【就活】非鉄金属メーカー15社!業界研究・ランキング・ホワイトな理由
非鉄金属メーカーは鉄以外の金属、例えばアルミニウムやマグネシウムといった軽金属、 銅やスズなどのベースメタル、ニッケルやクロムなどのレアメタル、金や白金などの貴金属などを製造する業界です。 そしてその素材を使って自動車部品や電線までつくる会社もあります。
この記事の要点
- 就職難易度は、財閥系以外は穴場!
- インターン参加で学歴もひっくり返そう!
- 素材メーカーならではの、好待遇でホワイトな業界!
- 利益の取れる高機能品で、将来性が高い!
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非鉄金属メーカーの就活
非鉄金属メーカーへの就職について解説します。 インターンシップや選考に乗り遅れないよう注意しましょう。
就職難易度
就職難易度は、財閥系のみ高め!その他は穴場!
非鉄金属メーカーの就職難易度は低いです。 競争倍率は20~40倍で、有名BtoC企業に比べると10倍受かりやすいです。 ただし、財閥系企業は比較的人気が高く、そちらの難易度は高めになります。
財閥系には住友電気工業・三菱マテリアル・住友金属鉱山・古河電気工業が当てはまり、内定者は東京大、京都大、大阪大、神戸大などで旧帝大や上位国立大学で大半を占めます。 ですが、インターンシップの段階で完成度の高いESをつくっていれば、高学歴でなくともチャンスはあります。 このような機会を利用して早期に接触していけば、企業研究の面でも選考の面でも、有利に戦うことができるでしょう。
また、必ずしも体育会系でないと受からないということはありませんし、 留学経験や起業経験が必要ということもありません。 「就職活動の軸」と「経営理念」の一致をアピールしていけば、合格の目はあります。
各社ともに必要なTOEICスコアは明示されていませんが、730点ほしいところです。 かなりグローバルな企業であり、仕事上で英語は必須になってくるためです。
ただし、スコアが絶対かというと、そうではありません。 というのも英語はいずれ身につくものであり、現時点でペラペラに話せる必要はなく、入社後でも鍛えられるためです。 一方で英語への意欲は示さなければなりませんので、少なくとも受験してESにスコアを書くくらいはしましょう。
また、「就職難易度の低い業界」については次の関連記事でも多数紹介しています。
選考プロセス
早期応募が重要!
非鉄金属メーカーの選考は、リクルーター面接を中心に行われます。 合格し続ける限り何度も呼ばれ、人によって3~10回ほどリクルーター面接を繰り返します。 晴れてすべて通過すると、最終面接に呼ばれます。
リクルーター面接に失敗すると、もうチャンスはないと思ったほうがよいでしょう。 それゆえ早期に会社説明会に参加することと、エントリーシート完成度を高めておくことは必須です。
非鉄金属メーカーは会社の数が多いので、早めにエントリーシートの原案を作成しておいて、 就活が解禁されるまでにブラッシュアップしておく必要があります。 解禁されたらすぐに会社説明会が始まり、リクルーター面接も始まります。
重要なのが、エントリーシートです。インターンの段階で完成度を高めておけば、他の就活生に比べて大いに有利になります。 そしてリクルーター面接でも、ESの完成度の高い人ほど回数が少なく済み、また通過率もアップします。
エントリーシート
「将来の夢」実現ストーリーをつくろう!
非鉄金属メーカーへのエントリーシートの書き方は、就職活動の軸を前提に「『将来の夢』実現ストーリー」をつくり、 同社の「経営理念・ビジョン・社風」と一致した志をアピールすることです。 最終的には「将来の夢を実現するために、貴社のビジネスに携わらなければならない」と結論付けます。
実はESは、「『将来の夢』実現ストーリー」を書くものなのをご存知でしょうか。 ESはどの会社も以下の三部作構成になっています。
- (過去編):学生時代頑張ったこと:将来の夢に向かって今まで何をしてきたか
- (現在編):長所・短所:将来の夢の実現にあたって現状の自分を把握できているか
- (未来編):なぜこの会社を選んだのか・この会社に入って挑戦したいこと:何をして将来の夢の実現するか
ストーリーの作り方は【例文】エントリーシートの書き方|「おっ」と思わせる!で解説していますが、 ES本番を待つのではなく、インターンの段階でこれができていれば、かなり有利です。
同社の選考においても「就職活動の軸」を前提として、「過去編」「現在編」「未来編」の三部作構成でESを書き、 最終的には実現するには貴社のビジネスに携わるしかないという結論に持っていくのです。
ですから、採用ページのプロジェクトや社員紹介などを熟読し、 会社には何を目指す社風があるのかをじっくり研究し、志望動機に絡めていきましょう。
特に「なぜ非鉄金属メーカーなのか」「なぜこの会社なのか」は面接でも突っ込んで問われますので、 「将来の夢(就職活動の軸)」が会社の経営理念・社風・ビジョンと関係があれば書きやすいですね。 「この会社に入って挑戦したいこと」もぜひ参照してください。
志望動機
ビジョンの一致をアピールしよう!
