勝ち組【東ソーの就職】難易度・倍率・選考フローを解説!
会社名 | 就職難易度 |
---|---|
東ソー | 高い 4.5 / 5.0 |
売上高 | |
1兆633億円 | |
平均年収 | 年間休日 |
925万円 | 122日 |
採用人数 | 初任給 |
事務系:20名程度 技術系:60名程度 | 学部卒:268,975円 院卒:286,330円 |
※就職難易度は「採用倍率」「採用大学のランク」をもとに算出しており、データは就職四季報・リクナビのプレエントリー数を参照しています。
参照:東ソー|募集要項(初任給・年間休日)
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就職難易度
就職難易度 | 高い |
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東ソーの就職難易度は、高いです。 総合化学メーカーの一角であり、「隠れ優良企業」として人気が高く、採用人数も文系で20人、理系で50人と多くはないためです。 同業の東レ(5200通)・三井化学(1700通)から推測するに、同社にも2000通以上の応募があると考えられ、採用倍率は100倍を超えると思われます。
ただし採用大学には文系でも「地方国公立大学」があるなど、学歴に偏りはなく、よってESの内容・人物重視で選考が行われますので、誰でもチャンスがあります。 特にインターンシップを通じて早期に接触し、会社理解を深める・活動中に高評価を得ることは、本選考においても有利に働くでしょう。
東ソーに必要なTOEICスコアは明示されていませんが、730点ほしいところです。 かなりグローバルな企業であり、仕事上で英語は必須になってくるためです。
ただし、スコアが絶対かというと、そうではありません。 というのも英語はいずれ身につくものであり、現時点でペラペラに話せる必要はなく、入社後でも鍛えられるためです。 一方で英語への意欲は示さなければなりませんので、少なくとも受験してESにスコアを書くくらいはしましょう。
勝ち組の理由
MY就活ネットでは、東ソーへの就職は勝ち組だと判断しています。理由は次の3点です。
- 営業利益率が9.3%と高水準な点(上場企業平均は7%)
- 高く売れる高機能品が豊富で、水処理エンジニアリング事業も成長を続けている点
- 平均年収が925万円と高く、30歳時点で689万円と化学メーカーでトップクラスである点
汎用品事業(石油化学・産業ガス)は利益が出しにくい分野で、三井化学・住友化学・旭化成・レゾナックがそれぞれ赤字を計上しています。 その一方で東ソーは汎用品も高機能品も利益率が高く、水処理エンジニアリング事業では19.8%の利益率を叩き出すなど、稼ぐ力のある企業だと言えます。
これに伴って化学メーカー屈指の高待遇が実現しており、就職できれば勝ち組だと言えます。
選考フロー
東ソーの選考フローは次の通りで、3月開始です。
- ES提出・WEBテスト
- 一次面接
- 最終面接
- 内々定
同社では、インターン参加者優遇の早期選考はありません。 ただし、開始時期は変更の可能性もあります。早めにプレエントリーして案内を見逃さないよう注意しましょう。 →東ソーの採用ページ
一方の「就活のやり方」全般については、「就職活動のやり方|失敗しないコツを実体験で解説!」を参照してください。
面接
面接は、2回!
東ソーの面接は、回数は2回で、すべて個人面接です。 面接内容は、いずれも次のような質問がされ、雰囲気は和やかです。
- 自分の性格を形成した背景
- 自己PR
- 学生時代頑張ったこと
- 東ソーに魅力を感じた理由
- 志望動機・なぜこの会社なのか
同社では、リクルーター面接やインターン優遇制度などはありません。 しかし化学メーカーは企業理解が難しく、同社の強みや社風をつかみにくい部分があります。 そこでインターンを利用して、社風についての質問をすることで、志望動機の補強をしましょう。
面接はESに沿った内容で進められますが、すべての質問に対して就活の軸をベースにした「『将来の夢』実現ストーリー」を意識して答えましょう。 そのためにESを、提出済みであってもブラッシュアップし直すことが合格のコツです。 次の関連記事では「立ち振る舞い」「うまい話し方」など「理想の新人」をアピールするコツを、私自身の社会人経験を踏まえて解説しています。
エントリーシート
「将来の夢」実現ストーリーをつくろう!
