【就活】東ソーの就職難易度|強みや志望動機・選考情報!
東ソーの就職難易度やエントリーシート・志望動機の書き方・面接などの選考情報に加え、同社の強みや特徴など企業研究に役立つ情報を解説しています。新卒採用に応募する際、ぜひ参考にしてください。まず、基本情報は以下の通りです。
会社名 | 東ソー |
---|---|
就職難易度 | やや高い |
売上高 | 1兆56億円 |
採用人数 | 事務系:20名程度 技術系:50名程度 |
初任給 | 学部卒:255,390円 院卒:272,745円 |
平均年収 | 740万円 |
年間休日 | 122日 |
経営理念 | 私たちの東ソーは、化学の革新を通して、幸せを実現し、社会に貢献する。 |
参照:東ソー|有価証券報告書(売上高・平均年収)
参照:東ソー|募集要項(初任給・年間休日)
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就活情報・選考の流れ
東ソーの選考は、ES提出と同時にWEBテストが行われ、面接は2回です。 一方の「就活のやり方」全般については、「就職活動のやり方|失敗しないコツを実体験で解説!」を参照してください。
就職難易度
就職難易度は、やや高い!
東ソーの就職難易度は、やや高いです。 BtoB企業のため知名度は低い一方で、化学メーカーの中では人気が高く、採用人数も文系で20人、理系で50人と多くはないためです。
ただし内定者の学歴に偏りはなく、よってESの内容、人物重視で選考が行われますので、誰でもチャンスがあります。 特にインターンシップを通じて早期に接触し、会社理解を深める・活動中に高評価を得ることは、 本選考においても有利に働くでしょう。
東ソーに必要なTOEICスコアは明示されていません。 点数による足切りはないということです。 ですが、同社はグローバル企業のため、入社後は社内研修や独学により英語を習得する必要があります。
つまり英語に対する意欲の高さをアピールする必要があり、 そのためにはスコアが低くてもTOEICを受験し、 「海外赴任を視野に勉強中です」と言えるように準備しておきましょう。
面接
面接は、2回!
東ソーの面接は、回数は2回で、すべて個人面接です。 面接内容は、いずれも次のような質問がされ、雰囲気は和やかです。
- 自分の性格を形成した背景
- 自己PR
- 学生時代頑張ったこと
- 東ソーに魅力を感じた理由
- 志望動機・なぜこの会社なのか
ESに沿った内容で進められますが、すべての質問に対して就活の軸をベースにした「『将来の夢』実現ストーリー」を意識して答えましょう。 そのためにESを、提出済みであってもブラッシュアップし直すことが合格のコツです。
また面接中は「明るく大きな声で話すこと」を意識しましょう。会社は「元気のある新卒」を求めています。 「緊張して話せない」場合も、最初に「第一志望なので緊張しています」と告白しておけば好感度も上がります。 加えて「自分を良く見せようとしない」ことにも注意を払い、「理想の後輩」を演じ切りましょう。
同社では、リクルーター面接やインターン優遇制度などはありません。 しかし特に化学メーカーである同社は事業のイメージがつかみにくく、 プレエントリーまで待っていると会社の理解が追いつきません。
インターン参加者は裏で評価シートをつけられており、活躍すれば必ず評価されます。 またESも書きやすくなるため、志望度が高い場合はインターンシップへの参加が必須でしょう。 特にインターンの段階で同社を知る人はかなり少ないので、有利に参加できると考えられます。
エントリーシート
「将来の夢」実現ストーリーをつくろう!
東ソーへのエントリーシートの書き方は、就職活動の軸を前提に「『将来の夢』実現ストーリー」をつくり、 同社の「経営理念・ビジョン・社風」と一致した志をアピールすることです。 最終的には「将来の夢を実現するために、貴社のビジネスに携わらなければならない」と結論付けます。
ESの内容は「最も興味関心が高いテーマ」「大きな目標に向けて努力した経験」「志望動機」「当社で取り組みたいこと」の4本です。
実はESは、「『将来の夢』実現ストーリー」を書くものなのをご存知でしょうか。 ESはどの会社も以下の三部作構成になっています。
- (過去編):学生時代頑張ったこと:将来の夢に向かって今まで何をしてきたか
- (現在編):長所・短所:将来の夢の実現にあたって現状の自分を把握できているか
- (未来編):なぜこの会社を選んだのか・この会社に入って挑戦したいこと:何をして将来の夢の実現するか
ストーリーの作り方は【例文】エントリーシートの書き方|「おっ」と思わせる!で解説していますが、 ES本番を待つのではなく、インターンの段階でこれができていれば、かなり有利です。
同社の選考においても「就職活動の軸」を前提として、「過去編」「現在編」「未来編」の三部作構成でESを書き、 最終的には実現するには貴社のビジネスに携わるしかないという結論に持っていくのです。
ですから、採用ページのプロジェクトや社員紹介などを熟読し、 会社には何を目指す社風があるのかをじっくり研究し、志望動機に絡めていきましょう。
同社のESでは、「関心を持っていること」は「就職活動の軸」を述べるものです。2つ目は「学生時代頑張ったこと」を書くものです。 残りは「なぜこの会社を選んだのか」「この会社に入って挑戦したいこと」ですね。
志望動機
ビジョンの一致をアピールしよう!
