勝ち組【電機メーカー76社の就職】難易度や選考対策を解説

電機メーカーへの就職に役立つ就職難易度や選考・面接対策、エントリーシート・志望動機の書き方の他、強みや年収・ランキングなどを解説しています。 業界の特徴や比較、将来性を検討し、就活のやり方を解説しています。
電機メーカーは特にBtoBビジネスに強く、 知名度が低い一方で非常に高い技術力を持ち、企業規模の大小に関わらず実は世界で必要とされている企業群で、 「隠れ優良企業」や「ホワイト企業」が多いのが特徴です。
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勝ち組ランキング
電機メーカーの勝ち組ランキングは次の通りです。平均年収・残業時間・有給取得率・勤続年数・利益率・自己資本比率を考慮しています。
80点 | キーエンス |
---|---|
77点 | ディスコ |
74点 | レーザーテック |
71点 | 東京エレクトロン |
69点 | アドバンテスト |
66点 | ローツェ、SCREEN |
65点 | ヒロセ電機 |
64点 | 横河電機、マックス |
63点 | ルネサスエレクトロニクス、オリンパス、アズビル |
62点 | 村田製作所、浜松ホトニクス、日本電子、富士電機、キオクシア |
61点 | マブチモーター、シスメックス、TDK、東京精密、島津製作所、富士フイルムビジネスイノベーション、理想科学工業、オムロン、堀場製作所 |
60点 | テルモ、ブラザー工業、千代田インテグレ、ソシオネクスト、ソニー、安川電機、三菱電機、キヤノンマーケティングジャパン、JVCケンウッド |
59点 | ウシオ電機、日立製作所、アンリツ、イビデン、シンフォニアテクノロジー、日本光電、象印マホービン、古野電気、ダイヘン、新光電気工業、マクセル、カシオ計算機 |
58点 | 日本航空電子工業、セイコーエプソン、アルバック、京セラ、NEC、ホーチキ、能美防災、リコー、明電舎、セイコーグループ |
57点 | パナソニック、富士通、シチズン時計、アルプスアルパイン、TMEIC、日東工業 |
56点 | デンソーテン、フォスター電機、ニデック、ニチコン、タムラ製作所、太陽誘電 |
55点 | ニコン、メイコー、三井ハイテック、東芝、ミネベアミツミ、沖電気工業、新電元工業、NISSHA、東芝テック、日本ケミコン、シャープ |
54点 | サンケン電気、ローム、トプコン、コニカミノルタ、ニプロ |
53点 | 日機装 |
持ち点:50点
平均年収:700万円を0点とし、100万円ごとに±1点
残業時間:10時間未満は0点、20時間未満は2点、30時間未満は1点、40時間未満は0点、それ以上は-1点
利益率:7%を0点とし、3%ごとに±1点
有給取得率:40%を0点とし、20%ごとに±1点
平均勤続年数:10年を0点とし、5年ごとに±1点
自己資本比率:20%を0点とし、20%ごとに±1点
以下では、その中でもMY就活ネットおすすめ企業をピックアップして紹介します。
- 1位 キーエンス
- 2位 ディスコ
- 3位 東京エレクトロン
- 4位 ファナック
- 5位 ルネサスエレクトロニクス
- 6位 SCREEN
- 7位 アドバンテスト
- 8位 ソニー
- 9位 安川電機
- 10位 ヒロセ電機
本ランキングは「平均年収」「利益率」を元に作成しています。平均年収は総合職・一般職・現業職の人数構成比によって低く算出されがちなため、これだけではあまり参考になりません。 一方の利益率はボーナス・賃上げ余力に直結するため、今後の年収アップが期待できます。
特にルネサスエレクトロニクスは倒産秒読みの危機的状況から大改革を断行し、日本屈指の勝ち組企業に変貌を遂げた点で、 危機を乗り越えられる企業として注目です。
以下ではランク外の勝ち組企業群を紹介します。
半導体製造装置
半導体製造装置のランキング | |||
---|---|---|---|
会社名 | 売上高 | 平均年収 | 年間休日/備考 |
東京エレクトロン | 2.2兆円 | 1394万円 | 126日 半導体製造装置 |
アドバンテスト | 5601億円 | 1005万円 | 129日 半導体検査装置 |
