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【就活】実はヤバイ!製薬業界21社の業界研究・平均年収・志望動機

製薬業界|業界研究

 製薬業界への就職に役立つ就職難易度や選考・面接対策、志望動機の書き方の他、年収・ランキングなどを解説しています。 製薬業界は「年収が高いから」となんとなくで就職すると地獄を見ることになります。 業界がどんな仕組みで利益を出し、どんな仕事をするのかしっかり把握して、それでもなお就職したいと思える人だけが志望するべき業界です。

この記事の要点

  1. もはや神頼み!製薬業界の厳しさがやばい
  2. M&Aで買収される可能性が高い
  3. 「医薬品メーカーがホワイト」は大ウソ


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製薬業界ってどんな業界?何がヤバイの?

 生き残りは運次第なのがヤバい!

 製薬業界とはどんな業界なのか、ビジネスモデル仕事内容、 そして就職先としてのメリットやデメリットを紹介します。

 ときどき医薬品メーカーのことを「ホワイト」などと「大嘘」を就活生に教える人がいます。 賢い皆さんは、業界の抱えるヤバさをここで知ってください。決して騙されたまま志望してはいけません。

 製薬業界がやばい理由は、医薬品開発は「当たれば天国、外れれば地獄」の両極端な業界であることに加え、 特許権が次々に切れる段階にあることや、医療費削減の煽りで薬価を引き下げられるなど厳しい条件が多すぎるためです。 淘汰や企業買収が頻繁に起きており、就職すると痛い目に遭う可能性が非常に高いです。

 

製薬業界の仕組み

 一番乗り以外は負けな業界!

 製薬業界は全か無か両極端の業界です。

 医薬品メーカーは莫大な資金を投入して研究開発にまい進します。 理論構築、実験、失敗、再構築・・・の繰り返しで新薬を開発しますが、 一番乗りに成功すれば莫大な利益を手にすることができます。

 新薬には特許権薬価(公定価格)という特典がついています。 他社は勝手に真似してつくることができず、しかも薬の値段は国が決めますので、値引き合戦が起きません

 おまけに他社がライセンス料を払ってくれますので、実質的な不労所得が得られます。 こうして特許権が切れるまでは安定継続して莫大な利益を手にすることができるのです。

 …そう、特許権が切れるまでは

 新薬開発では、一番乗り以外の会社は負けです。

 というのも、一番乗りの会社が特許を取ってしまいますから、新薬開発競争に負けたら、 ライセンス料を払ってつくらせてもらう以外に方法がなくなるのです。 それまでの開発費はすべて水泡に帰すというなんとも無慈悲な業界です。

 こうなったら最悪です。ライセンス料を払ってつくらせてもらっても、 工場はなんとかその収益で維持できますが、研究開発費を取り戻すほどは儲かりません。 つまり、一番乗りになれなかったら次の新薬開発にも負けるという悪循環が始まるのです。

 一度負けたら次も負ける悪循環!

 幸いなことに、日本の医薬品メーカーはこれまで儲かる特許権を持っていました。 ですが、それらの特許権が数年以内にボロボロ切れます。 それまでの間になんとしてでも新薬開発を成功させなければならないという状況です。

 儲かる特許権が切れ始めている!

 技術系で医薬品メーカーに就職すると激務どころの騒ぎではありません。 なにしろ、会社の命運は自分の研究にかかっているのです。 失敗すれば倒産するかもしれません。責任の重さが段違いです。

 ところが「新型コロナウイルス」のワクチンがなかなか完成しないのを見てもわかるように、 新薬が完成するのは偶然です。お金をかければできるというものではなく、 「うまくいきますように」と祈るしかないのです。

 確かに今は残業も少なく、給料も高いです。ですが、それはもう5年後には失われているかもしれません。 この世界に一生をゆだねるのは、めちゃくちゃ怖くないですか?

