勝ち組【日本製鉄の就職】難易度|早期選考・面接などを解説
会社名 | 就職難易度 |
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日本製鉄 | 非常に高い 5.0 / 5.0 |
売上高 | |
8兆6955億円 | |
平均年収 | 年間休日 |
1251万円 | 119日 |
採用人数 | 初任給 |
事務系:90名程度 技術系:230名程度 | 学部卒:265,000円 院卒:290,000円 |
※就職難易度は「採用倍率」「採用大学のランク」をもとに算出しており、データは就職四季報・リクナビのプレエントリー数を参照しています。
参照:日本製鉄|募集要項(初任給・年間休日)
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選考フロー
選考開始 | 3月 |
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日本製鉄の選考フローは次の通りで、3月開始です。
- ES提出・WEBテスト
- リクルーター面接3~10回
- 一次面接
- 最終面接
- 内々定
同社はインターン優遇の早期選考があります。 また、開始時期は変更の可能性もあります。早めにプレエントリーして案内を見逃さないよう注意しましょう。 →日本製鉄の採用ページ
一方の「就活のやり方」全般については、「就職活動のやり方|失敗しないコツを実体験で解説!」を参照してください。
就職難易度
就職難易度 | 非常に高い |
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日本製鉄の就職難易度は、非常に高いです。 採用倍率は文系約33倍・理系約3倍で、学歴フィルターはありません。 ただし、採用大学は旧帝大からMARCHクラスがほとんどで、それ以外の採用は少ないです。
内定者のスペックは留学経験・起業経験(NPO法人・会社)もある「バイタリティのある学生」が多く、 こういった大学群の学生ですらインターンで活躍しなければ、なかなか選考本番にも進むことができません。
インターン優遇 | あり |
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同社ではインターン優遇の早期選考があります。インターン参加者のうち優秀者はサポート型のリクルーターがつき、 逆質問や面接の練習といった内容で2回程度実施されます。そうでない参加者は選考型のリクルーター面接が開始され、人によって3~10回実施されます。 回を追うごとに逆質問より、社員からの質問のほうが増えていきます。
いずれにせよ通常選考では「WEB座談会」でリクルーター面接が始まるかどうかを判断されており、 その段階を1つ飛ばすという意味では有利です。ただし、人によって回数が大きく変わりますので、 最終的な内定の時期は通常選考とあまり変わらないと考えてください。
教科書にも登場する「官営八幡製鉄所」の流れをくむ日本製鉄は、現在では日本を代表する鉄鋼メーカーであり、グローバルに事業を展開する総合素材メーカーへと進化を遂げています。 企業としての社会的信頼性・安定性が非常に高く、就職先としても人気の高い企業です。
日本製鉄は、主にメーカーや建設業者などの法人向けに製品を提供するBtoB企業であるため、一般消費者への知名度はそれほど高くありません。 しかし、経済学部をはじめとするビジネス系の学部では、早い段階から優良企業として認識されており、他学部の学生も就職活動を進めるうちにその存在感の大きさに気づくことが多いでしょう。 そのため、採用は非常に高い競争率となっています。
筆者も実際に日本製鉄の座談会に参加した経験がありますが、そこで出会った社員の方々は留学経験や起業経験を持つ非常に優秀な方々ばかりでした。 こうした人材と共に働くには、高い知性と成長意欲が求められます。採用では、旧帝大や早慶など、全国屈指の大学からの応募者と競い合うことになるでしょう。
日本製鉄に必要なTOEICスコアは明示されていませんが、730点ほしいところです。 かなりグローバルな企業であり、仕事上で英語は必須になってくるためです。
ただし、スコアが絶対かというと、そうではありません。 というのも英語はいずれ身につくものであり、現時点でペラペラに話せる必要はなく、入社後でも鍛えられるためです。 一方で英語への意欲は示さなければなりませんので、少なくとも受験してESにスコアを書くくらいはしましょう。
面接の内容
面接回数 | 5~12回 |
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日本製鉄の面接は、リクルーター面接3~10回の後に一次面接・最終面接が実施され、計5~12回ほど行われます。 質問内容は次の通りです。
- 就職活動の軸は何か教えてください
- 他にどの業界を志望していますか?
- なぜ鉄鋼業界を志望するのですか?
- 同業他社と日本製鉄の違いをどう認識しているか教えてください
- 数ある素材の中でも鉄でなければならない理由はなんですか?