SCREEN | 4608億円 | 1017万円 | 124日 半導体洗浄装置 |
ディスコ | 2841億円 | 1716万円 | 126日 半導体製造装置 |
アルバック | 2275億円 | 813万円 | 125日 半導体製造装置 |
東京精密 | 1468億円 | 798万円 | 125日 半導体製造装置 |
この業界はパソコン・スマートフォン需要でもともと好調だったところに、IoT需要・AI需要が重なり未曽有の好景気に沸いています。 報酬体系が次々に改善され、20代でも年収1000万円が可能な業界です。 半導体は「最終製品以外は」非常に好調ですので、ぜひ次の関連記事もご覧ください。
FA/工作機械メーカー
FA/工作機械メーカーのランキング | |||
---|---|---|---|
会社名 | 売上高 | 平均年収 | 年間休日/備考 |
キーエンス | 9224億円 | 2067万円 | 128日 FA |
オムロン | 8760億円 | 901万円 | 125日 FA |
ファナック | 8519億円 | 1502万円 | 125日 NC工作機械 |
安川電機 | 5559億円 | 863万円 | 125日 産業ロボット世界4強 |
この業界は「工場の自動化」を担う業界で、上述のIoTブームに乗じて世界的に流行しています。 実は、「パソコンで数値入力して機械が自動で切ったり削ったりする」のは日本のこの業界が発祥です。 現在は「生産性コンサルティング」とも呼べるビジネスモデルで、高収益体質になっています。
重電
重電メーカーのランキング | |||
---|---|---|---|
会社名 | 売上高 | 平均年収 | 年間休日/備考 |
富士電機 | 1.0兆円 | 776万円 | 128日 |
明電舎 | 2725億円 | 743万円 | 128日 |
ダイヘン | 1852億円 | 858万円 | 124日 隠れ優良企業 |
日東工業 | 1466億円 | 600万円 | 123日 |
日新電機 | 1321億円 | 715万円 | 127日 住友電工子会社 |
重電とは、発電や変電、分電盤など大出力の電力を扱う電気機械のことです。 主に顧客は発電所、つまりは東京電力や関西電力などの電力会社がメインになります。 なかなか一般消費者と接する機会はありませんが、実は生活と深くかかわっている会社です。
特にダイヘンは重電から発展して「溶接ロボット」や「搬送ロボット」といった産業電機で世界展開しており、 利益率が高い・自己資本比率が高いことから「隠れ優良企業」だと言えます。
精密機器
精密機器メーカーのランキング | |||
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会社名 | 売上高 | 平均年収 | 年間休日/備考 |
テルモ | 8202億円 | 743万円 | 125日 医療機器・医薬品 |
HOYA | 7235億円 | 741万円 | 125日 医療機器・半導体部品 |
ニプロ | 5451億円 | 574万円 | 120日以上 医療機器・医薬品 |
島津製作所 | 4822億円 | 859万円 | 125日 分析計測機器 |
シチズン時計 | 3013億円 | 714万円 | 126日 時計 |
セイコー | 2605億円 | 804万円 | 127日 時計・印刷機 |
トプコン | 2156億円 | 829万円 | 128日 医療機器 |
日機装 | 1926億円 | 616万円 | 123日 ポンプ |
東京計器 | 442億円 | 619万円 | 128日 計測・認識・制御 |
精密機器メーカーは病院で使う人工透析や人工臓器などの医療機器、 内視鏡やコンタクトレンズ等のレンズから派生して映像機器部品や、情報機器部品も取り扱っています。 またシチズン時計やセイコーホールディングスは腕時計の精密さから派生して、電子部品も手掛けています。
電子部品メーカー
電子部品メーカーのランキング | |||
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会社名 | 売上高 | 平均年収 | 年間休日/備考 |