 

将来性は厳しい

 追い打ちをかける薬価引き下げ

 製薬業界の将来性厳しいです。「当たれば天国、外れれば地獄」な新薬メーカー、 「激しい価格競争」の後発医薬品メーカーともに厳しい業界な上に、医療費削減の影響で国が薬価の引き下げに必死という問題があるためです。 利益が減らされて研究開発の予算が足りなくなり、海外メガファーマに買収されるリスクが大きくなっています。

 日本は少子高齢社会であり、他の先進国も程度の差こそありますが、同じ道を歩んでいます。 これまでは「国民皆保険制度」でなんとかなっていましたが、医療費が膨らみすぎて国家予算を圧迫しています

 このため、財務省や厚生労働省は薬価の引き下げに必死です。

 歴史的には「薬価」は医薬品メーカーの都合で決められる面があり、莫大な研究開発費を回収しても余りあるほどの利益を得られました。 しかし、今後は「研究開発費」ではなく「医療費削減効果」を基準にして薬価が決められる時代になっていきます。

 要は、病気が治るというだけでなく、従来の治療法に比べてどれくらい節約できる薬かが重要になるのです。 「延命治療」のように「完治しない」薬では、薬価が安く設定されてしまいます。

 一方で「一瞬で完治してしまう薬」なら薬価こそ高くなるものの、何度も飲んでもらえないので結局儲かりません。

 また薬価が引き下げられるということは、医薬品メーカーの利益が減らされるということであり、 つまり研究開発に使えるお金が減るということです。次のヒット商品が出せなければ会社はおしまいですが、お金はありません。どうしましょうか? そう。新薬が偶然できるのを祈るしかないのです。

 製薬業界の将来性は非常に厳しいと言わざるを得ません。

将来性の高い業界|おすすめはどこ?

参考:タケダ巨額買収で再編に号砲|日経ビジネス

 

医薬品メーカーのランキング

 医薬品メーカーは大きく分けて「新薬メーカー」「後発医薬品メーカー」の2つに分けられます。 医薬品メーカーを売上高でランキングにし、平均年収とともに一覧にしました。

 

新薬メーカー

 特許権が生命線!

新薬メーカーのランキング
会社名売上高平均年収年間休日/備考
武田薬品工業4.0兆円1097万円123日
新薬
大塚製薬2.0兆円1046万円120日以上
新薬
アステラス製薬1.5兆円1062万円120日以上
新薬
第一三共1.2兆円1120万円120日以上
新薬
中外製薬1.1兆円1198万円126日
新薬
エーザイ7444億円1050万円123日
新薬
住友ファーマ5555億円904万円126日
新薬
田辺三菱製薬4936億円非公開125日
新薬・三菱ケミカル傘下
小野薬品工業4471億円963万円126日
新薬
協和キリン4422億円945万円125日
新薬
大正製薬3013億円895万円125日
新薬・非上場化
参天製薬2790億円902万円123日
新薬
日本新薬1374億円806万円120日以上
新薬
杏林製薬1132億円887万円126日
新薬

 新薬メーカー新薬の特許によるライセンス収入が非常に大きく、 需要の高い新薬を発明した会社では、莫大な「不労所得」を得ることができます。

 ただし、その分「研究開発費」がかさみ、研究が新薬の発明につながらなかった場合、 投資が水の泡になります。時間や人材を投入して新薬の開発を競いますが、 当たればデカいけど外れたらゼロというリスクの高い業界でもあります。

 また日本の新薬メーカーは、過去に発明した新薬の特許が切れるラッシュが到来しており、 「需要の高い新薬の開発」が急務な他、突如なくなるライセンス収入を埋め合わせるため、 後発医薬品(ジェネリック)への参入や、他業種にも事業の幅を広げることも盛んにおこなわれています。

 病院で医薬品の適切な処方を促進するために活躍するのがMRで、こちらは文系でもなれますが、 事実上の営業マンになっており、「自社新薬を使ってもらうため」に活動しているところに課題があります。

 

後発医薬品メーカー

 ジェネリックは儲からない!

