就職偏差値ランキングに惑わされるな!|デタラメだぞ

就職偏差値ランキングは就活生を惑わせる危険な指標。 自慢のためではなく、自分の将来の夢や価値観を基準に企業を選ぶ就職活動のあり方を詳しく解説します。 納得できるキャリア選びのヒントをお届けします。
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就職偏差値ランキングは信頼できるのか?
就職偏差値ランキングは、根拠のないデタラメ!
[69] 国際協力銀行 日本銀行 野村證券(GM) フジテレビ 三井不動産 三菱地所 YCP
[68] 経営共創基盤 集英社 東京海上(SPEC) ドリームインキュベータ 日本政策投資銀行 日本テレビ 日本取引所 野村證券(IB) 三菱総研
[67] 講談社 小学館 テレビ朝日 電通 日本生命(AC) 野村AM 三菱商事 みずほ証券(IB) みずほFG(GCF) SMBC日興証券(セルトレ)
[66] 第一生命(FE) 大和証券(GM) 日本郵船 博報堂 みずほFG(GM/AM) 三井物産 三菱UFJ(戦財/FT) 三菱UFJモルガンスタンレー(IB) SMBC日興証券(IB) TBS
[65] アセットマネジメントone 伊藤忠商事 コーポレートディレクション 商船三井 住友商事 大和証券(GIB) 大和投資信託委託 テレビ東京 トヨタ 日本財団 野村総研(コンサル) 三菱東京UFJ(GCIB) 三菱UFG国際投信 GCAサヴィアン JICA JR東海 NHK
[64] 朝日 共同通信 国際石油帝石 準キー 日本製鉄 大和住銀投信投資顧問 日経 ニッセイAM 日本経営システム 日本証券金融 任天堂 丸紅 三井住友AM 三菱UFJリサーチ&コンサルティング 読売 JXエネ
[63] 旭硝子 味の素 出光シェル サントリー 証券保管振替機構 信越化学 全銀協 損保協 中電 東急不動産 東ガス ドコモ 日証協 日本相互証券 農林中金 野村総合研究所(ITソリューション) ホンダ 三井住友トラストAM 三菱重工 JFEスチール NTTデータ経営研究所
[62] アビームコンサルティング 小田急 キリン 京王 シグマクシス 住友不動産 損害保険料率算出機構 東急 東京海上日動 東京建物 東電 日産 日本総合研究所(コンサルタント) 阪急 三菱化学 三菱UFJ信託 日本総研(コンサル) みずほ総研(コンサル) JR東 JRA
[61] アサヒ 上田八木短資 関電 川崎汽船 時事 村田製作所 住友化学 セントラル短資 大ガス 大和総研(リサーチ) 中日 東京短資 東燃 日清製粉 日本生命 日立コンサルティング 富士フィルム 毎日 みずほ情報総研(リサーチ) JR西
[60] 花王 サッポロ 資生堂 首都高速 双日 デンソー トーア再保険 豊田通商 日揮 日本郵便 日立 三菱電機 三菱東京UFJ(OP) JT KDDI R&I
[59] 産経 地電 電源開発 NEXCO中 NTTデータ 東レ 富士セロ 川崎重工 コマツ 住友電工 森トラスト キーエンス キヤノン ANA 三井住友信託 武田薬品 三菱マテリアル ブリジストン
[58] SMBC JFC MS海上 NKSJ 第一生命 3Mジャパン 日東電工 森ビル NEXCO東西 三菱倉庫 メタルワン 神戸製鋼 伊藤忠丸紅鉄鋼 旭化成 三井化学 IHI ADK ソニー
[57] みずほ銀行(OP) あいおいニッセイ同和 明治安田生命 住友生命 商工中金 郵貯銀行 NTT東西 野村不動産 私鉄下位 阪神高速 JX金属 JSR 豊田織機 リコー NTTコム 富士通(SE除く) クラレ 帝人 富士通総研 日本能率協会コンサル
[56] JR九州 昭和電工 古河電工 島津製作 ニコン 鹿島 住友金属鉱山 宇部興産 住友倉庫 ソフトバンク かんぽ生命 日本総研(IT)
[55] りそな銀行 日立化成 日本製紙 日本板硝子 大陽日酸 積水化学 バンナム 三菱ガス 化学 YKK オムロン アドバンテスト コニカミノルタ 明治製菓 大林組 清水建設 竹中工務店 三井倉庫 大和総研(IT) みずほ情報総研(IT)
ネットや一部メディアで話題となる「就職偏差値ランキング」ですが、その多くは明確な根拠が示されていないのが実情です。