ニデック | 2.2兆円 | 687万円 | 124日 産業モーター世界首位 |
TDK | 2.1兆円 | 790万円 | 125日 リチウムイオン電池 |
京セラ | 2.0兆円 | 723万円 | 125日 半導体部品 |
村田製作所 | 1.6兆円 | 803万円 | 123日 コンデンサ世界首位 |
ルネサスエレクトロニクス | 1.4兆円 | 890万円 | 125日 車載マイコン世界首位 |
ミネベアミツミ | 1.2兆円 | 729万円 | 121日 ベアリング |
アルプスアルパイン | 9331億円 | 624万円 | 122日 車載モジュール |
GSユアサ | 5177億円 | 948万円 | 126日 車載電池世界2位 |
ローム | 5078億円 | 856万円 | 126日 パワー半導体 |
横河電機 | 4564億円 | 886万円 | 124日 制御・計測 |
スタンレー電気 | 4377億円 | 598万円 | 121日 車載ランプ |
イビデン | 4175億円 | 733万円 | 123日 半導体パッケージ世界首位 |
ミツバ | 3195億円 | 530万円 | 121日 モーター・ワイパー |
太陽誘電 | 3195億円 | 734万円 | 126日 コンデンサ世界3位 |
新光電気工業 | 2863億円 | 742万円 | 126日 隠れ優良企業 |
ホシデン | 2772億円 | 685万円 | 129日 電子部品OEM |
サンケン電気 | 2253億円 | 704万円 | 124日 パワー半導体 |
浜松ホトニクス | 2214億円 | 772万円 | 121日 隠れ優良企業 |
ニチコン | 1847億円 | 635万円 | 122日 コンデンサ |
ヒロセ電機 | 1832億円 | 866万円 | 124日 隠れ優良企業 |
マブチモーター | 1786億円 | 695万円 | 127日 車載モーター世界首位 |
ウシオ電機 | 1750億円 | 762万円 | 125日 隠れ優良企業 |
メイコー | 1672億円 | 625万円 | 121日 プリント基板 |
日本ケミコン | 1618億円 | 632万円 | 122日 アルミ電解コンデンサ世界首位 |
市光工業 | 1458億円 | 628万円 | 121日 自動車部品 |
新電元工業 | 1010億円 | 744万円 | 129日 電源 |
「部品」と聞くとパッとしない印象かもしれません。ですが、BtoBビジネスの世界では「替えが利かない企業」が強いです。 特に村田製作所・TDK・ミネベアミツミ・GSユアサ・ミツバ・浜松ホトニクス・ウシオ電機は値段が高くても売れる強力な商品群を持っており、 年収・利益率ともに優良でおすすめです。
家電メーカーのランキング
MY就活ネットは家電メーカーの就職をおすすめしていません。 総じて利益率が低く、今後立て直せる見通しも立っていないためです。 日本企業はマーケティングが苦手で、テレビ・パソコン・携帯電話とすべて市場を失ってきた歴史があります。
一方で「知名度の高さ」ゆえに人気が高く、就職難易度は非常に高いというお買い損業界です。 ただし、この状況を理解した上で「マーケティング」を志し、アップルやグーグルを上回る「売れる商品」を生み出したい方は、これらの業界に挑戦してみましょう。
総合電機
総合電機メーカーのランキング | |||
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会社名 | 売上高 | 平均年収 | 年間休日/備考 |
ソニー | 11.5兆円 | 1113万円 | 126日 総合電機 |
日立製作所 | 10.8兆円 | 916万円 | 124日 総合電機 |
パナソニック | 8.3兆円 | 909万円 | 126日 総合電機 |
三菱電機 | 5.0兆円 | 827万円 | 122日 総合電機 |
富士通 | 3.7兆円 | 879万円 | 127日 総合電機 |
NEC | 3.3兆円 | 843万円 | 127日 総合電機 |
東芝 | 3.3兆円 | 926万円 | 124日 総合電機 |
シャープ | 2.5兆円 | 709万円 | 127日 総合電機 |