後発医薬品メーカーのランキング
会社名売上高平均年収年間休日/備考
沢井製薬2003億円831万円126日
後発医薬品
日医工1790億円675万円123日
後発医薬品
科研製薬729億円815万円123日
後発医薬品

 後発医薬品とは「ジェネリック」のことですが、ジェネリック専門のメーカーを、後発医薬品メーカーと呼びます。

 新薬メーカーと比べて特許を持たないため「ライセンス収入がない」という点と、 新薬を開発しないので「研究開発費」がかさまないという点に特徴があります。 そのため「当たればデカい」こともありませんが、「外れたらゼロ」ということもありません。

 ただ、ジェネリックは特許の切れた医薬品ですので、「設備さえあればどのメーカーでも作れる」という大きなデメリットがあり、 激しい価格競争を避けられません。そのため利益が出にくく、新薬メーカーに比べて社員の年収も低めです。

 

その他医薬品メーカー

医薬品メーカーのランキング
会社名売上高平均年収年間休日/備考
ロート製薬2386億円782万円125日
一般医薬品
ツムラ1400億円803万円127日
漢方薬
久光製薬1283億円693万円125日
一般医薬品

 「一般医薬品」とは薬局やコンビニで「処方箋なし」で買える医薬品を指し、 風邪薬やサロンパスに代表される鎮痛剤など、生活に密着した医薬品です。 特にロート製薬は一般医薬品専門で事業を行っています。

 また、ツムラは漢方薬メーカーです。現代の医療は「西洋医学」が主流で、 漢方薬の「東洋医学」は西洋医学で説明がつかないため、長らく放置されてきました。 ですが、近年では東洋医学も効果が見直されてきており、研究者も増え、病院で漢方薬が処方されることも増えてきました。

 

製薬業界の志望動機

 ビジョンの一致をアピールしよう!

 製薬業界の志望動機の書き方は、会社の「経営理念・ビジョン・社風」と自分の「就職活動の軸」の一致をアピールし、 「将来の夢を実現するために、貴社のビジネスに携わらなければならない」と結論付けることです。

 そのような志望動機にすべき理由は、次の3点です。

 そこで「世界の医療格差をなくしたい」「健康寿命を伸ばしたい」といった将来の夢を設定し、 それが「貴社の社風と一致している」ことを志望動機として書きます。 その際、インターンシップや会社説明会、OB・OG訪問などで「実際に感じた社風」を盛り込むことで、より一層説得力が出ます。

 この業界を含めたメーカー志望の方向けに、詳しい書き方を次の記事で解説しています。 あわせて参照してください。

【関連記事】 【文系専用】メーカーの志望動機の書き方|例文5選

 また、「Unistyle」という就活サイトでは実際に内定を取ったエントリーシートが無料で読み放題です。 この業界はもちろん、あなたの志望企業に内定した歴代就活生がどう書いたのかを見れば、 ESの方向性が合っているかどうか確認することができます。これを使わない手はありませんね。

Unistyleで合格エントリーシートを読む

 

MRの志望動機

 MRの役割は「医薬品情報を医師に伝えること」です。 あくまで「処方箋を書く」のは医師の仕事であって、MRは「売る」という役割ではないことに注意しましょう。

 志望動機でもこの点を踏まえて書きましょう。

 まず、「医薬品の開発」に触れるのは得策ではありません。 そこに触れると、「なぜ理系学部に進まなかったのか」と大学選びのそもそも論を問われてしまいます。 「いろんな人の病気を治したい」「薬が手に入らない人に薬を届けたい」という気持ちは文理同じです。

 「届けたい」「伝えたい」「知ってもらいたい」という書き方がよいでしょう。

 また「なぜこの会社なのか」と問われたとき、「製品名」や「普段使っているから」で答えるのもよくありません。 医薬品メーカーは企業規模がモノを言いますから、「研究開発の力の入れ具合」に関連して「企業規模」、 「M&Aに積極的な社風」等を盛り込むとよいでしょう。

 ただし、前提として「経営理念・ビジョン」と「就職活動の軸」が一致している必要がありますから、 インターンシップ経験や説明会の話、会社のwebサイト等を参照して、 「同じ志を持っている」ことをアピールしましょう。

 

製薬業界への就職

 製薬業界への就職について、メリットやデメリット、リスクなどを解説していきます。

 

就職難易度

 就職難易度は、非常に高い

 製薬業界就職難易度非常に高いです。 BtoCメーカーのため知名度が高く、かつ「ホワイト企業」と言われがちなため、募集人数に対して人気があります。 ライバルとなる就活生が非常に多くその分、いわゆる高学歴でハイスペックな就活生でないと受からないと言われます。

