【勝ち組】スーパーゼネコン5社の比較|どこがいい?

スーパーゼネコン5社について経営成績・社風・特徴で比較し、おすすめランキングを作成しました。 就活で「どこがいいか」悩んでいる方はぜひご覧ください。ちなみに、5社とも勝ち組であり、あくまで「5社の中でのランキング」であることに留意してください。
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スーパーゼネコンとは?
1兆円以上の大手ゼネコンのこと!
スーパーゼネコンとは、「総合建設業」を営む企業のうち、売上高が1兆円以上の企業群を意味します。 2025年現在、鹿島建設・大林組・清水建設・大成建設・竹中工務店の5社がこの定義に当てはまり、土木工事・民間建築など、「工事のことならなんでも」請け負います。
実は中堅ゼネコン以上は、就職するとどれも勝ち組なのですが、この記事では「5社の中で1社を選ぶなら」という観点で解説します。 準大手ゼネコンの比較については「勝ち組の穴場【準大手ゼネコン10社】の比較|どこがいい?」、 建設業界全体については「勝ち組!建設業界への就職|将来性・ランキング・志望動機」の記事をそれぞれご覧ください。
結論!おすすめランキング
- 鹿島建設
- 大林組
- 竹中工務店
- 清水建設
- 大成建設
1位の鹿島建設は、建設業界No.1の高い利益率と、高い年収を誇ります。 不動産デベロッパーとしての新規事業が成功しており、将来性も高く最もおすすめです。
比較
スーパーゼネコン5社を「おすすめ度」「社風」「会社の特徴」で比較しました。 まずは一覧表をご覧の後、各社の詳細をご覧ください。
鹿島建設 | おすすめ度: 5.0 社風:海外展開に積極的な社風 会社の特徴: 利益率1位。海外で不動産デベロッパーとして成功中。建築で潤沢な利益が出せる会社。 |
---|---|
大林組 | おすすめ度: 4.5 社風:デジタル化と新規事業に積極的な社風 会社の特徴: 利益率2位。建設に関する新規事業はもちろん、真新しいビジネスを探している。 |
竹中工務店 | おすすめ度: 4.0 社風:自然と共生を尊ぶ社風 会社の特徴: 利益率3位。国産木材使用の高層木造建築に注目。脱炭素時代に合った「エコ」のブランドを強化する姿勢。 |
清水建設 | おすすめ度: 3.0 社風:人を大切にする社風 会社の特徴: 本業の建築事業で利益が薄い。"人財"投資でこの状況を打破する姿勢。 |
大成建設 | おすすめ度: 3.0 社風:「人がいきいきとする環境の創造」がしやすい分野を狙う社風 会社の特徴: 本業の建築事業が赤字。「品質」で買ってくれる業界や「提案営業」での高付加価値化を狙う。 |
鹿島建設の特徴
おすすめ度 | 売上高 | 経常利益率 |
---|---|---|
5.0 | 2兆6651億円 | 5.6% |
採用倍率 | 平均年収 | 年間休日 |
---|---|---|
文系約40倍 理系約3倍 | 1256万円 | 120日以上 |
鹿島建設は民間建築(工場・発電所・物流倉庫・オフィスビル)が収益の柱で、特に海外展開がとても進んでおり、海外売上高8000億円を記録しています。 建築事業で約5%の利益率が取れており、ゼネコンでは高いほうです。 そして新規事業の「不動産開発事業」では不動産デベロッパーとして土地取得・計画・設計施工・販売または賃貸まで一貫して取り組む事業ですが、利益率20%を誇ります。
この新規事業をすでに北米・欧州・アジア・オセアニアなどの海外で行っており、 中期経営計画では海外事業を強化すると発表しています。
5社の中で最も利益率が高く、国内外での新規事業が成功していることから将来性が高いと言えます。
大林組の特徴
おすすめ度 | 売上高 | 経常利益率 |
---|---|---|
4.5 | 2兆3251億円 | 3.9% |
採用倍率 | 平均年収 | 年間休日 |
---|---|---|
文系約40倍 理系約3倍 | 1066万円 | 120日以上 |
大林組は国内建築が中心ですが、建築・土木では利益率が2.7%と、あまり儲かっているとは言えません。 また、PFI事業(公共施設を建設・運営もする事業)に参入していますが、 準大手の前田建設工業が21%の利益を出している一方で、同社はほとんど利益が出せていないようです。
同社の利益を押し上げているのは不動産開発事業で、約20%の利益が取れています。 海外売上高も5000億円規模と大きいのですが、すべての事業を総合すると鹿島建設に対して見劣りします。
ただし、今後は高付加価値の建物への注力・提案営業の強化を計画しており、 これが実現すれば「低利益」の建築・土木事業を改善できるでしょう。
竹中工務店の特徴
おすすめ度 | 売上高 | 経常利益率 |
---|---|---|
4.0 | 1兆6124億円 | 3.6% |
採用倍率 | 平均年収 | 年間休日 |
---|---|---|
