【三菱ケミカルの就職】難易度・採用倍率・強みなどを解説!
会社名 | 就職難易度 |
---|---|
三菱ケミカル | 高い 4.6 / 5.0 |
売上高 | |
4兆4074億円 | |
平均年収 | 年間休日 |
851万円 | 123日 |
採用人数 | 初任給 |
事務系:25名程度 技術系:60名程度 | 学部卒:278,000円 院卒:300,000円 |
※就職難易度は「採用倍率」「採用大学のランク」をもとに算出しており、データは就職四季報・リクナビのプレエントリー数を参照しています。
参照:三菱ケミカル|募集要項(初任給・年間休日)
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選考フロー
選考開始 | 11月 |
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三菱ケミカルの選考フローは次の通りで、11月開始です。
- ES提出・WEBテスト
- 面接3回
- 内々定
同社はインターン参加者優遇の早期選考があります。 ただし、開始時期は変更の可能性もあります。早めにプレエントリーして案内を見逃さないよう注意しましょう。 →三菱ケミカルの採用ページ
一方の「就活のやり方」全般については、「就職活動のやり方|失敗しないコツを実体験で解説!」を参照してください。
就職難易度
就職難易度 | 高い |
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三菱ケミカルの就職難易度は、高いです。 採用倍率は文系で約61倍・理系で約34倍で、学歴フィルターは、地方国公立以上です。 採用大学は旧帝早慶・MARCH・関関同立の他に弘前大・筑波大・岡山大・山口大などの地方国公立大も目立ちます。
採用人数が文系25人・理系60人と少ない一方で、財閥系かつ化学業界最大手であること、また「隠れ優良企業」として有名になった面から学生の応募が殺到します。 就職四季報によると、応募者数は文系で1522人・理系で2021人いるようです。
インターン優遇 | あり |
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同社はインターン参加者限定のイベントを開催しており、 そこでの受け答え次第で早期選考に招待されます。 その後面接が3回実施されるのは同じですが、採用枠が空いている状態で戦うのは有利です。
三菱ケミカルに必要なTOEICスコアは明示されていませんが、730点ほしいところです。 かなりグローバルな企業であり、仕事上で英語は必須になってくるためです。
ただし、スコアが絶対かというと、そうではありません。 というのも英語はいずれ身につくものであり、現時点でペラペラに話せる必要はなく、入社後でも鍛えられるためです。 一方で英語への意欲は示さなければなりませんので、少なくとも受験してESにスコアを書くくらいはしましょう。
面接
面接回数 | 3回 |
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三菱ケミカルの面接は、3回実施されます。質問内容は次の通りです。
- なぜ化学メーカーなのか
- なぜ三菱ケミカルなのか
- 学生時代頑張ったこと
- (関連して)最も困難だったことと、それを乗り越えた方法
- (関連して)リーダーシップを発揮した経験
- 周りの人にどういう人だと言われるか
ガクチカの深掘りが多いため、自問自答を繰り返してエピソードに深みを持たせておきましょう。 加えてリーダーシップや他己紹介のような、「360度で自分を評価する」ことも求められます。
特に「なぜ化学メーカーなのか(→就職活動の軸)」 「なぜ三菱ケミカルなのか(→なぜこの会社を選んだのか)」は頻出の質問です。 これらに対応するためにも、インターンシップで同社の「実際の社風」を調査しておきましょう。
面接ではすべての質問に対して就活の軸をベースにした「『将来の夢』実現ストーリー」を意識して答えましょう。 そのためにESを、提出済みであってもブラッシュアップし直すことが合格のコツです。 その他「立ち振る舞い方」「うまい回答方法」など面接のコツを次の関連記事で解説しています。
加えて「明るく大きな声で話すこと」を意識しましょう。会社は「元気のある新卒」を求めています。 「緊張して話せない」場合も、最初に「第一志望なので緊張しています」と告白しておけば好感度も上がります。 加えて「自分を良く見せようとしない」ことにも注意を払い、「理想の後輩」を演じ切りましょう。
エントリーシート
ES設問 | 3本 |
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三菱ケミカルのエントリーシートは、次の3本の設問が課されます。
- 学生時代に直面した困難について
- 志望動機
- 5年後どんな社会人になっていたいか
1つ目は「学生時代頑張ったこと」ですね。 書き方はリンク先の記事で解説していますが、必ず「自らの意志で好きで取り組んだこと」を書いてください。 「単位取得」や「アルバイトの通常業務」のような「やらされたこと・義務」を書いてしまうと、主体性がアピールできません。