非鉄金属メーカーの志望動機の書き方は、会社の「経営理念・ビジョン・社風」と自分の「就職活動の軸」の一致をアピールし、 「将来の夢を実現するために、貴社のビジネスに携わらなければならない」と結論付けることです。
メーカーではよく「ものづくり」を志望動機に含める方が多いですが、それは理系の仕事です。 文系の役割は「企業のブランドの育成」にあり、BtoCはもちろん、BtoBでも例外ではなく、「企業の社風」に一致した学生が内定をもらいます。 そこで、志望動機は「ものづくり」「技術力」などではなく、「就職活動の軸と社風の一致」にするべきなのです。
書き方の詳細については、次の関連記事で解説しています。メーカー志望の方なら誰でも使える内容ですので、ぜひご覧ください。
また、「Unistyle」という就活サイトでは実際に内定を取ったエントリーシートが無料で読み放題です。 この業界はもちろん、あなたの志望企業に内定した歴代就活生がどう書いたのかを見れば、 ESの方向性が合っているかどうか確認することができます。これを使わない手はありませんね。
ランキング
電線御三家がアツい!
非鉄金属メーカーを売上高でランキングにし、平均年収とともに一覧にしました。
非鉄金属メーカーのランキング | |||
---|---|---|---|
会社名 | 売上高 | 平均年収 | 年間休日/備考 |
住友電気工業 | 4.0兆円 | 779万円 | 121日 電線御三家 |
三菱マテリアル | 1.6兆円 | 697万円 | 126日 銅・ニッケル・セメント |
住友金属鉱山 | 1.4兆円 | 835万円 | 125日 銅・ニッケル・金 |
古河電気工業 | 1.0兆円 | 685万円 | 121日 電線御三家 |
UACJ | 9628億円 | 718万円 | 121日 アルミニウム |
フジクラ | 8064億円 | 770万円 | 121日 電線御三家 |
DOWA | 7800億円 | 866万円 | 123日 銅・亜鉛・レアメタル |
日本軽金属 | 5169億円 | 1031万円 | 120日 アルミニウム |
ARE | 2924億円 | 911万円 | 120日 貴金属・レアメタル |
リョービ | 2826億円 | 662万円 | 120日 ダイカスト |
大紀アルミニウム | 2730億円 | 781万円 | 115日 アルミニウム |
古河機械金属 | 2141億円 | 797万円 | 121日 銅・金・銀 |
SWCC | 2091億円 | 734万円 | 121日 銅・電線 |
東邦亜鉛 | 1457億円 | 580万円 | 112日 亜鉛・鉛 |
アーレスティ | 1409億円 | 557万円 | 120日 ダイカスト |
この中で、住友電気工業・古河電気工業・フジクラは「電線御三家」と呼ばれる企業群です。 電線技術を基にした「ワイヤーハーネス」や「光ファイバケーブル」などを得意とし、 特に住友電気工業は売上高の50%を自動車向けの製品が占めていて、ワイヤーハーネスでは世界シェアNo.1で25%を占めています。
三菱マテリアルや住友金属鉱山は銅やニッケルの鉱山権益を海外に持ち、日本に持ち帰って精錬し、販売しています。 (三菱マテリアルは銅やニッケルに加えてセメントやアルミニウムの製造も手掛けています。)
UACJと日本軽金属ホールディングスはアルミニウムが強く、アルミ缶や自動車部品につかわれます。 アルミニウムは耐食性があり(錆びにくい)、建築材料として人気があり、一定の需要があります。 現在、日本国内ではアルミニウムについて、この2社が覇権を争っている状況です。
その他にも知名度の低い隠れ優良企業を紹介しています。 ホワイト企業を狙う皆さんはぜひ、「隠れ優良企業」の記事を参照してください。
非鉄金属メーカーの特徴
素材より部品事業がアツい!