 就職には高い学歴が求められ、総合職では東京大学や京都大学などの旧帝大卒の学生が多く、 こういった大学群の学生ですらインターンシップで活躍しなければ、なかなか選考本番にも進むことができません。 この業界への就職は難しいと言わざるを得ません。

内定直結インターン!|優遇選考で早期内定

 また、武田薬品工業のように「TOEICスコア700点以上」が条件として課される会社もあります。 内需の縮小に加えて医療費削減の流れもあり、海外輸出が必要不可欠です。 そのため仕事上で英語は必須になり、それなりのスコアがないと門前払いを喰らうでしょう。

 加えてM&Aによる業界再編が活発に行われており、海外企業との合併も当然にあります。 ゆえに就職即英語を使う可能性すらあり、またある日突然買収されて上司が外国人になるかもしれません。 スコアが募集条件に課されていない会社でも、英語への意欲は示さなければなりませんので、受験してESにスコアを書くくらいはしましょう。

 

製薬業界に就職するメリット

 当たれば不労所得がデカい!

 製薬業界のメリットは、1つ目が「当たればデカい」というものです。

 新開発した医薬品がひとたび売れれば、それまで研究開発に費やした費用や、他の失敗した医薬品の損失までカバーしてもまだ余るほど儲かります。 というのも、新薬には特許薬価(公定価格)という「儲かる仕組み」があるからです。

 特許は海外他社とライセンス契約をすることで、「作らせてあげる代わりに特許料をもらう」というもので、 何もせずにお金がもらえる不労所得を生み出します。

 薬価は国が決定した医薬品の公定価格ですが、研究開発費を回収できるように高額に設定してもらえます。 薬価より安売りすることは禁止されており、莫大な利益が生まれます。

 「売れる薬」さえ開発できれば一発で大儲けが可能なのです。

 2つ目のメリットは、「待遇が良い」というものです。 製薬業界は過去につくった新薬の特許料と薬価のおかげで大儲けしており、 それが高い平均年収につながっています。

 3つ目のメリットとして、「転職がしやすい」というものもあります。 技術者はどこのメーカーでも引く手あまたですし、営業マンすら引く手あまたです。 ひとたび入社すればとにかく医薬品の知識を詰め込みますので、どの会社に行っても通用するのです。

 特に医薬品専門商社への転職が多いようです。

 

製薬業界に就職するデメリット

 当たらなければ終わり!

 製薬業界のデメリットは、1つ目が「当たらなければヤバい」というものです。

 儲かるのは新薬が当たったときの話で、売れなかった場合は莫大な研究開発費を回収できません。 現在の新薬メーカーは過去の特許があるため研究開発費を回収できるのですが、 もしこれがなかったらすでに苦境に陥っていたことでしょう。

 2つ目のデメリットが、「特許の期限切れが近い」というものです。 新薬の特許にも有効期限があり、現在の新薬メーカーのもつ特許は軒並み期限切れを迎えつつあります。 ライセンス契約がなくなれば「不労所得」が一気に消え、さらにジェネリックの波が押し寄せてきます。

 新薬メーカーはすでに緊急事態で、すぐに「売れる新薬」を発売しなければ、一気に収入が途絶えてしまいます。 もしこのまま「売れる新薬」が開発できなければ、待遇も悪化する危険性があります。

 3つ目のデメリットが、「ジェネリックは儲からない」というものです。 ジェネリックは特許が切れた医薬品を自社製造して、元の薬より安売りするビジネスです。

 安売りですから、「薬価」のときのような莫大な利益がないどころか、 特許が切れている以上はどの会社でも同じものをつくれますので、激しい価格競争になります。 新薬メーカーが特許の期限切れの対策に「ジェネリック」を始めても余計疲弊するということです。

 

中小企業はイバラの道

 中小企業は買収される運命にある!