東ソーの志望動機の書き方は、会社の「経営理念・ビジョン・社風」と自分の「就職活動の軸」の一致をアピールし、 「将来の夢を実現するために、貴社のビジネスに携わらなければならない」と結論付けることです。
同社の経営理念は「わたしたちは新しい価値の創造を通じて社会に貢献します」でした。 そして採用サイトでは「挑戦」や「熱意の持続」といったキーワードが頻出します。 つまり、「常に新しいことに挑戦し続けたい」という想いを表現し、貴社にピッタリな人材であることをアピールすればよいのです。
ですが、ただ「社風に共感した」というだけでは説得力がありません。 そこでES全体で「新しいことが好き」「飽きずに最後までやり遂げる」といったエピソードを盛り込み、 「社風に共感」の根拠資料をつくっていくやり方が最適です。
これについて詳しくは「【文系専用】メーカーの志望動機|必要な人材認定をもらうコツ」の記事で解説していますが、 「ESのストーリー化」の前提として予め「自己分析」をしておく必要があります。 まだ就活の軸を作成していない場合は、まずは次の関連記事を参照してください。
「ワンキャリア」という就活サイトでは、東ソーに実際に内定したエントリーシートを見ることができます。 本来こういった資料は、その企業に内定した先輩が身近にいないと見れなかったものです。 これが1社あたり何通・何十通も収録されていて、会員登録するだけで完全無料です。
東ソーの強み・特徴
汎用品と高機能品のバランスが取れた会社!
東ソーの強み・特徴は、コモディティ製品とスペシャリティ製品のハイブリッドカンパニーを目指している点です。
ソーダ工業から始まった同社は石油化学、加えて付加価値の高い機能性化学品にも進出して総合化学メーカーとなりました。 「ソーダ工業」「石油化学」で製造する誘導品(苛性ソーダ・エチレンなどの素材)を「コモディティ(汎用品)」と言いますが、 コモディティは競合も多くそれほど高い利益を取ることができません。
一方の電子材料や医療材料といった「スペシャリティ製品(高機能品)」は非常に高い技術力を要し、その分高い利益を得ることができます。 同社は素材メーカーの使命として「コモディティ」では規模を追い、「スペシャリティ」で利益を確保するハイブリッドカンパニーを目指しています。 これにより利益率は約13%にもおよび、大企業平均の6~7%と比較して儲かっている会社ということができます。
同社製品の用途は非常に幅広く、金属以外のあらゆるモノに「樹脂」や「ゴム」が使用されています。 エスカレーターの手すりに使われるCSMという合成ゴムは世界一のシェアを誇り、 また化学繊維、紙・パルプなどの製造・工場排水の中和に使用される苛性ソーダでは国内一のシェアを誇ります。
CO2削減についても、話題になる以前から積極的です。 苛性ソーダのCO2排出削減効果の高い省エネルギーな製造法を開発し、 国内外のソーダ工業企業にライセンス供与するなど、化学メーカーの弱みをむしろ収益化しています。
同社の海外売上比率は40%を超え、世界シェアの取れる商品群をいくつも持っていることから、 非常にグローバルな企業だということができます。
ビジネスモデル
儲かる高機能品に注目!
東ソーを始めとした素材メーカーには、「量産品」と「高機能品」の2つのビジネスがあります。
前者は大量生産によって「いかに安く作れるか」が勝負のカギとなり、 悪く言えば薄利多売です。企業規模がモノを言い、「1位以外は負け」という厳しい世界です。 はっきり言って量産品は儲かりません。
後者は替えが効かないことが勝負のカギとなり、職人気質の日本企業が大得意とする分野です。 企業規模とは関係なく、少数精鋭で爆益を叩き出すことが可能です。 つまりは高機能品は儲かると言えます。
日本企業は工場用地や人件費、為替などの関係で量産品が不利な一方で、 職人気質が幸いして世界を独占する高機能品をつくるのが得意です。 よって、この業界は「知名度」や「売上規模」ではなく「儲かる高機能品をどれだけ持っているか」という視点で注目しましょう。
化学メーカーの経営が安定している理由
生産の上流工程だから!
