【富士フイルムの文系就職】難易度や選考・志望動機を解説!
会社名 | 就職難易度 |
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富士フイルム | 非常に高い 4.9 / 5.0 |
売上高 | |
3兆1958億円 | |
平均年収 | 年間休日 |
974万円 | 125日 |
採用人数 | 初任給 |
事務系:50名程度 技術系:120名程度 | 学部卒:280,000円 院卒:307,900円 |
※就職難易度は「採用倍率」「採用大学のランク」をもとに算出しており、データは就職四季報・リクナビのプレエントリー数を参照しています。
参照:富士フイルム|募集要項(初任給・年間休日)
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選考フロー
選考開始 | 2月 |
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富士フイルムの選考フローは次の通りで、2月開始です。
- ES提出・WEBテスト
- 面接3回
- 内々定
現在インターン参加者優遇制度はありませんが、2月開始ということで早期選考になります。 また、開始時期は変更の可能性もあります。早めにプレエントリーして案内を見逃さないよう注意しましょう。 →富士フイルムの採用ページ
一方の「就活のやり方」全般については、「就職活動のやり方|失敗しないコツを実体験で解説!」を参照してください。
就職難易度
就職難易度 | 非常に高い |
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富士フイルムの就職難易度は非常に高いです。 採用倍率は文系で約120倍・理系で約25倍で、学歴フィルターは文系「MARCH・関関同立以上」理系「地方国公立以上」です。 採用大学は東大・京大をはじめとした旧帝一工早慶が大半を占めますが、MARCH・関関同立の採用もあります。また、海外大学出身者も目立ちます。
なぜ就職人気が高いのか、その理由は次の6つが挙げられます。
- 親世代へのウケが非常に良いため
- 「チェキ」や「化粧品」で知名度を維持しているため
- 主力事業(写真フィルム)消失の危機を乗り越えた企業であるため
- 利益率が10%近く出ており、業界屈指の優良企業であるため
- 半導体材料で世界的地位を築いているため
- 総合職平均年収が974万円・30歳時点で700万円と給料が高いため
インターン優遇 | なし |
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同社では、インターン優遇の早期選考はありません。ただし事業内容がわかりにくく(医療機器・半導体材料など)、 会社説明会だけでは事業のイメージがつかみにくいです。そこでインターンを利用して「社風」に関する質問をし、 企業理解を深めることで志望動機の説得力を高めることができます。
富士フイルムに必要なTOEICスコアは明示されていませんが、730点ほしいところです。 かなりグローバルな企業であり、仕事上で英語は必須になってくるためです。
ただし、スコアが絶対かというと、そうではありません。 というのも英語はいずれ身につくものであり、現時点でペラペラに話せる必要はなく、入社後でも鍛えられるためです。 一方で英語への意欲は示さなければなりませんので、少なくとも受験してESにスコアを書くくらいはしましょう。
面接
面接回数 | 3回 |
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富士フイルムの面接は、3回行われます。質問内容は次の通りです。
- 自分の性格について
- 周囲からどんな人物だと言われるか
- 学生時代力を入れたこと(→学生時代頑張ったこと)
- (関連して)なぜそれに力を入れたか
- (関連して)最も苦労したことと工夫したこと
- 化学メーカーを志望する理由
- なぜ富士フイルムを志望するか(→なぜこの会社を選んだのか)
- やりたい事業・興味のある事業(→会社に入って挑戦したいこと)
最初に「就職活動の軸」を設定し、「軸の実現のため」という視点で回答すると一貫性ある話ができます。 例えば「価値創造の面で社会貢献がしたい」という軸ならば、「アイデア出しが得意」「ゲーム制作のガクチカ」 「高機能品事業による価値創造に魅力を感じた」など、説得力ある回答ができます。
質問はほとんど「学生時代頑張ったこと」と「長所・短所」の深掘りで、志望動機はあまり突っ込まれません。 そこで、前2つについて自問自答を繰り返し、ツッコミどころを減らしておきましょう。
合格の際、基本的には「翌日」に通過の連絡がありますが、1週間後に連絡される場合もあります。 後者の場合はおそらく「敗者復活戦」ですので望みは薄いですが、可能性はあります。
最終面接は東京の本社で行われますが、二次面接まではオンラインで行われます。
また、すべての質問に対して就活の軸をベースにした「『将来の夢』実現ストーリー」を意識して答えましょう。 そのためにESを、提出済みであってもブラッシュアップし直すことが合格のコツです。 その他「立ち振る舞い方」「うまい回答方法」など面接のコツを次の関連記事で解説しています。
エントリーシート