かつては日本銀行が1位にランクインしていた時期もありましたが、最近では証券会社のコンサルティング部門や経営・投資コンサルタントが上位に挙げられる傾向にあります。 また、テレビ局や出版社、広告代理店が依然として上位を占め、不動産、商社、新聞社、鉄道、エネルギー関連企業などがその後に続いています。
しかし、これらのランキングには多くの違和感を覚える点もあります。
たとえば、世界的な投資銀行であるゴールドマンサックスや、コンサルティング業界を代表するマッキンゼー、 ボストンコンサルティンググループ(BCG)といった企業がランクインしていなかったり、 同じ業界で一方はランクインしているのに、もう一方はされていないといった不自然さも見られます。
具体例として、マーケティング企業では花王が入っているのにP&Gは入っておらず、 失策続きのキリンがアサヒやJTよりも上位にランクインしているなど、首をかしげたくなる結果が散見されます。
さらに、過去に過労死事件が報じられた電通の順位がいまだに高い点、 また企業統治の課題が指摘された出光興産(出光シェル)なども上位に含まれていることがあります。
特にテレビ局が高順位に集中している点については、「ランキング制作者がテレビ好きなのでは?」と感じざるを得ません。
もちろん、筆者もすべての企業のビジネスモデルを詳細に把握しているわけではありませんが、 このような就職偏差値ランキングがどのような基準で作成されているのかについては、大いに疑問が残ります。
残念ながら、ほとんどのランキングでは根拠が明示されていません。 年収ランキングでもなければ、休日数ランキングでもありません。いったい何を基準に作られているのでしょうか?
有力な説としては、もともと株式投資の人気ランキングをベースに、就職希望者向けに手を加えたものだと言われています。 筆者の私見ですが、ランキングの多くは会社の知名度やイメージを中心に作られており、 家族や友人、サークルの後輩などに自慢できる企業という観点で順位が決まっているように思えます。
就活に偏差値はない
就活に、偏差値はない!
就職活動において偏差値という概念は存在しません。 大学受験のように難易度順で企業をランク付けすることはできません。なぜなら、企業ごとに採用人数や採用方針が大きく異なるからです。 たとえあらゆるビジネススキルを備えていても、「性格が合わない」という理由だけで不採用になることもあります。
就活において、明確な基準で個々の実力を測ることはできません。 たとえば日本銀行の内定を得た人が、集英社や電通でも内定を得られるとは限りません。 各企業には異なるビジネスモデルと社風があり、学歴の高さだけでは通用しないのが現実です。
採用担当者が求めているのは、熱意を持って自社で活躍してくれる人材です。 自分の就職活動の軸(将来の夢やビジョン)を明確にし、 それが企業の理念や方向性とどれだけ一致しているかが重視されます。
結論として、就職偏差値ランキングは参考にならないと言えるでしょう。
たとえば証券会社や銀行は大量採用を行いますが、3年以内に約半数が離職するのが現状です。 これは政府系金融機関でも同様で、就活生が想像するような華やかな仕事ばかりではなく、 現場では地道で泥臭い業務が待っているケースも少なくありません。
また、テレビ局や広告代理店などは激務で知られており、 実際に過労死事件が報じられたケースも存在します。 近年、電通における東京オリンピック招致を巡る贈賄疑惑も記憶に新しいでしょう。
これらの企業は年収面で魅力的に見えるかもしれません。 証券、銀行、テレビ局、広告代理店などでは30代で年収1000万円を超えることも珍しくありませんし、 経営コンサルタントのように、20代でそれを達成する人もいます。 しかし、その高い収入には「時間」や「体力」「精神」の犠牲が伴うことを忘れてはいけません。
本当に、これらの企業に内定すれば成功なのでしょうか?
以下の記事では、「世間一般では人気の高い就職先」に関して、 その裏側にある過酷な現実やデメリットについても詳しく解説しています。 もちろん、銀行や財閥系企業が悪いというわけではありませんが、 「就職偏差値が高いから」という理由だけで志望先を決めると、あとで後悔することになりかねません。
就職偏差値は1年限りの自慢に使われる
就職偏差値は、学生に間しか自慢にならない!