文系約30倍 理系約3倍 | 1077万円 | 日数言及なし |
竹中工務店は売上高のほとんどが建築事業ですが、その利益率は2.3%と5社中3位の成績です。 その理由は「国産木材の利用」による「低炭素」の取り組みで「エコのブランド」を確立しているためで、 他社に比べて比較的高付加価値と言えます。
一方、不動産開発事業は利益率が8.4%と他社に比べて低水準ですが、不動産管理業務で5.8%を記録するなど、健全経営ができていると言えます。
ただし、他社と比べて新規事業への取り組みがあまりないため、 建築事業のブランド育成で利益率を高めていくことが必要です。
清水建設の特徴
おすすめ度 | 売上高 | 経常利益率 |
---|---|---|
3.0 | 2兆55億円 | 2.9% |
採用倍率 | 平均年収 | 年間休日 |
---|---|---|
文系約20倍 理系約3倍 | 1064万円 | 120日以上 |
清水建設は売上高の70%超が建設事業ですが、その利益率はわずか1.4%で、ほぼ儲かっていません。 DX推進(デジタル化)や高付加価値案件への注力などで、価格競争から抜け出す必要があります。
同様に利益を押し上げているのは不動産開発事業で、こちらは鹿島建設に匹敵する規模・利益率を上げています。 またエンジニアリング事業の強化も打ち出しており、こちらは5%超の利益が出ています。
同社には「人を大切にする社風」があり、社内のキャリア支援や労働環境整備の他に、 協力会社の技能労働者向けに「清水匠技塾」という教育・訓練施設を開設したことも話題になっています。
→【清水建設の就職】難易度|面接・志望動機に役立つ「強み」を解説!
大成建設の特徴
おすすめ度 | 売上高 | 経常利益率 |
---|---|---|
3.0 | 1兆7650億円 | 2.2% |
採用倍率 | 平均年収 | 年間休日 |
---|---|---|
文系約20倍 理系約3倍 | 1117万円 | 120日以上 |
大成建設は売上高の65%が建築事業ですが、2年連続で赤字です。 この事態を重く見た同社は、中期経営計画で「将来性が高い分野に注力」、すなわち「価格」ではなく「品質」で高く買ってくれる業界へ、 提案営業などで高付加価値を狙うとしています。
それでも全体として黒字を維持したのは、公共工事である土木事業と、鹿島建設以上の規模を誇る不動産開発事業のおかげです。
同社はリニューアル事業(オフィスビルのリフォーム)やエンジニアリング事業・市街地再開発事業を強みとしており、 これらに経営資源を配分すると発表しています。
年収の比較
スーパーゼネコンの年収は、次の通りです。
-
1
鹿島建設
総合職平均年収:1256万円、30歳平均:904万円
-
2
大林組
総合職平均年収:1066万円、30歳平均:797万円
-
3
竹中工務店
総合職平均年収:1077万円、30歳平均:753万円
-
4
清水建設
総合職平均年収:1064万円、30歳平均:774万円
-
5
大成建設
総合職平均年収:1117万円、30歳平均:896万円
※データは就職四季報を参照
30歳時点での年収は、5社とも大手メーカー(600~700万円)を上回る水準であり、すべて勝ち組だと言えます。
特に大成建設は人材確保の面から「転勤手当」を拡大し、 転勤の際には「一時金最大100万円」「単身赴任の場合は5万円+帰省費用3回分を毎月支給」という制度ができました。 またスペシャリスト職を新設し、年収2000万超が可能になるとしています。
→大成建設が転勤者に最大100万円、人材確保へ制度改革|日経クロステック
ただし、建設関係ではスーパーゼネコンを上回る・匹敵する待遇のある企業がありますので、見落としがないようにしましょう。
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1
日揮
総合職平均年収:1162万円、30歳平均:968万円
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2
日鉄エンジニアリング
総合職平均年収:1167万円、30歳平均:935万円
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3
長谷工コーポレーション
総合職平均年収:998万円、30歳平均:836万円
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4
JFEエンジニアリング
総合職平均年収:1040万円、30歳平均:785万円
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5
安藤ハザマ
総合職平均年収:1048万円、30歳平均:758万円
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