ES設問 | 3本 |
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富士フイルムのエントリーシートは、次の3本です。
- 学生時代頑張ったこと
- 今までに直面した困難
- あなたにとって仕事とは
面接の項目でも触れましたが、内容は「就職活動の軸」で統一しましょう。 例えば私の場合、軸を「価値創造での社会貢献」と設定し、次のように回答します。
就職活動の軸 | 価値創造での社会貢献がしたい →【就活の軸は将来の夢】説得力ある例文と考え方を解説 |
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ガクチカ | サークルでのゲーム制作の経験。素材として使用するイラスト制作や公開用WEBサイトの制作、付随してPHPやJavascriptのプログラミング言語など、隣接する分野に次々挑戦したことを書く。 →【例文】学生時代頑張ったことの書き方|面接の定番質問に対応! |
直面した困難 | 意見対立という困難に直面した。SNSを通じて市場調査をし、データを用いて最適解の選択へと誘導した。その際は反対意見にも共感を示すことを意識した。 |
仕事とは | 私にとって仕事とは、価値創造を実現することです。「価値創造への熱意をもったきっかけ」「学生時代に価値創造をした経験」などをふまえ志望動機につなげる。 →働く意味とは|ES・面接用の例文6つと考え方 |
このように回答を「軸の実現」という観点で統一すると、全体的に説得力が生まれます。 「なぜ系の質問」を防止することにもつながります。詳しいやり方は次の関連記事で解説していますので、併せてご覧ください。
→【完全版】エントリーシートの書き方|165社の深掘り対策搭載!
志望動機
ポイント | 社風への共感 |
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富士フイルムの志望動機の例文と書き方を解説します。まず、例文は次の通りです。
私が富士フイルムを志望する理由は、貴社がコア技術の応用によって新たな領域を開拓し、価値創造を実現する社風に共感したためです。 写真フィルムで培った技術を活かし、医療や化粧品、産業材料など多様な分野へ事業を展開する姿勢に強く惹かれました。
私は学生時代にゲーム制作に取り組み、デザインやプログラミングといった異なる要素を組み合わせて、新しい体験を生み出すことに注力しました。 その過程で、既存の技術や知識を応用し、新たな価値を創出することの重要性を学びました。 これは、貴社が持つ技術を多角的に展開し、新しい市場を開拓してきた姿勢と通じるものがあると感じています。
貴社では、独自の技術を活かした製品開発を通じて、社会課題の解決にも取り組まれています。 私は貴社の一員として、技術の可能性を広げ、新たな価値を生み出す仕事に挑戦したいと考えています。 そして、貴社の理念に基づき、社会に貢献できる製品・サービスの創造に携わりたいです。
この志望動機では、同社の強みである「第二の創業」を実現した「新たな価値を創造する」という社風と、自身の「就職活動の軸」の一致をアピールする内容にしています。 社風への共感に説得力を持たせるため、「創造」の根拠にできるエピソードとして「ゲーム制作の経験」を採用しています。
同社は「写真フィルム」の技術の応用で新分野を開拓し、価値創造をしてきた会社です。 その点に注目し、ガクチカで「技術・知識の応用」「新領域への挑戦」をアピールしておくと、志望動機につなげやすくなります。
このように、志望動機は「就職活動の軸」と「ガクチカ」とセットで考える必要があります。 まだ一連のエピソードを用意できていない場合、自己分析から始めましょう。
また、次の関連記事では文系向けに「化学メーカーの志望動機の書き方」を「就職活動の軸」「業界の志望動機」「当社の志望動機」の三段階、例文付きで解説しています。
富士フイルムの強み
強み | 第二の創業 |
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富士フイルムの強みは、第二の創業を果たした点です。
かつて同社は「写ルンです」に代表される「写真フイルム」の会社でした。 しかし、デジカメの登場以降、写真フイルムの需要が減速していく中で、「フイルム技術」を活かした新規事業をいくつも始め、 「第二の創業」と言われるほど会社は変貌しました。
現在では医療機器・医薬品・化粧品などの「ヘルスケア」、半導体材料などの「産業機材」、液晶用偏光板・WVフィルムなどの「フラットパネルディスプレイ材料」、 業務用ビデオなどの「記録メディア」、印刷機・プリンターなどの「グラフィックシステム」、もちろん「フォトイメージング」「光学デバイス」を事業内容としています。 すべて写真フイルムで培った原子・分子レベルの技術を応用した事業です。
情報と映像だけでなく、「社会の文化・科学・技術・産業の発展、健康増進、環境保持」に資する事業をとりそろえており、 まさに「新たな価値を創造する」企業であると言えます。
このような「危機を乗り越えた企業」としてはSCREEN(半導体洗浄装置)、TDK(電子部品)が挙げられます。 どちらも優良企業ですので、併せて参照してください。
ビジネスモデル
同業他社とは経営理念で比較しよう!