内定先が有名企業であればあるほど、サークルや家族、バイト先などで話題になりやすく、つい自慢したくなるものです。 「三菱商事に内定をもらいました」と言えば誰もが「すごいね!」と反応してくれるでしょう。 その瞬間、内定者は承認欲求を満たすことができます。
「マッキンゼーだよ」「ゴールドマンサックスだよ」といった発言は、合コンなどで注目を集めるきっかけにもなりますし、 「お前の使っているスマホ、俺の会社が関わってるんだ」と誇らしげに語る人もいます。 「社会を動かしているのは自分だ」と胸を張る人もいるでしょう。
しかしこうした自慢ができるのは、内定から入社までのたった1年間に限られます。 入社後は職場の人間関係が中心となり、たとえば三菱商事に入社すれば、周囲は全員三菱商事の社員。 まさかそこで「俺は三菱商事に入ったんだ」と誇示するわけにはいきません。
実際に働いてみると、ビジネスにおける会社名は単なるブランドに過ぎないことに気づかされます。 確かにネームバリューが信頼につながる場面もありますが、相手もプロです。 場合によっては三菱商事よりも専門性の高い中小商社や地域密着型の企業のほうが優れていると判断されることも珍しくありません。
政府系金融機関に就職した知人の話では、周囲の先輩たちが「今の給料を半分にされても転職したい」と語っていたそうです。 名の知れた会社に入り、高収入を得ていても、肩書や年収では埋められない「幸福度」に気づく人は少なくありません。
学生同士の飲み会では「日本製鉄に内定!」「日本郵船に決まった!」といった声が飛び交い、「就職偏差値ランキング」をもとに一喜一憂することがあります。 「この学歴でこの会社って……自分は負け組なのでは?」と不安になる人もいます。
しかし、そうした悩みは就活の最中から入社までのたった1年だけ。 就職偏差値の高い企業に入ったからといって、将来的な幸せが保証されるわけではありません。 友人が選んだ聞きなれない企業が実は高収入かつ残業も少ないホワイト企業だったり、有名企業に入社した自分は連日の深夜残業や休日出勤でボロボロになってしまったり、そんな現実もよくある話です。
就活中は年収600万円と800万円の差が大きく感じられます。 しかし実際にその収入を手にすると、200万円の差など誤差に過ぎず、生活が大きく変わることはありません。
私自身も体調を崩して休職し、年収800万円から600万円に下がった経験があります。 ただ、以前は深夜残業と休日出勤の連続でしたが、今は定時退社と週末完全休み。 管理部門に異動し、やりがいのある仕事にも就けたことで、幸福度は格段に上がりました。
このように、内定後の1年間だけ自慢できる就職偏差値と、退職まで影響し続ける幸福度のどちらを重視すべきかは明らかです。
ちなみに、「有名企業への執着」を「大手病」と呼びます。 この状態では就職活動がうまく進まないケースも多く、詳しくは次の関連記事で解説しています。
就職偏差値ランキングに惑わされてはいけない
たった1年自慢するだけの就職は、やめましょう。
就職偏差値ランキングは、就活生を惑わす危険な指標とさえ言えます。
本当に就活の目的は「自慢するため」なのでしょうか?
たしかに、有名企業から内定をもらえれば、両親や親戚を安心させられ、サークル仲間からも一目置かれるかもしれません。
残りの学生生活を晴れやかに過ごせるという期待もあるでしょう。
しかし、その満足感は長くても1年しか続きません。入社後には新たな悩みが生まれます。 たとえば、「仕事が楽しくない」「つらい」「休みが取れない」などの問題です。 これらは就職偏差値ランキングを重視して会社を選んだ結果、起こりがちな現実です。
そもそもランキングを基準とした就職先選びは、本質から外れています。 働く理由にはもっと深い意味があるはずです。「生活のため」とだけ考えず、自分自身の価値観や理想を見つめ直してみましょう。 あなたが本当に目指したい人生は、働くことによって実現できる可能性があります。
たとえば、「なにもしたくない。家でゆっくり過ごしたい」という一見、就職と無縁に思える夢も、実は実現の道があります。 「なんでも代わりにやってくれるロボットをつくる」など、アイデア次第で道は開けるのです。 将来の夢の実現こそが、就職の本来の目的であるべきです。
自慢目的で会社を選んだ場合、その後の40年間のキャリアが「つらくて苦しいもの」になるかもしれません。 しかし、将来の夢の実現を目指して選んだ会社であれば、やりがいや楽しさを持って働き続けられます。
実は企業側も、就活生の「将来の夢」に共感して入社してもらうことを望んでいます。 それはエントリーシートの設問からも読み取れます。「就職活動の軸」「学生時代に頑張ったこと」「長所・短所」「入社後に挑戦したいこと」などを問うのは、将来の夢を実現するビジョンを知るためです。
就職偏差値ランキングに頼るのではなく、自分の夢や価値観を軸に企業を選ぶことで、就活生自身も企業も満足のいく選択ができるのです。
一時的な承認欲求の満足よりも、入社後の40年間を楽しく過ごせるかどうかを重視して、就職活動に取り組みましょう。 ランキングに惑わされて選んだ会社で後悔してしまう前に、自分の将来の夢を基準に企業選びをしてください。
就職活動の本来の目的を見つめ直し、自分の信念に合った企業を見つけましょう。そして、その熱意をエントリーシートにぶつけてください。
他にも間違いだらけの会社選びシリーズを公開していますので、以下もぜひご覧ください。
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