総合電機メーカーは家電で有名ですが、ソニー・パナソニック・シャープを除くと、 残りの企業は政府向け・法人向けのBtoBビジネスに軸足を移しています。 上記3社を除くと家電を前提とした志望動機はNGです。
情報・通信機器
情報・通信機器メーカーのランキング | |||
---|---|---|---|
会社名 | 売上高 | 平均年収 | 年間休日/備考 |
日清紡 | 5412億円 | 643万円 | 120日以上 無線通信 |
沖電気工業 | 3690億円 | 729万円 | 125日 レジ・ATM |
主にパソコンやスパコン、ITサービスや通信機器を得意としているメーカーです。 かつてNTTの民営化前は栄華を誇った業界ですが、現在は富士通と日清紡による買収で業界再編が進み、企業の数を減らしています。 ちなみに「半導体はオワコン」という文脈で言われているのはこの業界のことです。
音響・映像機器
音響・映像機器メーカーのランキング | |||
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会社名 | 売上高 | 平均年収 | 年間休日/備考 |
JVCケンウッド | 3369億円 | 697万円 | 126日 車載機器 |
ジャパンディスプレイ | 2707億円 | 725万円 | 124日 液晶 |
カシオ計算機 | 2638億円 | 816万円 | 125日 時計・電卓 |
パイオニア | 1927億円 | 非公開 | 125日 車載機器 |
フォスター電機 | 1213億円 | 667万円 | 125日 車載機器 |
音響・映像機器は有名企業が多い一方で、かつてのテレビ事業の失敗等で会社数を減らし、 またカーナビ企業は買収により外資系企業傘下に収まるなどして業界が縮小しています。 このように、メディアに特化した電機メーカーということができます。
光学機器
光学機器メーカーのランキング | |||
---|---|---|---|
会社名 | 売上高 | 平均年収 | 年間休日/備考 |
キヤノン | 4.1兆円 | 832万円 | 125日 プリンター |
リコー | 2.1兆円 | 839万円 | 125日 プリンター |
コニカミノルタ | 1.1兆円 | 744万円 | 125日 プリンター |
オリンパス | 8819億円 | 862万円 | 129日 医療機器 |
ニコン | 6281億円 | 862万円 | 128日 カメラ |
東芝テック | 5107億円 | 750万円 | 128日 プリンター |
これらの企業はデジカメやプリンタ、オフィスやコンビニ用の複合機を主力としている電機メーカーです。 もともとカメラ屋さんだった会社が多く、カメラの技術やプリンタの技術を駆使して成長してきた産業です。 これらは画像や印刷に特化した電機メーカーということができます。
また、化学メーカーの富士フイルムも、子会社を通じてプリンター、デジカメ事業を行っていますので併せて見ておきましょう。
電機メーカーへの就職
電機メーカーへの就職について、難易度や選考、エントリーシートの書き方などを解説します。 インターンシップや選考に乗り遅れないよう注意しましょう。
就職難易度
BtoC | 非常に高い |
---|---|
BtoB | 低い |
電機メーカーの就職難易度は、「BtoC企業は非常に高い」ですが、「BtoB企業は低い」です。
BtoC(総合電機・音響・映像)は学生への知名度が高く、採用倍率が60~270倍に及び、内定確率が1%を下回ることも珍しくありません。 特に総合電機メーカーでは、学歴フィルターがMARCH・関関同立以上と、難関大学の採用実績しかない会社も多いです。
一方でBtoB(半導体・FA・重電・電子部品)は知名度が低く、世界的な大手企業であっても採用倍率が10~40倍程度と低く、穴場企業が多いです。 半導体・FA/工作機械は年収の高い勝ち組業界ですが、就職難易度が低く、お買い得だと言えます。
どちらを志望する場合でも、インターン優遇の早期選考を狙うのが有利です。 大学3年生の早い段階で志望企業を定め、積極的に接触を重ねていきましょう。
選考
インターン参加で優遇選考を目指そう!