富士フイルムのビジネスモデルは、巨大な企業規模を活かし研究開発に取り組み、 一度仕組みをつくれば売上をあげ続けることができる「ストックビジネス」を、他社が追随できないスピードで産み出し続けることです。
富士フイルムは大きく分けて「イメージング ソリューション」、「インフォメーション ソリューション」、「ドキュメント ソリューション」の3つの事業を行っていますが、 その中身をそれぞれ見てみると富士フイルム独自の事業というわけではなく、それぞれの分野に強力な競合がいます。 しかし、実はほとんどが安定性の高いストックビジネスです。
まずヘルスケアを見てみましょう。医薬品や医療機器は特許制度で守られており、一度発明したら20年間は独占的に販売できます。 また化粧品は女性にとって一度決めたらコロコロ変えるものではないため、継続的に買ってもらえる商品です。
「ドキュメントソリューション」はオフィス向けの複合機(コンビニに置いてあるコピー機と同じもの)が主力事業です。 オフィスのプリンタは、家庭用のプリンタと同様にインク代、メンテナンスで儲ける商品です。 これも一度設置してもらえたら、反復継続して収入が見込めます。
また、フラットパネルディスプレイ材料の液晶用フィルムでは、元がフィルムの会社であるために圧倒的な技術力を誇り、 特に視野角拡大フィルム「WVフィルム」は世界で富士フイルムしか製造できません。 (WVフィルムとは、液晶を斜めから見ても画面がきれいに見えるためのフィルムです)
ですから、日本製の液晶パネルが凋落しても、液晶パネルの製造に必須な富士フイルム製品は売れ続けるわけです。
強力な技術力を活かし、安定継続した収入を増やし続けるのが、富士フイルムのビジネスモデルなのです。
競合他社
富士フイルムの競合他社はそれぞれの事業ごとに多数あります。
まず、フィルム事業では東レや積水化学工業、帝人など化学メーカーが競合他社となります。 しかし写真フィルムや液晶パネル用フィルムなど圧倒的シェアを誇る部分のみ注力していますので、 それほど製品が被っているわけではありません。
オフィス用複合機ではキヤノンやリコーなどの機械メーカーが競合他社となります。 富士フイルムでは関連会社の富士ゼロックスが製造販売を行っていますが、 シェアはキヤノン、リコーに次いで第3位です。
しかしよく調べてみると、キヤノンは安い、リコーは営業マンが良いという評価をされている一方で、 ゼロックスはメンテナンス対応が良いという評価を得ています。 単なる価格競争ではなく、継続的に顧客満足度を維持するところにストックビジネスとしての本質が見えます。
化粧品事業では資生堂や花王、ライオンなどの日用品メーカーが競合他社となります。 富士フイルムのアスタリフトは中高年層を狙い撃ちにした化粧品です。 というのも、写真フィルムで培った「ナノテクノロジー」があるからです。
富士フイルムには微粒子レベルの技術力があり、アスタリフトは肌の角質のスキマ奥深くまで浸透していくのです。 また写真フィルムの主成分「コラーゲン」や「抗酸化技術」「光のコントロール」にも一流の技術力がありますので、 まさに加齢肌が気になる中高年層にうってつけの商品なのです。
この技術力は圧倒的な企業規模を誇る富士フイルムの熱心な研究開発によって培われているため、 なかなか他社が追い付けるものではありません。競合といいながら、富士フイルムにはかなり分があるといえるでしょう。
弱み
富士フイルムの弱みとしては、目立ったものがありません。有価証券報告書のリスクの欄にもそれが現れています。 何度もリスクとして繰り返し書かれているのが「大規模災害」です。工場を破壊してしまうような大規模災害が一番おそろしいというのです。 たいていの会社は「競合に負ける」「市場が縮小する」などを危惧するものですが、富士フイルムにそれはほとんどありません。
というのも、富士フイルムのビジネスがストックビジネスだからです。 すべて「一度売っておしまい」の事業ではないため、反復継続して利益を得られ、収益が安定しているのです。
またどれもすぐに需要がなくなるような事業ではありません。 不景気になったからといって病院に行かないわけではありませんし、女性が化粧をやめることもありません。 オフィスに複合機は必須ですし、日本製液晶パネルが売れなくなっても海外製液晶パネルが富士フイルムのフィルムを必要としています。