非鉄金属メーカーの特徴は、素材をつくるだけでなく、それを加工した部品や工具などまで製造を手掛けていることです。
「電線御三家」と呼ばれる住友電気工業、古河電気工業、フジクラは、 銅をつくった上で「電線」に加工し、また自動車部品の「ワイヤーハーネス」も得意としています。 また住友金属鉱山は鉱山を自社開発するなど、鉄鋼メーカーより踏み込んだ事業を行っています。
非鉄金属メーカーは、生産している製品によってさらに細分化できますが、 就活で行くような大手企業・中堅企業は「銅」と「アルミ」がメインです。
過去には日本にも銅山がありましたが、現在では日本の銅山で銅を掘るのは高コストで、 海外で銅山の権益を確保し、日本に原料を持ち込む会社がほとんどです。 銅山の権益を確保したのは1970年代~90年代で、現在でも安定的な収益を確保しています。
鉄鋼メーカーと異なり、「高炉」や「電炉」による区別はなく、 基本的にどこも鉱物から精錬(不純物を取り除く)し、また金属リサイクルも行っています。
銅やアルミの使い道は多岐にわたり、自動車部品や電気機械の部品に限らず、 電線や建材、工具、家具など幅広く提供している点で、 私たち一般消費者もなんらかの商品を通じて非鉄金属メーカーと関わっています。
また、鉄鋼に比べて非鉄金属は使用量が世界的に少ないため、 企業規模も鉄鋼メーカーの日本製鉄やJFEスチールには及ばないものの、鉱山の権益による安定収益で「優良企業」とされます。
ホワイトな業界
ホワイト企業が多い!
非鉄金属業界はホワイトで、残業時間が月10~20時間、有給取得が年10日以上と、 ワークライフバランスがかなりとれている業界だと言えます。その理由は次の2点です。
- 労働組合が比較的強いため
- 産業の上流工程に位置するため
その証拠となるデータを一覧にしましたので、ご覧ください。
非鉄金属メーカーのホワイトなデータ | ||
---|---|---|
会社名 | 残業時間(月) | 有給取得日数 |
住友電気工業 | 19.0時間 | 16.1日 |
三菱マテリアル | 20.7時間 | 16.8日 |
住友金属鉱山 | 13.5時間 | 19.1日 |
古河電気工業 | 23.2時間 | 15.2日 |
UACJ | 22.1時間 | 15.3日 |
日本軽金属ホールディングス | 16.6時間 | 11.1日 |
DOWAホールディングス | 19.2時間 | 12.7日 |
リョービ | 25.2時間 | 11.7日 |
昭和電線 | 21.0時間 | 13.5日 |
古河機械金属 | 25.4時間 | 9.6日 |
アーレスティ | 11.4時間 | 13.6日 |
東邦亜鉛 | 8.6時間 | 11.8日 |
アサヒホールディングス | 9.6時間 | 11.3日 |
※データは「就職四季報」参照。
実際にメーカー勤務経験のある私としては、残業時間は20~30時間程度が「残業代・充実感・生活」のバランスが取れていたと思います。 それくらいの残業時間の場合、勤務時間が過ぎるのが早く、月収5~7万円が上乗せになります。 ですから、非鉄金属メーカーはちょうどいい・むしろ少な目の部類ですね。
特に住友金属鉱山は、月初を除く水曜日をノー残業デーとしており、有給取得率が80%を超える上に、年間休日が122日ありますから、 実質年間140日が休みという絵に描いたようなホワイト企業です。
ここからは、ホワイトである理由を解説します。
理由1:労働組合が比較的強いため
労働組合が強いと、会社に対して待遇改善を求めるため、残業時間や有給取得率は改善されていきます。 加えて給料のベースアップ・ボーナスアップも実現しやすく、これが非鉄金属業界がホワイトである理由の1つです。
これは「会社と戦う」という意味ではなく、「現業職が多い」ことによります。 現業職は利益を出す主体ではなく、また出世も見込めない一方で、現業職がいないと会社はビジネスにならないという重要な地位でもあるため、 会社に待遇改善を求めるのがオトクです。
総合職ばかりの会社では、出世を気にして「給料を上げてほしい」「もっと休みたい」などと言いにくいですから、 現業職の多い非鉄金属業界は構造的にホワイト企業になりやすいというわけです。
大卒総合職も「ユニオンショップ協定」のために労働組合に強制加入させられますが、 待遇改善は現業職が中心となって求めてくれて、言葉は悪いですが総合職は黙っていても恩恵を享受できます。
理由2:産業の上流工程に位置するため
産業の上流工程に位置する企業は、ホワイト企業になりやすいです。 なぜなら、自社の売上は顧客の売上次第な面があり、必要以上に頑張っても意味がないからです。
例えば自動車用ワイヤーハーネスなら、「自動車」が売れなければハーネスも必要ありません。 消費者に近いところほど「消費者のご機嫌をとる」必要があり、それこそ無限に働けてしまいます。
一方で非鉄金属メーカーは、自動車メーカーのご機嫌をとってもそれで自動車が売れるようになるわけではありません。 ゆえに、深夜残業や休日出勤をしても経費がかかるだけで、無駄に働く意味がないのです。
このように「何かの材料」を手がける会社をまとめて「素材メーカー」と呼び、鉄鋼メーカー・非鉄金属メーカー・化学メーカーが含まれます。 ホワイト企業が多く、給料が高めで残業も少なく、経営が安定しているという特徴がありますので、会社選びの際は次の関連記事をぜひ参考にしてください。
年収は低い?