- 学生時代力を入れたこと
- 小中高ではどのように過ごしてきたか
リクルーター面接の段階では、志望動機の深掘りがほとんどです。そこで、次の3段階の志望動機を用意しておきましょう。
就職活動の軸 | 社会でどんな形で活躍したいか 例:価値創造での社会貢献がしたい |
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なぜ鉄鋼業界 | 鉄でなければならない理由 例:建設・輸送機器などの性能を決定づける素材だから |
なぜ日本製鉄 | 同業他社ではない理由 例:「社風への共感」「長期ビジョンへの共感」 |
また、鉄でなければならない理由としては、次のようなものが考えられます。
鉄の普遍性と多様な用途 | 鉄は、建設、インフラ、輸送機器、機械部品など、私たちの日常生活を支えるあらゆる分野で利用されています。その汎用性と高い実用性から、鉄は「産業の米」とも称され、現代社会に欠かせない素材となっています。他の素材では置き換えが難しいほど、多用途かつ大量生産が可能な素材である点が、鉄が選ばれる理由です。 |
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リサイクル性と持続可能性 | 鉄は完全リサイクルが可能な素材であり、環境負荷の低減に大きく貢献しています。鉄スクラップを再利用することで、エネルギー消費やCO2排出を抑えることができ、サステナブルな社会の実現に寄与します。他の素材に比べて、資源循環型の社会において特に優位性が高い点が、鉄を選ぶ理由の一つです。 |
高い強度と加工性 | 鉄は高い強度を持つだけでなく、加工性に優れており、用途に応じて特性を自在に変えることが可能です。耐久性や軽量化、耐腐食性を実現するための特殊鋼や合金鋼の開発が進んでおり、鉄が持つ可能性は無限大です。特に、自動車や建築分野では、鉄が他の素材では実現できない安全性や効率性を提供しています。 |
経済性と社会基盤としての役割 | 鉄は他の素材に比べてコストパフォーマンスに優れており、長期間にわたる使用でも安定した供給と低コストでの運用が可能です。また、鉄が使用されるインフラや構造物は、社会の基盤を形成し、人々の生活を支える重要な役割を果たしています。この点で、鉄は社会全体における経済的かつ実用的な選択肢です。 |
鉄が持つ未来への可能性 | 鉄鋼技術は現在も進化を続けており、高機能鋼材や超軽量素材の開発によって、鉄は未来の課題解決に向けた重要な鍵を握っています。たとえば、次世代の交通機関や再生可能エネルギー分野において、鉄は技術革新の主役となり得ます。このように、鉄は現在だけでなく未来の社会を支える可能性を秘めており、その重要性はますます高まっています。 |
一次面接・最終面接の段階になると、「小中高の過ごし方」「学生時代力を入れたこと」などの質問がメインになり、 人生を通じた「就職活動の軸」への一貫性が確認されます。ゆえに、ESの段階で「就職活動の軸」を前提としたストーリーをつくっておくことが重要です。
リクルーター面接の詳細
「座談会」は事実上のグループ面接!
同社では、プレエントリーをして会社説明会に出席すると、1ヶ月後くらいに座談会に呼ばれます。 これは「日本製鉄の社員との質問会」という名目ですが、事実上の集団面接です。 就職活動の軸と学生時代頑張ったことを考えていないと、この時点で不合格です。
この「事実上の集団面接」である座談会で合格をもらうと、リクルーター面接が始まります。 合格し続ける限り何度も呼ばれ、人によって3~10回ほどリクルーター面接を繰り返します。 晴れてすべて通過すると、最終面接に呼ばれます。
最初に行われる座談会に失敗すると、もうチャンスはないと思ったほうがよいでしょう。 リクルーター面接が中心の会社で、その他の採用ルートはないと思います。
→リクルーター面接は選考関係ある!|逆質問リストと聞かれること
また圧迫面接が有名で、エントリーシートの出来が悪いとさんざんにこきおろされます。 しかし、こきおろされたら終わりというわけではありません。それでも次回のリクルーター面接に呼んでもらえることがあります。 その場合は「惜しいけど期待度の高い就活生」と思われている可能性大ですので、エントリーシートの指摘された部分を修正して挑みましょう。
また、運悪く落とされた場合でも、エントリーシートの出来の悪い部分を指摘してもらえますので、 後々の就活に役立ちます。
エントリーシート
ES設問 | 2本 |