東ソーのエントリーシートは、次の4本の設問が課されます。
- 最も興味関心が高いテーマ
- 大きな目標に向けて努力した経験
- 志望動機
- 当社で取り組みたいこと
1つ目は、「就職活動の軸」に関するテーマを選びましょう。 例えば「創造力を発揮できる会社」という軸であれば、「生成AIです。AIという言葉は知っていたのに、自身で思いつけなかったことを悔しく思います」というように、 自身の感情を交えることで「軸に対する本気度」を示すことができます。
2つ目は「学生時代頑張ったこと」です。 下で解説する志望動機の例文では「ゲーム制作の経験」を使用していますが、 「軸への本気度を示すこと」と「社風との一致を示すこと」を意識して書きましょう。
3つ目は「なぜこの会社を選んだのか」ですが、次の項目で例文付きで解説します。
4つ目は「この会社に入って挑戦したいこと」の記事で詳しく解説しています。 これに関しても「就職活動の軸の実現」が結論で、それに説得力を出すため「ガクチカ」「志望動機」と矛盾しないように書きましょう。 私の例で言えば、「創造力を発揮して半導体分野でデファクトスタンダードとなる商品を生み出したい」などになります。
このようにESはすべての項目を「就職活動の軸の実現」でつなげることで、志望動機に説得力を出すことができます。 これをMY就活ネットでは「ESのストーリー化」と呼んでいますが、これについては次の関連記事で解説しています。
→【完全版】エントリーシートの書き方|165社の深掘り対策搭載!
志望動機
ポイント | 社風への共感 |
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東ソーの志望動機の例文と書き方を解説します。ここまでを踏まえた例文は次の通りです。
私が貴社を志望する理由は、貴社の「化学の革新を通して、幸せを実現し、社会に貢献する」という理念に共感したからです。 学生時代、私はゲーム制作に取り組み、企画から完成までのプロセスで新しい価値を生み出す経験をしました。 この過程で、創造力や課題解決力を活かし、メンバーと協力しながらプロジェクトを推進する力を培いました。
貴社の基礎化学品事業や機能製品事業は、社会インフラや先端技術を支える基盤として欠かせない存在であり、広範な分野で社会に貢献している点に魅力を感じています。 また、環境配慮型の製品開発や持続可能な未来に向けた取り組みは、私が目指す社会貢献と重なる部分が多くあります。
私は、ゲーム制作で得た創造力とチームでの協働経験を活かし、貴社の製品開発に携わりたいと考えています。 貴社の一員として、新たな価値を創造し、多くの人々の生活を支える仕事に挑戦したいです。
この志望動機では「化学の革新」に対して「創造力」「課題解決力」などで応えています。 文系の場合、科学技術で貢献するわけではありませんので「アイデア」がキーワードになります。
ただ「共感した」といっても説得力に欠けますので、 ガクチカでは「ゲーム制作」で経験した「アイデアを出し合う」「狙った動作を実現するための工夫」など、 理念と一致した人間であることを証明しましょう。
このように志望動機は「就職活動の軸」「ガクチカ」と一体不可分のものであり、 これらのエピソードの用意がまだ済んでいない場合は、自己分析から始めましょう。
また、次の関連記事では文系向けに「化学メーカーの志望動機の書き方」を「就職活動の軸」「業界の志望動機」「当社の志望動機」の三段階、例文付きで解説しています。
東ソーの強み・特徴
強み | ハイブリッド戦略 |
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東ソーの強み・特徴は、コモディティ製品とスペシャリティ製品のハイブリッドカンパニーを目指している点です。
ソーダ工業から始まった同社は石油化学、加えて付加価値の高い機能性化学品にも進出して総合化学メーカーとなりました。 「ソーダ工業」「石油化学」で製造する誘導品(苛性ソーダ・エチレンなどの素材)を「コモディティ(汎用品)」と言いますが、 コモディティは競合も多くそれほど高い利益を取ることができません。
一方の電子材料や医療材料といった「スペシャリティ製品(高機能品)」は非常に高い技術力を要し、その分高い利益を得ることができます。 同社は素材メーカーの使命として「コモディティ」では規模を追い、「スペシャリティ」で利益を確保するハイブリッドカンパニーを目指しています。 これにより利益率は約13%にもおよび、大企業平均の6~7%と比較して儲かっている会社ということができます。
同社製品の用途は非常に幅広く、金属以外のあらゆるモノに「樹脂」や「ゴム」が使用されています。 エスカレーターの手すりに使われるCSMという合成ゴムは世界一のシェアを誇り、 また化学繊維、紙・パルプなどの製造・工場排水の中和に使用される苛性ソーダでは国内一のシェアを誇ります。