化学メーカーは、就活では「隠れ優良企業」と呼ばれます。 儲かっていて給料が高く、その一方で残業や休日出勤は少なめでほとんどがホワイト企業という業界です。
化学メーカーの高待遇を支えるのは、その経営の安定性です。
それはほかの素材メーカー(製鉄・非鉄金属業界)と同様、素材メーカーであることが大きな理由です。
一般に、消費者を相手としたBtoCビジネスは経営が安定しません。 というのも、消費者は製品の「性能」より「雰囲気」や「流行」などあいまいな基準で購入を判断するからです。
日本国内でも性能面だけを見れば、国内電機メーカーのつくるスマートフォンのほうが良いにも関わらず、 iPhoneが売れ続けます。ディスプレイもソニーやパナソニックではなく、サムスンやLGが売れますよね。
ですが、素材メーカーにとっては消費者がどの会社の製品を手に取ろうが、関係ありません。
ソニーが売れなければ、サムスンに材料・部品を売ればいいからです。
このように「原料→材料→部品→最終製品」という一連の工程で、 上流工程を抑えている会社ほど経営が安定するというメーカーの特徴があります。
これが化学メーカーの経営が安定していて、高収入を実現する秘密です。
主要取引先
東ソーの主要取引先は、事業が非常に多岐に渡るため、取引先も多いです。 そのため東ソーはあまり直接顧客とは取引をしていません。基本的には化成品商社、医薬品商社、総合商社などを相手に取引を行っています。
商社をはさむメリットといえば、なんといっても「与信調査」と「顧客のまとめあげ」をしてくれることです。 東ソーは顧客が多岐にわたりますが、例えばメーカー企業を1つ1つ調べて「商品の代金を払ってくれそうかどうか」なんて調査していられません。 「代金が支払われるかどうか」の調査を「与信調査」と言いますが、商社はこれを代行してくれます。
また、工場などから注文を受けて商品を製造するのでは効率が悪すぎます。 そこで、商社が注文をつのって取りまとめ、「大口注文」として東ソーに発注するのです。
そして、東ソーが独自に顧客を開拓するより商社はもともと販売ルートを持っていますから、 商社に任せた方が楽にたくさん売れるというメリットがあります。 その分、研究開発、新製品の開発、販売促進に力を注げるというわけです。
競合他社
東ソーの競合他社は、三菱ケミカルや住友化学など総合化学メーカーが競合他社となります。 ですが、電子材料などの高機能品は各社で住みわけができており、あまり激しく競合しているわけではありません。
高機能品は高い技術力が必要で、かつすでに安定した製品群があり、あまり激しい競合もしていないことから、 基本的に競争は研究開発で起きると考えられます。 この点、東ソーは企業規模が大きく、技術者や研究費用をたくさん拠出できる分、他社に対して有利に立てるでしょう。
加えてコモディティ製品はすでに必要な技術水準を満たしてしまっていますから、 この分野で大きな利益を取ることはできず、企業規模の大きい会社ほど安く作れることから東ソーにとってはいずれ不利になります。
そのための「ハイブリッドカンパニー戦略」であり、すでに高収益体質を確立していることから、 危機を予測して対応する力は非常に高いということができます。
弱み
東ソーの弱みは、「カーボンニュートラル」への圧力の高まりです。 石油化学を手掛ける以上、二酸化炭素の発生は避けられず、それが環境活動家からバッシングを受ける原因になります。
これが「炭素税」などの新たな課税の他、禁輸措置などで政治利用されることも考えられます。 加えて植林活動などでCO2の回収・減少に取り組むのはシンプルに「コスト」としてのしかかるだけでなく、 活動家のヒステリックなバッシングでは「CO2を排出している」部分にのみ着眼されることもあるでしょう。
特に自動車分野では欧州で「日本車排除」を目的としているとしか思えない規制(ハイブリッド車規制など)を連発しています。 東ソーには外国政府に対するロビー活動や、大規模な海外拠点を増やしてグローバル化を一層進めるなどの対応が必要でしょう。
ただし、化学メーカーのみならず鉄鋼・非鉄金属などの素材メーカー、 それを利用する部品メーカー、果ては自動車や家電などの最終製品メーカーに至るまで、モノづくりの企業は同じ条件です。 ゆえに、東ソー特有の弱みというわけではありません。
→超優良!化学メーカーへの就職は難しい?63社の業界研究
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- 積水化学工業の企業研究(売上高:1兆2565億円、平均年収:912万円、年間休日:125日)
- 東ソーの企業研究(売上高:1兆56億円、平均年収:740万円、年間休日:122日)
東ソーのような優良企業に内定をもらうには?
著者:村田 泰基(むらた やすき)
合同会社レセンザ代表社員。1989年生まれ。大阪大学法学部卒。2013卒として就活をし、某上場企業(メーカー事務系総合職)に入社。
その後ビジネスの面白さに目覚め、2019年に法人設立。会社経営者としての経験や建設業経理士2級の知識、自身の失敗経験、300冊以上のビジネス書・日経ビジネスを元に、11年間に渡り学生の就職活動を支援している。
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