【就活】クラレの就職難易度|強みや志望動機・企業研究!
クラレの就職難易度やエントリーシート・志望動機の書き方・面接などの選考情報に加え、同社の強みや特徴など企業研究に役立つ情報を解説しています。新卒採用に応募する際、ぜひ参考にしてください。まず、基本情報は以下の通りです。
会社名 | クラレ |
---|---|
就職難易度 | 穴場 |
売上高 | 7809億円 |
採用人数 | 事務系:20名程度 技術系:40名程度 |
初任給 | 学部卒:270,000円 院卒:290,600円 |
平均年収 | 784万円 |
年間休日 | 120日 |
経営理念 | 世のため人のため、他人(ひと)のやれないことをやる |
参照:クラレ|有価証券報告書(売上高・平均年収)
参照:クラレ|募集要項(初任給・年間休日)
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就活情報・選考の流れ
クラレの就活情報や選考の流れについて解説していきます。インターンシップや選考に乗り遅れないよう注意しましょう。 一方の「就活のやり方」全般については、「就職活動のやり方|失敗しないコツを実体験で解説!」を参照してください。
就職難易度
就職難易度は、穴場!
クラレの就職難易度は、穴場です。 化学メーカー全体的に言えることですが、知名度が低く、ライバルが少ないためです。
他の有名企業に比べると難易度が低めになりますが、 高い学歴が求められ、総合職では東京大学や京都大学などの旧帝大・名門私立大卒の学生が多いです。 また「隠れ優良企業」として有名になった面もあります。
こういった大学群の学生ですらインターンシップで活躍しなければ、なかなか選考本番にも進むことができません。 しかし逆に言えば、早期に目をつけて行動を開始すれば、十分戦えます。
クラレに必要なTOEICスコアは明示されていませんが、730点ほしいところです。 世界シェアの高い商品を持っており、かなりグローバル企業だからです。
ただし、スコアが絶対かというと、そうではありません。 というのも英語はいずれ身につくものであり、現時点でペラペラに話せる必要はなく、入社後でも鍛えられるためです。 一方で英語への意欲は示さなければなりませんので、少なくとも受験してESにスコアを書くくらいはしましょう。
面接
リクルーター面接が内定の鍵!
クラレの面接は、すべての質問に対して就活の軸をベースにした「『将来の夢』実現ストーリー」を意識して答えましょう。 そのためにESを、提出済みであってもブラッシュアップし直すことが合格のコツです。
また面接中は「明るく大きな声で話すこと」を意識しましょう。会社は「元気のある新卒」を求めています。 「緊張して話せない」場合も、最初に「第一志望なので緊張しています」と告白しておけば好感度も上がります。 加えて「自分を良く見せようとしない」ことにも注意を払い、「理想の後輩」を演じ切りましょう。
同社では、リクルーター面接を実施しています。 エントリーシート提出と同時にWEBテストを受け、その後「グループディスカッション」を経て、 「社員面談」という名前で人によって1~2回実施されます。
その後、面接本番を1次面接・最終面接の2回実施します。 3月中にエントリーシートの締め切りがあり、4月から選考が本格化しますので、早めのエントリーが必要です。
エントリーシート
「将来の夢」実現ストーリーをつくろう!
クラレへのエントリーシートの書き方は、就職活動の軸を前提に「『将来の夢』実現ストーリー」をつくり、 同社の「経営理念・ビジョン・社風」と一致した志をアピールすることです。 最終的には「将来の夢を実現するために、貴社のビジネスに携わらなければならない」と結論付けます。
ESのお題は「学生時代に打ち込んだこと」「これまでの人生の中で、他人とちがう価値を発揮したり、大切にした経験」「志望動機」の3本です。
実はESは、「『将来の夢』実現ストーリー」を書くものなのをご存知でしょうか。 ESはどの会社も以下の三部作構成になっています。
- (過去編):学生時代頑張ったこと:将来の夢に向かって今まで何をしてきたか
- (現在編):長所・短所:将来の夢の実現にあたって現状の自分を把握できているか
- (未来編):なぜこの会社を選んだのか・この会社に入って挑戦したいこと:何をして将来の夢の実現するか
ストーリーの作り方は【例文】エントリーシートの書き方|「おっ」と思わせる!で解説していますが、 ES本番を待つのではなく、インターンの段階でこれができていれば、かなり有利です。
同社の選考においても「就職活動の軸」を前提として、「過去編」「現在編」「未来編」の三部作構成でESを書き、 最終的には実現するには貴社のビジネスに携わるしかないという結論に持っていくのです。
ですから、採用ページのプロジェクトや社員紹介などを熟読し、 会社には何を目指す社風があるのかをじっくり研究し、志望動機に絡めていきましょう。
同社のESの場合、1つ目と2つ目は、「就職活動の軸」をもとに「学生時代頑張ったこと」を書くものです。 特に2つ目はクラレのグループ使命と関わるものですから、 「他人がやれないこと」「他人がやらないこと」を率先して取り組んだエピソードがよいでしょう。
そして3つ目は「なぜこの会社を選んだのか」「この会社に入って挑戦したいこと」を書くものですので、 準備しておきましょう。
志望動機
ビジョンの一致をアピールしよう!