 製薬業界に限っては、中小企業はおすすめできません

 ここまで解説してきた通り、研究開発MRによる宣伝活動が医薬品メーカーの命運を担っています。 要は、莫大な開発費大量のMRマンを用意できる会社でないと、 ビジネスとして成り立たないのです。

 武田薬品工業がアイルランド製薬大手の「シャイアー」を買収したのは、経済紙界隈をにぎわせました。 6.2兆円にものぼる超大型M&Aだったからです。

 これは、とにかく企業規模をデカくしないと勝てないことの証拠です。 武田に限らず、あらゆる医薬品メーカーが中国やドイツなどに行ってM&Aを進めています。

 つまり、中小の製薬会社は買われる側というわけです。 むしろ、買ってもらえなかったら新薬開発で負けてどのみち消えゆく存在です。

 ほかの製造業では中小企業が独自の技術を持ち、利益を出せる業界もあります。 あえて特許権として登録せず、秘密の技術を独占し続ける会社だってあります。

 ですが、医薬品に限っては新薬の申請時に特許を公開する義務があり、 申請から25年が経てば自動的に特許権が切れ、ジェネリック医薬品メーカーが同じものをつくります。 こうなるともはや過去の技術。今儲かっていても、特許が切れたらおしまいなのです。

 その時までに新薬を開発できるかと言えば、大企業に対して圧倒的に不利で、 つぶれるか買収されるリスクが非常に高いのです。

 

医薬品メーカーがホワイト?目を覚ませ!

 ホワイトは大ウソ!

 医薬品メーカーを「まったり高給ホワイト業界」と紹介しているところがありましたので、 一言申し上げます。目を覚ませ!

 確かに残業時間はどの会社も月平均20時間未満と化学メーカー並みの少なさです。 平均年収も1000万円を超える会社が多く、年収が高いと言えるでしょう。

 ですが、上述の通り仕事の厳しさが桁違いです。 労基法を守るという意味では「ホワイト」だと言えますし、「高給」である点も確かですが、 「まったり」とは程遠いウルトラ”ストレスフル”業界です。

 「まったり高給ホワイト」を目指して就職すると、間違いなく地獄を見ます。

 一般に「仕事のキツさ」を「労働時間」で考えてしまいがちです。 しかし、「8時間働くより10時間働く方がしんどい」というのは、アルバイトの感覚です。 やる仕事の難易度、ストレス度で考えると、「労働時間」では計り知れないものがあります。

 5年後自分の会社が生き残っているかどうかも、自分がどれだけ成果を出したのかもわからず、 病院をめぐって医師の接待を続けてかつ、運命は研究所と医師と患者次第な上に、 いきなり厚労省につぶされるかもしれないストレスに耐え続ける「1日8時間ちょっと

 これが本当に「まったり」だと思えますか?

 

MRへの就活

 医薬品メーカーのMRへの就職について解説します。 この業界には「営業」がない代わりに「MR」という仕事があります。 文系で就職すると基本的に「MR」としての就職になるのですが、平均年収が900~1000万円を超える高収入の仕事です。

 ですが、その待遇の引き換えに激務猛勉強が必要な仕事でもあります。 MRとはいったいどんな職業なのか、詳しく見ていきましょう。

 

MRとは?

 MRとはは「医薬情報担当者」の略称で、文系出身の「営業マン」のような存在です。 ですが、他業種の営業とは異なり、「医薬品を販売する」のが仕事ではなく、 医薬品を正しく使ってもらうための「情報提供」と、今後の研究開発に活かすための「フィードバック」が主な仕事です。

 ところが実態は「自社の医薬品を使ってもらうための営業マン」で、 日本の製薬業界では長らく「医師への接待」による「シェア獲得競争」が繰り広げられてきました。

 本来、医薬品は医師の診断に基づき、症状に最適な医薬品を選んで「医師が」処方するものです。 それを「症状に最適な医薬品」ではなく、「懇意の会社の医薬品」を処方するのはあるべき姿ではなく、 事態を重く見た政府は「接待禁止」などのルールづくりを進めています。

 とはいえ、長らく続いた慣行はなかなか簡単に抜けるものではありません。 MRは「情報提供者」ではなく「営業マン」として扱われることが多いでしょう。

 製薬会社に所属している以上、MRが他社の医薬品を勧めることは期待できませんし、 製薬会社の本音は「自社製品のシェア拡大」ですから、社内でもやはり「営業マン」として扱われるでしょう。