非鉄金属メーカーは平均年収500~600万円と公表しており、「年収は低いのでは?」と思う方が多いでしょう。 しかし、ホールディングスの形態を採っている会社や、「総合職平均」は1000万円近い平均年収になっています。
これは「平均年収」は当てにならないでも解説していますが、 現業職を多く抱えるメーカー企業では、各社の計算方法によって平均年収はかなり低く算出されるためです。
平均年収は、上場企業が毎年公開する有価証券報告書に記載があります。 ですがこれは、提出企業の全従業員の年収を割ったものにすぎません。 メーカーでは現業職や一般職を多く抱えるため、その分「平均年収」を押し下げているというわけです。
そのため総合職として就職する限り、非鉄金属メーカーは「平均年収」より高い給料がもらえると思ってよいでしょう。
正確な「総合職平均年収」は就職四季報の取材に対して公表する会社もありますが、 ほとんどの企業は公開していません。ですので「平均年収」の数十万円の差で給料が高い、安いを判断してはいけません。
将来性は高い
半導体と自動車部品が儲かる!
非鉄金属メーカーの将来性は高いです。 その理由は、半導体・自動車部品・電線の3つの分野で今後需要が伸びることが期待されるからです。
半導体は近年、需要が急増しています。IoTに始まる自動化ニーズがあり、センサーや無線通信などを通じて、 ICチップなどの半導体部品を製造設備に取り付けます。またスマートフォンのように個人で持つ半導体機器も増加しています。 半導体製品には様々な金属類が利用されていて、非鉄金属メーカーの活躍余地は非常に大きいです。
また自動車部品でも「ワイヤーハーネス」のようにEV化でも不要にならないものを、非鉄金属メーカーが取り扱っています。 新興国の成長に伴って自動車需要は伸び続けており、「電気」の取扱いに長けた同業界の仕事も増えていきます。
そして電線は、再生可能エネルギーの普及に伴って需要拡大が見込まれています。 風力発電や太陽光発電は、都心部から離れた山間部・海岸沿いに設置される傾向がありますから、 そこから都心部へ接続する新たな送電網が必要になります。
これらの理由から、非鉄金属メーカーの今後は明るいです。
MY就活ネットでは、この他にも多数の業界研究記事を用意しています。 優良企業の見落としを防ぐため、さまざまな業界を調べてみましょう。
12月の今から最短で内定をもらうには?
大企業を狙うならスカウト型!
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早期選考にまだ間に合う!
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→「ジョブトラ」に参加する
志望企業の内定者はどう書いた?内定エントリーシートを見よう!(その1)
模範解答があれば憂いなし!
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自分にぴったりのインターンシップを見つけよう
インターンから内定まで口コミが満載!
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著者:村田 泰基(むらた やすき)
合同会社レセンザ代表社員。1989年生まれ。大阪大学法学部卒。2013卒として就活をし、某上場企業(メーカー事務系総合職)に入社。
その後ビジネスの面白さに目覚め、2019年に法人設立。会社経営者としての経験や建設業経理士2級の知識、自身の失敗経験、300冊以上のビジネス書・日経ビジネスを元に、11年間に渡り学生の就職活動を支援している。
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