クラレの志望動機の書き方は、会社の「経営理念・ビジョン・社風」と自分の「就職活動の軸」の一致をアピールし、 「将来の夢を実現するために、貴社のビジネスに携わらなければならない」と結論付けることです。
同社の経営理念は「世のため人のため、他人(ひと)のやれないことをやる」 でした。ここから導き出せる志望動機は以下の通りです。
- 高品質なものづくりがしたい
- 健康を増進する仕事がしたい
- 新しいことに挑戦する姿勢に惹かれた
- 世界に驚きと感動を与える仕事
- 変化に強い経営基盤に魅力を感じた
- 非常に幅広く事業を展開しており、技術の応用に積極的であること
- 新技術の応用をする仕事がしたい
- グローバルな環境に魅力を感じた
- 様々な技術を結集して作られる製品にモノづくりの魅力
- 社会に新しい価値を提供したい
- イノベーションの実績があることに惹かれた
志望動機では同業他社との比較検討が欠かせません。一般的には会社の強みで比較したくなるものです。 ですが、「事業ごとの売上高」や「事業内容」「海外売上比率」などで比較するのは得策ではありません。 というのも、同業他社はどこも同じ事業をやっていて、就活生の視点で比較するのは至難を極めるためです。
最適なのは「経営理念・ビジョン・社風」と「就職活動の軸」の一致具合をアピールする方法です。 経営理念や社風といったものはその会社に唯一無二のものであり、 会社の持つ「夢」とあなたの持つ「夢」が一致しているほど、志望動機として説得力のあるものは他にありません。
先にも少し触れましたが、エントリーシートは「将来の夢を実現するために、貴社のビジネスに携わらなければならない」 と述べる「『将来の夢』実現ストーリー」になるように構成されています。 このように、志望動機に書くことは最初から決まっているのです。
「就職活動の軸」が海外に関連するものであれば、「海外展開に積極的な社風」、 環境に関連するものであれば「環境問題に積極的」というように、会社の性格で一致したものを書きましょう。
ですから、ここにある志望動機もほんの一例にすぎません。 あなたの将来の夢と、会社の企業理念・ビジネスの目的を結びつけて考えて、志望動機をつくるのです。
そのためにはまず、自己分析をして、就職活動の軸を導き出さなければなりません。
また、文系向けに「メーカーの志望動機の書き方」を例文付きで、次の関連記事で解説しています。 同社のESでも使える内容ですので、ぜひ参考にしてください。
→【文系専用】メーカーの志望動機|必要な人材認定をもらうコツ
「Unistyle」という就活サイトでは、クラレに実際に内定したエントリーシートを見ることができます。 本来こういった資料は、その企業に内定した先輩が身近にいないと見れなかったものです。 これが1社あたり何通・何十通も収録されていて、会員登録するだけで完全無料です。
クラレの強み・特徴
儲かる高機能品特化のニッチ戦略企業!