 MRという名前ではありますが、総合職です。 MRとして採用され、数年間は医者、薬剤師、病院に対して医薬品の営業を行います。

 もちろん総合職ですので、「MR」という名前ではありますが、 営業から他の部署に異動になる可能性もあります。 しかしMRとして採用されている以上、基本的に40年間MRとして仕事をすることになります。

 製薬業界のグローバル化により、就活では語学力必須スキルになります。 会社によってはTOEICスコアが700点以上であることがエントリーの条件になっているなど、 英語なしに入社することはできません。

 MRの採用選考は就活解禁前のインターンシップに始まり、インターンシップである程度絞り込みをかけます。 そして就活が始まると大手製薬会社ではリクルーターがつき、さらに絞り込みがかけられます。 4月中に面接が始まり、早ければ3日後には内々定が出て、遅くとも1週間程度で内定者が出そろいます

 

MRが激務な理由

 MRは「医薬品の営業」と簡単に説明されることが多いですが、そう単純な話ではありません。 新薬は開発して終わりではなく、それを医師が処方箋に書いてくれて初めて売上になります。 どんなに素晴らしい医薬品を発明しても、医師がそれを知らなければ意味がありません。

 そこで、MR全国・全世界の医師を訪問して自社の医薬品を紹介するという任務をこなします。

 これがとてつもなくしんどいのです。医師が「じゃあ100個注文するよ!」と言えばいいというわけではありません。 処方箋に書いてもらって、それを患者が薬局に持ち込んで、初めて売り上げになるのです。 患者がいなければ、そもそも処方箋に書かれることもありません。

 つまり、医者巡りをしても成果が数値として現れにくいのです。

 他の営業職では「今月何個売った」という数値が現れますから、「今月はこれだけ働いた!」と満足感を得られます。 ですが、医薬品は自分の成果かどうかわかりません。 「自分は役に立っているのだろうか」と悩み続けるのです。

 それが医師への接待という、わかりやすい仕事につながってしまいます。 これだけの医師を接待して処方箋に書くことを約束してもらったと会社に報告することで、 「自分は仕事をしている」と証明するのです。

 医師を喜ばせることならなんでもやります。しかもこれを国内だけではなく、世界中でやらなければなりません。 英語は必須スキルになります。

 

MRは体育会系で高収入

 基本的に接待はどこの会社でも行われるものですが、特に医者、薬剤師相手の接待は厳しいものがあります。 医者は開業医の場合、「組織に所属」した経験がない場合も多く、 いわゆる「社会の常識」が通用しない面があります。

 医者ということでプライドも高く、バカにした態度を取られたり、罵倒されたり、 MRは邪険に扱われることがあります。

 いわゆる「土下座営業」が通用するというか、未だに土下座営業の文化が残っている業界です。 会社によっては売れる医薬品が少なく、常に新規開拓の状態で厳しい営業が続きます。

 医薬品メーカーとはいえ、メーカーですので「良いもの」を作っているのが前提です。 それ以上に医者に気に入られることが重要です。

 というのも、会社に対する営業の場合、相手にするのはあくまで調達部門ですが、 病院の場合は医者です。医者は病院内でかなりの権限を持っており、 特に開業医の場合は営業先=経営者です。

 経営者相手の営業はなかなかつらいものがあります。 会社の調達部門と異なり、経営者の場合はもっとシビアです。

 旧態依然とした医者に対する営業は、現在のスマートな営業スタイルのイメージとはかけ離れています。 朝早くから病院へ赴き、診察の合間に面会するためただひたすら病院内で立ったまま待機したり、 人によっては話が通じなかったり、罵倒されたり、休日すら接待に使わざるを得ないこともあります。

 「プライドと時間を切り売りして給料をもらう」という表現がしっくりきます。 まだ大手製薬会社だと会社名という肩書があるため、医薬品を買ってもらえる可能性があります。 しかし新薬など「いつも買ってもらっている医薬品」以外の営業はどの会社でも苦労します。