電機メーカーの選考は、不透明です。 特に家電などBtoC企業ではリクルーター面接を実施する会社が多く、自分やライバルがどの段階にいるのかわかりません。 リク面で落ちると本選考にのれない場合もあれば、普通に一次面接に呼ばれたりもします。
ですがBtoB企業は比較的透明で、リクルーター面接はなく、純粋に書類選考と面接で合否が決まります。
インターンシップ参加者限定の早期選考を実施する企業が多く、 またそうでない場合も選考で有利に働き、また志望動機の作成もしやすくなります。 志望度が高い企業の場合は、なるべく参加するようにしましょう。
必要な英語力
TOEICスコアの高低よりも、やる気を見せよう!
電機メーカーへの就職には英語が必須です。 海外展開をしている企業が多く、また今後内需が見込めないことから海外志向も求められます。 TOEICなら700~750点程度あるとよいでしょう。
ですが、就活の時点でTOEICでスコアがとれている必要はありません。 私が説明会に参加したときも「TOEIC600点しかないけど入社していきなり海外赴任した」という方もいました。
これはどういうことかというと、英語力は入社後に強化することもできるからです。 会社として英語の研修制度をもうけていたり、海外赴任が決まった時点で英語教室に通えば間に合う面もあり、 「今」高得点がとれている必要はないのです。
とはいえ、英語を勉強する意欲があるかどうかは問われます。 たいしたスコアが取れなくてもTOEICを受験しておいて、 「海外赴任を目指して勉強中です!」と言えたら合格です。
電機メーカーへの就職は難しい?
BtoBメーカーがねらい目!
「電機メーカーへの就職は難しい」と言われがちですが、実はそうではありません。 就職が難しいのは知名度が高い大手BtoCメーカーです。 例えば三菱電機・日立製作所・ソニー・パナソニックなどです。
テレビCMや広告を通じて知名度の高いBtoCメーカーはどの就活生でも知っている企業群であり、 それゆえ選考への応募が殺到しがちです。 このため旧帝大や早慶といった高学歴な学生が集まり、就活は激戦となります。
ですが、一般消費者を相手にしていないBtoBメーカーは難しくありません。 就活生への知名度が低いためライバルが少なく、学歴フィルターにひっかかりにくいのです。
知名度が低いのは一般消費者を相手にしていないからというだけで、 上記で紹介した電機メーカーはどれもビジネスの世界では超有名で、欠かすことができない企業群です。 世界トップシェアを取る会社も多く、決して劣っているわけではありません。
特にインターンシップを通じて会社と早期に接触すれば、裏ルートで有利に内定をもらえる可能性が高く、 知っている人ほどトクをするのが電機メーカーへの就活の特徴です。
また、「就職難易度の低い業界」については次の関連記事でも多数紹介しています。
文系でも就職できる?
文系にも重要な役割がある!
電機メーカーは文系でも就職できます。文系ならではのスキルが今後必要になるためです。 電機メーカーというとバリバリの理系の職業のように思われがちです。確かに「製造」の面では理系の技術的な知識や能力が活かされ、 商品開発のためにたくさんの理系の学生を採用します。
採用人数も文系は20~30人と、理系の半分以下の人数しか採用されません。 だからといって文系が電機メーカーに就職ができないわけではありません。 先ほども述べた通り、BtoBメーカーは知名度が低く、ライバルが少ないからです。
確かに文系だと「設計」や「研究開発」といった仕事には就きませんが、 法人営業の他、生産管理や調達、また経理や法務、人事といった間接部門もあります。
特に営業は文系の独壇場で、ほぼ文系の就職先といってよいでしょう。 今後は「良いものをつくる」だけでなく、「マーケティング」で商品開発や市場調査をし、 「売れるモノ」を生み出す役割が期待されます。
電機メーカーへの就職で文系が不利ということは決してないと言えます。
年収は低い?
平均年収は当てにならない!