CO2削減についても、話題になる以前から積極的です。 苛性ソーダのCO2排出削減効果の高い省エネルギーな製造法を開発し、 国内外のソーダ工業企業にライセンス供与するなど、化学メーカーの弱みをむしろ収益化しています。
同社の海外売上比率は40%を超え、世界シェアの取れる商品群をいくつも持っていることから、 非常にグローバルな企業だということができます。
主要取引先
東ソーの主要取引先は、「コモディティ」は同業の化学メーカー、「スペシャリティ」は半導体メーカーや電機メーカーとなります。
「コモディティ」はすでに完成された技術であり、これだけでは競争力がありません。 ゆえに規模を大きくしてコスト削減を行ったり、納期や対応力の面で付加価値をつけることが重要です。
「スペシャリティ」は高い技術力と創造性を発揮する商品で、商品それ自体に競争力があります。 こちらは利益が取りやすく、「替えが利かない企業」として地位を築くことができます。
競合他社
東ソーの競合他社は、「コモディティ」では総合化学メーカーが挙げられます。
こちらは利益が出しにくいと言いましたが、中には信越化学工業や東亞合成のように、 徹底したコスト管理などの工夫によって高い利益を得ている会社もあります。
一方の「スペシャリティ」はニッチを狙っていく戦略ですから、そもそも競合を避けて商品開発を行います。 そのため競争は「研究開発の段階」で起きます。 同社は企業規模が大きく、さらに高い利益率を誇るため、十分な研究開発費を出すことができます。
その意味で同社の「ハイブリッドカンパニー戦略」は有効に働いています。
弱み
弱み | 脱炭素 |
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東ソーの弱みは、石油化学事業です。 同事業は規模の割にあまり利益が出せておらず、また「資源価格の変動」や「カーボンニュートラル」の圧力も受けます。
とは言っても同社はすでにスペシャリティ(機能商品事業)やエンジニアリング事業で大きな利益を出しており、 石油化学も少ないとはいえ安定的に利益を出していることから、上記のリスクは十分カバーできる体質です。
また、海外取引が大きいため、通貨変動の影響も受けます。 現在は円安で動いていますが、いずれまた円高に振れる可能性もあります。 その際は減益などの悪影響が出ることもあるでしょう。
同業他社の企業研究を見る
- クラレの企業研究(売上高:8268億円、平均年収:1048万円、年間休日:120日)
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- JSRの企業研究(売上高:4050億円、平均年収:829万円、年間休日:127日)
- デンカの企業研究(売上高:4002億円、平均年収:935万円、年間休日:124日)
- ニフコの企業研究(売上高:3530億円、平均年収:664万円、年間休日:120日)
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- 高砂香料工業の企業研究(売上高:2292億円、平均年収:824万円、年間休日:123日)
- 日本化薬の企業研究(売上高:2225億円、平均年収:749万円、年間休日:128日)
- 東京応化工業の企業研究(売上高:2009億円、平均年収:994万円、年間休日:122日)
- 東亞合成の企業研究(売上高:1675億円、平均年収:810万円、年間休日:123日)
- 日本パーカライジングの企業研究(売上高:1322億円、平均年収:749万円、年間休日:125日)
- 太陽HDの企業研究(売上高:1190億円、平均年収:907万円、年間休日:125日)
- 三菱ケミカルの企業研究(売上高:4兆4074億円、平均年収:851万円、年間休日:123日)
- 旭化成の企業研究(売上高:3兆373億円、平均年収:904万円、年間休日:120日)
- 富士フイルムの企業研究(売上高:3兆1958億円、平均年収:974万円、年間休日:125日)
- 信越化学工業の企業研究(売上高:2兆5612億円、平均年収:886万円、年間休日:120日以上)
- 住友化学の企業研究(売上高:2兆6062億円、平均年収:982万円、年間休日:124日)
- 東レの企業研究(売上高:2兆5632億円、平均年収:975万円、年間休日:日数言及なし)
- エア・ウォーターの企業研究(売上高:1兆759億円、平均年収:877万円、年間休日:126日)
- 三井化学の企業研究(売上高:1兆8091億円、平均年収:1068万円、年間休日:122日)
- 日東電工の企業研究(売上高:1兆138億円、平均年収:944万円、年間休日:123日)
- レゾナックの企業研究(売上高:1兆3914億円、平均年収:959万円、年間休日:124日)
- 積水化学工業の企業研究(売上高:1兆2977億円、平均年収:912万円、年間休日:125日)
- 東ソーの企業研究(売上高:1兆633億円、平均年収:925万円、年間休日:122日)