クラレの強み・特徴は、ニッチ分野に力を入れ、エバール・ポバールといったビニル系の樹脂技術を武器とし、 圧倒的シェアを取って事実上の独占市場を9つも持っていることです。
化学業界は従来日本企業の得意とする分野ではありますが、 規模の大きな総合化学メーカー(三菱ケミカル、住友化学等)が参入するには小さすぎる市場があり、 そこがクラレのねらい目となっているのです。
企業規模は総合化学メーカーに比べると小さめですが、逆にそのメリットである「身軽さ」を活かしています。 チャンスと見るや即座に事業を立ち上げ、徹底的に研究開発を進めて製品を生み出します。
他社はそもそも「市場が会社の規模に合わない」上に、 先行しているクラレが圧倒的なシェアを取ってしまった後なので「参入するメリットがない」ために、 独占状態が自然と保たれるというわけです。
当然、新規事業が失敗することもあります。量産体制の確立に時間がかかる、研究開発が進まない、 他社が先にシェアを取ってしまったなど、そんな場合も「身軽さ」が武器となり、 即座に撤退の判断もできるのです。
また三菱ケミカル、住友化学といった競合他社が製薬事業を行っている一方で、 このリスク性の高い事業を行っていない同社は、比較的経営リスクが低いと言うことができます。
ビジネスの目的を知ろう
同業他社とは経営理念で比較しよう!
受かるエントリーシートを書くには、「会社の経営理念と自分の将来の夢が一致している」と述べるのが最適です。 「自分の将来の夢」は「就職活動の軸」とも言いますが、つまりは両者の志が一致した、「仲間」に相応しい人材であることをアピールするのです。
そこでまず、会社の経営理念を調べ、どんなビジネスを展開していて、会社が持っている志を知るのが内定への第一歩となります。
クラレのビジネスの目的は、「世のため人のため、他人(ひと)のやれないことをやる」に表されています。
クラレは、樹脂製品と繊維製品を手掛ける化学メーカーです。 旧社名「倉敷レイヨン」からもわかる通り、もとは祖業は「レイヨン」という繊維製品であり、 2007年まで株式上場区分も「繊維製品」でした。
しかし、繊維で鍛えた樹脂加工技術を武器に古くから化学分野に進出し、 ニッチ分野でトップを取りまくる企業としてビジネス界では有名です。
液晶ディスプレーに使われる「ポバールフィルム」で世界シェア80%、 食品や医薬品の包装に使われる「エバールフィルム」で世界シェア65%など、 9つのニッチ分野の稼ぎが売上高の50%を占めています。
このため値下げ競争に陥ることがなく、 化学メーカーでは10%を下回るのが普通の「営業利益率」が、10~15%と高めで推移しています。
まさにグループ使命である「他人のやれないこと」で世界的に圧倒的なシェアを取り、 高収益を実現している企業です。
化学反応を利用した材料・部品・最終製品まで一貫して製造するメーカーを「総合化学メーカー」と呼ぶのに対し、 クラレは樹脂・フィルムといった「材料」「部品」を手掛けています。「材料・電子部品メーカー」というべきでしょうか。
製鉄業界や非鉄金属業界のように素材をつくるメーカーであることから、 これらの業界と併せて素材メーカーとも言われます。
ビジネスモデル
儲かる高機能品に注目!
クラレを始めとした素材メーカーには、「量産品」と「高機能品」の2つのビジネスがあります。
前者は大量生産によって「いかに安く作れるか」が勝負のカギとなり、 悪く言えば薄利多売です。企業規模がモノを言い、「1位以外は負け」という厳しい世界です。 はっきり言って量産品は儲かりません。
後者は替えが効かないことが勝負のカギとなり、職人気質の日本企業が大得意とする分野です。 企業規模とは関係なく、少数精鋭で爆益を叩き出すことが可能です。 つまりは高機能品は儲かると言えます。
日本企業は工場用地や人件費、為替などの関係で量産品が不利な一方で、 職人気質が幸いして世界を独占する高機能品をつくるのが得意です。 よって、この業界は「知名度」や「売上規模」ではなく「儲かる高機能品をどれだけ持っているか」という視点で注目しましょう。
化学メーカーの経営が安定している理由
生産の上流工程だから!