電機メーカーの平均年収は600~700万円台の企業が多く、「年収が低いのでは?」と気になる方も多いでしょう。 確かにキーエンス(1861万円)やファナック(1318万円)、富士フイルム(1070万円)、横河電機(976万円)、東京エレクトロン(949万円)以外では、 目だった企業がありません。
ですが、これで年収が安いと決まったわけではありません。 「平均年収」は当てにならないでも解説していますが、特に現業職を多く抱えるメーカー企業は、 平均年収はかなり低く算出されるからです。
平均年収は、上場企業が毎年公開する有価証券報告書に記載があります。 ですがこれは、提出企業の全従業員の年収を割ったものにすぎません。 メーカーでは現業職や一般職を多く抱えるため、その分「平均年収」を押し下げているというわけです。
そのため総合職として就職する限り、メーカーは「平均年収」より高い給料がもらえると思ってよいでしょう。
一方で富士フイルムホールディングスやSCREENホールディングスなど「持株会社」体制をとっている企業では、 「持株会社」に在籍している従業員だけですから、総合職の給料しか入っていません。 それどころか経理や法務などの一部の従業員しか含まれていませんので、正確性に欠けます。
正確な「総合職平均年収」は就職四季報の取材に対して公表する会社もありますが、 ほとんどの企業は公開していません。ですので「平均年収」の数十万円の差で給料が高い、安いを判断してはいけません。
電機メーカーの志望動機
ビジョンの一致をアピールしよう!
電機メーカーの志望動機は、次のようなものが考えられます。
技術革新による社会貢献 | この業界は、日々進化する技術を通じて、私たちの生活をより便利で快適にする製品やサービスを提供しています。家電製品からエネルギー管理、AIやIoTを活用したスマートシステムに至るまで、電機メーカーが生み出す技術革新は、人々の暮らしや社会全体に多大な影響を与えています。このような技術を通じて、より良い未来を創ることができる点に強く魅力を感じます。 |
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幅広い事業領域と可能性 | この業界は、家庭用電化製品、エネルギーソリューション、産業機器、ヘルスケア、ITインフラなど、幅広い分野で事業を展開しています。この多様性により、1つの企業内でさまざまな分野に携わり、自分の専門性を活かしながらも新しい挑戦ができる環境があります。異なる分野を横断する経験が、さらなる成長に繋がると考えています。 |
持続可能な社会への貢献 | この業界は、エネルギー効率化や再生可能エネルギーの普及、環境負荷を軽減する製品開発など、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを行っています。これらの事業を通じて、環境問題の解決に貢献できる点に意義を感じ、社会課題の解決に携わることで自身の成長も実現できると考えています。 |
生活に直結した製品の開発 | 電機メーカーの製品は、私たちの日常生活に直接関わるものが多く、身近な形で社会に影響を与えることができます。自分が関わった製品が人々の生活を支え、日々の利便性や快適性を向上させる姿を想像すると、大きなやりがいを感じます。また、製品が形となり目に見える成果として社会に提供される点が、仕事の魅力だと考えています。 |
グローバル展開のチャンス | 多くの電機メーカーは、世界中で事業を展開しており、グローバルな視点で働くチャンスがあります。海外市場での製品開発やマーケティングに携わることで、自分の視野を広げ、異文化でのビジネス経験を積むことができます。このようなグローバルな環境での挑戦が、自身の成長に繋がると感じています。 |
イノベーションに挑戦する企業文化 | この業界は、常に新しい技術や製品を生み出す挑戦的な企業文化を持っています。このような環境で、自分のアイデアを形にし、技術的・社会的な課題を解決することで、自己実現を図りたいと考えています。 |
上記は、「なぜ電機メーカーを選ぶのか」という「業界の志望動機」を問われた際の回答例です。 一方の個社については「社風への共感」を理由にすることをおすすめしています。
特にこの業界の文系の役割は「企業ブランドの育成」にあります。 例えば「防災を重視する会社」には「防災に熱意のある学生」が内定をもらうということです。 そこで、志望動機は「ものづくり」「技術力」などではなく、「就職活動の軸と社風の一致」にするべきなのです。
書き方の詳細については、次の関連記事で解説しています。メーカー志望の方なら誰でも使える内容ですので、ぜひご覧ください。