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日本製鉄のエントリーシートは、「自分の魅力」「自己PR」の2本が課されます。
これらは当然、「学生時代頑張ったこと」を書くものですね。 「自分の魅力」については、長所と絡めて「将来の夢を実現するのに役立つ長所」について書きましょう。
実はESは、「『将来の夢』実現ストーリー」を書くものなのをご存知でしょうか。 ESはどの会社も以下の三部作構成になっています。
- (過去編):学生時代頑張ったこと:将来の夢に向かって今まで何をしてきたか
- (現在編):長所・短所:将来の夢の実現にあたって現状の自分を把握できているか
- (未来編):なぜこの会社を選んだのか・この会社に入って挑戦したいこと:何をして将来の夢の実現するか
ストーリーの作り方は【完全版】エントリーシートの書き方|165社の深掘り対策搭載!で解説していますが、 ES本番を待つのではなく、インターンの段階でこれができていれば、かなり有利です。
同社の選考においても「就職活動の軸」を前提として、「過去編」「現在編」「未来編」の三部作構成でESを書き、 最終的には実現するには貴社のビジネスに携わるしかないという結論に持っていくのです。
ですから、採用ページのプロジェクトや社員紹介などを熟読し、 会社には何を目指す社風があるのかをじっくり研究し、志望動機に絡めていきましょう。
また、面接では必ず「なぜ鉄鋼メーカーなのか」「なぜ日本製鉄なのか」ということを問われますので、 「なぜこの会社を選んだのか」をしっかり組み立てておきましょう。
志望動機
ポイント | 社風への共感 |
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日本製鉄の志望動機の例文と書き方を解説します。ここまでを踏まえた例文は次の通りです。
私が貴社を志望する理由は、「新たな価値創造に挑戦する」という自身の軸を、鉄という社会基盤素材を通じて実現できると確信したからです。
私は学生時代、ゲーム制作から始まり、イラスト・WEB制作・プログラミングと挑戦の領域を広げながら、多角的な価値創出に取り組んできました。 こうした経験を通じ、形のないアイデアを形にする喜びと難しさ、そして社会に届くものへと昇華させる重要性を学びました。
その中で、建築・モビリティ・エネルギーなど幅広い分野に不可欠であり、なおかつ未来に向けた進化が求められる「鉄」に深く惹かれました。
中でも貴社は、素材を超えたソリューション提案力と、脱炭素社会に向けた革新性を併せ持ち、真の価値創造企業であると感じています。 貴社でこそ、自らの創造力と技術志向を活かし、持続可能な社会づくりに貢献できると信じています。
この志望動機は、日本製鉄の本質的な価値である「鉄による社会貢献」と、応募者自身の「価値創造への挑戦」という軸とが明確に結びついており、非常に一貫性のある構成となっています。 素材メーカーである日本製鉄を単なる製造業としてではなく、社会的使命を担う企業として捉えている点が印象的です。
- 冒頭:自身の軸と企業との接点の提示
「新たな価値創造に挑戦する」という自己の行動指針を明確にし、それが日本製鉄の扱う社会基盤素材「鉄」と結びつくことを理由として提示しています。このように、志望動機の出発点を自分の価値観に置くことで、読んだ側に納得感と誠実さを与えています。 - 中盤:多角的な経験と学びの紹介
ゲーム制作から始まり、イラスト・WEB制作・プログラミングへと挑戦を重ねてきた経験が語られています。単なる経験の羅列ではなく、「形のないものを社会に届く形に変えていく」という本質的な学びに言及しており、日本製鉄の素材開発と社会価値への橋渡しという役割と重なります。 - 鉄という素材への着目
建築・モビリティ・エネルギーといった広範な分野に不可欠な素材である「鉄」に魅力を感じた理由を述べています。鉄の社会的意義だけでなく、今後の進化・変革の必要性に触れている点から、産業素材を未来志向で捉える姿勢が伝わります。 - 終盤:企業選びの決め手と貢献意欲
素材を超えたソリューション提案や、脱炭素への革新性といった日本製鉄の強みを理解し、それを志望理由に据えています。また、自身の創造力や技術志向を活かして貢献したいという意志が、企業のビジョンと合致しており、明確なマッチングが図られています。 - 総評:価値観と企業理念の重なりが明確
応募者の価値観、経験、志向性と、日本製鉄の企業理念・事業内容が論理的かつ自然に結びついています。「なぜこの企業か」「どのように貢献できるか」が端的に伝わる構成で、説得力の高い志望動機といえるでしょう。