化学メーカーは、就活では「隠れ優良企業」と呼ばれます。 儲かっていて給料が高く、その一方で残業や休日出勤は少なめでほとんどがホワイト企業という業界です。
化学メーカーの高待遇を支えるのは、その経営の安定性です。
それはほかの素材メーカー(製鉄・非鉄金属業界)と同様、素材メーカーであることが大きな理由です。
一般に、消費者を相手としたBtoCビジネスは経営が安定しません。 というのも、消費者は製品の「性能」より「雰囲気」や「流行」などあいまいな基準で購入を判断するからです。
日本国内でも性能面だけを見れば、国内電機メーカーのつくるスマートフォンのほうが良いにも関わらず、 iPhoneが売れ続けます。ディスプレイもソニーやパナソニックではなく、サムスンやLGが売れますよね。
ですが、素材メーカーにとっては消費者がどの会社の製品を手に取ろうが、関係ありません。
ソニーが売れなければ、サムスンに材料・部品を売ればいいからです。
このように「原料→材料→部品→最終製品」という一連の工程で、 上流工程を抑えている会社ほど経営が安定するというメーカーの特徴があります。
これが化学メーカーの経営が安定していて、高収入を実現する秘密です。
主要取引先
クラレの主要取引先は、事業が繊維とフィルムをメインにしているため、取引先は主にアパレル業界・電機メーカーです。 ただし、クラレはあまり直接顧客とは取引をしていません。 基本的には総合商社、専門商社などを相手に取引を行っています。
商社をはさむメリットといえば、なんといっても「与信調査」と「顧客のまとめあげ」をしてくれることです。 クラレは顧客が多岐にわたりますが、例えばアパレルメーカーや町工場を1つ1つ調べて「商品の代金を払ってくれそうかどうか」なんて調査していられません。 「代金が支払われるかどうか」の調査を「与信調査」と言いますが、商社はこれを代行してくれます。
また、町工場1つ1つから注文を受けて商品を製造するのでは効率が悪すぎます。 そこで、商社が注文をつのって取りまとめ、「大口注文」としてクラレに発注するのです。
そして、クラレが独自に顧客を開拓するより商社はもともと販売ルートを持っていますから、 商社に任せた方が楽にたくさん売れるというメリットがあります。 その分、研究開発、新製品の開発、販売促進に力を注げるというわけです。
競合他社
クラレの競合他社は他の化学メーカーのうち材料や電子部品を手掛けるメーカーです。
三菱ケミカルや住友化学、東レ、積水化学工業、帝人など化学メーカーが競合他社となります。 ですが、基本的に化成品は各社で住みわけができており、あまり激しく競合しているわけではありません。
例えば液晶ディスプレイには様々なフィルムが使われ、三菱ケミカル、住友化学、富士フイルムなどがメーカーとして存在しますが、 どこも違うフィルムを作っています。どのフィルムもディスプレイ製造には欠かせないのですが、 要は競合しておらず、それぞれがそれぞれで売れるというわけです。
メインの化学品は高い技術力が必要で、かつすでに安定した製品群があり、 あまり激しい競合もしていないことから、 基本的に競争は研究開発で起きると考えられます。
この点、企業規模では中堅であるクラレは大規模な市場ではなく、 大規模メーカーが手を出さないようなニッチ分野を集中的に攻め、 圧倒的なシェアを取って他社の追随を許さないという戦略をとっています。
弱み
クラレの弱みとしては、目立ったものがありません。
有価証券報告書のリスクの欄にもそれが現れています。 「大規模災害で工場を破壊してしまう」、「原料価格が急騰して製品の価格改定が遅れた場合」といった極端な事象が発生しない限り、 経営に重大な危機を及ぼすことはありません。
たいていの会社は「競合に負ける」「市場が縮小する」などを危惧するものですが、クラレにそれはほとんどありません。
これはやはり素材メーカーとして「製造の上流工程を抑えている」ことと、 「ニッチ分野に集中して圧倒的なシェアを取っている」ことが強く影響しています。
ほかのリスクとしては、危険物を取り扱っていることが挙げられます。
日本政府が韓国を輸出管理のホワイトリストから除外したという事件がありましたが、 これは対象商品が軍事転用可能な超危険物質で、韓国側のその取扱いが不適切で、 紛失する事例が何度もあったためです。
化学品はときに、核兵器などの大量破壊兵器の材料にもなります。 今回は化学メーカーに非があった事件ではありませんが、情報・技術などの秘密管理には細心の注意を払わなければ、 最悪の場合、国際問題に発展します。
→超優良!化学メーカーへの就職は難しい?63社の業界研究
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クラレのような優良企業に内定をもらうには?
著者:村田 泰基(むらた やすき)
合同会社レセンザ代表社員。1989年生まれ。大阪大学法学部卒。2013卒として就活をし、某上場企業(メーカー事務系総合職)に入社。
その後ビジネスの面白さに目覚め、2019年に法人設立。会社経営者としての経験や建設業経理士2級の知識、自身の失敗経験、300冊以上のビジネス書・日経ビジネスを元に、11年間に渡り学生の就職活動を支援している。
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