 医者や薬剤師は面会できる時間が限られているため、営業活動もしながら事務処理も行うには、 どうしても昼間に営業し、1日10か所近くの施設を回って、夜に帰社して作業せざるを得ません。 残業時間も多く、プライベートの時間はあまり取れません。

 全国転勤を繰り返すため精神的に樂ではありません。

 年収900万円~1000万円超を狙え、高給取りであることは間違いありません。 しかし銀行や商社と同様、高い給料の代わりに犠牲にするものも大きいことは認識しておきましょう。

 一方で中小製薬会社は年収が300~500万円程度なのに対し、 医者からも相手にされず、厳しい土下座営業をしなければならないという点で、 大手に比べてかなり薄給激務といえます。

 

学歴も必要

 MRは学歴が必要です。 「IQに差があると会話が成立しない」と聞いたことがあると思います。 MRでも同じで、医者を相手にする営業にはある程度の知性が必要です。 大手の製薬メーカーの内定者は旧帝大、早慶が多く、学歴重視が見受けられます。

 さらに内定者懇談会が旧帝早慶とその他で分けられており、 入社の時点で幹部候補生、ソルジャーに分かれていると想定できます。 自信がない場合は再考が必要です。

 一方で高学歴だからといって内定が出やすいわけではありません。学歴はあくまでも前提です。

 製薬メーカーへの就活の難しさは、学歴だけでなく体育会系であることも重視されることに表れています。 「体育会系の部活に参加していた」という実績ではなく、体育会系の文化に順応できるかどうかが見られます。

 MRは古い体質の医者、病院に対する営業ですので、学歴や知性だけがあっても仕方がありません。 医者に何を言われてもにこやかに頭を下げられる体育会系である必要もあるのです。 プライドが邪魔をしてなかなか厳しい業界であると思います。

 こういったことが平気であれば、銀行や証券などの金融業界と一緒に併願するのもいいかもしれませんね。

 

MRの将来性は高い

 ここまでMRの厳しさを解説してきましたが、MRとしての経験が将来役に立つ可能性は非常に高く、 将来性が高い仕事ということができます。

 先にも触れましたが、本来医師が、症状に最適な医薬品を選んで処方するべき医薬品ですが、 実態は懇意の会社の医薬品を処方しているという現実があります。

 政府は様々な手を使ってこれを解決しようとしていますが、MRが会社に所属している以上、 会社の使命は「自社製品のシェア拡大」ですから、MRが「症状に最適な医薬品」として他社製品を医師にすすめることはまず、ありえません。

 そこで、今後はMRは製薬会社ではなく病院に所属する、または自社製品を持たない会社に所属することが予想されます。

 なんといっても日々種類が増えていく医薬品、膨れ上がる医療需要に対し、 医薬情報を医師に伝える仕事は今でも人手不足なくらいで、なくなる仕事ではないからです。

 MRとして経験を積んでおけば、将来的に病院の医薬担当者として医師にアドバイスする仕事や、 医薬品専門商社で自社製品にとらわれない販売活動に従事できるため、 もし入社したメーカーの経営が立ち行かなくなっても引く手あまたで転職できるメリットがあります。

 ちなみに医薬品専門商社の営業マンは、製薬会社のMRに対して「MS」と呼ばれます。 MRからMS、MSからMRへの転職は容易で、より待遇の良い会社に転職することも盛んにおこなわれています。

 

医薬品の専門商社も見よう

 薬と言えば「製薬会社」が真っ先に思い浮かびますが、「医薬品の専門商社」もみてみましょう。 専門商社は製薬会社の医薬品のほか、電機メーカーの医療機器も販売しており、 時には医療機関や薬局の経営コンサルティングもする会社です。

 医薬品専門商社と製薬会社では、「医薬品を医療機関や薬局に販売する」という点では同じですが、「医療機器や経営上のソリューションを提供できる」 という点と、「自社製品に限らずあらゆる医薬品を提案できる」という点が異なります。

 逆に自社製品を持たないため知名度は低いですが、医薬品・医療機器・経営コンサルティングと、 幅広く医療のサポートができるため、よっぽど特定の製薬会社に思い入れがあるのでなければ、 医薬品専門商社で働くほうが営業もしやすく、自分の成長も期待できます。