2つ目は、次の項目で例文付きで解説しますが、 結論を「経営理念・社風への共感」とする場合はガクチカで得た学びを根拠として利用しますので、 志望動機とつながるようにガクチカも調整してください。
3つ目は「この会社に入って挑戦したいこと」を書くものです。 結論は「就職活動の軸の実現」ですが、「5年で達成できるかどうか」をあまり深く考える必要はありません。
このようにESは「就職活動の軸」を前提として1本のストーリーとして書くことで、説得力が高まります。 さらにインターン・採用サイトの「プロジェクト」「社員インタビュー」などで「会社には何を目指す社風があるのか」を研究し、 その内容を取り込むことで、より「三菱ケミカル専用の志望動機」を書き上げることができます。
ESのストーリー化については「【完全版】エントリーシートの書き方|165社の深掘り対策搭載!」の記事で解説しています。
志望動機
ポイント | ビジョンの一致 |
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三菱ケミカルの志望動機の例文と書き方を解説します。まず、例文は次の通りです。
私が貴社を志望する理由は、「人、社会、そして地球の心地よさがずっと続いていくこと」という理念に深く共感したためです。 学生時代、災害復興ボランティアに参加し、被災地で生活基盤の復旧や支援活動を行う中で、住民の方々が安全で安心して生活を再建するためには、基本的な生活環境の安定が不可欠であることを実感しました。 この経験を通じて、人々の暮らしを支える基盤を作る仕事に携わりたいと強く思うようになりました。
貴社が、環境、エネルギー、医療、食品など多岐にわたる分野で事業を展開し、化学の力を活かして社会の課題解決に挑んでいる姿勢に強く惹かれています。 私はこれまでの経験を活かし、貴社で社会に必要とされる製品やサービスを生み出す一助となりたいと考えています。 特に、持続可能な社会の実現を目指すプロジェクトに携わり、化学の可能性を広げることで、より良い未来の創造に貢献したいです。
この志望動機では「人、社会、そして地球の心地よさがずっと続いていくこと」という理念に注目し、 自身の「災害復興ボランティア」と関連付けて経営理念と就職活動の軸が一致していることをアピールしています。
さらに説得力を増すためには、インターンシップや会社説明会などで社員と直接コミュニケーションを取り、 実際に肌で感じた社風を志望動機に盛り込むと効果的です。
このように「就職活動の軸」と「ガクチカ」を関連付けて一連のストーリーに仕立てると説得力が出せます。 そこで、まだエピソードが用意できていない場合は自己分析から始めましょう。
また、次の関連記事では文系向けに「化学メーカーの志望動機の書き方」を「就職活動の軸」「業界の志望動機」「当社の志望動機」の三段階、例文付きで解説しています。
三菱ケミカルの強み・特徴
強み | 未来を見通した経営 |
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三菱ケミカルの強み・特徴は、アクリルガラスの材料であるMMA(メタクリル酸メチル)で世界シェア40%を占めるほど、 アクリルガラスとその材料に強く、営業利益率が25%にも上るところです。
アクリルガラスは非常に強度が高く、看板やディスプレイ棚に使われるのみならず、 水族館の水槽や自動車の窓、光学機器・家電部品として、また光ファイバー回線にも利用されています。
酸素、窒素、アルゴンなど産業ガス市場では国内シェア40%を誇るほか、 液晶ディスプレイに必須な光学フィルムにも強く、エチレン、プロピレン、炭素(製鉄に使われるコークス等)など、 総合化学メーカーとして非常に幅広い製品群を持ちます。
これらで稼いだお金を新薬開発の研究にも投資しており、 さまざまな新薬特許権を持つ田辺三菱製薬を子会社として持っています。 また、三菱化学、三菱樹脂、三菱レイヨンの3社が統合してできた会社ですので、多様性のある組織となっています。
そして、環境問題にも積極的という特徴があります。 「株主だけでなく従業員や地球環境も含めた利害関係者」全員を向いた「ESG経営」を宣言しており、 海洋プラスチック問題についてもすでに解決策を持っています。
同社製品の「生分解性プラスチック」は従来品と異なり「自然に還る」という性質を持っています。 25年もの間、毎月2億円の赤字を出しながらもこの製品を廃止することはありませんでした。 従来品のほうが安いためこれまで売れなかったのですが、ついに日の目を見ることになりました。
アリゾナ州立大学と共同で「The Global KAITEKI Center」を立ち上げたり、 同社の会長が「カーボンリサイクルファンド」の会長を務めて「人工光合成」を研究する等、 「次の100年」を見据えた経営を行っています。
このように、環境問題に関心のある学生、未来志向の学生におすすめの企業です。
ビジネスモデル
儲かる高機能品に注目!