この志望動機からは、単なる憧れや一般的な志望ではなく、素材を通じた社会貢献への強い共感と、その実現手段として日本製鉄を選ぶ明確な理由が伝わってきます。 価値創造に主体的に関わりたいという姿勢が、企業側にも好印象を与える内容です。
また、同社では「メーカーという業界を選ぶ理由」「数ある素材の中でなぜ鉄なのか」が例年問われます。 こちらも準備をしていないと、とっさに答えるのが難しいですから、次の関連記事をご覧ください。
日本製鉄の強み・特徴
強み | 高級鋼の技術力 |
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日本製鉄の強み・特徴は、高級鋼の技術力です。 同社は例年9~12%の営業利益率を計上しており、これは上場企業平均7%を上回る数値です。 利益水準が高いと言えますが、その理由は「高級鋼の技術力」にあります。
高級鋼とは「防錆・高強度・耐熱性」など特徴を持たせた製品で、高い技術力を要するため高い利益が見込めます。 同社は約1200件にも及ぶ特許権を取得しており、自動車・航空機などの軽量化・高強度を実現しています。 このように、同社は高級鋼で高い利益を稼ぐ会社です。
一方の「汎用品」は薄利多売のビジネスで、競争が激しい分野です。 「粗鋼生産量」という指標で表現されますが、そちらでも同社は国内1位・世界4位の実力を持っています。 この「汎用品の世界ランキング」が独り歩きして「凋落」「オワコン」などと言われがちですが、それは正しい理解ではありません。
このように同社は「高級鋼」「汎用品」の2つのビジネスを併せ持っていますが、 同社を含めた素材メーカーは「利益の取れる高機能品(高級鋼)」で評価しなければなりません。 詳しくは次の関連記事で解説していますので、併せてご覧ください。
将来性
将来性 | 非常に高い |
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日本製鉄の将来性は非常に高いと言えるでしょう。 その理由は3つあります。
まず1つが「高い技術力と信頼性」です。企業規模を活かした研究開発では日本製鉄に圧倒的な分があり、標準品としての鋼材だけでなく、 様々な用途に特化した「高級鋼」でも他社とケタ違いの特許件数を誇り、 「錆びにくい」「強い」「しなやか」などあらゆる需要を満たすことができます。
また鉄を材料とするメーカーや鉄骨を使用する建築業界では、 「高炉神話」があります。私は建築業界で働いていましたが、電炉でも同じ性能の鋼板がつくれても、「高炉じゃないとイヤだ」と考える人が多いです。 電炉でつくれるなら特に優位性はないはずですが、高炉メーカーの高い信頼性の表れともいえるでしょう。
2つ目の理由が、「高い政治力」です。「官営八幡製鉄所」から始まった日本製鉄は古くから政治力が高く、 歴代経団連会長を務め、自民党政権の運営に大きく寄与してきました。 新日鐵と住友金属の合併では独占禁止法上大きな問題があると言われていましたが、結局合併が認められることになりました。
日本製鉄の工場はそれぞれが非常に巨大で、日本製鉄のおかげで経済が成り立っている地域がたくさんあります。 地方の各県庁、各市町村は日本製鉄に頭が上がらないという現実があり、 日本企業が不得意とする「ロビー活動」で圧倒的に有利です。
3つ目の理由が、「社員が超エリート」というものです。東大や京大出身者をはじめ、 起業経験、海外留学、イベント運営経験など輝かしい経歴をもつ学生が集結する会社です。 新規事業にも余念がなく、商社・プラントエンジニアリング・ITなど様々な業界で成功を見せています。
日本製鉄はつぶれることはありえず、経営が傾くこともなかなか考えられません。 以上の理由から、日本製鉄は非常に将来性が高いと言えます。
事業の今後
脱炭素の流れが加速している昨今ですが、日本製鉄のCO2排出量は日本全体の約8%を占めます。 鉄鉱石から鋼をつくる「高炉」が主な原因ですが、水素還元などの新技術は発展途上で、 これまでの生産効率を維持するにはまだ早いという段階です。
一方で鉄スクラップから鋼をつくる「電炉」は比較的CO2排出量が少なく済み、近年注目を浴びています。 ただし、鉄スクラップとは「資源ごみ」であり、不純物の混入が問題となって同社の得意とする「高級鋼」に使いにくいというデメリットがあります。
同社で働く場合、「高炉のCO2削減」や「電炉利用の拡大」が課題になってくるでしょう。