 以下は、医薬品専門商社のリストです。製薬会社への就職を希望する人は、 ぜひ医薬品専門商社にもプレエントリーしましょう。

会社名売上高平均年収備考
メディパルホールディングス3兆円795万円
アルフレッサホールディングス2.5兆円684万円
スズケン2.1兆円649万円
東邦ホールディングス1.2兆円624万円
バイタルケーエスケー・ホールディングス5800億円716万円
シップヘルスケアホールディングス4000億円695万円
ほくやく・竹山ホールディングス2200億円558万円
メディアスホールディングス1500億円720万円
カワニシホールディングス1000億円527万円

専門商社の業界研究・志望動機・平均年収

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 実は、大企業への就職を狙うならスカウト型を使うべき時代が来ています。 意外かもしれませんが、大企業ほどスカウト型での採用が増えており、 特に従業員5,000人以上の規模では、51.2%がその採用方法をとると回答しています(※データは[PDF]就職白書2024|就職みらい研究所)。

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早期選考にまだ間に合う!

 就活まだ何もしていない人が勝ち組になる方法!

 「就活、まだ何もしていない」というその不安、実は正解です。 そして何より「選考がどんなものかわからない」のが最大の不安ではないでしょうか。

 それを解決するには早期選考に行くのが一番です。「選考に慣れる」ことができる上に、 通常選考よりライバルが少なく受かりやすいため、「実はもう内定がある」という余裕を持つことすら可能なのです。

 そんな早期選考に招待されるために「インターンシップに行く」のが通常なのですが、 まだ何もしていない人でも「インターンなし」で、今から同じ条件に立てる方法があります。 それが「「ジョブトラ」に参加する」という方法です。

 ジョブトラは「合同説明会」に加えて「グループワーク」が実施されるのが特徴の就活イベントで、 事前準備なし最大6社の早期選考が一度に受けられるというものです。 「エントリーシート・自己分析」は不要で、「学部3年生(修士1年生)」なら就活完全初心者でOKです。

 もちろん学生は完全無料ですから、早期選考を受けて「まだ何もしていない」状態を解消し、 「選考には慣れている」あわよくば「実はもう内定がある」という状態に持って行ってしまいましょう。 イベントは「たった半日」です。通常選考で泥沼に浸かるくらいなら、ジョブトラへ行きましょう。

「ジョブトラ」に参加する

 

志望企業の内定者はどう書いた?内定エントリーシートを見よう!(その1)

 模範解答があれば憂いなし!

 あなたのエントリーシートは100点満点ですか? …と言われても、わかりませんよね。自己採点するにしても、その基準となる模範解答がなければどうしようもありません。

 もしこのまま提出して、果たして大丈夫でしょうか。

 そこで先輩が実際に内定をとったエントリーシートを使いましょう。 それと比較して何が足りないのか、どう書けばいいのかがわかれば、自ずと完成度が高まっていきます。

 「Unistyle」では、歴代就活生の合格エントリーシートを無料閲覧できます。

 総合商社やインフラ企業、メーカー企業、外資系企業をはじめ、超一流企業からベンチャー企業まで71,000通を超えるエントリーシートが収録されています(2023年5月時点)。 あなたの志望企業の合格エントリーシートもほぼ見つかるサイトと言っていいでしょう。

 また、合格ESだけでなく「企業研究」「同業他社比較」「就職活動の軸別のおすすめ業界」 「志望動機の書き方」など就活に役立つ限定記事もすべて無料で読むことができます。

 ぜひ自分のエントリーシートの見直しのために、作成の参考のために手に入れておきたいですね。

内定エントリーシートを読む


著者:村田 泰基(むらた やすき)
 合同会社レセンザ代表社員。1989年生まれ。大阪大学法学部卒。2013卒として就活をし、某上場企業(メーカー事務系総合職)に入社。 その後ビジネスの面白さに目覚め、2019年に法人設立。会社経営者としての経験や建設業経理士2級の知識、自身の失敗経験、300冊以上のビジネス書・日経ビジネスを元に、11年間に渡り学生の就職活動を支援している。




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