また急激に事業を拡大したように見えますが、実は「写真フィルムで培った微細技術」をもって、 ほぼ確実な事業にしか手を出していません。「競合他社」で述べたように、業界にはそれぞれ他社がいるけれども、 事実上競合していないという強みがあります。
全くリスクがないわけではありません。富士フイルムは海外輸出が売上高の60%に達しており、為替レートの変動が一つのリスクではあります。 もちろん資源価格の高騰で原価があがるリスクもあります。しかし、どの事業も価格競争に巻き込まれていないため、 会社に致命傷を与えることはないでしょう。
また、最悪複合機のシェアをキヤノンに奪われてしまっても、新薬の開発がうまくいかず研究費だけがかかってしまっても、 いくつもの事業が補ってくれます。富士フイルムは稀に見る超優良企業で、安定した会社と言えるでしょう。
同業他社の企業研究を見る
- クラレの企業研究(売上高:8268億円、平均年収:1048万円、年間休日:120日)
- カネカの企業研究(売上高:8072億円、平均年収:855万円、年間休日:124日)
- 三菱ガス化学の企業研究(売上高:7735億円、平均年収:989万円、年間休日:122日)
- ダイセルの企業研究(売上高:5865億円、平均年収:814万円、年間休日:124日)
- 日亜化学工業の企業研究(売上高:5021億円、平均年収:757万円、年間休日:125日)
- UBEの企業研究(売上高:4868億円、平均年収:952万円、年間休日:124日)
- 日本触媒の企業研究(売上高:4093億円、平均年収:817万円、年間休日:120日以上)
- JSRの企業研究(売上高:4050億円、平均年収:829万円、年間休日:127日)
- デンカの企業研究(売上高:4002億円、平均年収:935万円、年間休日:124日)
- ニフコの企業研究(売上高:3530億円、平均年収:664万円、年間休日:120日)
- トクヤマの企業研究(売上高:3430億円、平均年収:790万円、年間休日:121日)
- 日産化学の企業研究(売上高:2513億円、平均年収:1010万円、年間休日:120日以上)
- アイカ工業の企業研究(売上高:2486億円、平均年収:785万円、年間休日:124日)
- エフピコの企業研究(売上高:2356億円、平均年収:802万円、年間休日:126日)
- 高砂香料工業の企業研究(売上高:2292億円、平均年収:824万円、年間休日:123日)
- 日本化薬の企業研究(売上高:2225億円、平均年収:749万円、年間休日:128日)
- 東京応化工業の企業研究(売上高:2009億円、平均年収:994万円、年間休日:122日)
- 東亞合成の企業研究(売上高:1675億円、平均年収:810万円、年間休日:123日)
- 日本パーカライジングの企業研究(売上高:1322億円、平均年収:749万円、年間休日:125日)
- 太陽HDの企業研究(売上高:1190億円、平均年収:907万円、年間休日:125日)
- 三菱ケミカルの企業研究(売上高:4兆4074億円、平均年収:851万円、年間休日:123日)
- 旭化成の企業研究(売上高:3兆373億円、平均年収:904万円、年間休日:120日)
- 富士フイルムの企業研究(売上高:3兆1958億円、平均年収:974万円、年間休日:125日)
- 信越化学工業の企業研究(売上高:2兆5612億円、平均年収:886万円、年間休日:120日以上)
- 住友化学の企業研究(売上高:2兆6062億円、平均年収:982万円、年間休日:124日)
- 東レの企業研究(売上高:2兆5632億円、平均年収:975万円、年間休日:日数言及なし)
- エア・ウォーターの企業研究(売上高:1兆759億円、平均年収:877万円、年間休日:126日)
- 三井化学の企業研究(売上高:1兆8091億円、平均年収:1068万円、年間休日:122日)
- 日東電工の企業研究(売上高:1兆138億円、平均年収:944万円、年間休日:123日)
- レゾナックの企業研究(売上高:1兆3914億円、平均年収:959万円、年間休日:124日)
- 積水化学工業の企業研究(売上高:1兆2977億円、平均年収:912万円、年間休日:125日)
- 東ソーの企業研究(売上高:1兆633億円、平均年収:925万円、年間休日:122日)