三菱ケミカルを始めとした素材メーカーには、「量産品」と「高機能品」の2つのビジネスがあります。
前者は大量生産によって「いかに安く作れるか」が勝負のカギとなり、 悪く言えば薄利多売です。企業規模がモノを言い、「1位以外は負け」という厳しい世界です。 はっきり言って量産品は儲かりません。
後者は替えが効かないことが勝負のカギとなり、職人気質の日本企業が大得意とする分野です。 企業規模とは関係なく、少数精鋭で爆益を叩き出すことが可能です。 つまりは高機能品は儲かると言えます。
日本企業は工場用地や人件費、為替などの関係で量産品が不利な一方で、 職人気質が幸いして世界を独占する高機能品をつくるのが得意です。 よって、この業界は「知名度」や「売上規模」ではなく「儲かる高機能品をどれだけ持っているか」という視点で注目しましょう。
主要取引先
三菱ケミカルの主要取引先は、事業が非常に多岐に渡るため、取引先も多いです。 そのため三菱ケミカルはあまり直接顧客とは取引をしていません。基本的には医療機器商社、 医薬品商社、総合商社などを相手に取引を行っています。
商社をはさむメリットといえば、なんといっても「与信調査」と「顧客のまとめあげ」をしてくれることです。 三菱ケミカルは顧客が多岐にわたりますが、例えば薬局や病院を1つ1つ調べて「商品の代金を払ってくれそうかどうか」なんて調査していられません。 「代金が支払われるかどうか」の調査を「与信調査」と言いますが、商社はこれを代行してくれます。
また、薬局や病院1つ1つから注文を受けて商品を製造するのでは効率が悪すぎます。 そこで、商社が注文をつのって取りまとめ、「大口注文」として三菱ケミカルに発注するのです。
そして、三菱ケミカルが独自に顧客を開拓するより商社はもともと販売ルートを持っていますから、 商社に任せた方が楽にたくさん売れるというメリットがあります。 その分、研究開発、新製品の開発、販売促進に力を注げるというわけです。
近年では電池材料で自動車部品メーカー、炭素繊維で完成車メーカーや航空機メーカーとの取引が増えています。 これら顧客が大規模な会社の場合は、三菱ケミカルが直接取引をします。
競合他社
三菱ケミカルの競合他社は他の化学メーカーや製薬業界です。
特に「汎用品」を手がける総合化学メーカーとは大きく競合しますが、 「高機能品」ではすでに安定した製品群があり、高い技術力・早期の量産体制の構築がされるため競争が起きにくく、 基本的に競争は研究開発で起きると考えられます。
この点、三菱ケミカルは企業規模が大きく、技術者や研究費用をたくさん拠出できる分、他社に対して有利に立てるでしょう。
一方の医薬品は世界中の製薬メーカーが買収・合併を繰り返して事業環境が大きく変わっています。 三菱ケミカルほどの企業規模があっても、海外メガファーマと比べるとかなり小さく、 新薬開発の研究開発費の捻出で非常に不利です。
弱み
弱み | 資源価格の高騰 |
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三菱ケミカルの弱みには、資源価格の高騰と製薬子会社の存在があります。
同社は石油化学が大きな事業ですが、材料が石油である以上は原油価格の変動の影響を常に受けます。 また、近年の脱炭素の流れにも反しており、今後石油化学事業をどうするかが問われます。
製薬事業はリスク性の高い事業であり、新薬開発は一番手以外はすべて負けという厳しい世界です。 そのため莫大な研究開発費を捻出しなければならないのですが、新薬は偶然の重なりで発明されます。 言い換えれば、企業規模が大きい会社でないと開発競争に耐えられないというわけです。
そんな状況で、田辺三菱製薬という製薬子会社は同社の重荷になっており、売却が望まれています。 買い手がなかなか見つかりませんでしたが、ベインキャピタルに優先交渉権を与えたことが報道されました。
参考文献:三菱ケミ、田辺三菱売却でベインに優先交渉権 5千億円超|日本経済新聞
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