競合他社
日本製鉄の競合他社には、国内ではJFEスチールがあります。 その他の高炉メーカーである神戸製鋼所、日新製鋼とは提携関係にあり、「競合他社」という状況ではありません。 また電気炉メーカー(東京製鉄、合同製鉄など)とは一線を画した企業規模、技術力を有しており、 ほぼ敵ではないという状態です。
事実上、国内では日本製鉄と、JFEスチールの争いだと言えます。
一方海外では、ルクセンブルクの「アルセロール・ミッタル」、中国の「河北鉄鋼集団」に粗鋼生産量では後塵を拝しています。 韓国の「ポスコ」もかなり追いついてきており、日本製鉄の粗鋼生産量世界第4位の地位も脅かされています。 しかし、日本製鉄が弱くなったわけではありません。
アルセロール・ミッタルはポスコはM&Aを繰り返して大規模化しただけで、河北鉄鋼集団も含めて特に「日本製鉄より人気がある」というわけではありません。 技術力は特許件数にも表れている通り、他社が数十件なのに対し日本製鉄は1000件あります。 また日本製鉄の粗鋼生産量は伸び続けており、顧客を奪われたというわけでもありません。
中国の鉄鋼需要が伸びたことにより、その伸びた分を中国の製鉄会社がまかなっているという事情があり、 「世界の鉄鋼シェア」では比率が落ちていると言えますが、日本製鉄でしかつくれない鉄はたくさんあり、 「総合力世界No.1」の地位は維持できると思います。
弱み
弱み | 資源価格の高騰 |
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日本製鉄の弱みは、資源価格の高騰です。鉄鉱石や石炭、石油などの資源価格が高騰すると、 鉄の価格に反映されてしまいます。また、円安も事実上、資源価格の高騰を招きますからリスクとして存在します。 鉄の価格が上昇すると、高品質な鉄を求める顧客はともかくとして、そうでない顧客は海外の競合他社の安い製品に飛びついてしまう可能性があります。
このリスクに対し、日本製鉄では工場の敷地内に鉄鉱石を山盛りにして、 資源を在庫することで対応しています。つまりは、鉄鉱石が安いときに買いだめしておいて、 高い時に買わなくて済むようにしているのです。
とはいえ在庫できる量には限りがありますから、一時的な騰落には対応できるとしても、 長期的な資源価格の高騰、長期的な円安にはダメージを受けます。 世界の経済情勢が深くかかわるため、資材調達の部門ではトレーダーとしての能力も要求されます。
一方で顧客は鉄を扱うあらゆる会社ですので、もし顧客が倒産したとしても、 トヨタくらいの大規模な顧客でない限り、影響はほとんどないでしょう。
同業他社の企業研究を見る
- UACJの企業研究(売上高:9987億円、平均年収:882万円、年間休日:121日)
- フジクラの企業研究(売上高:9793億円、平均年収:845万円、年間休日:121日)
- JX金属の企業研究(売上高:7149億円、平均年収:936万円、年間休日:122日)
- 三井金属鉱業の企業研究(売上高:7123億円、平均年収:983万円、年間休日:124日)
- DOWAホールディングスの企業研究(売上高:6786億円、平均年収:918万円、年間休日:123日)
- 大同特殊鋼の企業研究(売上高:5749億円、平均年収:934万円、年間休日:127日)
- 日本軽金属の企業研究(売上高:5501億円、平均年収:725万円、年間休日:120日)
- 山陽特殊製鋼の企業研究(売上高:2470億円、平均年収:890万円、年間休日:119日)
- 日鉄鉱業の企業研究(売上高:1967億円、平均年収:949万円、年間休日:123日)
- 日本製鉄の企業研究(売上高:8兆6955億円、平均年収:1251万円、年間休日:119日)
- JFEスチールの企業研究(売上高:4兆8596億円、平均年収:1070万円、年間休日:119日)
- 住友電気工業の企業研究(売上高:4兆6797億円、平均年収:974万円、年間休日:121日)
- 神戸製鋼所の企業研究(売上高:2兆5550億円、平均年収:988万円、年間休日:121日)
- 古河電気工業の企業研究(売上高:1兆2017億円、平均年収:781万円、年間休日:121日)
- 三菱マテリアルの企業研究(売上高:1兆9620億円、平均年収:875万円、年間休日:126日)
- プロテリアルの企業研究(売上高:1兆332億円、平均年収:903万円、年間休日:126日)
- 住友金属鉱山の企業研究(売上高:1兆5933億円、平均年収:1084万円、年間休日:125日)