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大企業の子会社への就職【就活】

 就活において見落としがちなのは、大企業の子会社です。 親会社にいじめられるんじゃないかとか、立場が弱いとか、それは下請け会社の話です。 実は大企業の子会社にはメリットがいっぱいです。

 ここでは、大企業子会社の魅力を解説します。 

 

大企業の子会社とは?

 たとえば住友電気工業の場合、住友電工スチールワイヤー、住友電工情報システムのような、 親会社(ここでは住友電気工業)が出資して設立している子会社です。 子会社の株式は親会社が100%、あるいは50%以上を持っており、親会社は子会社を操ることができます。

 しかし「大企業が株主に操られて給料が下がる」なんてことがないのと同様に、 いくら親会社とはいっても子会社の守秘義務を侵害することはできません。 意外と子会社の権利は守られているのです。

 富士フイルムがそうですが、「ホールディングス」という持株会社の形態をとって、 「ホールディングス」が親会社、子会社ともに子会社化している会社もあります。

 この場合でも最も発言権のある会社は、ホールディングスと同じ名前の会社です。 源流企業です。源流企業は親会社と同じように扱われますので、ここではそれ以外の子会社について書くこととします。

 

子会社の魅力

 「親会社ほど待遇よくないんじゃない?だって子会社だし」 そうとも限りません。子会社がなぜ子会社でいるのかというと、 親会社にとってなくてはならない会社だからです。 いらない会社だったら売り払ってしまえばいいはずです。

 重要な技術を持って分離した子会社、社内ベンチャーで設立してうまくいっている子会社などさまざまですが、 義理と人情が重んじられるのが日本の会社です。

 子会社が弱っているときは親会社が助ける義務のようなものがあります。

 私のいる業界は、業界全体が大不況に襲われた時期がありましたが、 それでも子会社の言い値で仕事を与えて赤字をすべて親会社が負担していました。 子会社は大事な技術を持っているのでつぶれても困ります。

 それだけではありません。

 子会社が儲かった時、親会社にお金を納める必要はありません。

 それが親会社と子会社の関係だからです。子会社は儲かったら従業員のボーナスにします。 給与は損益計算書上、経費に含まれますから、利益を株主配当として親会社に納めるくらいなら給与にしてしまうのが子会社です。 これは私の会社でも、友人たちの会社でも同じでした。

 子会社は工場を持っていないことが多いです。

 それが何のメリットかというと、労働組合が総合職ばかりで、 残業の上限設定が厳しくなく、残業代が満額支払われる場合が多いということです。

 親会社より子会社のほうが年収が高い場合も多いのです。 私が入社して一番驚いたのは、子会社は30代前半で年収が1000万円を超えるということです。

 もちろんうちの子会社は年収が高い企業ランキングになんか載っていません。 それどころか子会社なので、就活サイトなどで紹介されることもありません。 でも年収は1000万を軽く超えます。おそろしいことです。

 しかし筆者の周りには古くから存続する大企業に行った人しかいませんので、 新興の大企業のグループ子会社や、小さい企業の子会社、孫会社については知りません。

 古い大企業の子会社は親会社以上に待遇がいい場合がある ということは知っていて損はしないでしょう。就職の際にも考慮に入れることをおすすめします。

 

子会社への出向

 親会社に就職して、子会社出向する場合があります。 大企業で、子会社がたくさんあるグループ会社では、キャリアアップの一環として子会社に出向し、 親会社に戻ってきて課長や部長に昇進するということも多いです。

 しかし子会社への出向では、待遇は親会社のままです。 こういった出向は在籍出向といい、親会社に戻ってくるのが前提です。 在籍出向の場合は給料や福利厚生は親会社のままで、仕事だけ子会社になるのです。

 一方で転籍出向の場合は、親会社に戻りません。子会社への片道切符です。 このため転籍出向を命じられた社員は「左遷された」と感じることが多いです。

 転籍出向をすると、給料も福利厚生も子会社の制度に従うことになります。 さて、子会社の給料や福利厚生はどんなものでしょうか。

 上記で述べたように、大企業であるほど子会社の待遇は良いものです。 そして古い会社ほど子会社の待遇は良いです。もちろんその子会社がもうかっていればの話ではありますが。

 私の会社では、ボーナスは月給の2.7ヶ月分×2回(夏・冬)ですが、子会社では3.3ヶ月分×2回(夏・冬)出ます。 子会社に出向になって年収がかなり上がったという人も多いです。 一方で子会社から転籍出向してきた人たちは、年収が下がったと嘆いています(笑)

 

子会社のリスク

 大手企業子会社にもリスクはあります

 それは、事業整理による売却の可能性があることです。 記憶に新しいところでは、コマツグループのコマツハウスの事例があります。 コマツハウスはコマツグループに属していたプレハブメーカーで、グループ内で唯一、建築事業を行っていた会社です。

 コマツは2016年4月いっぱいで、完全子会社のコマツハウスを日成ビルド工業に売却しました。 表向きは「コマツハウスと日成ビルド工業のシナジー効果による両社のさらなる成長のため」とされています。 しかし現実は違います。

 2015年には三井住友建設、旭化成建材の杭基礎の事件がありました。杭の長さが足りていないにも関わらず、 そのまま施工してマンションが傾いてしまった事件です。 事件で問題となったのは「旭化成建材」でしたが、最終的に誰が責任を取らされたでしょうか。

 そうです。親会社の旭化成の社長です。

 コマツが恐れたのは、建機事業とかなり離れた建築事業でもし不祥事が起きれば、 コマツ本体の責任問題になり、建機事業にも悪影響を及ぼしかねないどころかほとんど関係のないコマツの社長が責任を取らなければならないことです。

 こうしてコマツハウスは日成ビルド工業に売却され、社名も「システムハウスアールアンドシー」という、 「コマツ」とはまったく関係のなさそうな名前に変えることになったということは、疑う余地がありません。

 親会社の事業と離れている場合、親会社にとっては売却してもせいぜいその会社が出す利益が手に入らない程度で、 それほど困ることはないどころか、親会社が背負っていたリスクを減らすことができます。

 大手企業の子会社を志望する際は、親会社にとって必要な子会社かどうかをよく検討する必要があるでしょう。