社の主軸になっており、 「卸売業」という先入観を持っていると企業理解の妨げになります。 伊藤忠商事の公式ウェブサイトで、「そもそも総合商社とは何か」が解説されていますので、併せて参照してください。
仕事内容
同社の事業を事業カンパニーごとにわけて見ると、 最も利益を出しているのは「金属」で、2位が「機械」、3位が「エネルギー・化学品」となっています。
金属とエネルギーは伝統的な「トレード」業務で、特に総合商社は石炭に関して「鉱山権益」を手に入れたり、 そもそも鉱山を自社開発するなどして力を入れてきた分野です。 ところが伊藤忠商事は脱炭素の流れですでに鉱山権益を売却しており、これが上でも触れた石炭価格の下落の影響が少なかった理由でもあります。
資源価格は波があり、利益を大きく左右するため、総合商社を振り回してきました。 同社はいち早く「資源依存」の体質に問題意識を持ち、現在のブランドビジネスに舵を切ったというわけです。
現在とても好調なのが自動車販売で、国内では輸入車や中古車を取り扱い、国外ではいすゞ自動車の商用車を取り扱っています。 これがすでに「エネルギー」を抜いて「金属」に次ぐ稼ぎ頭になっています。
その他にも「アパレルブランド」や「Dole」「ファミリーマート」「ドン・キホーテ」などを保有しており、 入社すると「資源」または「ブランド経営」に配属される可能性が高いです。
競合他社
競合他社は七大商社が挙げられます。
金属・エネルギー資源で同様の事業を行う三菱商事・三井物産・丸紅・住友商事・双日はもちろんのこと、 JXTGホールディングスや出光興産などの石油元売り会社も競合になります。
そして、自動車関連で稼ぐと言えば豊田通商が大きな競争相手となります。 豊田通商はトヨタグループの総合商社であり、特にアフリカ事業で圧倒的な強さを誇っています。 当然、国内事業でも競合します。
しかし、伊藤忠商事にとってこれらの事業が大きな稼ぎ頭であることは確かなものの、 他にも多数のブランドビジネスを持っていることから、「競合に勝つ」ことよりも、 唯一無二のブランドを育てることに主眼を置いた方が将来性があると言えるでしょう。
弱み
弱み | 通貨の変動 |
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伊藤忠商事の弱みは、通貨の変動です。
業務のほとんどが海外取引なため、円安・円高の影響を大きく受けます。 近年の円安は良い方向に影響していますが、今後また円高に振れる可能性は捨てきれません。
しかし、総合商社ならではの弱み「資源価格の下落」が同社の場合当てはまらないのが特徴的です。 資源事業への依存度が低く、さらにその中でも石炭事業への依存度が低いため、 バランスの取れた事業ポートフォリオになっています。
同社はコロナ禍でも同業他社ほど大きく利益を減らさなかったため、経営の安定性は高いと言えます。
同業他社の企業研究を見る
- 長瀬産業の企業研究(売上高:9449億円、平均年収:1296万円、年間休日:120日)
- 稲畑産業の企業研究(売上高:8378億円、平均年収:1077万円、年間休日:124日)
- 三愛オブリの企業研究(売上高:6544億円、平均年収:1096万円、年間休日:123日)
- 日本紙パルプ商事の企業研究(売上高:5545億円、平均年収:1066万円、年間休日:120日以上)
- トラスコ中山の企業研究(売上高:2950億円、平均年収:823万円、年間休日:日数言及なし)
- 佐藤商事の企業研究(売上高:2845億円、平均年収:1144万円、年間休日:122日)
- 伯東の企業研究(売上高:1831億円、平均年収:1070万円、年間休日:125日)
- 三菱商事の企業研究(売上高:18兆6176億円、平均年収:2090万円、年間休日:日数言及なし)
- 伊藤忠商事の企業研究(売上高:14兆7242億円、平均年収:1823万円、年間休日:日数言及なし)
- 三井物産の企業研究(売上高:14兆6626億円、平均年収:1899万円、年間休日:日数言及なし)
- 豊田通商の企業研究(売上高:10兆3095億円、平均年収:1416万円、年間休日:日数言及なし)
- 丸紅の企業研究(売上高:7兆7901億円、平均年収:1654万円、年間休日:日数言及なし)
- 住友商事の企業研究(売上高:7兆2920億円、平均年収:1809万円、年間休日:120日以上)
- 伊藤忠丸紅鉄鋼の企業研究(売上高:3兆2111億円、平均年収:1808万円、年間休日:123日)
- 阪和興業の企業研究(売上高:2兆5545億円、平均年収:1034万円、年間休日:125日)
- 双日の企業研究(売上高:2兆5097億円、平均年収:1247万円、年間休日:日数言及なし)
- 岡谷鋼機の企業研究(売上高:1兆1217億円、平均年収:1100万円、年間休日:124日)